いろいろあった2023年もいよいよ師走。本年最後の温泉旅はまだ寒さがきつくない気がする伊豆。1年間頑張った自分へのご褒美として、食卓に並ぶ盛りだくさんの海産物の前で悦に入ってみたかったので宿泊先は海沿いを選んだが、途中の立ち寄り湯については海に近くなくてもよい。
移動距離・所要時間をもろもろ計算すると、河津あたりの温泉を狙うのがちょうどいいように思われた。そこで浮かんだのがモダン宿坊「禅の湯」。宿坊といっても説法やお勤めといったことはなく、普通の温泉宿同様に過ごせる雰囲気で、気張らずに利用できた。
モダンな雰囲気の内湯と露天風呂を備え、かつ源泉かけ流しの本格温泉で申し分なし。あと岩盤浴もあります。
天城温泉「禅の湯」へのアクセス
一般に禅の湯へのアクセスは伊豆急行河津駅からバス15分と案内されている。当湯の前の国道414号を通る路線バスがあり、慈眼院前停留所下車すぐ。あるいは伊豆箱根鉄道修善寺駅からバスに乗って天城越えする手もある。ただしバスの乗車時間が75分。
自分は今回マイカーによる一人旅。意識して朝早く出発したけどやっぱり東名渋滞に捕まった。とはいえ、だいぶましな方だと思う。伊豆に来たらまずココ…俺たちの休憩スポット・道の駅伊豆ゲートウェイ函南…には10時台に着いて富士山を拝んでいた。
そして道の駅の向かい…俺たちの昼飯スポット・かねふくめんたいパーク伊豆…にて、いつものジャンボおにぎりを食す。これ一つで朝昼兼用可能な大きさなのだ。今回は焼きサバ明太にしてみた(写真撮るの忘れた)。うむ、うまい。まあ個人の感想で言えば普通の明太おにぎりで十分かな。明太子たっぷりが気に入ってるんで。
飲泉もできるパーフェクト源泉かけ流し
お寺の中のモダンな温泉施設
お寺です。お寺なんですよ、まず目に付くのは。当湯は慈眼院というお寺の境内に併設された温泉施設だから当たり前なのだけど。
本堂のすぐ隣に冒頭写真のようなモダンな建物があった。あるいはちょっと洒落たウッドデッキの休憩スペースも。
これらを見ると、普通の温泉宿のつもりで振る舞っても大丈夫だなと安心する。お寺だからと特別に身構える必要はなさそうだ。緊張を解いて入館。フロントで呼び鈴を押すと住職さんのような格好をした住職さん(?)が出て来られました。入浴料は1000円。タオルと岩盤浴に使うバスタオルを貸してくれる。
フロント前のロビー&中庭を写した次の写真から館内の雰囲気を察せられるだろう。お寺の要素は全然なくて和モダンスタイルの宿舎といった風情。この右奥に男湯・女湯が並んでいた。
不思議な心地良さのあるお湯
脱衣所はきれいで明るい雰囲気。鍵付きロッカーあり。掲示されている分析書には「カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉、低張性、アルカリ性、高温泉」と書いてあった。PH9.0だって。加水・加温・循環・消毒いずれもなしのパーフェクト源泉かけ流し、かつ飲泉可能。すばらしすぎる。
浴室への扉や建物玄関扉の取っ手に石が使われているのが面白いし洒落ている。扉の先には通常の浴室とは別に岩盤浴専用室もあった。岩盤浴は後で試してみよう。
浴室も白を貴重とした今風のライトなデザインだから、温泉マニアでない一般の利用客に安心感を与えるだろう。洗い場は7名分。あとは5~6名規模の内湯浴槽がひとつ。湯口から注がれるお湯はまあまあ多い。湯口のまわりは白い析出物がこびりついていたり赤茶に変色している。
お湯は完全なる無色透明。浸かってみたら熱すぎない適温だった。よく見ると細かい湯の花の粒が漂っているし、若干の泡付きを視認することもある。また温泉らしい匂いはするものの無臭に近い。肌触りはヌルヌルではなくてキュッキュッという感じ。
不思議と引き込まれるような心地良さだ。ぬる湯ではないのだけど、しばらく中でじっとしていたい気分になる。こりゃあいいや。
露天風呂で優雅な休暇気分
だがそうも言ってられない。露天風呂も試さなければ。露天風呂は3名規模でお湯の特徴は内湯と一緒。温度がやや低めだからもっとじっくり入れる。すばらしい。
浴槽が洒落たウッドデッキ上に作られており、脇には休憩用のチェアが置いてあって、そこに腰掛けるとリッチな休暇を楽しんでる気分になれる。目の前の国道からの視線を遮るように囲いが立っているため外の景色を一望することはできないが、目線を上げれば木々や空が見えて気分がいい。
そういえば飲泉できるんだっけ。コップなどは置いていないから、湯口から直接手ですくって口に含んでみた。わりとすっきりしていて飲みやすい。
森林浴的なBGMありの岩盤浴
さて岩盤浴も試してみるか。別室の岩盤浴コーナーに入るとサウナの如き熱気ムンムン。床には丸石が敷き詰められ、3つの木の枕が置いてあった。枕に合わせてバスタオルを敷き(あるいはバスタオルを体に巻いて)横になる。
うつ伏せで5~10分、仰向けで5~10分…のような推奨手順があったけど、サウナ的な熱気は苦手なので数分でやめてしまった。ちゃんと取り組めばきっちり「整った」かもしれない。ちなみにリラックス効果を狙ってか、BGMとして鳥のさえずりを流していた。
再び浴室へ戻って内湯→露天風呂のコンボですっかり仕上がった。浴感が良いので想定より長居してしまったな。湯あがりの、というより入浴中からすでに、お肌のすべすべ感が半端ない。ビフォーアフター的に全然違っている。さすがはパーフェクト源泉かけ流しの威力だ。
いやーえがったえがった。今回は立ち寄りだったが、地元野菜を中心とするヘルシーメニューをいただける食事付きの宿泊プランも良さそうじゃん。河津桜の頃は予約取れないだろうから時期を外して…と妄想が膨らんでしまう。