栃木の塩原温泉郷って有名だけど行ったことがなかった。少なくとも記憶にある限りでは。なので急に思い立って行ってみることにした。
調べてみると、塩原とは11もの温泉地の総称であることがわかった。大網・福渡・塩釜・塩の湯・畑下・門前・古町・中塩原・上塩原・新湯・元湯…把握しきれません。
今回は入門編のつもりで、公共交通機関でアクセスしやすい中から、門前温泉にしてみた。宿泊先はお手頃価格かつ口コミ評価の良い「常盤ホテル」。塩原というだけあって塩っぽい感じの温泉を楽しめて、しかも無料で貸切風呂を利用できる。部屋・食事も特に不満なし。お得です。
あるいは土休日の1日1便のみだけど、新宿や王子駅からの高速バスもある。これらの手段があるおかげで門前温泉は比較的アクセスしやすい。バスの終点は古町温泉にある塩原温泉バスターミナルで、門前温泉はその一つ手前の停留所だ。
自分は高速バスを利用したが、ずっと手前の停留所で降りて、先に千本松温泉に立ち寄り入浴した後、路線バスで門前温泉まで来た。バス停から徒歩1分かそこらのところに常盤ホテルがある。近くには足湯専門の施設「湯っ歩の里」がある。
新湯と元湯はどのバス停からもかなり遠い。基本的に車利用かつ山道の運転技量を要するっぽい。個性的な濁り湯に興味はあるんだけどね。宿の送迎があればいいけど…。
まあ今回は門前なので足に関する悩みは小さい。
ロビーはこんな感じ。部屋数20の小規模ホテルだから広々したスケール感はない。個人的にはそれくらいの方が落ち着く。
チェックイン時に貸切風呂の予約をする。1組につき30分の枠を早い者勝ちで選ぶ。かなり早めに着いたおかげでほぼ選び放題だった。
シャワートイレあり。ウォークイン風のクローゼットを伴ったスタイリッシュな洗面台あり。この一角に金庫と空の冷蔵庫あり。
もちろんWiFiあり。そして窓の外はこんな感じ。向かいに見える大規模なホテルは、関東圏ではハトヤなどと並び称される、懐かしのテレビCMが記憶に焼き付くホテルニュー塩原だ。今は大江戸温泉物語グループの傘下。関西でいうところの箕面温泉スパーガーデンか。
いかん脱線してきた。常盤ホテルの話だった。
街なかのホテル1階にある露天風呂は、塀に囲まれた中庭のような場所。外で車が通過するとガーッと走行音が響いてくる。だからって気にするようなもんじゃないが。
脱衣所の分析書には「ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩高温泉、低張性、中性、高温泉」とあった。意外なことに(?)自家源泉なんだそうだ。内湯を含めて湯量はなかなかのものだったから、やりますな。
お湯の見た目は無色透明。最初ふわっと潮の香りがしてきた。その後は意識して匂いを嗅いだときに限り微硫黄香の印象があった。お湯が口元にはねた際にちょっとしょっぱさを感じたから、やっぱり塩の温泉なのでは。
たまに茶色い微粒子が舞っているのは湯の花だろうか。温度はやや熱め。慣れてくればしばらく浸かっていられるが長湯はできない。まあどのみち制限時間は30分だ。
もともと白かったと思われる岩のうち、お湯が触る部分はドス黒く変色している。さっぱりするというよりはジーンとしみてくるような浴感だったし、こいつは本物だぜ。
浴室内には5名分の洗い場。シャンプー類がポーラのものだった。浴槽は結構広くて15名いや20名でもいけるんじゃないかと思わせる。お湯は基本的に上に書いた通りだけど、微かに濁って見える。
温度はもうはっきりと熱い。激熱ではないにせよ熱いことは間違いない。夕方と夜に行ってどちらも容赦なく熱かった。自分以外の客は多くて3~4名だけど、いずれも粘ることなく、さくっと出ていった。
ここでは湯口に注目だ。湯口に使われる岩の表面を覆う温泉の析出物が成長して鍾乳石状になっていた。うっわー。見方によってはグロい。
ここは熱さが最も控えめだった。これくらいだと個人的には入りやすいなあ。他の2箇所と同様に源泉の投入量は十分で、温泉にキターーーという気分はしっかり味わえる。
兄貴分の内湯と違って湯口はわりと普通ぽいものの、浴槽の縁とともにうっすら白っぽい析出物が積もっている。
夕食のスターティングメンバーがこれ。予約時に見つけた、ぼたん鍋売りつくしのお得なプラン。八溝ししまるというブランド猪肉が使われる。煮ると固くなるが臭みはなかった。ヘルシーだし、味噌ベースの汁がいいんだよね。
この料理にはやっぱり日本酒でしょ、とイキって地酒3点セットを注文。東力士・旭興・天鷹。右へ行くほど辛口になる。
他に煮物が出てきて、ご飯・デザートで終了。栃木だけに最後はとちおとめが出てきた。
鮭についてくる味噌がいいアクセントになっている。これだけでご飯いけそうになってしまう。主役の鮭を食ってしまう勢いだ。
食後のコーヒーは部屋へ持ち帰ることもできる。試しに持ち帰ってみたら、ちょうど8時になったところで、NHK朝ドラを見ながら飲むことができた。ラッキー。
タイミングの妙があったのかもしれないにしても、新しくリニューアルされた風の10畳部屋にひとりで泊まれて、無料で貸切風呂に入れて、淡白でない温泉らしい温泉を体験できて、ぼたん鍋を食べて、3種類の日本酒も飲んで、税込みでも1万円を余裕で下回る。なんというお得感。
塩原入門編は大成功だったようだ。
調べてみると、塩原とは11もの温泉地の総称であることがわかった。大網・福渡・塩釜・塩の湯・畑下・門前・古町・中塩原・上塩原・新湯・元湯…把握しきれません。
今回は入門編のつもりで、公共交通機関でアクセスしやすい中から、門前温泉にしてみた。宿泊先はお手頃価格かつ口コミ評価の良い「常盤ホテル」。塩原というだけあって塩っぽい感じの温泉を楽しめて、しかも無料で貸切風呂を利用できる。部屋・食事も特に不満なし。お得です。
門前温泉「常盤ホテル」へのアクセス
入門編にピッタリの門前温泉
塩原温泉郷11湯は、おおむね箒川に沿って東西方向に長く連なっている(一部は大きく外れた場所にあります)。上に書いた大網~古町温泉まではJR東北本線の西那須野駅から路線バス1本で行ける。※塩の湯だけは塩原塩釜バス停から20分くらい歩く。あるいは土休日の1日1便のみだけど、新宿や王子駅からの高速バスもある。これらの手段があるおかげで門前温泉は比較的アクセスしやすい。バスの終点は古町温泉にある塩原温泉バスターミナルで、門前温泉はその一つ手前の停留所だ。
自分は高速バスを利用したが、ずっと手前の停留所で降りて、先に千本松温泉に立ち寄り入浴した後、路線バスで門前温泉まで来た。バス停から徒歩1分かそこらのところに常盤ホテルがある。近くには足湯専門の施設「湯っ歩の里」がある。
上級編はなかなか行きにくい…
ちなみに中塩原と上塩原は終点のバスターミナルで「ゆーバス」という市営バスに乗り換える。ゆーバスは野岩鉄道・上三依塩原温泉口駅まで走るから、いっそのこと鬼怒川経由で東武→野岩鉄道→ゆーバスの方がいいかも。いずれにせよ便数は少ない。新湯と元湯はどのバス停からもかなり遠い。基本的に車利用かつ山道の運転技量を要するっぽい。個性的な濁り湯に興味はあるんだけどね。宿の送迎があればいいけど…。
まあ今回は門前なので足に関する悩みは小さい。
コスパの良さを感じさせる館内
貸切風呂の時間を押さえよう
常盤ホテルは年季の入った建物のようだけど、館内の目につくところは大体リニューアルの手が入っており、なかなかモダンな雰囲気である。あえてレトロ感を味わいたい人はエレベータを使わず階段をどうぞ。ロビーはこんな感じ。部屋数20の小規模ホテルだから広々したスケール感はない。個人的にはそれくらいの方が落ち着く。
チェックイン時に貸切風呂の予約をする。1組につき30分の枠を早い者勝ちで選ぶ。かなり早めに着いたおかげでほぼ選び放題だった。
リニューアルされて快適な部屋
割り当てられた部屋は4階の10畳+広縁和室。一人泊にしては広くて贅沢だ。やっぱりリニューアルされたことによるモダンな風情があって気分がいいですな。布団は最初から敷いてあった。シャワートイレあり。ウォークイン風のクローゼットを伴ったスタイリッシュな洗面台あり。この一角に金庫と空の冷蔵庫あり。
もちろんWiFiあり。そして窓の外はこんな感じ。向かいに見える大規模なホテルは、関東圏ではハトヤなどと並び称される、懐かしのテレビCMが記憶に焼き付くホテルニュー塩原だ。今は大江戸温泉物語グループの傘下。関西でいうところの箕面温泉スパーガーデンか。
いかん脱線してきた。常盤ホテルの話だった。
自家源泉を豊富に提供するお風呂
おひとり様も利用できる貸切露天風呂
常盤ホテルの1階には男女それぞれの内湯と貸切露天風呂がある。最初は貸切風呂へ行った。フロントで「使用中」の札を受け取って貸切風呂の扉横に提げておいて中から鍵をかける。街なかのホテル1階にある露天風呂は、塀に囲まれた中庭のような場所。外で車が通過するとガーッと走行音が響いてくる。だからって気にするようなもんじゃないが。
脱衣所の分析書には「ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩高温泉、低張性、中性、高温泉」とあった。意外なことに(?)自家源泉なんだそうだ。内湯を含めて湯量はなかなかのものだったから、やりますな。
塩っぽい温泉をかけ流し
洗い場はなく、8名規模の岩風呂に源泉かけ流し。屋根付きというかヨシズが覆いになっている。これがあるから塀のことを抜きにしても半露天ぽい雰囲気。お湯の見た目は無色透明。最初ふわっと潮の香りがしてきた。その後は意識して匂いを嗅いだときに限り微硫黄香の印象があった。お湯が口元にはねた際にちょっとしょっぱさを感じたから、やっぱり塩の温泉なのでは。
たまに茶色い微粒子が舞っているのは湯の花だろうか。温度はやや熱め。慣れてくればしばらく浸かっていられるが長湯はできない。まあどのみち制限時間は30分だ。
もともと白かったと思われる岩のうち、お湯が触る部分はドス黒く変色している。さっぱりするというよりはジーンとしみてくるような浴感だったし、こいつは本物だぜ。
湯口に注目、大きい内湯
若干の休憩を挟んで、お次は内湯へ。2つある内湯浴場の中では兄貴分のポジション。目の前の廊下に自販機や給水器やマッサージチェアが置いてある。浴室内には5名分の洗い場。シャンプー類がポーラのものだった。浴槽は結構広くて15名いや20名でもいけるんじゃないかと思わせる。お湯は基本的に上に書いた通りだけど、微かに濁って見える。
温度はもうはっきりと熱い。激熱ではないにせよ熱いことは間違いない。夕方と夜に行ってどちらも容赦なく熱かった。自分以外の客は多くて3~4名だけど、いずれも粘ることなく、さくっと出ていった。
ここでは湯口に注目だ。湯口に使われる岩の表面を覆う温泉の析出物が成長して鍾乳石状になっていた。うっわー。見方によってはグロい。
小さい内湯は熱さ控えめ
翌朝は男女が入れ替わっており、フロント前にある弟分の内湯へ。こちらは小さめのつくりで浴槽は4名規模。ただし洗い場は若干詰め込むように6名分設けられている。夕方の女性客ニーズを意識したのだろうか。ここは熱さが最も控えめだった。これくらいだと個人的には入りやすいなあ。他の2箇所と同様に源泉の投入量は十分で、温泉にキターーーという気分はしっかり味わえる。
兄貴分の内湯と違って湯口はわりと普通ぽいものの、浴槽の縁とともにうっすら白っぽい析出物が積もっている。
食事のお得感はなかなかのもの
ぼたん鍋をいただく夕食
常盤ホテルの食事は朝夕とも2階の食事処で。テーブルを並べた大広間だ。各テーブルはそこそこ間隔をあけてあるから、ぼっちのおじさんにとって周囲から浮いた感じがして落ち着かないという気分はかなり軽減される。見たところ自分以外にも一人客が数名いた模様。夕食のスターティングメンバーがこれ。予約時に見つけた、ぼたん鍋売りつくしのお得なプラン。八溝ししまるというブランド猪肉が使われる。煮ると固くなるが臭みはなかった。ヘルシーだし、味噌ベースの汁がいいんだよね。
この料理にはやっぱり日本酒でしょ、とイキって地酒3点セットを注文。東力士・旭興・天鷹。右へ行くほど辛口になる。
他に煮物が出てきて、ご飯・デザートで終了。栃木だけに最後はとちおとめが出てきた。
朝食後のコーヒーは部屋でどうぞ
朝食はオーソドックスな感じで。鍋物は湯豆腐である。牛乳やジュースはバイキング会場のようにセルフで取りに行く。鮭についてくる味噌がいいアクセントになっている。これだけでご飯いけそうになってしまう。主役の鮭を食ってしまう勢いだ。
食後のコーヒーは部屋へ持ち帰ることもできる。試しに持ち帰ってみたら、ちょうど8時になったところで、NHK朝ドラを見ながら飲むことができた。ラッキー。
タイミングの妙があったのかもしれないにしても、新しくリニューアルされた風の10畳部屋にひとりで泊まれて、無料で貸切風呂に入れて、淡白でない温泉らしい温泉を体験できて、ぼたん鍋を食べて、3種類の日本酒も飲んで、税込みでも1万円を余裕で下回る。なんというお得感。
塩原入門編は大成功だったようだ。
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