円形構造の浴室で旅物語の大団円 - おふろcafeびわこ座

おふろCafeびわこ座
春の関西遠征もとうとう最終日。旅の最大目的であった“懐かしき方々との会食”は前夜無事に執り行われ、各位ますますご健勝の様子でなにより。その夜は大津市瀬田のホテル(温泉ではない普通のビジネスホテル)に泊まった。

さて最終日をどうするか。朝の新幹線で関東へ直帰しては面白くない。もう1湯トライする余裕はあるだろう。調べてみたら、ちょうど瀬田に温泉施設があった。大津温泉おふろcafeびわこ座。ニューびわこホテルに併設する日帰り温泉のようだね。

おふろcafeチェーンでおなじみのモダンで明るい雰囲気と遊び心のある読書スペースは健在。お風呂はわりと多人数に対応できる規模があって、ラドン浴を楽しめる。

おふろcafeびわこ座、の前に石山寺観光

瀬田にいたのに石山へ移動する

おふろcafeびわこ座の最寄り駅はJR東海道線の瀬田。駅からの道順はシンプルでわかりやすいが徒歩で15~20分かかる。島津製作所前停留所を通る路線バスに乗れば、同バス停から徒歩1分ですむ。1時間に1本程度は期待できるようだ。その他、10~12・15・18~21時台に当館の送迎バスが出ている。

自分はホテルをチェックアウト後に送迎バス…ではなく、開店が10時だったのでその前に石山寺を見学しようと思いついちゃった。せっかく瀬田にいるのに、いったん石山へ移動して観光後にまた瀬田へ戻って来るという攻めの行動だ。

瀬田→隣駅の石山→京阪に乗り換えて終点・石山寺駅下車。駅名の早合点に注意されたし。駅から実際のお寺までは徒歩10分。
石山寺
桜の名所らしいがまだ早かったようだ。石畳の道をしばらく歩くと、くぐり岩なるパワースポットがあったぞ。穴を通ると願いが叶うとか。
くぐり岩

名前の通り、石の山のお寺でした

息を切らして石段を上がったら、さらにまだ上があった。げええええ。さすがは石の山の寺。
まだまだ登る石山寺
国宝に指定されている本堂の内部を見学すると、観音像その他の歴史的に貴重なあれこれを超間近に拝める(無理に語ろうとするとボロが出るからやめておく)。別料金だけどおすすめしたい。
石山寺本堂
本堂には紫式部が滞在したという源氏の間も。
源氏の間
こちらの多宝塔も国宝指定でございます。
多宝塔
光堂前では若干の桜が咲いていた。
光堂
光堂の名前は光源氏と関係があるのかな。少し下ったところに紫式部像があったし。
紫式部像

時期が時期だけに大河ドラマ館も見学できた

時間の都合で全部をじっくり見たわけではない。むしろ駆け足でさらっと流した程度でも一巡に40分以上かかった。上り下りで体力使うし。しかしまだ終わりではない。上述の通り石山寺は紫式部ゆかりの寺。ここで源氏物語の着想を得たといわれてるそうだね。

ということで境内に「光る君へ 大河ドラマ館」があったのを見過ごすことはできない。当然のごとく入場(600円)。ドラマで着ていた衣装などの展示ありをりはべり。※展示の一部は撮影禁止。
「光る君へ」の衣装展示
こちらは紫式部(まひろ)&清少納言(ききょう)といっしょに記念撮影できるスポット。本記事公開時点でまひろはまだ源氏物語の執筆を始めていない。夫の藤原宣孝も元気だし。
記念撮影コーナー
人物相関図パネルもあったけど、藤原だらけで脳みそがパンクしそうになるんだよな。以後は頭が混乱したのか撮影をすっかり忘れ、別館の「恋するもののあはれ展」とともに、ただぼーっと眺めて去るのみであった。

石山寺観光はここまで。瀬田へ戻る前に朝昼兼用でなにか食べておこう。門前の茶屋で売っていた「揚げみたらし」が名物みたいだから食べてみた。お味は…うん、揚げたてのみたらし団子ですね。
揚げみたらし

安定のおふろcafeクオリティを楽しめる温泉

いつもは大衆演劇をやってるみたい

さて、瀬田駅へ引き返し、徒歩でおふろcafeびわこ座まで来た。あー足が疲れたし汗もかいた。早くお風呂に入りたい。
おふろCafeびわこ座の玄関口
フロントで下足箱の鍵と引き換えに一括精算用の腕輪を受け取る。滞在時間に応じて料金が変わるシステムだった。自分は最短の60分コース770円を選択。当館は大衆演劇が売りのようだったがこの日はお休みだった。館内はモダンな雰囲気で、こんな洒落たホニャララまでありんす。
おしゃれなナニカ
階段の踊り場にはなぜか隠れ家的スペースが。遊び心がありますな。
階段踊り場の隠れ家スペース

円形状の構造になってる浴室

男湯は2階、女湯は3階だったかと。男女入れ替えはないと思われる。脱衣所では細くて背が高いタイプの鍵付きロッカーに服や荷物をしまう。掲示されている分析書によれば「含弱放射能-カルシウム・ナトリウム-塩化物泉」とのこと。加水・加温・循環・消毒の有無は記載なし…おそらく全部ありでしょう。源泉温度は26.1℃。

浴室は円形で、円の中心部は数脚の椅子を置いた(円筒状の壁に囲まれた)休憩スペースになっている。その壁の外側は20台のカランが円周上に並んだ洗い場。

浴槽やサウナ室は最も外側の壁の円周に沿って並んでいる。時計回りに2名サイズのぬるま湯、水風呂、サウナ室、メイン内湯、ジャグジー、ジェット寝湯。ぬるま湯はラベンダー色の入浴剤を投入しており、非温泉ぽいからパス。水風呂とサウナはいつものごとくパス。

ラドン浴のできる広めな内湯

メイン内湯は結構でかい。20名は十分に収容できそうだ。お湯は完全なる無色透明。湯の花や泡付きは見られず。匂いに若干の塩素臭があったのはまあしょうがない。熱すぎない適温とはいえ油断して長湯するとあがった際にクラっとめまいが来るぞ。

一方の端の壁に泉質についての説明書きが掲げられていた。ラドンを含むのが特徴らしい。そうか、よーし効いてくれ、石山寺で蓄積した足の疲れを取り除いてくれい。

隣に接するジャグジーは6名サイズ。メイン内湯とつながっているためお湯は一緒のはず。ということでジャグジー自体がそんなに好みってわけでもないからパス。

その奥のジェット寝湯はメイン内湯とは完全に別浴槽で7名分の区画に仕切られている。この手のやつもあまり入らないんだが、試しに足にジェットを当ててみたら強めの刺激で気持ちよかったから、しばらく利用させてもらった。ここのお湯が温泉かどうかはちょっとよくわからない。

明るいムードの露天風呂に泥パック?!

以上が内湯。奥の通路の先に露天風呂もある。露天といっても半露天かな。床から高い天井まで全部が壁ではなく上半分が屋外に開けている感じ。そこから光が差し込んで明るいムードを醸し出す。浴槽は20名余裕でいける岩風呂。奥の半分ほどが浅く作られていた。

こちらのお湯も内湯と一緒。ちょっと熱めな気がするのはたぶん気のせいで大きな違いはないはず。休憩用の椅子や壁掛けテレビが設置されており、ゆっくりできるように整えられていた。あと露天風呂に泥パック云々の提供もあったようだが当時はまったく気づかず。

1時間制限が気になってしまい、余裕をみて40分ほどで大浴場を出た。いつもの湯めぐりにしてはちょっと短めだったか。まあいいや、疲れは取れたし汗も流してさっぱりしたからオッケー。最後におふろcafeおなじみの読書コーナーを偵察。コーヒー飲み放題がいいね。
読書コーナー
こういう仕掛けが刺さったのか、過去のおふろcafe訪問事例と同様に館内には若者の姿が目立った。帰りも送迎バスで瀬田駅に着くと女子ーズ集団が折り返しのバス待ちで列を作っていた。あの中に石山寺ならぬおふろcafe滞在中に恋多きイケメン物語の着想を得る才女がいたりなんかしてね…次の紫式部は君たちだ。


おまけ:現存12天守の彦根城

天守閣のおそるべき大行列

まだだ、まだ終わらんよ。その後は瀬田から彦根へ移動。現存12天守で未訪のまま残っている2城のひとつが彦根城だった。この機会に行っておこう。

彦根駅から入城券を買う窓口まで徒歩20分かかる。そこからがまあ結構な坂道でして。入浴後なのにまた汗をかいちゃった。で、息を切らしつつ登りきって天守閣へ着いてみると…。
彦根城天守
入場待ちの長い行列ができていた。1時間待ちだって。うげええええ。アフターコロちゃんの観光需要おそるべし(インバウンド観光客がいっぱいいた)。帰りの新幹線の便が決まっているわけじゃないけど、1時間は待てんな。外観を見たことで良しとしよう。
彦根城天守その2

楽々園と玄宮園はとても良い

かわりに西の丸三重櫓を見たよ。こちらは全然人がいない。
西の丸三重櫓
この手のお城にありがちなハシゴのような急階段を経て3層構造の最上層へ。一種の天守閣ですね。
西の丸三重櫓の最上層
帰りは北ルートで下りていったところ、楽々園という御殿が公開中だった。地震の間と呼ばれる建物がなぜか心ひかれるデザインと雰囲気だった。
楽々園 地震の間
隣接する玄宮園なる庭園もいと風流なり。
玄宮園
今回の関西遠征は、最大目的の会食に加えて奈良・和歌山・大阪・滋賀にまたがる温泉めぐり、その他もろもろの観光を含めて、悔いなくやりきった感があるな。ミッションコンプリート。