長野県上田市北部の真田町を訪れた。いろいろな史跡に行ってみたかったなあ。町名から察せられる通り、なにせ真田のアレだから。しかし時間の都合で、というか帰りの高速渋滞に遭いたくないから、早めに帰途につくつもり。温泉おじさんとしてはせめて午前中に温泉面で思い出を作りたい。
前もって上田周辺の温泉施設をいろいろ調べていたので、あてはあった。「地蔵温泉 十福の湯」だ。地蔵峠にあるから地蔵温泉なんだろう。十福は…お地蔵様への信仰から得られる十の福が由来らしい。へー。
長野県最大級の露天風呂という口コミも気になる。どんだけ広いのか。ぬる湯じゃないのは承知の助で行ってみた。さてどうだったのか。
地蔵温泉 十福の湯へのアクセス
地蔵峠を越える県道の途中にある
十福の湯まで公共交通機関で行くことはできない。(新)地蔵峠へ続く県道途中の入軽井沢まではJR上田駅からバスで行けるみたいだが、その先の足がない。バス終点から現地まで5km以上離れているし歩行者を想定してない峠越えの道路だ。車が必須ですね。
自分は沓掛温泉・叶屋旅館をチェックアウトして車で出発。朝食抜きだったから何か腹に入れておこうと思って青木村内の「道の駅あおき」へ。食事処の開店時間前ということでお土産だけ買った後、次の候補=千曲川近くの「道と川の駅おとぎの里」へ向かった。
ああ良かった。モーニング営業やってた。ジビエ肉入りの馬鹿バーガーは気になったが、パンよりご飯がいいな…夏季の平日朝限定のたまごかけご飯を注文。500円。
思ったより充実してるじゃねーか。これはお昼ご飯いらなくなるやつ。卵は信州産Lサイズと謳う通りに大きめ。地元産コシヒカリにかけていただきます。1泊目の明治温泉で教わった白身と黄身を分離してかける方法は真似できなかったけど、まあいいや。
急な思いつきで予定変更
朝昼兼用をすませてさあ出発。実は当初は下道で小諸まで行って、小諸~佐久あたりの温泉に立ち寄って帰るつもりだった。しかし気づいてしまった。ここまで来たなら地蔵温泉に行けばいいんじゃないの?…はい、良きお考えと存じまする…心の中の真田信繁がささやいた。うむ、そういたそう。
てなわけで急きょ方向転換して真田町の方へ。帰りに寄りたいガソリンスタンドをチェックしながら上信越道上田ICを過ぎて県道35号に入った。入軽井沢をすぎるといよいよ峠道となり、坂はきつくカーブが多くなる。片側1車線が確保されているから大丈夫だけど。
クライマックスのつづら折りは当湯を越えた少し先から始まるようだ。そこをクリアすると長野市松代へつながって、昨秋訪れた加賀井温泉一陽館のあたりへ出る。なるほどね。
お風呂+αのレジャーを提供する温泉施設
お風呂以外の施設も充実している
駐車場の収容能力は大きい。建物の地階にあるし敷地内の砂利敷スペースも使える。にもかかわらずポツポツとしか空きがなかった。平日午前だというのに結構な集客ですな。玄関前には源泉の展示あり
この源泉は飲めないし足湯でもない。アルカリ性単純温泉、源泉温度38.1℃か。ぬる湯派としては、これを非加温で提供してくれればなー、と願うばかり。ては入館。靴は鍵付き下足箱へ。券売機で入浴券を買う(平日800円、休日850円)。
館内は木材の温かみを前面に押し出しつつモダンなデザインとなっている。食事面が充実しているみたいで石窯ピザや手打ちそばの実演を見ることができるようになっていた。
すでにレストランはお客さんがいっぱい。これを目当てに来る人が多いのかもしれない。ほかにベーカリー・コーヒーショップ・アイスクリームのお店もあった。
お風呂だけじゃなく館内で1日楽しんでもらうコンセプトぽいな。一般的な畳の大広間以外にもシャレオツ系の図書コーナー兼ラウンジみたいな場所もあったし。
温泉そのものを楽しむなら内湯がいいかも
だがスケジュールの都合で今日はお風呂に集中しよう。脱衣所には細長いタイプのロッカーが並ぶ。確かコインいらずだったかと思う。掲示されている分析書によれば「アルカリ性単純温泉、低張性、アルカリ性、温泉」だ。外の源泉展示に書いてあった通りだな。加水なし、加温あり、消毒あり、露天風呂は循環あり。
浴室内に洗い場は18名分。建物全体に合わせたテイストとなっており、無機質的にならないような雰囲気づくりをしている。隣の部屋らしき場所にもカランの並びが見えたが、ロープだかチェーンだかが張られて立入禁止。
内湯浴槽は15名サイズ。露天風呂へ行く人が多いためか、人口密度は低い。誰も入ってないという状態も滞在中にはわりとよく出現した。お湯の見た目は無色透明。浸かってみると適温だった。夏だとやや熱く感じるかもしれない。
よくよく見れば細かい湯の花が確認できる。泡付きはない。匂いを嗅ぐと特に塩素臭というのはなくて、むしろ単純温泉によくある温泉臭の弱めのやつを感じた。これで温度がもっと低くて長湯できるチューニングになっていればなあ、ってのは望みすぎか。
何名でも入れそうな広さたっぷりの露天風呂
さあ県下最大級の露天風呂ってやつを拝みに行きますかね。露天エリアへ出ると、目の前に岩風呂が広がっていた。ああ、これは大きいね。もう何名入れるか見積もることすらできない。50名は堅そうだし、100名と言われても信じてしまう。
そんな巨大岩風呂の広さをしっかり感じたかったのだが、真夏の照りつける日差しがやばかった。屋根のない奥側へ行くと直射日光をもろに浴びてしまう。せせこましい行動なのは承知の上で、屋根があって日陰になる手前側の一部でじっとしていることにした。巨大さを実感できずにもったいないと思いつつ猛暑には勝てん。
こちらは内湯より少しだけ温度が下がっていて相対的にゆっくり入りやすい。一方で残念ながら塩素臭は意識に上る程度にあった。お風呂の中にいくかの巨岩が配置されているほか、露天風呂の向こう側は山の斜面みたいな感じで眺望はないのだが、草木を手入れして相応の趣向を凝らしているように見えた。
壺湯はややぬるかった
露天エリアにはあと3つの壺湯があってお湯はややぬるめ。そして水風呂。ということはサウナもあるはずだけど関心外のためスルー。加えて寝湯もどこかにあったみたい。気づかなかったな。
こうして内湯と露天風呂、たまに壺湯に入っているうちに小一時間が経過。出るべき時が来た。個人的な直感だと、真夏じゃなくてもう少し涼しくなってからの方が適してそうなのと、事前にちゃんと計画してレストランその他の付帯施設込みで楽しみたいところ。旅行中に来るなら真田の史跡めぐりをする時間を確保してあればモアベターよ。
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