桜とともに河津の名所として知られる河津七滝(ななだる)。近くを通るループ橋の名前にも使われている。そんな滝の名所はまた温泉地でもあった。早春の伊豆旅行2日目、七滝を見学するついでといっちゃあなんだが、かの地で温泉に入ることになった。
訪れたのは源泉かけ流しの宿を標榜する七滝温泉ホテル。無料駐車場の目の前だ。滝見学の起点としてベストなロケーション。もちろん先に滝を見た後で、歩き回った疲れを癒やしてリフレッシュしようっていう算段。
観光客で混雑してるかもなと思ったら、我らご一行様だけで露天風呂を独占できてとても良かった。熱すぎないちょっとぬるめのお湯で、わりとのんびり浸かることができた。おかげでリフレッシュ完了。
七滝温泉ホテルへのアクセス
河津桜の時期は渋滞注意
伊豆半島外から河津七滝へ向かうには、中伊豆南下ルートで伊豆縦貫道→国道414号を天城越えしてループ橋を下ることになるだろう。途中には浄蓮の滝もある。
我々は松崎町の雲見温泉・高見家から出発したので反対側からアプローチする形だった。西伊豆の海沿いから内陸部へ入ってすぐの桜田温泉前にある「田んぼをつかった花畑」を最初に見学…しようと思ったら、まだ花があまり咲いていなかった。例年は色鮮やかな花で埋めつくされてる時期なんだけどね。今年の冬は寒い日が続いてたからな。ここはスルー。
婆娑羅峠→稲梓で414号に入ってあとは北上。河津桜まつりは終わっていたし、まつり会場になる観桜スポットは通らないし、河津から離脱する向きであれば渋滞する要因はない(まだ帰りの渋滞が起きる時間帯じゃない)。逆向きは車が詰まっていたから大変だったでしょうね。
七滝地区へのT字路が難所だった
ループ橋が始まる手前を右折すると七滝地区に入る(南下ルートの場合は左折)。ここのT字交差点は信号を作るべきだよなあ。当日のように交通量が多くなると車が途切れないため右折のチャンスが全然ないのだ。片側1車線で逃げられる路肩もないため、1台が右折待ちでフリーズしてしまうと後続車を巻き添えにしてプチ渋滞を引き起こしてしまう。右折待ちする本人もプレッシャーすごいだろうし、焦りから事故を誘発しかねない。
七滝地区から414号へ出ていく車についても同様だ。とくに右折で出ていこうとすると、チャンスはなかなか巡ってこないし、前述の右折で入ってこようとする車との間でタイミング先取バトルも起きがち。観光の繁忙期以外はガラガラなんだろうから、信号設置には費用対効果の問題があるとしても、なんとかならないかね。
当ホテルの向かいが七滝地区で最大の無料駐車場になっている。ここに止めて先に滝を見学した。戻ってきたらもう満車になっていて空きを待つ車列ができていたから、ちょっとの差で危なかったってことだ。田んぼをつかった花畑をスルーしたのが結果的に幸いした。
七滝見学の後にちょうどピッタリはまる温泉
日帰り客は庭園露天風呂へ
坂の上り下りを含めて結構歩いた。それでは温泉に入りましょう。七滝温泉ホテルに入館してフロントで日帰り利用料を支払う。1000円。ロビーで目についた金屏風と壺と提灯をなんとなく撮ってみた。
当館で内湯に相当するのは貸切風呂しかないようだ。一般の日帰り客は庭園露天風呂へ案内される。半地下くらいの高さにあるところからいったん外へ出る。
外壁沿いにちょっと進んでまた建物に入ると露天風呂の脱衣所。鍵付きのロッカーあり。いつもなら分析書を探すのに、どういうわけか意識からすっぽり抜け落ちていて見逃した。ネットでいろいろ調べると、どうやら「カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉」のようだ。
ほどよい温度でリラックスできる岩風呂
ドアを開けて露天エリアへ出てみると、カラン6台からなる洗い場。そして典型的な露天風呂のイメージにぴったりの岩風呂があった。サイズはそこそこ大きくて15~20名近くいけるんじゃないか。浴槽をのぞき込むとお湯は無色透明で湯の花のような浮遊物も見られない。
浸かってみると適温。熱的な刺激はほとんどなく、慣れてくると気持ちよくなってそこそこ長く浸かりっ放しで大丈夫だから、ぬるめの部類と言えるかもしれない。ぬる湯派のおじさんもご満悦。お湯は透明だしヌルヌル感もないし湯の花・泡付きもないから強烈な個性には欠けるといえども、温泉独特の匂いはしっかりとあった。それに浴槽の縁に使われている岩の表面に白い析出物の塊がこびりついていたのが印象的だ。
まわりは木々に囲まれ、滝や川が見えたり遠くまで景色を見渡せるわけではないが、自然の中の露天風呂感はある。独占できた幸運もあって、ゆったりたっぷりのんびりってやつを満喫した。はー極楽極楽。
檜風呂もあるよ(激熱)
ちなみに隣には3名程度のサイズの檜風呂もある。近くの蛇口からのびたホースが突っ込んであって「温度に影響するためいじらないでください」のようなことが書かれてあったと思う。メンバーの一人が手を付けたら「激熱」との感想。いじっちゃいけないから加水してぬるくするわけにもいかず。
普通ならパスするのだが、気まぐれからあえて全身浸かってみた…熱ぅーーー!! なにこれ熱い。どうにか肩まで沈めることはできても痛いくらいの熱さですぐにギブアップ。角間温泉のツンデレ激熱風呂を思い出した。
あとはおとなしく岩風呂でのんびり過ごしてタイムアップ。湯あがり後にはお肌がかなりスベスベになった。マイルドな温泉だからといって侮れない。
* * *
河津七滝という有名観光スポットの近く、というか真っ只中に温泉があるんだから、すげーよな(語彙が貧弱)。
何度も映画化された名作・伊豆の踊子の小説を読んだことはないが、湯ヶ島や湯ヶ野といった温泉地が登場することくらいは知っている。ここ七滝地区が作品に書かれたかどうかは別にして、それから実際の温泉開業年との整合性とかも一切無視して、主人公や踊り子がこのあたりの温泉に入っていたとしてもおかしくないね、って夢想しておこう。
おまけ:河津七滝と浄蓮の滝
当館で温泉に入る前に滝を見学した。出発地点の駐車場付近はまだ河津桜が見頃だった。
河津七滝は数年前すでに訪れていたからごく手短に。平坦な道を10分ほど歩けば行けるのが初景滝。すぐそばに伊豆の踊子像もある。
その先は登りのきつい階段を覚悟。ただし記憶に残っていた印象よりも所要時間は短くてすんだ。その最も奥にあるのが釜滝。
いったん駐車場まで戻って反対側へ少し行くと大滝がある。ここには天城荘という温泉宿があって、宿泊もしくは日帰り入浴すると滝壺近くの露天風呂に入れる(水着着用)。この時は入浴している人がいました。一瞬目に入っただけでジロジロ見てませんよ、ねんのため。
七滝地区を離れた後、天城越えした先で浄蓮の滝も見た。こちらも過去に訪問ずみ。
ここに来るとどうしても石川さゆりのヒット曲が脳内垂れ流し状態になって山が燃えてしまうのであった。
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