とにかく煙がすごい雲仙地獄と“雲仙灯りの花ぼうろ”の花火

雲仙地獄
雲仙温泉と聞くと火山をイメージする。噴気が上がる地獄地帯は雲仙の主要な観光スポットだ。温泉めぐりが目的だとしても、せっかく来たら地獄めぐりもしてみたいところ。

というわけで2020年最初の遠征で雲仙温泉を訪れた際に地獄地帯を見学した。ここの特徴は煙との近さかな。顔にばんばんかかってくるんですよ。

また夜には「灯りの花ぼうろ」というイベントの一環で花火の打ち上げがあったけど、花火に負けないくらい、やっぱり煙の存在感がすごかった。

白い煙に包まれた雲仙地獄めぐり

余裕があれば「お山の情報館」へどうぞ

旅の初日に長崎空港からバスで諫早・小浜を経由して雲仙までやって来たおじさん。「雲仙」というそのものずばりのバス停があるけど、一つ前の「お山の情報館」で下車してスタート地点とした。
雲仙お山の情報館
お山の情報館には各種見学案内やちょっとした展示物がある。でも時間の都合で一瞬だけ入ってすぐに出てしまった。

道路を挟んだ向かいが雲仙地獄めぐりの起点の一つ。すでに地獄地帯の風景が広がっており、その熱気を期待してなのか、猫ちゃんが昼寝をしていた。
地獄めぐり起点
写真の右に見えるホテルの方から回り込む形で見学をスタート。途中には足湯コーナーあり。人がいっぱいいて撮影はできず。で、まもなく遊歩道が始まり、しばらく行くと温泉が湧き出している場所があった。熱湯のようですね。触らぬ神に祟りなし。
湧き出す温泉

邪見地獄と大叫喚地獄

最初のうちは小規模の地獄ぽい地形がぽつぽつと現れるだけで一面ドーンというスケール感はない。各所にいわれのある石があるみたいね。
婆石と鏡石
起点から10分程度で結構広く見渡せる場所に出てきた。邪見地獄という名前が付いている区域から白い煙がもくもくと上がっている。地図によれば地獄地帯を一周する遊歩道の中でこの辺りが一番奥まったところになる。え、もう半周しちゃったの?
邪見地獄
過去に訪れた同様の地獄---万座玉川登別など---と比べると規模は小さいと思われた。そのかわり煙との距離が近い。風向きによっては遊歩道が煙の中にすっぽりと覆われ、視界は真っ白になる。硫化水素臭も結構するけど大丈夫かな。

ちょっと先には展望所風になったところがあり、大叫喚地獄と名付けられていた。噴気が最も活発に出ている場所とのこと。たしかに煙の量と勢いが半端ない。しかし大叫喚ってネーミングはすごいね。
大叫喚地獄

真知子岩とお糸地獄

その後は冒頭写真のように温泉街を遠くに見ながら進んでいき、やがて真知子岩なる岩が現れた。
真知子岩
昭和の映画「君の名は」(前前前世のアニメじゃないよ)でヒロイン真知子が手を触れた岩だって。おじさん世代にはピンとこないが。それより奥に見える十字架の方が気になる。

後日、家でスコセッシ監督の映画「沈黙-サイレンス-」を観ていたら、冒頭のキリシタン拷問シーンで雲仙地獄が登場した。湧出したての煮えたぎる源泉を浴びせる拷問だったな。場所はこの付近をイメージしているのかもしれない。

さらに進むとお糸地獄があり、温泉たまごを売っていた。ぼっちに5個セットは多すぎて買えないっす。
お糸地獄
近くには地熱体験コーナー。素足になって板の上に乗ると熱さを感じるそうだ。靴のまま短時間乗ってみた程度じゃよくわからなかった。ちなみにこの付近は観光客が集まっていて人口密度はそれなりに高い。
地熱体験コーナー

すずめ地獄と清七地獄

続いてすずめ地獄。お湯と一緒にジャグジーのような感じで細かい泡が吹き出していて、プチプチ・ピチピチはじける音がすずめの鳴き声に聞こえる。へー面白いね。
すずめ地獄
そうして温泉街のメイン通り・国道57号に出た。出口付近も清七地獄なる地獄地帯になっている。後述の花火イベントの見学場所もこの辺り。清七が吐き出す煙もなかなかの量だ。
清七地獄
清七地獄からスタート地点のお山の情報館まで移動する時間込みで、あっさり風味で一周30分。じっくり見たり大回りコースを歩いたらこの倍かかる。規模が小さいと書いちゃったけど、そんなことないか。今回歩かなかった範囲に八万地獄ってのがあるし、後述するように、道を挟んだ反対側にも地獄(跡)があるから、総体では侮れない規模がある。


冬のイベント「雲仙灯りの花ぼうろ」

送迎バスで見学会場へ

温泉街では2月に「雲仙灯りの花ぼうろ」というイベントが行われている。花ぼうろとは木の枝にできる氷の結晶(霧氷)で、雲仙の冬の風物詩。これにちなんで花ぼうろをイメージしたイルミネーションが夜の街を彩る。

とくに土曜には花火が打ち上げられる。宿泊した青雲荘では夜に送迎バスを出してくれたので、便乗して見に行った。

昼に通った清七地獄の前が花火見学スポットのようだ。すでにたくさんの人が集まっており、立ち上る煙はライトアップされたかのようにも見えて、幻想的な雰囲気に包まれていた。
夜の清七地獄

打ち上がる花火 vs. 煙

花ぼうろのイルミネーションはこんな感じ。雪の結晶ですな。こんな感じのやつがあちこちに点灯している。LEDなんで青とか白に光るやつもある。
花ぼうろのイルミネーション
さあ花火が上がり始めたぞ。ドンドンパンパン ドンパンパン、ドンドンパンパン ドンパンパン…ドンパン節のごとく次々と夜空に花が咲く。

しかし風向きの気まぐれで煙が…。花火がボヤーッとしか見えない。これはこれで幻想的だけども。
煙でぼやける花火
ああ、煙が主役のようになってしまった。だが負けてたまるか、最後に一発ドッカーン。
華々しく散る花火

最後にちょっとだけ雲仙観光

旧八万地獄もあるよ

翌朝、青雲荘をかなり余裕を持ってチェックアウトし、温泉街をもう少しだけ探索してみた。再びお山の情報館まで来てメイン通りを撮影。
雲仙のメイン通り
雲仙は映画「男はつらいよ 拝啓車寅次郎様」(第47作)のラストシーンのロケ地。寅さんとポンシュウがバスを逃してしまったシーンが上のような場所だったはず。少し場所を変えたところで小林幸子演じる地方まわりの演歌歌手の車に同乗させてもらう場面をもって“終”だったっけな。

まあいいや。清七地獄の向かいにも遊歩道があって旧八万地獄に続いている。すでに噴気活動は収束してしまったようなのだが、時間に余裕があればこちらも見ておきたい。
旧八万地獄

湯泉神社のパワースポット

さらに雲仙バス停まで歩くと温泉神社があった。旅の無事を祈っておいた。
雲仙 湯泉神社
境内には夫婦柿の木があってパワースポットとされている。バスの時間が迫ってきたため深追いはせずにスルー。
パワースポットの夫婦柿
ラストはバス乗り場の裏手にある満明寺。本当にただチラッと見て終わり。そんなんじゃ見たうちに入らないとは思うけど、もうバスが来ちゃうんでしょうがない。
満明寺
こうして雲仙を後にした。今回は温泉めぐりが主目的だったため、いくぶんあっさり風味になってしまった。観光メインの方はまだいろいろやりようがある。ロープウェイでもっと高いところまで行くとか。そしたら本物の花ぼうろを見られるかもしれないね。


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