渓谷の奥に控える大盛況の温泉 - 養老渓谷温泉郷 ごりやくの湯

養老渓谷温泉郷 ごりやくの湯
千葉の養老渓谷へ行った帰りに日帰り温泉を利用することになった。ちょうどいい具合に、泊まった旅館で「ごりやくの湯」の無料券をもらったので、ごりやくの湯へ行くことにした。名前からしてご利益がありそうだな。

昼前の時間帯だし混んでないだろうと甘くみていたら、とんでもない。観光客らしき集団が何組も来ていたうえに後から続々と入ってきた。地元の方らしきお客さんも交じって大盛況。すごい人気だ。本当にご利益があるからだったりして。

養老渓谷の見どころのひとつ・粟又の滝の見学記についても本記事で紹介する。当館まで1キロくらい離れているからすぐとは言えないが、滝を見た帰りにごりやくの湯という手はあるね。

せっかくだから養老渓谷を観光する

観音橋と養老川に沿った遊歩道(行き止まり)

当館まで公共交通機関でも行くことはできる。小湊鐵道の養老渓谷駅からごりやくの湯行きの路線バスが出ている。ただし本数はかなり少ない。渓谷散策と組み合わせるなら時間管理をしっかりすべし。

我々は車でやって来た。初日の観光では、まず大多喜城→ポッポの丘をまわり、上総中野駅に寄り道してから養老渓谷入口とされる観音橋へ向かった。すぐ隣の駐車場は500円。養老渓谷駅前を含めて周辺の相場は500円。

こちらが観音橋でございます。もうちょっと早い時期に来て紅葉がもっと鮮やかだったら…と思いつつ、でも混雑するんだろうな。当時は人が少なくて余裕。
観音橋
遊歩道が飛び石で養老川の対岸へも続いている。渡るときにバランスを崩して川へ落ちちゃうようなおっちょこちょいは、いねえよなぁ!!?
飛び石の橋
渡った先のアップダウンや距離は大したことないかわり、泥道状の部分もあったりして路面状態が良いわけではない。先へ進むとキャンプ場があったけど休業中。川はきれいです。
養老川
遊歩道も途中で通行止めになっていたため、すぐに引き返した。では観光先の本命である粟又の滝へ向かおう。

栗又の滝から始まる滝めぐり遊歩道

宿泊先の旅館「滝見苑」の駐車場に車を置かせてもらい、目の前の滝めぐり遊歩道へ進むと、すぐに粟又の滝を下から見るスポットに着いた。水が一気に垂直落下するのではなく緩やかなスロープを滑降する感じだ。
栗又の滝
2年前に栗又の滝を見に来たときは豪雨のため大増水&濁流化して近づけず、何もわからなかったからな。ようやく本来の姿を見られた。引き続き遊歩道を先へ先へと歩いていくと千代の滝があった。規模は小さくてかわいい。
千代の滝
続いて現れたのが万代の滝。万だけに千よりは大きい。
万代の滝
まだまだ先は長そうだなあ。最後まで歩き通すと1時間~1時間半かかるらしい。片道の話でだ。
滝めぐり遊歩道はまだ続く
しかし残念ながら(?)途中で法面崩落により通行止めになっていた。不通区間はわずか数十メートルなんだけどな。まあ時間的にここらが潮時だろう。引き返そう。
通行止め箇所

栗又の滝の上部へ行ってみる

再び粟又の滝へ戻ってくると、今度は滝を上から見るスポットまで登っていった。上から見てもやっぱり緩やかなスロープ状だ。
栗又の滝の落ち口
養老川沿いの遊歩道はここで終わり。せっかくだから川の上流方向も撮っておこう。
栗又の滝 上流側の景色
川床の岩にぽっかり空いた穴はポットホールってやつかな。つい露天風呂を想像してしまう温泉おじさん。
ポットホール
滝上部の遊歩道沿いに滝見苑が運営する「滝見テラス」なる多目的ワーキングスペースがあった。3時間で1500円。滝を見ながらリモートワークしちゃったりなんかするやつですかね。夏の日に木陰と滝そばで涼みながらPCをカタカタ、ってのが一番サマになりそうな気がする。


かなりの盛況ぶりを見せつけていた、ごりやくの湯

開店直後からすでにお客さんでいっぱい

さて、初日の観光を終えた我ら一行は滝見苑に泊まり、翌朝チェックアウト後にさっそく「ごりやくの湯」へと車を走らせたのであった。驚いたのは朝10時の段階で道路を観光客がぞろぞろと歩いていたこと。もう紅葉は終わっているし、人が集中するような状況じゃないと思うんだけど、何なんだ。

当館の駐車場も(広いから満車になってないものの)すでに結構な台数で埋まっていた。受付には列ができているぞ…芋洗いの予感に震えつつ中へ進む。滝見苑に宿泊しない一般客は入浴料1100円。我らは無料券を活用。

下駄箱は100円リターン式の鍵付き。中へ入ると食事処のほかに備品庫らしき部屋を発見。開いた扉の先に自転車も見えるぞ。電動自転車のレンタルをやってるようだから、それかな。
備品庫

滝見苑と同じ源泉だと思われる

左手奥へ廊下を進んでいくと手前に男湯、奥に女湯がある。脱衣所に鍵付きロッカーはないから廊下にあるやつを利用しよう。こちらは100円リターン式だったっけ、コインいらずだったっけ、忘れた。とにかく無料。

脱衣所もなかなかの人口密度であった。久々に混雑する温泉施設へ飛び込んで浮足立ってしまい、分析書を探す余裕もなく。おそらく滝見苑と同じ源泉だと思う。メタケイ酸をもって温泉法上の温泉と認められた冷たい源泉を加温して提供しているに違いない。

浴室にカランは…忘れた。もうテンパっちゃってあかんね。たしか14台くらい。内湯は5名くらい入れそうなサイズだったが、つねにぴっちり満員、つまり芋洗い状態だ。だから悪いってことではないんだけど、どうにも参戦する気にならなくてスルー。

露天風呂は開放感あって気分よし

露天風呂は10余名サイズの岩風呂に8~10名が入っている感じ。内湯よりはまだ人口密度低めかな。お湯はやはり滝見苑で見たのと同じような、緑成分を若干含んだクリアな淡黄色だった。温度は熱すぎない適温。冬だったら簡単にはのぼせないだろう。各自気持ちよく温まっている様子。

岩を積み上げた少し高い場所が湯口になっていて、湯船へ流れ込むお湯の通り道はドス黒く変色していたから、温泉成分はなかなかのものじゃないか。広角に遠くまで見渡せる眺望はないが、近所に別の建物などはなく、目に入るのは基本的に空と自然の緑だから気分はいい。

もともとそれほど長く滞在する予定ではなかった。軽く立ち寄ってみましょうくらいのノリだった。長居を決め込む客は少ないようで、みなわりと短時間で出ていく一方、後から後から新しい客が入ってくる。回転率が高いな。我々もふだんより早めに切り上げて出た。

駐車場へ歩くわずかな間にも次から次へと車が入ってきた。本当に今日は何なんだ。紅葉シーズンでもクリスマスでも年末年始でもないんですよ。いつもこんな感じだとしたら、かなりの人気施設だ…昨今厳しい温泉業界にはぜひ商業的に成功してほしいので…そうであることを願う。


おまけ:洞窟にできた濃溝の滝

フォトジェニックな観光スポット

ごりやくの湯の後は滝見苑方向へ戻り、粟又の滝展望台に寄ってみた。遠ーくに滝が見えます。
栗又の滝展望台
続いて20分ほど走って濃溝の滝へ。前回の房総遠征で見逃したスポットだ。濃溝の滝という看板や標識をあてにすると、実際そのような看板はないので迷いやすい。「幸運の鐘」という看板が見えたらそこの駐車場へ入るべし。我々は本来の駐車場が一杯で入れず、第2駐車場的な未舗装のスペースへ止めた。

現地では「濃溝の滝」と呼ばず「亀岩の洞窟」と表記している。遊歩道を数分進むと幸運の鐘があって、そこから濃溝の滝が見える。
濃溝の滝
洞窟というかトンネルの中にできた水路の段差って感じだ。これがなぜ客を呼ぶ有名スポットになったかといえば、穴の向こうから日が差し込んだとき、水面で反射する光とあわせてハート型に光って見えるから。春秋の彼岸時期の朝早くがいいみたいね。当時は冬&昼近く&曇りでまったくだめ。

いつか濃溝温泉に入ってみたい

我々は来た道をそのまま戻ったが、このような木道を通って帰るコースも整備されている。この一帯は清水渓流広場でもあり、6月には木道コースでホタル観賞ができるとか。
ホタル観賞のできる木道
さらに駐車場の隣には濃溝温泉千寿の湯なる日帰り温泉施設もあった。
濃溝温泉 千寿の湯
お湯の評判はいいみたいだからいつか入ってみたいもんだね。