紅葉の終わりに:川下りを中心とする長瀞・秩父観光

長瀞 岩畳
夏に奥会津ツアーと長野で星を見るツアーを一緒にやったメンバー一同が4ヶ月ぶりに集結して秩父へ行くことになった。あわよくばで期待していた紅葉はもう終わってしまってるだろうな、というくらいの季節。訪れる先は秩父市に限定されるものではなく、広い意味の秩父地方である。

そうすると真っ先に思い浮かぶのが長瀞の川下り。いささかベタではあっても、一度は乗ってみたいですからね。早瀬と瀞を繰り返す川の流れに乗って両岸の岩や紅葉を(ほとんど終わってたけど)眺める舟旅はなかなか良かった。

あとは秩父鉄道の運行するSLを見たり、宝登山神社・秩父神社を見学したり、酒蔵へ行ったりという旅の初日であった。

長瀞といえば川下り

3つの業者と2つのコース設定

早朝の首都圏某所に集合したメンバー一同。車で関越道を快調に走る。今日は渋滞らしい渋滞もなくて結構スムーズに花園ICまで来た。道順はドライバーに完全におまかせしていたからよくわかっていないが、ICを出てから国道140号を進んだんでしょう。荒川沿いともいえるし秩父鉄道沿いともいえる。

最初のイベントは長瀞の川下りだ。秩父鉄道の長瀞駅付近に3つの業者があって、我々が選んだのは長瀞舟下り(あと2つは“長瀞ラインくだり”と“荒川ライン下り”)。駅から宝登山神社方向へ数百メートルのところに店を構えている。駐車場あり。店内に複数の猫ちゃんがいて癒される。

時間によってAコースとBコースに分かれており、我々はAコースに当たった。3km・30分の舟旅で1800円。最初にマイクロバスで上流の出発地点へ連れて行かれて、定員21名の和舟に乗る。
長瀞舟下りAコースの出発点

残念ながら紅葉の盛りは過ぎていた

いざ出発。舟の先頭に立つ船頭さんが竿一本で進路をコントロールするのはプロの技。船尾を守る船頭さんは漕ぎ手兼解説者だ。基本は丁寧な語り口の中にも、べらんめえ口調に似た話し方がちょっと交じってて、大河ドラマ「青天を衝け」を思い出した。主人公は深谷出身だったよな。

さて、出だしの見どころは荒川橋梁。これ列車に乗ってる方もスリルありそうだな。
秩父鉄道 荒川橋梁
もう少し時期が早ければ背後の紅葉が鮮やかで見事だっただろう。今回は一部に残っているのみ。
橋梁と紅葉
舟の前方の景色はこんな感じになります。水量は少なめとのことだった。
舟下りの前方景色

緩急織り交ぜた流れをゆく

流れが緩やかなところばかりではなく、両側に岩が迫って川幅の狭い急流に変わる場所もある。竿さばきの見せ所だ。
急流のところ
急流を抜けたら一転して穏やかな場所に出た。こういう場所を瀞といい、長瀞の名前はそこから来ているとかなんとか。
流れが穏やかな瀞
あっという間に終点の岩畳へ到着。ここはBコースの起点にもなっているし、川や奇岩を展望できる景勝地でもある。舟に乗ってきた上流方向を岩畳の上から撮影してみた。上空はどんより曇っていまにも雨が落ちてきそうな天気だったが、どうにか降らないままで切り抜けたので良しとしよう。
舟下りAコースの終点付近

長瀞駅でのSL見学と近くの宝登山神社

SLパレオエクスプレス

下船後は岩畳から長瀞駅まで歩き、近くのそば屋さんで早め昼食の後、まもなくSLが通る時間だというから駅で待機。すでにSL目当ての観光客が多数集まって来ていて、駅周辺は妙な熱気に包まれていた。

そろそろ来るぞ、もう来るぞ…はいキターーー!!
長瀞駅へ入線するSLパレオエクスプレス
もちろんただの見世物ではなく観光列車だから、予約を取れば乗車することも可能。熊谷~三峰口までの臨時急行・SLパレオエクスプレスだって。機関車に刻まれたJNRの文字にノスタルジーを感じてしまうのはおじさんだからしょうがない。

鉄道マニアではないが見届けてしまう

場所を変えて少し駅から離れてみた。まあそこも見学客が詰めかけて一杯だったけど。SLが長瀞駅で10分近く停車している間に上り下りの普通列車が入線してきて三役揃い踏みの図となった。
長瀞駅に停車中のSLと普通列車
いよいよSLが発車するぞ。汽笛と煙と蒸気を吹きながら巨体がゆっくりと滑り出した。なんともいえぬ重厚感ですな。
発車するSL
今、万感の思いを込めて汽車が行く。さらばメーテル。さらば銀河鉄道999。さらば少年の日々。次はどの星に行くんだい。
過ぎ去るSL

秩父三社のひとつ・宝登山神社

長瀞駅から舟下りの店へ戻って車を回収し、宝登山神社(寳登山神社)へ寄ってみた。当社の入口には整備された池がある。
宝登山神社前の池
なんか結構きつめな石段がありますよ…。初日から足を痛めるわけにはいかないので慎重に上る。
宝登山神社
上りきったら拝殿。この旅でリスキーな行動をする予定がないとはいえ旅の無事をお祈りした。
宝登山神社 拝殿
もっと奥の方には宝玉稲荷神社があった。さらに道は続いており、最後は一周して元に戻れそうな気もしたけど、無理せず引き返した。
宝玉稲荷神社
宝登山神社は秩父神社・三峯神社とともに秩父三社と呼ばれる存在だ。その呼称は全然意識してなかったが、もともと三社すべてを訪れる計画になっており、結果的に秩父三社めぐりも一発で完遂できたのであった。


秩父市内の観光

参拝客でにぎわう秩父神社

初日のうちに秩父三社をもう1箇所訪れた。秩父駅からほど近い秩父神社である。駐車場は満杯で道の駅に止めて5分くらい歩いた。参拝客が結構たくさんいましたよ。行列に並ぶのをあきらめて見るだけになってしまった。
秩父神社
装飾というのか何というのかわからんが、日光東照宮を思わせる鮮やかな飾りが目を引く。側面にまわると三猿がいたし。見ざる・言わざる・聞かざるではなくて、よく見て・よく聞いて・よく話すお元気三猿らしい。
お元気三猿
ほかには秩父宮妃殿下お手植えの乳銀杏が見事だった。もうだいぶ葉が散ってしまっていたけど、それでもまだ「おおーっ」と思わせるような華やかさをいくらか残している。
乳銀杏
秩父神社の向かいには秩父夜祭に関する展示を見せる「秩父まつり会館」もある。神社とあわせて見学するつもりならこちらの駐車場を利用する手はあるかも。今回は時間の都合でパス。

地酒についての展示がある「酒づくりの森」

最後は日本酒・秩父錦の工場と資料館が合わさった「酒づくりの森」へ。売店の建物とは別に酒蔵の建物2階が資料館になっている。
酒づくりの森
資料館内部は通路から工場の一室を見下ろしたり、
地酒工場
秩父錦の酒造りに関する各種展示があった。
秩父錦に関する展示
自分はとくに日本酒フリークではないし、日本酒の味について語れるほどの知識も経験もない。しかしこういうのを見ると秩父錦を飲んでみたくなるってもんだ。売店で自分用おみやげとして特別純米酒の一合缶を買ってみた。あるメンバーが言うにはフルーティーらしいから楽しみにしておこう。

どんより曇って今にも降りそうな天気だったわりには結果的に雨にならずにすんだ。あとは旅館で温泉を楽しもう。