自家源泉風呂とレストランが自慢 - 帯広天然温泉ふく井ホテル

帯広天然温泉ふく井ホテル
モール泉天国の帯広は駅周辺に温泉付きホテルがたくさんある。初日の泊まりは和風旅館などでなく、これらの駅前ホテルにしようと考えて、いろいろ調べてみると「ふく井ホテル」が温泉のクオリティを含めて良さそうだった。

ベースはビジネスホテルだからお財布に優しい。にもかかわらず温泉大浴場があって、しかも自家源泉100%をかけ流しにしているんだとか。へー、そいつは大したもんだ。なおかつ館内レストランの評判も良い。素泊まりにして外で食事するのも手だけど、レストランを利用しても十分に楽しめそうだ。はい、決まり。

温泉のお湯は熱めでヌルヌル感が強い。見るからに贅沢なかけ流しとわかる様子は、駅前エコノミーホテルの域を超えていた。

ふく井ホテルへのアクセス

ふく井ホテルはJR帯広駅のすぐ近く。徒歩1分。取り立てて説明することはありません。交差点の向かいにはプレミアホテル-CABIN-帯広、アパホテル、北海道の雄・セイコーマートがある。

遠方からの旅行者は飛行機で帯広空港に着くパターンも多いだろう。自分がそうだった。空港連絡バスには普通の路線バスと市内の各ホテルに立ち寄るバスがあり、後者に乗って宿泊先の「ふく井ホテル」へ直行した。所要時間は40分。

バスは途中で幸福という町を通る。そういえば廃止された旧国鉄広尾線に愛国駅と幸福駅てのがあったな。愛国→幸福間の切符を記念に買う人が多かったとかなんとか。どちらも駅舎跡が公園になっているみたいだし、最終日に空港へ戻る途中に寄り道してみよう

などと考えている間に目的地に到着。バスを降りたら目の前がふく井ホテルだった。アクセス面は言うことなしだね。※もし車を運転して来た場合は、駐車場が有料でチェックアウト時の別途精算になる。


気取らないで利用できる駅前ホテル

ではチェックイン。フロントやロビーは大規模なものではなく、雰囲気的にもビジネスホテルと思えば良い。
ロビー
1階の端っこの方に温泉大浴場への下り階段があった。注意事項の張り紙が気になって読んでみると…利用は宿泊者限定で日帰り入浴をやっていません…宿泊者の立場で言えば混み合う可能性が小さくなるからありがたい。
温泉大浴場への下り階段
もちろん階段を使わずエレベーターでも行ける。エレベーターは、誰もが使いたくなる便利な中央部に1基、あまり存在が目立たないフロア奥に1基。中央部のは利用率が高くて待ち時間が結構発生する。奥のやつは空いててすぐ乗れることが多い。

泊まった部屋は6階のシングルルーム。古いとか内装設備がくたびれているということはない。まあ普通のビジネスホテル仕様です→クローゼット、ベッド、机、3点式ユニットバス。電子暗証番号方式の金庫あり、空の冷蔵庫あり、WiFiあり。備え付けの部屋着とスリッパで大浴場へ行くのはもちろんかまわない。
ふく井ホテル シングル客室
窓の外はこのような感じ。駅前だから見えるのはホテル・ビル群になりますね。
窓からの眺め

熱めの本格モール泉をかけ流しにする大浴場

使い勝手に工夫が見られる

じゃあさっそく大浴場へ…行かなかった。温泉めぐりにこだわって、まず徒歩10分ほどのところにある温泉銭湯アサヒ湯へ立ち寄り湯したのだ。部屋に戻って30分か1時間休憩したらホテルの大浴場へ行こうと考えていたら、アサヒ湯の温泉が十分すぎるほどに効いてしまってグテーッとなっちゃった。もういいや、大浴場は晩飯の後にしよう。

というわけで、なんだかもったいねーなと思いつつ体調管理を優先し、夕食後に腹具合と酔いを落ち着かせてから地下1階大浴場へゴー。すばらしいことに部屋からタオル・バスタオルを持参しなくてよい。脱衣所にたくさん積んであるのだ。面倒がなくてありがたい。

濃い紅茶の中に浸かっている気分

脱衣所の壁に2枚ほどモール泉をアピールする張り紙あり。また分析書によれば「アルカリ性単純温泉、アルカリ性、低張性、高温泉」とのこと。加水・加温・循環なし、消毒有無は不明。

浴室はホテルの規模に見合ったもので、よほどの団体さんと鉢合わせしない限り、すごく混雑するってことはなさそうに思える。カランは14台。また浴室の中央に8名サイズの浴槽がデーンと構えている。湯口からの投入がなかなかの量だし、縁からオーバーフローして出ていく量も多い。大変結構なり。

お湯の性質だと思うが、床がツルッと滑りやすくなっている(注意書きあり)。本当に滑りやすいから注意が必要だ。浴槽を満たすお湯の見た目は濃い紅茶色で、底がぎりぎり見えるくらい。泡付きなしで湯の花らしきものがふわふわと漂っている。匂いは弱く、たとえば草木や鉱物のような匂いをはっきり感じることはない。

湯力が強いので入りすぎ注意

そして熱い。適温の範疇ぎりぎりの熱さ。源泉100%と熱さの相乗効果か、浸かってまもなくするとグワーッと何かが襲いかかってくるため、じっくり長湯はできそうもない。浴槽への出入りを頻繁にしてクールダウンを挟みながらの入浴になるだろう。

床が滑りやすかったのはやはりお湯の性質だった。短時間ずつしか浸かっていられない中でもヌルっとした感触があるのはわかった。こりゃあお肌に良さそうね。入浴後は肌がすべすべになるし。

アサヒ湯と同様に入浴後はグテーッとなるほどのパワーがあったため、狂ったように入りまくるわけにはいかず、しかしなんとか夕食後に2回・朝起床後に1回入ることができた。1回あたりは短めですがね。湯あがりに水を欲する気分がいつもより強かったのを覚えている。


好評のレストラン「バイプレーン」

5種類から選べる夕食はサーロインステーキで攻める

館内レストラン「バイプレーン」の評判が良さそうだったので2食付きプランを予約していた。バイプレーンは宿泊客でない一般にも開放されているのだろうと思ったから、念のため部屋着でなく昼間の服装で行ってみた。少なくとも当時は部屋着の客を見なかったな。
レストラン「バイプレーン」
夕食は早めの時間帯に参上。サーロインステーキ、黒豚とんかつ、海鮮、パスタ、おつまみセットの5種類からメニューを選ぶ。せっかくだからハンバーガーと牛丼チェーン以外ではふだん食べる機会のない牛肉にするか、とステーキを注文。
ふく井ホテルの夕食
ビィーファーーーー(魂の叫び)、2段重ねの肉がすごい量じゃ(個人の感想)。肉は噛みごたえがあり、しっかりした味わい。なんちゃらソースとマスタードを付けるとうまさ倍増。カリカリの十勝ポテト(たぶん)がまたいい。これらとビールの組み合わせに飽きることがない。

食べるのが遅いおじさんだからにしても、この後に締めのご飯+味噌汁をいただいて夕食コンプリートするまでに1時間を要した。ただの定食と思ってはいけない、立派すぎるほどのディナーだ。

4種類から選ぶ朝食も満足度高い

朝食は和、洋、中華(薬膳粥)、コンチネンタル(フルーツ盛り主体)の4種類から選ぶ。和食をお願いして出てきたのがこちら。
ふく井ホテルの朝食
サラダ、ジュースや牛乳やコーヒー、納豆、生卵、のり、デザート等はバイキング方式で取ってくる。「ビジネスホテルの朝食」という語から連想される内容をはるかに超えている。ご飯のおかわりもOK。口コミでみんながおすすめしていた理由がわかった。了解。

オリジナル特製コーヒーには自信があるみたい。飲んでみたら刺々しさが全然なくてスウッと入ってきた。無理にグルメレポするとボロが出るんでこのくらいにしておこう。これだけの朝ごはんがあれば昼飯は要りません。

 * * *

立地・温泉・食事面の満足感とお得感を兼ね備えた駅前ホテルらしからぬホテル。温泉重視の方が帯広で1泊するとなったら必ず候補に入ってくるだろう。しかし帯広がモール泉天国だとは聞いていたが、ここまでとはね。