しぶとかった残暑もようやく勢いに陰りが見え始めて夏から秋へ季節が変わる頃。我が温泉旅行の勢いはまったく衰え知らず。円安にも負けない勢いだ(当時のレートで)。為替介入したってオラの動きは止まんねえ。
調子こいて次なる遠征先に目論んだのが米沢。でもお泊りする旅館へ入る前にどこかで立ち寄り入浴しよう。少し視野を広げて検討した結果、南陽市の赤湯温泉に目をつけた。駅から温泉街まではちょっと距離が離れているのだが、天気は良さそうだから歩いたってかまわない、無問題。
ちょうど公衆浴場「湯こっと」が2022年6月にオープンしたばかりだったから行ってみることにした。熱めとぬるめの2浴槽からなる内湯と半露天風呂。風呂あがりには南陽ワインがあるよ。
赤湯温泉「湯こっと」へのアクセス
駅から温泉街までは少し距離がある
今回は鉄道旅。というほど大げさなものではない。山形新幹線に乗れば米沢や赤湯までは一発で行けるから、実にあっさりしたものだ。問題は赤湯駅から温泉街までの2kmほど。なんか調べても路線バス便がなさそうなんだよね。20~30分歩けばいいんだけども。
体力というよりは時間の都合で往路だけタクシーを使わせてもらった。帰りは徒歩で、途中途中のスポットをチラ見しながら駅まで戻った。そこで仮に往路も徒歩だったという体裁に組み直して各スポットを紹介しよう。
街を歩いていて目につくのがラーメン屋さん。ラーメンは赤湯名物のひとつになっている。駅のホームにもラーメンをアピールする横断幕があった。辛味噌が特徴らしいけど、横断幕を見る限り醤油や豚骨風もあったし、なんでもありって感じ。今回は時間の都合と新幹線内で駅弁を食べてお腹いっぱいだったからパス。
駅と温泉街の中間点に赤い橋がある(花見橋ポケットパーク)。赤湯温泉にちなんだ色にしたのだろうか。
湯こっと以外の公衆浴場
橋を渡って少し行くと、公衆浴場のひとつ「烏帽子の湯」がある。ご当地の烏帽子山八幡宮にちなんだのかな。浴槽が烏帽子の形をしているらしい。外観からするとかなりジモティー色が強そう。
温泉街中心部の赤湯温泉観光センター「ゆーなびからころ館」は足湯を備えている。体験するお客さんがポツポツ。見た目は湯こっとのお湯と同じようだったね。
ゆーなびからころ館の裏手には公衆浴場「赤湯元湯」。2種類の源泉が提供されており、熱め・ぬるめの違いもあるとのこと。烏帽子の湯に比べると観光客も入りやすい雰囲気。
駅から最も遠い公衆浴場が「湯こっと」だ。最も新しく、訪問当時でオープンから4ヶ月前後というピチピチの若さ。冒頭写真の通りモダンで小洒落た雰囲気があって明らかに観光客の取り込みを狙ってる。なので遠慮なく利用させてもらいました。
これが出来たての「湯こっと」だ
引いてるお湯は森の山源泉
入ってすぐ右手にワインサーバーが設置されていた。ご当地ワインの銘柄がずらっと並ぶ。ノンアルのぶどうジュースもあるけどせっかく飲むならワインだな。風呂あがりに飲んでみようっと。鉄道旅でちょうど良かったぜ。
自販機で入浴券を買う。300円。ぱっと目についた受付に入浴券を差し出すと、「お風呂の受付はあちらです」…間違えた~! そこは施設の事務窓口とでも言うべきカウンターのようだった。靴を脱いであがったところにお風呂の受付があった。見事な初見殺し。※でも、とっても親切丁寧に誘導してくれました。優しい。
受付でパウチ包装のシャンプーとボディソープをくれた。男湯は手前側。脱衣所には100円いらずの鍵付きロッカーがあるので旅人には助かる。分析書を探してチェックすると「含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉」。加水・加温・循環・消毒ありのように読める。源泉名は森の山源泉だったっけな。
熱めとぬるめに分かれている内湯
浴室はさすがに新しくてきれい。洗い場は12名分。よくあるボトルタイプのシャンプー・ボディソープは置いてなくて、さっきもらったパウチのやつを使う。使い終わったパウチは入口付近の壁沿いに並んでる白いカゴ(?)に捨てる。
浴室の中央に楕円形の浴槽が床に埋め込まれるような形で鎮座しており、真ん中の湯口を境に2つの区画に分かれている。それぞれ7~8名サイズ。手前側の区画は温度計が示すところによれば41~42℃、奥側は44℃。どちらも熱いんだが相対的な意味でぬるめ・熱めと呼ぶことにしよう。自分は専らぬるめの方を利用した。
お湯はわずかに緑がかったささ濁り。浸かってみると温度計の数字ほど熱くない。結構いい感じで入っていられる。湯の花・泡付きはなし。よくよく目を凝らすと白っぽい粒があるような気はしてくるが。含硫黄ということで硫黄香を想定して匂いを嗅いでみたところ、それらしい特徴は感じなかった。一方で消毒剤の塩素臭もしなかった。浴感じたいはなかなか良い。
露天風呂(半露天風呂)もあります
露天風呂もある。といっても高い天井が内湯から連続していて、壁のはるか上の方が開いていて外とつながっているスタイルだから、直接外が見えるわけではない。
こちらにあるのは細長いタイル浴槽。向かい合わせにはなれないから、横一列に並んで5~6名サイズってところか。露天風呂に客が集中することはなく、ひと通りの浴槽に入ってみたい人や、湯気でモワッとした内湯をちょっと脱出して気分を変えたい人がたまにやって来る程度だ。
お湯の見た目は内湯と変わらず。温度は先ほどのぬるめと熱めの中間くらい。匂いには明らかな塩素臭あり。ふむ、自分だったら内湯のぬるめの方を好むな。
ということで内湯ぬるめ槽へ戻り、大半をそこですごした。なんとなく、温泉であったまる際の気持ち良い感覚をうまく引き出してくれるお湯のように思える。善き哉。
風呂あがりは優雅にワインを
さて、入浴の後はワインをいただこうじゃないか。入浴券を買った自販機でワイン券も買える。300円。ワイン券を事務受付に提出すると、グラスとコインを渡される。
ワインサーバーにはプレミアム銘柄(コイン1枚で60ml)とノーマル銘柄(90ml)が用意されている。赤ワインには中口・重口、白ワインには甘口・辛口のバリエーションあり。ワインについては素人のワイ。よくわからんので直感で、ノーマル銘柄から南陽ワイン赤・中口を選んでみた。
おほほほほ。小洒落たロビーのテーブル席でいただく風呂あがりのワインは格別。赤湯温泉だけに赤が映えるね。