今回の栃木遠征の隠れテーマは「駅から近い範囲で行動する」だった。いつもにも増してゆる~い旅にしたかったし、雨だ風だと心乱されたくなかったし。その点、鬼怒川~川治~湯西川ラインは条件がばっちり整っていた。帰りの立ち寄り湯も簡単だ。鬼怒川温泉で決まり。
駅近で有名どころで敷居が高くないところといえば公共浴場の「鬼怒川公園岩風呂」でしょう。地元民ばかりでなく観光客もたくさん訪れている様子がうかがえた。内湯・露天風呂とも広さは十分で、少なくとも当時は窮屈な思いをすることもなく締めの一湯を楽しんだ。
途中から雨がぽつぽつ降り出したけど、そこはさすがの駅近温泉。傘なしで駅まで強行突破することができた。いやあ便利便利。
鬼怒川公園岩風呂へのアクセス
行き方は簡単だ。東武鉄道鬼怒川線で鬼怒川公園駅まで行きましょう。駅からは徒歩数分。はい終わり。自分は川治温泉・坂聖日光をチェックアウトして川治湯元駅から上り列車で向かった。鬼怒川公園駅とその周辺は春の週末だというのに人が少ない。有名観光地にしてはいささか寂しい光景だ。
このエリアはよく言われる通り、朽ち果てたような廃墟や、そうでなくてもかなり古びた建物が目立ち、寂しさを一層際立たせる。すぐれた渓谷美はあるし温泉も充実しているんだから、もっとこう、レジャー気分を高揚させる雰囲気に持ち込めればいいんだが。なんとか整備できないのかね。
さて、駅を出たらすぐ近くに歩道橋があるので、そいつで線路をまたぐ。そうすると鬼怒川公園の敷地に入る。公園の全体像はよくわからないが、とりあえず芝生の広場と野外ステージがあった。ミニミニな遊具がかわいい。
広場を越えていった先に当館が見えてきた。ちゃんと駐車場も整備されていてマイカーでお越しのみなさんも大丈夫。では入りましょう。
少しずつ温度を変えた浴槽が用意されている
余裕ある広さの内湯
入口で脱いだ靴は下足箱へ。取り違え・紛失が心配なら100円リターン式のロッカーに入れよう。そう書かれた張り紙もある。自販機で入浴券を買い(日光市民以外は700円)、受け付けしてもらう。男湯女湯の入れ替えについては不明。当時は向かって左側が男湯だった。
脱衣所にあるのも100円リターン式のロッカー。小銭の用意を忘れずに。デカケルトキハ、ワスレズニっていうCMがあったな。どうでもいいか。分析書を見つけてチェックすると「単純温泉、低張性、アルカリ性、高温泉」だった。加水なし、加温・循環・消毒あり。
浴室は思ったより広い。左には余裕で15名いけそうなメインの岩風呂、右奥には4~5名サイズの桧風呂が見える。お客さんはそこそこいても全然密じゃない。余裕たっぷり。一番混雑感があったのは洗い場で、カランは5台あるもののレイアウトの関係で1台は死んでるようなものだから実質4名分。わりかし埋まり率が高かった。
施設名にもなってる主力の岩風呂と熱めの桧風呂
まずメインの岩風呂へ。こういう露天風呂にありそうな湯船を内湯に持ってくるとはなかなかやるな。お湯は完全なる無色透明で適温。塩素臭はとくになし。湯の花・泡付きなし。ヌルヌル・ツルツル・ベトベト感もなくてさらっとしている。際立った特徴がないかわり、誰にとっても受け入れられる間口の広い温泉。
使われている岩が灰色だけじゃなく緑色だったり赤っぽかったりとカラフルだ。栃木つながりでなんとなく塩原の木の葉化石園で見た鉱石展示を思い出した。
お次は檜風呂へ。腰掛けて半身浴がしやすい風になっている。そしてお湯はやや熱め。他の浴槽に比べるとあまり人はやって来ないのでお熱いのがお好きな方は狙い目かもしれない。とはいえ、どの浴槽もそんなに混んでるわけじゃない。
まだ午前の時間帯だからってだけかも。夕方になればもっと人が増えてわちゃわちゃしてくるのかな。客層は地元風のお年寄り、観光客らしき親子連れ、あとは若者グループがそこそこ。この旅で体験した風呂の中では若者率が最も高かった。
開放感のある露天風呂
露天風呂は浴槽こそ内湯メインよりひと回り小さい10名サイズだけど、露天エリアそのものが広く取られていて、屋根もないからとても開放的な気分になれる。駅近の公園内に作られているわけだからさすがに囲いなしとはいかない。それでも空間的な余裕がかなりあるおかげで露天風呂の醍醐味は味わえる。
お湯の特徴は内湯メインと一緒。同じ岩風呂でもこちらの方が人工的なデザイン感が強め(人工的じゃないデザインなんて存在しないけど相対的印象で)。
温度は内湯よりもやや熱めよりだったと記憶しているが、帰る際に脱衣所で見かけた張り紙には「本日の湯温:露天風呂40.7℃、岩風呂41.6℃、桧風呂42.2℃」みたいな数字が並んでいた。ただしあとでメモ帳に記録した数字がこうだったというだけで、転記ミスの可能性あり。ぬるいのが好きだから内湯メインを主力にしていこうと方針を立てた記憶があるんだよね。
露天風呂に浸かっていたらそのうち雨が降り出した。ついに来たか。でもたいした降りじゃない。帰りも傘なしで駅までたどり着けそうだな。動じることなく露天風呂に居座り続け、それから内湯へ戻るなどしてタイムアップ。
* * *
鬼怒川公園岩風呂は鉄道旅行者にも便利なローケーション、まあまあのお値段で鬼怒川温泉を体験できて、公共浴場でありながら岩風呂・桧風呂・露天風呂といった演出もあり。旅の途中で立ち寄るのに適した温泉といえるだろう。
おまけ:宇都宮餃子で一人打ち上げ
「来らっせ本店」の人気をなめていた
温泉を出た後は直帰しない。まだやることがある。宇都宮の餃子で一人打ち上げだ。宇都宮から東京方面へ帰るのに在来線を使うつもりだから、グルメドラマ「居酒屋新幹線」のようにテイクアウトして車内に持ち込むわけにはいかない。毎度お世話になってる「来らっせ本店」を目指します。
乗り鉄を兼ねて鬼怒川公園→下今市→東武日光→JR日光→宇都宮と移動。下今市ではSL大樹を見ましたよ。
宇都宮で雨はすっかり本降りになっていた。丸腰で駅から徒歩15分は無理ゲーだから(傘させよ)、来らっせ本店まではバスで向かう。
現地で衝撃の事実。待ち時間60分…だと…? 帰りの列車が決まってるわけじゃないけど、60分はちょっと待てないなあ。そのままバスでとんぼ返り。駅前にも雨の中すんごい行列ができてる店があったりして戦意喪失しそうになる中、待ちなしで入れたのが宇都宮餃子館・西口駅前中央店。
めでたく宇都宮餃子にありついた
ビール・餃子・手羽先のセットを注文して、めでたく#居酒屋新幹線ごっこ、開店。
正直なところ餃子のあれこれを語れるほどの人間じゃない。その時うまかったから満足である。皮はパリッと、中身はジューシー。これでビールに合わないわけがない!(CV:高宮進)
締めはおむすび餃子。おむすびの中に餃子が入ってる不思議な食べ物だ。梅も入っててさっぱりする。意外な組み合わせと思わせて結構いける味。よく考えついたな。
たらふく餃子を食べまくりお酒を飲みまくる気概で臨んだら、わりとすぐに満腹&ほどよく酔って終了モードになってしまった。あれえ~もうおしまいかよ。すっかり焼きが回っちまったな。餃子だけに。