神流川のそばで濃ゆ〜い強塩泉を - おふろcafe 白寿の湯

おふろCafe 白寿の湯
季節は冬から春へ移り、卒業式のシーズンになった。だが温泉おじさんに卒業の2文字はない。今年も温泉めぐりの旅は続く。そういう意味では留年だ。卒業旅行ならぬ留年旅行をしなくちゃね、ってことで群馬遠征を計画した。ただし1湯目は埼玉の日帰り施設「おふろcafe 白寿の湯」とした。まあ場所は群馬・埼玉県境付近ですけど。

緑色ぽくも見える茶色濁りの強塩泉はいかにも濃ゆそう。しかも床の上に広がる析出物の千枚田が圧巻だ。浴室に入った瞬間から並みの温泉ではないことがわかってしまう。さらに露天風呂の場所をうまく選ぶと、好みのぬるい状態を享受できてよかった。

その他に糀料理を売りにした食事処や充実の休憩コーナーがあって1日楽しめそう。

おふろcafe白寿の湯へのアクセス

電車で行くなら、JR高崎線・本庄駅もしくはJR八高線・丹荘駅から神泉総合支所行きのバスで下渡瀬朝日工業前下車、徒歩3分。日中は1時間に1本程度あるようだ。

おじさんは今回マイカーで行きました。いつもよく渋滞する関越道の所沢IC~高坂SAあたりをわりとスムーズに通過できたのは幸運だった。本庄児玉ICまで走るつもりでいたら、もっと手前の花園ICで下りるようにカーナビが指示してきたので従った。秩父旅行の時に出たところだね。

あとは国道140号→254号→児玉駅付近で西向きの道路に入り、神流川のそばまで来たら当館は近い。ちなみに川を渡ると群馬県だ。対岸は八塩温泉という温泉地であって、何軒かの旅館が点在する。

平日の午前中だというのに白寿の湯の駐車場はすでにそこそこ埋まっていた。何年も前に静岡市のおふろcafe美肌湯という系列店へ行った時も似たような盛況ぶりだったっけな。客層をつかむノウハウにすぐれているようだ。


白寿の湯だけど白くない、強烈な緑褐色の強塩泉

どうみても濃ゆい温泉です

では入ろう。季節柄、玄関のところにひな飾りが展示されていた。
ひな飾り
平日料金は880円(休日は980円)。前払いだったか後払いだったか忘れた。いずれにせよ飲食などの後精算用に腕輪を受け取る。入浴前に朝兼昼食をとろうと思ったら食事処にスタッフの姿が見えず、やっぱり後回しにして2階の大浴場へ向かうと、階段の踊り場にこのような温泉成分の結晶が詰まったパイプを展示していた。絶対に濃ゆいぞこれは。
温泉成分の結晶
脱衣所には鍵付きロッカーがたくさん並んでいる。確か小銭不要だったと思う。壁に張り出された分析書には「ナトリウム-塩化物強塩温泉、高張性、中性、低温泉」と書いてあった。加水・加温あり。循環・消毒の有無は見つからなかったが、おそらくありではないかと思われる。

千枚田に圧倒される内湯の光景

浴室に入るとまず床に目が行く。温泉の析出物が形成した茶色の千枚田が床一面にびっしり。すげーな、おい。歩くのに支障が出ないように表面を削って整えた形跡は見られるものの、完全に除去できるレベルではなく積もり積もっている。そしてタイルの目地が影響しているのか、方眼紙のような縦横の筋模様が浮き出ていた。

洗い場は23名分で内湯浴槽は10名以上が余裕で入れる。向かい合わせを許容して詰めていけば20名いけるかもね。いくらか距離をおいて数本の太いL字パイプが浴槽内に突っ込まれているのは何だろうね。湯口は普通にあるけどね。

うぐいす色にも見える、やや緑がかった褐色のお湯は浴槽の底がぎりぎり見える程度まで濁っており、湯の花とか泡付きとかはわからない。一方、匂いは見た目の強烈さから想像するのに比べたらおとなしい。温度は適温。あとは浸かってすぐに指先がしわしわになったのを覚えている。

浴槽の縁は茶色の析出物に完全に覆われ、分厚くコーティングされた状態だった。階段で見かけた、あのパイプを詰まらせたアイツが思い切りやらかしてくれてるぜよ。

おこもり系の雰囲気がある露天風呂

じゃあ露天風呂に行ってみるぜよ。露天エリアに出てすぐ手前にあるのが「あぐら湯」。浅く作ってあって、あぐらをかいた状態でへそ下くらいまでしか湯に浸からない。寝湯としても使えそうな感じだけど、もし全員があぐら姿勢で入るなら6~8名いけそうなサイズ。

その奥にメインの露天風呂がある。向かい合わせを許容できる奥行きがあるおかげで15名以上入れそう。半分以上が屋根に覆われている。お湯の特徴は内湯と同じで温度がややぬるめだった。ただしパイプが突っ込まれている一部の場所付近だけは熱い。外見上の湯口とは別に加温した温泉を投入している場所なのかもしれない。

その場所さえ避ければ、ぬるめゆえにゆっくり浸かることができるし、内湯と交互に入ることで温度差による感触の変化を楽しむこともできるだろう。

露天エリアは周囲に目隠しの塀を張りめぐらされていて眺望はない。露天風呂の大部分に屋根が付いていることと、露天風呂とあぐら湯の間を仕切るすだれ(?)の存在もあって、どちらかといえばおこもり系のスタイルだ。

というような白寿の湯。内湯と露天を何度か行き来して小一時間が経過したところであがった。湯あがりの肌は強塩泉のわりにはベトつかずキュッキュッというキレの良い感じで、しばらくするとテカテカにワックスされたようになった。


充実の食事処と休憩コーナーにも注目

入浴後に食事処へ行ったら普通に営業中の様子だった。席はそこそこ埋まっている。中庭を望むカウンター席を確保して料理を注文した。糀料理にするかどうか迷って、結局は舞茸そば。ここでがっつり食べると旅館の夕食が入らなくなる気がしたもんでね…。
舞茸そば
中庭には2羽にわとりがいる、じゃなくて、2台のこたつを置いた特別休憩コーナーが設置されていた。こたつにもぐり込んでリラックスする人々の姿が思い切り眼前に展開してるんだけど、まあ気にしなきゃいいか。なお、おそばは秩父産でおいしかったです。

食事処ではやけにサバをフィーチャーしていた。どうやら敷地内でサバの養殖を始めたみたいだね。埼玉でサバの養殖ってインパクトあるな。

おふろcafeといえば工夫された休憩コーナー。静岡で見たのと同様のくつろぎ空間が用意されていた。たくさんのコミックや雑誌を収納した棚、無料コーヒーサービス、普通の椅子だけじゃなくて穴ぐら風のスペースやハンモックなど多彩な居場所を提供している。

平日昼にしてはシニア層のみならず、もっと若い層が目立ったのは静岡での光景と一緒で、さもありなん。温泉や食事処との合わせ技で終日滞在できる施設として認知されているのであろう。居心地がいいからと入り浸っているうちに白寿になってしまうぞ。