2024年最後の遠征先は伊豆。冬場ゆえに行き先は限られる中、前年の年末企画が東伊豆だったので、今年は西伊豆へ行ってみようかと。ただしいつものごとく途中でどこかへ立ち寄り入浴するつもりだ。立ち寄り先の腹案を練って出発したところ、あまりに天気が良くて富士山がきれいに見える状況だったことから、急きょ三島市のゆうだい温泉に目標を変更した。
ここのお風呂は富士の絶景を売りにしているのだ。(1)一人旅ゆえ自分の考えひとつで自由に動ける、(2)交通手段が車のため融通が利く、(3)すっきりと晴れ渡った青空…こんな好条件が揃う日であれば行くしかないでしょう。名前通りの雄大な景色と温泉を楽しんだ。
ゆうだい温泉へのアクセス
あまりに富士山の見え具合が良かったので
ゆうだい温泉はゴルフ場「三島カントリークラブ」とイコールだと思ってかまわない…ゴルフ目的でなく温泉のためだけに訪れるのはもちろんOK。で、近くに鉄道駅があるかといえば、ない。JR東海道線・新幹線の三島駅、御殿場線の裾野駅と長泉なめり駅、いずれも5km以上離れている。
隣接地がニュータウンになっていて、その中の見晴台公園という停留所まで三島駅からの路線バス便が設定されているが、平日しか走ってないっぽい。一番確実なのは、当館が三島駅との間で運行している送迎バスを利用することだ。
自分はマイカーで。出発時点からいい天気だったけど、東名足柄SAで休憩していたら富士山が超ばっちり見えたことから「こんな日こそ、ゆうだい温泉に行くべきなのでは?」と考え直したのだった。
駐車難民化に注意
はい、予定変更。いつも中伊豆・西伊豆へ行くときは御殿場JCTから新東名へ入るところ、今日はカーナビに従って東名で裾野ICまで行った。あとは下道で、カーナビまかせでよくわからないままに現地へ向かった。
途中から丘陵地を登るような急坂が続き、だんだん山の中みたいになってきたなと思ったら、いきなり開けたニュータウンの脇を通るようになった。立派な戸建てが整然と並び、犬の散歩やウォーキングをしている住民の皆様らしき姿がちらほら。急に雰囲気変わったな~。とかいってる間に現地に到着。
駐車場はそれなりの収容力なのに、休日&ゴルフ客の車も混ざるからだろう、すでにほぼびっちり満車状態であった。あやうく駐車難民化したあげくに温泉にも入れずスゴスゴと退散する羽目になるところだった。あぶねー。ちなみに冒頭写真が温泉館で、こちらがゴルフのクラブハウス。
温泉を抜きにしても絶景展望スポットだった
休憩処から眺める富士山
では入館。玄関からフロント・お土産コーナー・レストラン入口を見通すアングルで視線を向けるとこうなる。
フロントでは下足箱の鍵と引き換えに一括精算用の腕輪を受け取る。料金体系の主な2つは、館内着・タオル付きでフリータイムのレギュラーコースと、館内着・タオルなしで平日3時間/休日2時間の時間制コース。今回は時間制で十分だ。休日は890円。
3階建ての温泉館の2階は休憩&くつろぎ処。畳の広間ではないモダンな空間だ。軽食売店があり、一部の席では飲食OK。またマンガコーナーもある。そして窓際のカウンター席からは富士山を拝める。
屋上のスカイテラスは見逃せない
3階の温泉大浴場は後回しにして、先に屋上へ行ってみた。スカイテラスなる足湯&展望コーナーになっている。
どうせお風呂に入るからと足湯はパス。すでにファミリーが団らん中のところに割り込んで邪魔しちゃ悪いし。富士山だけ見学させてくださいな。
ついでに駿河湾の景色もお願いします。ゴルフコースの一部も見えますね。
スカイテラスは360度のパノラマと駿河湾の夜景が本領とのこと。さて、肝心のお風呂へ参るとしよう。
たしかに雄大な景色のゆうだい温泉
メタケイ酸が豊富なアルカリ性の湯
大浴場は3階。階段やエレベーターから進んでいくと手前に男湯、奥に女湯。男女の入れ替えはない。脱衣所には無料の鍵付きロッカーが並ぶ。掲示されている分析書によれば「アルカリ性単純温泉、低張性、アルカリ性、低温泉」とのこと。PH8.7。湧出時の泉温29.8℃じゃあ加温せざるを得まい。加温しすぎてないといいな。
駐車場の状態から予想した通りにお客さんは多めだったが、芋洗いだとかの極端な混雑ではなく、15名分の洗い場にも余裕があった。奥は一面ガラス張りで正面に富士山が見える(湯気やガラス面の水滴のためくっきりではない)。その一部は「富士見の窓」と名付けられており、窓を開けてくっきりと視認できるようにしてあるってことかな。
内湯浴槽は横並びで10名サイズ。壁に「この温泉はメタケイ酸が豊富です」というような説明板があった。美肌の湯ってことね。ふーん。浸かってみると適温。熱すぎなくてよかった。お湯の見た目は無色透明で、細かい白い粒が見られるのは湯の花でしょう。若干の塩素臭はまあしょうがないか。
ちょっと前まで「まだ夏の名残かよ」みたいな気候だったのが、急に真冬のような寒さが到来して身体がびっくりしていた頃。ぬる湯派といえども適温の湯で温まる感覚は悪くない。明るい浴室で富士の勇姿を視野に収めながら入浴しているとポジティブな気分になってくるし。
富士山ビューを求めて露天風呂へ
調子が出てきたところで露天風呂へ。こちらの浴槽はL字型の15名サイズ。外気に触れるせいか温度は内湯より少しだけ低い気がする。その他の特徴は内湯と同じ。
残念ながら目隠しの生け垣的な囲いにより、湯に浸かりながら富士山を眺めるという贅沢は難しい。囲いに思い切り近づくと、雪をかぶった頭の部分が生け垣のすきまから見えはするので、どうしてもという方はトライしてみよう。
富士山ビューの観点からいえば、露天エリアに設置されている休憩用チェアやベンチに腰掛けるのが一番だ。そうすれば囲いよりも目の位置が高くなって、先にいくつかの写真で示したような富士山がばっちりと見える。クールダウンを兼ねて狙うお客さんはそこそこ多いからチャンスをうまく窺いましょう。
なお、女湯側で富士山が見えるのかは確証がない。いろいろネットで調べると、内湯からは見えて、露天風呂は駿河湾の方角が見えるっぽい印象を受けた。確証はないけども。
てな感じで、温泉ついでに富士山、いや富士山ついでに温泉なのか…どっちかよくわからなくなってきたが、とにかく天の時と地の利を最大限に活かした思いつきを実行したのは正解だったようだ。なにせ「旅は気まぐれ 湯はぬるめ」がモットーなのでね。