避暑と硫黄泉の楽園にようこそ - 万座温泉 万座ホテルジュラク

万座温泉 万座ホテルジュラク
ある夏の日、久しぶりに万座温泉へ行ってみようと思い立った。理由その1…毎日暑すぎてもう嫌、少しでも涼しいところへ避難したい。理由その2…硫黄成分含有量が日本一と称されるあの白濁硫黄泉に再び入りたい。理由その3…理由なんて2つあれば十分だろ?

前の訪問時は万座プリンスに泊まったんだった。今回は宿を変えてみよう。それと一人旅なので受け入れ可否や料金水準も考慮しつつ、万座ホテルジュラクのおひとりさま向けワーケーションプランに決めた。べつに仕事しないけど。

やっぱり万座の湯はいいですね。露天風呂の景色も見事だし。何度も何度も大浴場へ行ってしまった。もしマネー事情と職場事情が許すなら、しばらく引きこもってワーケーションしたいぜ。

万座ホテルジュラクへのアクセス

東京方面から公共交通機関で万座ホテルジュラクへ行こうとすると、軽井沢駅から西武観光バスに乗るのが一般的だろう。新幹線が使えるし。このバスは途中でJR吾妻線の万座鹿沢口駅を通るので、吾妻線で同駅まで行ってもいいけど、かえって大変じゃないかと思う。

万座バスターミナルで下車してからはよくわからない。まともに車道を歩いたらぐるーっと遠回りで1km以上も歩かされるし、ほぼ最短ルートに近い上り坂の遊歩道があるようにも見えるけど確証はない。冬はバスターミナルとの間を無料送迎してくれるみたいだ。

今回はレンタカーのおかげでそういった迷いは不要。渋川~八ッ場~半出来温泉~万座ハイウェーを経由して万座温泉まで登ってきた。万座ハイウェーは通行料1070円。草津~白根を回り込んでくるルートだと無料ですむけど山道くねくねが結構大変じゃないかな。まあお好きな方で。

事前にネットで調べたら、万座温泉では熊の目撃情報が相次いでいた。当ホテルのわりと近くでも目撃されている。レオナルドじゃない熊はやべえよ。出会ってしまった時点で万事休すだからな。駐車場に車を置いたら散歩や付近の探索などせず、建物を撮影するくらいにして速攻でホテル内へ駆け込んだ。


温泉でおこもり滞在するスタイルに向いてそう

オールインクルーシブ制のホテル

チェックイン手続きは順番待ちができていて待ち時間長め。しばらくは次のようなロビーで過ごすことになる。
万座ジュラクのロビー
正面はガラス張りのおかげで展望が開けていて風呂上がりにボーッと眺めているだけでも楽しそう。向こう側に立っているのは万座プリンスホテルではないだろうか。
ロビーから外を眺める
そしてロビーではフリードリンクやお菓子が提供されているほか、なんとビールも無料で飲めてしまう。チェックイン待ちの間に飲んでも良かったな。拙者チェックイン完了前ゆえまだ権利がござらぬ、と妙な武士道精神を発揮して遠慮してしまった。
お菓子・ドリンク・ビールのサービス
ここで料金システムについて説明しておこう。オールインクルーシブ制…つまりチェックイン時に入湯税含む宿泊料を払った後は、上記ビール・ドリンク・お菓子サービスも食事の時に飲むお酒も、卓球などの館内レク施設の利用も追加料金なし(自販機を除く)。チェックアウトの際は部屋のキーを返すだけで精算がなく待たされないというメリットもある。

ワーケーションしてみたくなる部屋

玄関・フロント・ロビーがあるのは4階。多くの客室は1~3階にある。自分が入った部屋は5階に10室ほど並ぶうちの1室だった。
万座ジュラクのシングルルーム
ベッド、お仕事をする用のデスクとOAチェア、休憩用のテーブルと椅子などからなるシングルルーム。一人には十分な広さと装備だ。
シングルルームその2
シャワー付きでないトイレ+洗面台とセットになった3点式ユニットバスあり。金庫あり。冷蔵庫有無は忘れた。フリーWiFiあり。エアコンなしでも部屋が蒸し暑いとか夜寝苦しいとかは特になかった。窓の外を眺めると隣接する棟の向こうにちょっとだけ地獄谷(空吹)が見える←部屋の向きによります。
窓の外の景色
ワーケーション視点でいうと、有線LANのケーブルが壁から生えていたし、USBアダプタ一式なる小物袋が置いてあったりした。試してないけどもPCをネットに繋いで使うのはすぐできそうに見える。


憧れの白濁硫黄酸性泉と絶景露天風呂

温泉の匂いと色で愉快になってくる奴

夕食を17時半開始の組にしてもらったから、その前に、入浴→風呂上がりのビール→休憩→入浴のセットを急いですませねばならない。さっそく3階の大浴場へゴー…おっと待った、大浴場の手前にシャレオツな展望テラスがあるじゃないか。湯あがりに行ってみたらリッチな気分になれるかもしれない。
展望テラス
大浴場のそばに暗証番号ダイヤル式の貴重品ロッカーあり。また男湯女湯は時間による入れ替えあり。19時までは手前側が男湯になる。掲示された分析書には「単純硫黄温泉(硫化水素型)、低張性、弱酸性、高温泉」とあった。PHは3とちょっと。熱交換方式による加温あり、加水・循環・消毒なし。

浴室に入るとはっきりそれとわかる硫化水素ガスの腐卵臭が。おーいいねいいねー。洗い場は10名分。内湯浴槽は向かい合わせにならずに6~7名横並びできるサイズ。見事なまでの乳白色のお湯で満たされていた。

浸かってみると適温。思ったほどは熱くない。脱衣所にあった温度チェック表によると40~41℃を保つように管理している模様。絵に描いたような白濁硫黄泉で浴槽の底は見えない。この泉質によく見られる白い粒々がお湯の中にたくさん漂っていた。匂いを嗅げばもちろん腐卵臭を感知する。なお酸性だからといって体中がピリピリ痛くなるということはない。

ぬるい浴槽もある露天風呂、湯あがりビールが最高

お次は露天風呂へ。4名サイズの浴槽が2つ並んでいる。左側が適温。右側がぬるめ。ぬるいのが好きなのでもっぱら右側に入っていた。下の写真は前述の展望テラスから見た空吹だが、このような感じの景色を露天風呂でも見ることができる。
万座の空吹
まさしく雲上の絶景温泉ってやつだな。泉質・湯質・景色・風情が高いレベルで融合しており満足感は非常に高い。宿泊客数からするともっと混雑してもおかしくない気はするけど実際は比較的余裕があった点も良し。温泉むすめ・万座千斗星ちゃんもご満悦の様子。
温泉むすめ 万座千斗星
しかも大浴場を出たところにビールサーバーが設置されていた。これもインクルーシブ。最強やないの~。ただし1杯が軽く喉を潤すくらいの量。カップにたっぷりの量のビールを求めるならロビーへどうぞ。

なにせインクルーシブだからな。ようし、おじさん飲みまくっちゃうぞ、と意気込んだものの、終了時刻22時までにビールサービスを利用できたのはたった1杯。混雑とか品切れとかじゃない。自分がたくさん飲めなかったのだ。こんなァはずでは…おれのォ人生…(ディオ)。

もう一方の大浴場はやや小さめ

夕食後はうかつにも寝落ちしてしまい、目が覚めたら22時過ぎ。ビールサービス終わっとるやん。ショックを隠しきれないまま大浴場へ。男女が入れ替わってもう一方の浴室を体験した。基本は一緒で全体にひと回り小さい。

内湯は10名分の洗い場に6名サイズの浴槽。やはり40~41℃に管理された適温の白濁硫黄泉である。湯口から少し離れればそんなに熱く感じなくてわりと長く粘れる。

こちらの露天風呂は4名サイズの浴槽ひとつのみ。はっきりとぬるいわけではなくて、内湯と同じ温度だったものが外気に触れる分だけ冷めてる程度。日が出ている時に見える景色は先の露天と同様にすばらしい。夜はきっと満天の星を楽しめるのだろう。当時は残念ながら雲に遮られて星が全く見えず。

朝の撮影タイム開放はいいアイデア

全部で夕方2回・夜1回・朝3回入ったなあ。大浴場を利用できるのは朝9:30まで。その後の9:40~9:50までは撮影タイムとして大浴場を開放してくれる。もちろん撮影しに行きました。
万座ジュラクの内湯
見よ、これが露天風呂だ。
万座ジュラクの露天風呂
あーいい湯だったな。湯あがりは全然ベトつかずサラッとした感触。そして肌がすべすべになる。加えて朝の目覚めの時に体がなんとなく焦げ臭かったのは硫黄成分のせいだろう。さすが万座の湯。


好きなものを好きなだけ食すがいい

思い切り飲み食いしちゃうぞ、と張り切った夕食(結果は…)

食事は朝夕とも3階バイキング会場で。夕食は時間をずらして2つの組に分けられ、自分は早い17時半の組を希望した。この体制だからテーブル席はあらかじめ割り当てられており、空席待ちはない。料理も開始直後は人だかりができるけど、その波が落ち着けば余裕を持って取りに行ける。

目移りする程度に十分な品数が提供されてて品切れも起きない。最初に取ってきたのがこれ。
万座ジュラクの夕食バイキング
群馬ってことで上州牛しゃぶしゃぶ・花豆を選んでみた。あとはビールを意識して中華系を多めに。このビールや日本酒・焼酎・ワイン・ウイスキー・ソフトドリンクも追加料金なしの飲み放題である。

続いてライブキッチンで羊肉をゲット。わさびをたっぷり付けるのがおすすめらしい。
万座ジュラクの夕食バイキングその2
2杯目のお酒はウイスキーの水割りにした。こいつが効いて食後に寝落ちしちゃったんだろうなあ。おかげでビールサービスを使い倒せなかったもんなあ…おれのォ、インクルーシブゥゥ…。

朝食はこんにゃくとキャベツを意識してみました

朝食は7時開始で自由席方式。開始直後に行って無事に席を確保した。自分にしては頑張ってたくさん取ってきたのがこれ。
万座ジュラクの朝食バイキング
まず群馬といえばこんにゃくだ。こんにゃくそうめんなる品が目を引いたから取ってみた。そして玉こんにゃく。また嬬恋村ということでサラダにはキャベツを多めに投入している、と思ってよく見たらレタスだったわ。まあどっちでもいいか。

もちろん選択肢はこれだけじゃなく、パンやカレーといったメニューもあった。各自の好みに応じていろいろ取り揃えておりますってところだ。最後にコーヒーで締めて終了。まだ7時半すぎ、風呂にはあと2回入れるな。

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久しぶりの万座を満喫した。何度でも入りたくなる温泉と避暑にうってつけのロケーション。どうせ仕事するならこんな環境でカンヅメになってみたいもんだよ。問題は宿泊料金と仕事の日当が釣り合うかどうかだが、そこはあえて考えないでおこうか。