岩盤浴とミストサウナ自慢の湯 - 伊豆長岡温泉 弘法の湯 長岡店

伊豆長岡温泉 弘法の湯 長岡店
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を観ていたら、安定の好人物キャラ・蒲殿が修善寺に幽閉されたあげく退場してしまったので、供養のため修善寺温泉へ行ってみることにした。宿泊先は修善寺でいいとして、途中どこかへ立ち寄り湯しよう。

そういえば伊豆長岡に温泉施設がいっぱいあるはずだが一度も行ったことがないな。調べてみると弘法の湯が評判良さそうだった。日帰り入浴にも力を入れてる様子で、現地まで来て「今日は外来やってないんですよ~」と断られてしまう、みたいな悲劇はほぼ食らわずにすみそうだ。

2店舗あるうちの長岡店へ行ってみた。岩盤浴+ミストを売りにしているだけあって、そっち方面が充実している。湯気がすごいんで爽快感はないけど一応ぬるいお湯もあります。

伊豆長岡温泉「弘法の湯 長岡店」へのアクセス

弘法の湯は伊豆長岡に2店舗ある(本店と長岡店)。口コミなんかだと本店のお湯は熱いらしい。長岡店にはぬるめの湯船もあるっぽい。自分の好みと季節を考えて長岡店に決めた。長岡店のもうひとつの利点は交通の便である。鉄道駅からバス便があって、バス停から歩く距離もかなり短い。

遠征の朝、新幹線こだまで三島を目指す。本当は経費節減のため各駅停車にしたかったのだが、北条ゆかりの地を訪ねる聖地巡礼的なやつもついでにやりたかったのでね。タイムイズマネー。

三島駅で伊豆箱根鉄道に乗り換えて伊豆長岡駅へ。途中駅の伊豆仁田って仁田忠常と関係あるんじゃね?…などと、ドラマのおかげで気づくことがあったな。ちなみに終点修善寺の1つ手前の牧之郷駅を牧の方=りくと結びつけるのは深読みしすぎ、関係ないみたい。

さて、伊豆長岡駅からいい具合にバスが接続していて、10分ほどで温泉場という停留所に着いた。温泉街の活気はなくてやや寂しい雰囲気。

ここから当湯までは徒歩1分。いや、1分かからないかもしれない、というくらい近い。なにせ道路がカーブする先にもう見えてるからね。
温泉場バス停から近い弘法の湯長岡店

岩石と温泉のコラボを売りにしたヘルスケアの湯

1日滞在してプチ湯治すべき施設

正面入口の脇にオート三輪が展示されているのが目を引く。反対側には弘法之湯守尊像が。店名からして弘法大師様とみた。店内レストランは空海っていう名前だし。
弘法之湯守尊
フロントで日帰り入浴の旨を告げて料金を支払う。2300円(16時以降なら1500円)。うーむ、結構するなあ。タオル・浴衣・ペットボトルの水が付属するから、休憩室と大浴場を何度も行き来する「1日滞在型」が本来の利用法なのだろう。しかし旅の都合で1時間くらいしかいられない。もったいねー。

まず2階の更衣室へ上がるために通路奥のエレベータへ向かう。通路には「神秘の水」なる水飲み場があった。北投石といえば玉川温泉を思い出す。あの石を導入しているのか。
神秘の水
更衣室ではフロントで渡されたキーと同じ番号のロッカーを使う。ロッカー内のかごにタオルが入っている。浴衣は一緒に入ってたか、フロントで渡されたか、忘れてしまった。とにかく更衣室で服と荷物をロッカーにしまい、かご+タオル+浴衣の出で立ちで1階の大浴場へ進むことになる。バスタオルは大浴場脱衣所に積んであります。

内湯では北投石の効能を期待しよう

脱衣所では「日帰り入浴のお客様用」と書かれた棚にかごや浴衣を置く。分析書が貼ってあったのでチェックすると「アルカリ性単純温泉、低張性、アルカリ性、高温泉」とのこと。加水・循環とかはよくわからず。

浴室へ入るなり湯気がモワッと、かなりの存在感を示していた。熱気のこもり方がすごい。普通の浴室からしてすでにサウナチック。洗い場は12名分。5~6名サイズの内湯浴槽が2つあって、それぞれ「あつ湯」「ぬる湯」と札がついている。どちらも底の一部に板状の岩が設置され、湯口直下には金属製の箱に入れられた石あり。それが北投石じゃないかな。

あつ湯はパスして最初からぬる湯にロックオン。たしかにぬるめだ。ただしモワッとした湯気と熱気で爽快感は薄め。ラドンを吸引する狙いがあるみたいだから仕方ないか。そのかわり風呂あがりにスッキリサッパリしそうな予感。お湯は完全なる無色透明だ。湯の花・泡付き・特徴的な匂いなし。塩素臭もしない。

バドガシュタイン鉱石に囲まれた露天風呂

のぼせてきたのでいったん露天風呂へ出る。外へ通じる扉には「バドガシュタイン鉱石を使っています」風のことが書かれていた。オーストリア産の北投石みたいなもののようだ。バドガシュタインね…なんとなくアライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月決算型<為替ヘッジなし>を連想した。自分は持ってませんがね。

露天風呂はさすがに湯気や熱気がこもることはなく、時おり吹く風が爽やかだ。温度はぬる湯とあつ湯の中間程度。奥の方は石テーブルを囲む石椅子的なつくりになっている。テーブルを囲めるのは3名、普通に浸かるスタイルを含めると全部で10名くらい入れそう。

露天エリアに眺望はなく、岩の壁に囲まれている。この岩がバドガシュタイン鉱石であろう。目には見えなくとも何かいい具合に健康に貢献してくれてるってことで、いいんじゃないの(ふわっとした理解)。

寝転がって汗をかくミストサウナ

ふだんはサウナとかミストは体験しないで見送るところ、せっかくのセールスポイントなのでミストサウナ室へ入ってみた。15名分の御影石の寝転び所が用意されている。岩盤浴とは違い、石が熱くなってはいない。で、天井からミストが吹きつけられる。

一般のサウナほど熱さを我慢するという感じがなく、わりと苦ではない。のんびり寝転がっているうちに汗がじと~っと出てくるのがわかった。

自分はある程度体験したところで「なるほどね」と出てしまったが、サウナ志向の人は長居するのかもしれない。あと浴場内に水風呂がないような気がして、クールダウンはどうするんだろうと思ってしまった。

 * * *

時間の都合でひと通りざっくり試しただけで終わったのはちょっともったいなかったかな。休憩室がどうなっているかも見ていないし。ミストサウナとは別に岩盤浴があったり、ストーンセラピールームなんてのがあったりもするようだし。

宿泊もやっているから、弘法の湯をたっぷり体験してみたければ泊まりでどうぞ。


おまけ:可能な範囲で北条の里めぐり

北條寺にある北条義時の墓

弘法の湯を出た後は伊豆長岡の隣の韮山駅へ移動。スケジュールの関係で訪れるスポットを絞らなくてはならないため、ドラマの主人公に敬意を表して北条義時のお墓がある北條寺を目指すことにした。駅から徒歩20分以上。炎天下だと結構つらいよ。

北條寺少し手前の江間公園の一角に北条義時館跡の碑が立っていた。
北条義時館跡の碑
北條寺へ着く頃には全身汗だく。せっかく弘法の湯でさっぱりしたのに…。
北條寺
本堂内で観世音菩薩像や阿弥陀如来像の展示を見られる他、境内の小高い丘を1~2分登ると義時夫妻のお墓がある。右が義時本人の墓。左は姫の前(比奈)の次の妻・伊賀の方とのこと。裏表のある“のえ”さんですな。訪問時点ではまだドラマに登場してない。
北条義時夫妻の墓
義時が再建したという豆塚神社にも寄ってみた。境内には手作り感満載の北条義時歴史館がある。
豆塚神社

今なら大河ドラマ館も欠かせない

韮山駅前まで引き返して、今度は「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館」へ。展示物のある建物内へ入るには入館料500円。飲食や小物類の店がいくつか出店している中庭は自由に立ち入ることができる。
鎌倉殿の13人 大河ドラマ館
中はそんなに広くない。しかし本作のファンにとっては衣装や小道具の展示があって楽しめると思われる。
北条義時の衣装展示
佐殿が小四郎に平家打倒の本心を打ち明け、お前は頼りになる弟だと話すシーンを模した湯河原温泉のミニセットでは、烏帽子姿を記念撮影してもらえる。なお、出演者のサイン色紙や4K映像コーナーは撮影禁止といった縛りがあるので注意しよう。