甲府湯村温泉への1泊旅行、ただ直帰するだけだとあっさりしすぎてるので、帰りにどこかへ立ち寄り湯するつもりだった。せっかく車で来ているのだから、電車だと行きにくいところ。かつ一人旅ゆえ意思決定者は自分だけ、こんなときこそグループ旅行では「行こうぜ」という候補になりにくそうなところにすべきだ。
うーん、と思案して笛吹川フルーツ公園内にある「やまなしフルーツ温泉ぷくぷく」に決めた。絶景で知られる「ほったらかし温泉」と類似の場所にあり、ぷくぷくもやはり丘の上からの見晴らしが売りになってるらしい。今日は好天だし、いいんじゃないの。
たしかに景色は良かった。そしてフルーツ公園だけにフルーツ風呂があった
やまなしフルーツ温泉ぷくぷくへのアクセス
急な行き先変更
朝10時に湯村温泉・弘法湯を出発。その時点で思い描いていた行き先は石和温泉。しかしカーナビに目的地をセットしたら20分で着いてしまうことがわかった。いや、ついさっきまで弘法湯のお風呂で長湯してたんだよね…ちょっとインターバル短すぎるかな?
ひとまず石和へ向かうも、道中は非常に順調であっさり着いてしまいそうだった。「別の場所にしねえ?」悪魔の囁きが「せめてあと20分くらい稼げないか?」…そこで観光やショッピングを考えないところが温泉バカの行動パターン。
石和の手前で何かに取り憑かれたように道を外れ、山の方へちょっと進んだら西関東連絡道路という高規格道路へ入り込んでしまった。やっべー。無料なのはいいけど、行き先に雁坂とか書いてあるぞ。まさか埼玉県境まで連れてくつもりか?
あわてて手近なICを出て一時停車して地図を確認する。うーむ、笛吹川フルーツ公園まで行けば温泉があるみたいだ。高台で景色は良さそう。よし決めた。
富士山を望む絶景スポット
再び西関東連絡道路を走って万力ICを出たら左折。あとはフルーツ公園の看板も出てるし迷うことはないはず。上り坂がずっと続いてどんどん高いところへ連れてかれる。公園内には駐車場がいくつもあるが、あまり手前に止めると温泉まで長距離(かつ登り)を歩くはめになる。せめて富士屋ホテルを通過するまでは進んでおこう。
おじさんは第2駐車場に止めたけど、それでもまだ手前すぎた。この階段を上らなければならなかったのだから。
結果論的には温泉施設の目の前に駐車場があった。ただし広くはないし未舗装。また施設の脇に展望台のようなパワースポットのような一角がある。富士山を望む撮影スポットだが逆光がきついな。
地形を生かした見晴らしが売りの温泉
内湯からでも外の景色を展望できる
入館したら券売機で入浴券を購入。休日は980円。受付を通って大浴場へ。途中に食事処があって、中をちらっと覗いたら外の景色を楽しみながら食事ができそうな感じだった。結局利用しませんでしたけど。
脱衣所は鍵付きロッカーが並んでいたはず。このあたりは近年の日帰り温泉のフォーマットに則っていて安心感がある。分析書をチェックすると「アルカリ性単純温泉、低張性、アルカリ性、低温泉」とあった。加水なし、加温・循環・消毒あり。
浴室にはまず10名分の洗い場があった。その奥に座湯と内湯浴槽がある。シンプルな長方形の内湯浴槽は10名くらいが入れるサイズで、お湯の見た目は無色透明。湯口からの投入とは別に、ジェットバス風に噴き出しているところが一部ある。
温度は適温。熱くもないしぬるくもない。湯の花や泡付きは見られず。匂いを嗅ぐと若干の塩素臭があった。特別に強い個性というものはないが、逆に言うと温泉マニアではない一般人も含めての万人向けではあるかと。
座湯の方は座った状態で寝湯をする感じ(そのまんまの表現ですいません)。背板をぬるいお湯が流れ下りていく。内湯でちょっとのぼせそうになったときのクールダウンにもってこいだ。浴室の窓は大きく取られており、内湯に浸かりながらでも、座湯に腰掛けながらでも、外の景色が目に入ってくる。
まさにパノラマ風呂といえる露天風呂
浴室の壁の上の方に果物を描いた大きな絵が並んでいた。果物名を漢字で書いてある。えーと、なになに…胡桃・梨・柿・葡萄ね。フルーツ公園で採れる果物なんだろうか。わからん。
露天エリアにも果物の絵が並んでいるのが窓越しに見えた。そっちをチェックするついでに露天風呂へ突撃してみましょうかね。露天エリアの一番手前にあるのが歩行浴。足つぼマッサージになりそうな石が敷き詰められている。くるぶしまでの深さのお湯は水に近い冷たさ。
露天風呂は2つあった。右側のが一般的な普通のやつ(なんの説明にもなっていない)。5~6名規模。下の写真は駐車場近くの展望台から撮影したものだけれども、それに近いような景色を風呂に入りながら望むことができる。期待通り。お湯の特徴は内湯と同じで、温度はやはり適温。
露天の片方はフルーツ風呂になっていた
左側のは一回り大きくて柑橘系の果物がたくさん浮かんでいた。ゆず湯的なノリだろうか。超でかいグレープフルーツなんて声も聞かれたけど、これはザボンじゃないのか?…後日ネットで調べたら晩白柚なるザボンの一種だったようですね。フルーツ温泉ならではのサービスっす。
他には1名専用の陶器風呂が3つある。こちらのお湯はぬるくて自分としては好みである。3基とも空いているかと思えば一気に埋まってしばらく満員御礼が続いたりと、利用状況に偏りあり。根気よくチャンスをうかがいましょう。
ああそうそう、露天側の果物の絵は林檎・桃・柘榴・栗でした。参考までに。
* * *
当湯はなんといってもパノラマ風景を楽しむことが肝になる。露天風呂や陶器風呂から直接眺めるもよし、内湯や座湯から窓越しに眺めるもよし。今回は晴れて青空のときに訪れたのでばっちりだった。ちなみに駐車場そばの展望台には足湯コーナーがあった(たしか料金100円程度)。時間に余裕がなければさくっと足湯をどうぞ。
真冬だとフルーツ公園と言いつつも果樹園的な観光要素はない。山梨フルーツの本領発揮を狙うならもうちょっと暖かい時期の方がいいかもね。
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