山梨ぬる湯めぐりのグループ旅行の最後に観光らしい観光をしてみた。訪れたのは都留市にある「山梨県立リニア見学センター」。現在建設中のリニア中央新幹線に関する展示館だ。お子様が喜ぶファミリー向け施設ぽいし、我らは決して鉄ちゃんではないけど、どうしても気になってしまったもんでね。
そもそもリニアという題材に触れられる場所は他にないし、タイミングが合えば実験線を走る本物のリニア車両を見ることができるし、大人でも相応のロマンを感じることはできる。
何時間も滞在するような広い博物館とは違うから、逆に気軽にさくっと立ち寄ってみたらいいのではないかと思う。そこで見聞したテクノロジーは将来、乗車という形でお世話になることだろう。
リニア見学センターへのアクセス
旅の最終日、宿泊先の川浦温泉を出発し、途中はやぶさ温泉への立ち寄り湯をすませた我ら一行が最後に目指したのはリニア見学センター。勝沼ICから大月ICまでは中央道で移動。
中央道は大月JCTから河口湖方面へ富士吉田線が分岐している。当館はこの富士吉田線沿いにあるから、大月ICから高速沿いの下道を走れればわかりやすいんだけど、残念ながら山越えの都合か何かで期待するような道路は存在しない。カーナビにしたがって国道20号→桂川に沿うごちゃっとした道経由で現地に着いた。
走りやすくてわかりやすいのは、大月IC→国道20号→国道139号(富士みち)→道の駅「つる」を目印に進むルート。我々も帰りはそうした。
リニア中央新幹線開通の暁にはリニアに乗ってあっという間に現地へ到着…なんてことはない。現地を通るリニア実験線は本線に組み込まれるものの、ここに駅ができるわけではない。そもそも開通後に見学センターが存続する保証もないし。
どきどきリニア館でリニアについて学ぼう
見学センターは二つの建物からなる
無料の駐車場は十分に広く、空きはたくさんあった。駐車場からとりあえず見える景色を撮影したのがこちら。写っている建物は見学センターじゃなくてJR東海の実験施設。奥に見える茶色いアーチは実験線が中央道をまたぐ鉄橋。
歩いて坂を下っていくと入口を示す看板が出てくる。実験線をくぐるようにして見学センターに近づいていく。
まず目に入るのが「わくわくやまなし館」。中は売店のようだったので、メインどころを先に見ようということでひとまずパス。右手にある別の建物へ。
1階の主役は試験車両
こちらがメインの「どきどきリニア館」でございます。入場料420円。
いきなりリニアの試験車両がお出迎え。いかにもここで記念撮影してくださいと言わんばかり。
車両内に入ることができる。展示用に座席は片側2列のみだけど実際は左右に2列ずつあるそうだ。営業開始までにはいろいろとデザインに変更が加えられていくとは思うが。
その他に技術開発の歴史や、過去の試作機で使われていた実物の超電導磁石や、高温超伝導磁石の模型などが展示されていた。リニアモーターカーは磁力で浮いて推進力も得るわけだから超電導磁石が肝になる。エレキバンっていうレベルじゃねーぞ。
科学体験コーナー的な2階
2階へ上がると試験車両を上から俯瞰できる。なぜだか舐めてる途中の千歳飴を連想した。
2階の中央には超電導の仕組みを遊び感覚で学べるコーナーがある。ハンドルを一生懸命ぐるぐる回すと電流が発生したり磁力で物が動いたりというパターンが多い。例えばハンドル回す→コイルの近くを磁石が動く→電流が流れる→電球が点灯する。
大人げなく気合い入れて回しちゃったよ。で、当コーナー横の一面ガラス張りの向こうに実験線が見える。ちょうど線路(?)と目線がうまく合う高さになっている。きれいに撮れなかったがこんな感じ。
ここを試験車両が走るわけか…運が良ければ実際の走行試験をこのガラス越しに見学することもできる。目の前をそれこそ弾丸のように瞬時に通り過ぎてしまうのだろうか。走行試験予定のある日は当館のホームページで公開されているから狙ってみては。ただし時刻までは非公開。まあ観光客のための出し物じゃないからね。我々は残念ながら目撃者になれなかった。
他にミニリニアというアトラクションがある。ミニチュア車両に乗って磁力走行を体験しようってやつだ。お子様を中心にみんな乗りたがりそうなものだが大行列はできてなかった。しかし我々は時間の都合でパス。
3階にミニシアターあり
3階もある。多くのスペースを占めているのがジオラマ。一定間隔で奥の線路(?)をリニア新幹線が通るんだけど、タイミングが悪くて写真に収められなかった。かわりに在来線が通りかかったところをカシャ。
すると隣のミニシアターで上映が始まるという。あわてて寄ってみた。コロナ対策で定員を減らして間隔を開けて着席するように指示あり。上映内容はネタバレになるので秘密(単に説明が面倒くさいだけ)。3D映像とかVRとかでもっと臨場感あるようにしたら面白いかも。
また奥のラウンジには丸テーブル+席が何組か用意され、2階と同じようにガラス越しに実験線を見ることができる。フロアが上がった分だけ見下ろすアングルになる。はい、どきどきリニア館はここまで。
わくわくやまなし館は物販&観光案内所
お次はわくわくやまなし館へ。移動途中の通路沿いに予定駅を示すパネルが立っているが、品川と名古屋だけが具体名で、あとは神奈川県駅・山梨県駅・長野県駅・…と仮称が続く。平成以降のトレンドだとやたら長い名前になりそうね。「富士の国やまなし新甲府」とか「さがみはらスマートシティ(橋本)」とか、そんなんでしょ、どうせ。せめて奈良県駅はシンプルに「鹿」でお願い。
こちらの1階はお土産売店。山梨の名産品を売ってるのかと思ったら、そういうのもあるけど、リニア関連グッズに振り切っていた印象が強い。近くの道の駅と同じ物を並べてもしょうがないし、差別化でいいんじゃないの…結局買わなくてすいません。
2階は観光情報コーナーのようだ。エレベーターで3階へ直行したから詳しくはわからない。で、3階は展望室。どきどきリニア館と同様にガラス越しに実験線が見える。車両が走るところを見てみたかったぜ。
こうして見学を完了。大人の知的好奇心を刺激するほどの内容で攻めてるわけじゃなく、鉄道にマニアックな方々にはなおさら食い足りないだろうと思われる。しかし冒頭にも書いたように気軽にさくっと、道の駅とセットで寄ってみる分にはいいのではないか。特にファミリーにはおすすめです。
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