秋の青森旅行4日目の天気予報はいまいちだった。晴れはまず期待できないし、雨になってもおかしくない。どんより曇りなら良しとするくらいの覚悟が必要だった。この日は弘前方面へ行く。メンバーと相談した結果、弘前城とねぷたの展示を見るなら雨でも大丈夫じゃないかということになった。さらに時間が余れば立ち寄り湯で。
実際は終始悪くない天気だった。おかげて温泉立ち寄りをやめたのと引き換えに屋外で行動する時間を多く作ることができた。移動途中では中野もみじ山の見事な紅葉を堪能したし、弘前城ではちょうど開催中の「菊と紅葉まつり」会場をじっくり歩き回った。
また弘前城に近い「津軽藩ねぷた村」では各種ねぷたの展示を見学できる。自分には縁遠い世界だからいろいろと新鮮だ。
鮮やかな紅葉がまぶしい中野もみじ山
遠目にも情緒ある景色
朝。谷地温泉をチェックアウトして外へ出ると霧雨だった。あー、やっぱり雨か。まあ今日はしょうがないかと車に乗り込んで発進。しかし3年前に来たことがある酸ヶ湯温泉の前を通過する頃になると雲が切れて青空がのぞいてきた。
こいつはラッキー発動か。城ヶ倉大橋からのパノラマビューがはっきりくっきりだったし。橋の高さがありすぎて手すりやスマホの影がやたらでっかく映ってるな。
国道394号を西へ進んで黒石市に入ると中野もみじ山のそばを通りかかった。天気がいいから寄ってみましょうか。国道沿いの「やすらぎの駐車帯」というところへ止めれば無料。現地まで徒歩3分。もっと近くの民間駐車場は紅葉シーズンだと300円が相場。
現地へ向かって歩いていくと、きれいに飾り付けた箱庭のような広場が目に入った。川が広場を取り囲むようにぐぐっと蛇行しているのが、いとをかし。
一面真っ赤っ赤
広場へ渡る橋の上から滝を発見。不動の滝というらしい。あとで近くまで行ってみよう。
こちらが広場でございます。うおー真っ赤っか。
どっちを見ても紅葉だらけ。
他には中野神社があったし、時間の都合でパスしたが10分くらい登っていけば、先ほどの広場をもっと大規模にした観楓台なる紅葉スポットもある。紅葉の名所だから平日の割に人出は多めだった。最後に不動の滝をチェック。
広場と滝だけならそんなに歩かなくていいし、紅葉のボリュームは十分にあって楽しめる。さらに観楓台まで行く余裕があればベストだろう。
弘前公園 Part1:紅葉と天守見学
まつり期間中は無料開放だった
そこそこ良好な天気を保ったまま弘前まで来た。弘前市立観光館の地下駐車場に止めればお城のある弘前公園は目の前。弘前公園は「さくらまつり」が有名だけど秋シーズンには「弘前城菊と紅葉まつり」をやっている。
南口にあたる追手門の前にさっそく菊の展示があった。動物園?
公園内のあちこちに菊の作品が置かれている。植物園前には結構派手なやつがありんす。全部が菊花なのかは植物に疎いのでよくわかりません。
イベント開催中は植物園などの通常有料となる区域も無料開放されていた。ありがてえ。ではまず最優先で天守へ行こう。南内門の前に渡る「杉の大橋」から見る紅葉も結構ですな。春には桜が見事なんでしょうね~。
その先の弘前城情報館ではプロジェクションマッピングを使って外のリアルな景色と大名行列(?)のCGを重ね合わせて当時の様子を再現していた。ふむ、これが噂のメタバースってやつか(違う)。
弘前城の現存天守へ
弘前城は現存12天守シリーズの中では唯一の東日本所属というレア物件。いよいよその天守へ近づいていくが、手前の紅葉がまたきれいで足を止めて鑑賞せざるを得ない。
ようやく天守まで来た。観覧台が設置されていて少し高い位置から眺めることができる。どっしりと構えた立派なお姿。背景の岩木山の頂上に雲がかかってなければ最高のショットだったが贅沢は言うまい。もともと雨を覚悟してたんだし。
ニュースでよく知られているように、弘前城の天守は石垣修理工事のため本来の場所から70m移動させられた。元の位置に戻るのは2025年度と見込まれている。
さあ天守の内部へ。って、手元の写真をチェックしたら天守内を撮影したのが全然ないわ。順路に沿って無意識的に淡々と歩いてしまったんだろう。疲れてくるとありがちなパターンだな。唯一撮ったのが最上層から岩木山を眺めた1枚。
日本一太いソメイヨシノもあるよ
天守見学後に北の方へ抜けていく道中の二の丸丑寅櫓付近も紅葉が鮮やかであった。今日はひたすら赤と黄色の葉っぱを見ているぞ。
「緑の相談所」なる施設の中庭には日本一太いソメイヨシノの木がある。春にはたくさん花を咲かせるのだろうか。
ここからいったん公園を出て、隣接する津軽藩ねぷた村へ向かった。
新鮮で楽しめた津軽藩ねぷた村
津軽藩ねぷた村は食事処・売店・ねぷたの館という展示館その他の複合施設だ。弘前公園から車で移動し直すほどの距離でもなく楽に歩いていける。ねぷたの館は入場料550円。入ってすぐのホールに巨大なねぷたがお出迎え。
あとこちらも。
解説員さんによる説明が始まっていたので椅子に座って拝聴すると、最後に祭りのお囃子を演奏してくれた。本物のねぷた祭りを見たことがないんで、もちろん本番とは違うけど、ああこういう感じなのかとミニミニプチ疑似体験した。
2階へ上ると少し小さめのねぷたがいくつも並んでいた。絵師によってデザインや絵のタッチに違いがあるらしい。あっしら素人にゃわかりません。
階段前の窓から今度こそ雲のかかってないように見える岩木山を拝むことができた。形がいいね。手前の中庭は有料区域の最後に通ることになる。池には大小の鯉がいて、売っていた鯉の餌をあげてみた。成長重視で小さいやつを狙って投げてみたけど大きいやつに全部奪われる厳しい世の中。
ねぷた館は30~40分あればひと通り回れる。実物のねぷたに加えて、1日に何回かある時間にうまく合えば津軽三味線の生演奏を聴くチャンスもある。自分には新鮮でなかなか面白かった。
弘前公園 Part2:菊まつりのターン
花のアート
再び弘前公園へ戻って植物園の中に入った。まつり期間中なので植物園と言うよりは花の展示会といった趣き。おなじみの典型的なスタイルだとこのような作品かな。
でもそれだけじゃなく横文字でアートと呼ぶのがふさわしいようなスタイルの作品もたくさんある。容器いっぱいに注いだ水の上に花やりんごを浮かべたもの。
そういうジャンルがあるんですかね。こういう業界は全然知らないので。
あとこれは竹で組んだ龍?…何かをくわえているように見えるがドラゴンボールか?
最後は五重塔
五重塔はこちらという案内標識にしたがって行ってみると、たしかに五重塔だ。うん、これはたしかに五重塔だ。菊で飾った武者と姫(?)は弘前ゆかりの人物かもしれないがよくわからず。
菊を取ろうとしたら紅葉があまりに鮮やかだったのでそっちを撮ってしまった1枚がこちら。
まあこんな感じで弘前公園と津軽藩ねぷた村を見学した1日だった。小雨想定の計画だったけど屋外を結構歩き回ったし、紅葉や菊の見栄えのことを考えれば、結果的に降らないでくれたのはスーパーラッキー。今回の旅行、今のところは天気に関して予報をアウトパフォームしているぞ。最後までこの調子でいきたいものだ。