壮観の極み! 常識外れの超巨大風呂 - 硫黄谷温泉 霧島ホテル

硫黄谷温泉 霧島ホテル
2泊3日の南九州遠征の終盤、鹿児島空港へ戻る前にラスト入浴をしようということで、トリにふさわしいのはやはり霧島温泉郷ですかね。中でも目を付けたのが硫黄谷温泉・霧島ホテル。とてつもない広さのお風呂や、火山をイメージさせる硫黄が香る白濁泉を含むさまざまな泉質。口コミなどで評判を知れば知るほど行ってみたくなった。

うーむ、たしかに語り草になる庭園大浴場だった。お風呂の数がいっぱいあって限られた時間では入りきれないほど。なおかつメインのフリーゾーンと呼ばれる中の巨大立ち湯は口あんぐりレベルの大きさ。なんだぁこりゃ…これは風呂なのか!? 風呂の概念がぐらぐら揺さぶられてしまう。なんだかすごいものを見たわ。

硫黄谷温泉「霧島ホテル」へのアクセス

アクセス手段はいろいろあり

霧島ホテルへ公共交通機関で行くには、JR肥薩線・霧島温泉駅もしくはJR日豊本線・霧島神宮駅から路線バス。最寄りバス停は硫黄谷になる。他に鹿児島空港からのバス便もある。

遠方から鹿児島空港入りしてレンタカーを想定した場合、県道56号→新川渓谷から国道223号→最後少しえびのスカイラインを走る…30分。あるいは国道504号→県道60号(自分が初日に通ったルートだ)で先に霧島神宮を見学してからの国道223号…50分+見学時間。

自分は人吉方面から南下しつつ、湧水町の鶴丸温泉へ立ち寄り入浴、栗野の丸池湧水を見学した後に霧島ホテルを目指した。カーナビに従って霧島グリーンロードと名付けられた広域農道を走ったんじゃないかと思う。

霧島グリーンロードの通行止めに注意

途中で「野々湯温泉までは行けますが関平方面は~」というような注意書きの立て看板を目にしたけど土地勘がないから何を言っているのかわからん。気にせず快調に進んでいたら…現地まであと7~8kmのところで通行止めを食らった。この先の○○橋が不通のため関平へは抜けられません・迂回してください、って。その関平がわからんのよ。関羽の息子?

とにかく迂回ルートでR223に合流したが、かなりの大回りを余儀なくされて30分近くロスした。スケジュールに余裕を感じる状態から、効率的に行動しようと気を引き締めるくらいの状態へ、マインドが180度転換。温泉の後に霧島神宮を見学したいから、霧島ホテルの滞在時間についても無頓着とはいかず、気を配らなければいけなくなった。

霧島温泉郷の区域に入るとホテルがぽつぽつ現れ始め、白い煙を噴き上げているような場所も見える。車内に硫黄ガス臭が立ち込める瞬間もあった。いよいよ来ましたね。


とにかくでかい、常識はずれの庭園大浴場

龍馬ゆかりの宿に4種類の温泉

最後はキツめの坂を上って敷地内へ入る。日帰り客は左に曲がったところの駐車場を使う。巨大浴場のあるホテルだから建物も大きいし、外にも庭とか森の遊歩道などがあって、とにかく規模が大きい。
敷地内の庭
フロントで日帰り入浴の受付をする。1200円。すぐ近くに坂本龍馬が姉に宛てた手紙が展示されていた。当館は龍馬ゆかりの宿を謳っており、実際に坂本龍馬は新婚旅行で硫黄谷温泉を訪れたらしい。へー。
坂本龍馬から姉の乙女へ宛てた手紙
2階へ上ってからくねくねと通路を移動していく。たぶん入館したのとは別の棟へ進んでるんだろう。途中には龍馬や西郷どんに関する資料展示あり。硫黄臭より先に幕末臭が香ってくる。
途中通路の展示
大浴場にも受付があって、そこでタオルを受け取る。男湯の前に100円ロッカーがあったから財布・スマホ・車のキーをしまったところ、脱衣所に無料ぽい小さな貴重品ロッカーがあった。しまった、そっちで良かったわ。

それっぽい分析書は見当たらず。普通の文章で泉質を解説するパネルがあって硫黄泉と明礬泉と鉄泉があることはわかった。実際は塩類泉も加わって4種類になる。

内湯ゾーンには3種類の温泉が並ぶ

男湯の浴室はまず男性専用の内湯ゾーンになっている。洗い場は11名分。手前から順に、明礬泉・塩類泉・硫黄泉・水風呂・サウナと続く。ここだけで中規模旅館の浴場くらいの広さはある。

明礬泉は5~6名サイズでお湯は透明系のぬるめ。温度的には自分の好みだね。ぬるいから小さい子がお父さんと一緒に入ってることが多い。お風呂が多すぎて、正直なところ、各お湯の特徴とかあんまり覚えてません。紹介はこんな調子でどんどんいきます。西郷どんどん。

隣の塩類泉は4名サイズで熱めの透明湯。きりっと引き締まりたい時にちょうどいいかも。自分は最後あがる前に「帰りの飛行機で硫黄臭がぷ~んと匂ったらまずいかな」と思って、でもシャワーで温泉成分を洗い流すのも忍びなく、塩類泉で締めた。

お次の硫黄泉はほぼ1名専用の木の浴槽。ずっと独占してなかなか出ないおじさまを見かけたから、ぬる湯なんじゃないかと目を付けてたが、やたら人気があって一向にチャンスが巡ってこない。ノーチャンスで終了と諦めかけた最後近くにようやく入れた。底が見えない白濁、ぬる湯といえる温度、硫黄香、湯船の木質感、一人サイズを独占、こりゃあいいや。順番待ち人が発する圧は気になるが。

フリーゾーンはまるで体育館

水風呂とサウナはパスしてフリーゾーンと呼ばれる混浴区域へ出ていった。まあおっさんと男子しかいないけど。ここは透明な高天井の体育館みたいなつくりで、開放感の面ではほとんど露天風呂といっても差し支えない。浴場にカメラを持ち込めないから、かわりに当館ロビー付近にあったパネルの写真を示す。
ロビーに掲げられた庭園大浴場のパネル
この区域の一番手前にあるのは長寿風呂という木をくり抜いて作ったような3~4名サイズの浴槽。その隣が4名分の寝湯。どちらも硫黄泉じゃないかな。お湯はぬるめ。

圧倒的なスケールの立ち湯にくらくら

それから上の写真に示される超巨大立ち湯がどーんと続く。でかすぎてもう何名サイズとかいうレベルを超えている。こいつはお風呂なのかプールなのか、感覚がおかしくなりそう。その巨大かつ深い穴(1.4m)に白濁硫黄泉がいっぱいに満たされているんだから湯量豊富にも程がある。常識をぶち破ってくる風呂だ。

中には4筋の打たせ湯があったり、消防車の放水のようにお湯を斜め上に放出させ、見事な放物線を描いて落下させる仕掛けや、2段の滝のようなスケールの大きな湯口があったり、なんかすげーとしか言いようがなかった。ただただ圧倒された印象しかない。超広いから客の数にもかかわらず超スカスカで独占してるのと変わらないのは利点である。

メイン立ち湯の右奥に赤松風呂なる硫黄泉の1名専用浴槽が2つあった。ここも人気があってノーチャンスで終わったから体験談なし。

反対の左サイドには浴槽が3つ。まず5名サイズの明礬風呂。自噴泉と彫った石が立ってる。透明系の適温の湯。お次は4名サイズの黄金風呂。ここだけ鉄泉。褐色に見える適温の湯。金気臭あり。人気はそこそこ。それからひのき風呂。明礬泉。ここは若者グループの歓談場になってる状況が続いたためノーチャンス。近寄ることもかなわず詳細はわかりません。

鉄幹(晶子)の湯という露天風呂もあります

まだあるぞ。「鉄幹の湯→」という看板にしたがって奥へ進むと真の露天風呂があった。鉄幹の湯は昭和初期に宿泊した与謝野鉄幹・晶子夫妻にちなんだ命名らしい。女湯側には晶子の湯ってのがある。

ここは白濁硫黄泉の岩風呂でいかにもそれっぽい風情があるね。常識はずれの突き抜け感がないから、人によってはこちらの方が落ち着けてよいと評価するかもしれない。周りは壁や塀で囲まれて眺望はない。むしろしっかり包まれてる感。岩風呂は5~6名サイズでお湯は適温。

これだけ風呂が多いから、ひと通り体験しようとするだけでも時間はすぐに過ぎる。なんだか呆気にとられている間にタイムアップが来てしまった感じだ。最後まで狐につままれたような気分で退出したのであった。まあとにかく百聞は一見にしかずで、来てみてよかったですわ。


おまけ:最後の観光に霧島神宮

霧島ホテルの後はラスト観光で霧島神宮へ。車で15分。大鳥居をくぐってロータリーを右折してつきあたりを左折すると現れる無料の第1・第2駐車場に止められれば境内が近い。

中は見るべきところがいろいろありそうだったが、レンタカーを返して空港へ戻る時間に余裕を持たせたいし、夕刻暗くなる前に運転を終えておきたかったので、おそれながら最短モードで行動。拝殿まで一直線に進むと立派な御神木があった。
霧島神宮の御神木
特別に申し込まない限り、一般参拝客は拝殿の手前のところまでしか行けない。その奥に国宝の本殿・幣殿・拝殿が続いている。
霧島神宮 一般客はここまで
さあこれで今回行くべきところはすべて行った。あとは帰るだけ。前に鹿児島へ来た時の最後にやったように、空港で一人打ち上げでもするか。