源泉風呂と展望露天風呂に強みを持つ強塩泉 - えちご川口温泉

えちご川口温泉
越後川口にある温泉といえば「えちご川口温泉」。そのまんまでわかりやすい。茶色い濁り湯の強塩泉で源泉風呂あり、露天風呂からの眺め良し、という情報を得て興味が湧いたので行ってみた。魚沼の栃尾又温泉に泊まったついでの決行。天気が悪いとせっかくの景色を楽しめないなあと心配していたが、ベストではないにせよ、それなりにまずまずの天気。

たしかに景色はいいね。信濃川と魚野川の合流地点を高台から見下ろすロケーションだからな。なんとうまい場所に温泉を持ってきたことであろうか。しかも特徴のあるお湯に浸かることができて温泉気分もバッチリ。いいじゃないの。

えちご川口温泉へのアクセス

旅の2日目。今夜も栃尾又温泉・宝巌堂に連泊することになってる。てことは、終日そこでぬる湯三昧でもかまわないのだけど、下調べをした際に気になっていた“えちご川口温泉”を訪れてみようと思い立った。幸いにも車で来ていて移動手段は問題なし。朝のうちは雪が降っててどうなることかと思ったが…(下の写真はおくの湯・うえの湯が入る建物)。
雪の栃尾又温泉
昼前になったら晴れて雪もあらかた消えたので出発。いったん小出の町へ出てから国道17号を長岡方面へ向かう。だいたい40分くらいのドライブだったかと思う。

道の駅越後川口「あぐりの里」に立ち寄ってから、川口運動公園と書かれたアーチをくぐって、わりと勾配のある坂道を登った。高台の上に出るとホテルサンローラ&えちご川口温泉の看板が出てきて現地に到着。JR越後川口駅からの直線距離はそれほど離れていないものの、かなり大回りする道しかないし高低差もきついため、駅からの徒歩は厳しい。基本は車でしょう。

当館の隣にある宿泊施設がホテルサンローラだ。こっちはこっちで宿泊者向けの大浴場があるみたいね。
ホテルサンローラ
付近一帯は川口運動公園として整備されている。観光客というよりは市民向けかな。中越地震の震源地と思われる「震央→」という標識が気になりつつ、山古志の方までだいぶ走らなければならないと思い込んでパスした。


設備はいろいろと充実している

大広間でも目に入る自慢の景色

では参ろうか。券売機で入浴券を買う。朝~夕は800円。夜は700円。フロントに下足箱の鍵を預けて追加精算用の腕輪を受け取るシステム。大浴場へ向かう廊下から休憩用の大広間をちらっと見たら、一面がガラス張りで景色を楽しめるようになっていたので、スマホを窓に押し付けて撮影した。
えちご川口温泉から見える景色
…うーん、スマホを垂直に立てて撮る分いまいちだな。見下ろすアングルで撮れればもっと映えるんだけど、傾けるとガラス越しであるためにはっきり写らなくなっちゃうし。肉眼だと信濃川と魚野川の合流する様子がはっきり見えていい感じだった。

あと廊下の途中には新潟の日本酒の瓶がずらっと並べれらている。宿で飲んだ緑川もあるね。
廊下に飾られている日本酒の瓶
この日は手前が女湯で奥が男湯。両者の中間にガラス張りで廊下から中の様子が見えるプールあり(当時は休止中)。男湯の先の一番奥は家族風呂だったかと。

アブラ臭に出迎えられる

男湯の脱衣所には無料の鍵付きロッカーが並ぶ。分析書をチェックすると「含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩泉、高張性、弱アルカリ性、高温泉」とのこと。夏のみ加水あり、消毒あり。源泉風呂以外は循環・加温あり。

浴室に入った瞬間、ふわっとアブラ臭がした。おお、やるじゃないか。洗い場はわりと多めに設けられており、6名×4区画で24名分もあった。たいがい余裕でしょう。

いつもスルーするサウナを割愛すると、手前に2名規模の電気風呂。ここには入ってない。その左側に3名分のスペースが用意された水流風呂なる浴槽があった。水風呂の変型バージョンかと思って利用せず。ちょっと奥の右側に水風呂と3名分の寝湯。ここもまあいいやと思って入らずじまい。

内湯メインは薄緑色のお湯

一番奥に内湯のメイン浴槽がある。ざっと見たところ15名規模といってよかろう。当時は多くても同時に数名くらいな感じでかなり余裕があった。お湯はクリアな薄緑色。無色ではないので「ああ、温泉に入ったなあ」という気分になりやすい。

湯の花・泡付きなし。きつい塩素臭はしないかわり、最初に感知したようなアブラ臭をはじめ何か特別な匂いというものは意識されなかった。自分が栃尾又温泉の合間に来てるから、体感的には熱めだったが、客観的にいえば熱くもぬるくもない適温のはず。

広いガラス張りの窓から例の景色が見える可能性はある。今から思えばその点を確認しておけばよかった。うっかりしてた。


えちご川口温泉の真髄は露天風呂にあり

湯質重視の方には濃ゆい源泉風呂

まあ景色をいうなら露天風呂から見るのが一番いいでしょう。露天エリアには2つの風呂。手前が湯質こだわり派向きの源泉風呂だ。6~7名規模の岩風呂で、誰もいない時や5名ほどが集中する時など人口密度の落差は大きい。

お湯はオレンジ色にも見える黄土色で完全に濁っており、浴槽の底は全く見えない。入る際は段差に注意。こりゃあ見るからに源泉かけ流しだ。ちょっと土気的な匂いもする本格派のお湯。自分の求めていたものがまさにここにある。

温度は熱すぎない適温。強塩泉だけにじりじりと温まる感じはする。他の浴槽と違って岩の部分に赤茶けた析出物がびっしりこびりついていたり、高張性・強塩泉という字面の印象と相まって、濃ゆい温泉だな~と思わされるのであった。なお残念ながら景色は見えない。

メイン露天風呂からの眺望は一見の価値あり

眺望に関しては奥のメイン露天風呂がベスト。かなり広くて30名入れそうな規模だ。一部は屋根付きになっている。内湯と同じ薄緑色のお湯で外気に触れる分だけややぬるめ。ほぼ同じですけどね。広くて気持ちの良い露天風呂だ。

奥の方を陣取れば先に大広間で見たのと同様の、信濃川・魚野川合流ポイントや川口の町を展望できる。合流後の信濃川が続く先にも町が広かっている様子。おそらく小千谷ではないか。そこからさらに長岡・三条・新潟・日本海へと続くのだなあ。

内湯メイン→露天源泉→露天メインをローテーションしているうちに仕上がってきたところで終了。お湯と立地に恵まれたなかなかの温泉施設であった。