現在は広島市に編入されている旧湯来(ゆき)町。ここに町と同じ名前の湯来温泉が存在する。お湯が来る---なかなかストレートな表現だ。麒麟が来ると明智光秀になってしまうぞ。
2019年末の広島旅行で湯来温泉に目を付けたのは、山里でもがっつり中国山地じゃないから大雪の心配がなさそうなことと、路線バスが通じているアクセス面を考慮してのことだった。
そんな動機から宿泊した「国民宿舎 湯来ロッジ」だったが、驚くほどモダンな施設であったり、ぬるい低温泉が提供されていたりと、期待を超える意外な発見があった。
自分の場合は塩屋天然温泉ほの湯楽々園に立ち寄り入浴し、楽々園からバスに乗った。このため往路は70分弱、復路は五日市駅まで90分乗車することになった。結構遠いのである。
とくに復路はもともとJRへの乗り継ぎがタイトな計画だったうえ、バスが朝渋滞に巻き込まれて遅延したために危なかった。この路線は余裕を多めにみておいた方がいい。
また大橋という停留所のあるT字路でバスは左に曲がる。右へ行くと湯の山温泉なる別の温泉地があるけど、徒歩20分くらい距離があるし、旅行予約サイトで検索できる範囲だと1人泊可な旅館が見つからなかった。
そんなこんなで終点に到着。湯来ロッジは目の前だ。
そんな湯来ロッジのすぐそばには特産品直売所、ものづくり体験や健康イベントが催される交流センター、こんにゃくレストラン(?)などがあって、公共施設らしく総合的な観光交流拠点を目指しているようだった。ちなみに郵便局も近い。
入館するとフロントの横がお土産コーナーになっていた。湯来の特産品はやっぱりこんにゃくのようですな。
ロビーはこんな感じ。飾ってある像や人形は各々いわれがあるようだけど失念。あと佐伯一帯を支配した平清盛時代の人物をモデルにしたイケメンご当地キャラ・さえき景弘くんの姿もあった。
ホテル式の洗面+シャワートイレも令和にふさわしい新しさ。便座に腰掛けるとどこからともなく音楽が流れてきます。室内には金庫あり、空の冷蔵庫あり。WiFiなんて部屋ごとにアクセスポイントが用意されているぞ。
窓の外には水内川の流れと遊歩道が見える。下の写真は翌朝明るくなってから撮ったもの。季節と天気の条件が良ければ、洒落たベランダのチェアで優雅な気分を満喫できるだろう。
ちなみに和室もあり、たぶん1階のこの並びじゃないかと思われる。凝ってるなあ。こういうモダン最先端みたいな国民宿舎もあったのね。
泊まった夜は向かって左側が男湯。チェックイン時に説明された通り、脱衣所で鍵付きロッカーを利用するために宿泊客も100円玉の用意が必要になる(100円は後で戻ってきます)。
壁の分析書には「単純弱放射能温泉、低張性、アルカリ性、低温泉」とあった。加水なしの意味で源泉かけ流しを謳っているけど、たぶん循環・消毒あり。また長湯を諌めるポスターがあった。自分はぬる湯に長く入りたい派なんだけどな。
洗い場は十分すぎるほどあって数えたら24名分。カラン、そして浴槽も浴室全体も新しくて清潔感がある。こりゃええわ。
内湯は一番手前に1~2名規模の低温泉。通常の水風呂よりは温かくて30℃前後ありそうだけど冬はやはり入りづらい。とはいえ、ぬる湯派を自認するからには入ってみなければ。他のぬる湯好きにロックオンされたら長時間占有されちゃって機会を失うだろうし。
こうしてぬるい、いや冷たいお湯(?)に10分程度浸かることを何度か繰り返した。最初は冷たいが慣れてくると結構大丈夫になる。そして出た瞬間に身体が妙にぽかぽかしてくる。このあと温かい浴槽に入ると冷温交互浴になって気持ち良い。
お湯そのものは無色透明でこれといった匂いもなく露骨な塩素臭も感じない。つまり顕著な特徴はない。アルカリのヌルつきが若干あるといえばある。
その隣は10名規模の大浴槽。ある一角はジャグジーになっている。ここのLED表示は41.5℃を示しており、冬でも自分にはちょっと熱めだった。長く入れないからあまり活用せず。一番奥にある2名分のジェット寝湯には結局一度も入ることはなかった。
全般に温度の幅や寝・座・ジェット有無の選択肢がいろいろあるから、好みに応じて湯船めぐりを組み立てられるのは良い。
浸かってみると適温。外は寒いし、まあちょうどいい具合でしょう。湯口を見ると柚子を詰めたネット袋が突っ込んであった。ああ柚子湯になってるのね。いろいろ仕掛けてきますな。
湯船に浸かると目隠しのパネルのために空しか見えなくなるが、軽く立ち上がれば下方に水内川が見える。下の写真は部屋から撮ったものだけど大体こんな感じの景色。
こうして1泊する間に夕方・夜・朝と3回入浴した。夕方は日帰り入浴を受け入れている時間帯で、地元のお客さんが続々とやって来た。それでも低温泉がたまに埋まるくらいで他の浴槽はそれほど混んでなかった。窮屈な思いをする場面は少ないだろう。
日帰り入浴が終わった21時過ぎと朝は超余裕。独占状態の時もあった。
心配無用。この後も続々と料理が運ばれてくる。たしか穴子+もち米+あんかけ的なやつとか、ブリ系の焼魚とか、天ぷらとか。だいぶ記憶が怪しいなあ。
ビール中ジョッキの後に日本酒1合を追加したのに見合うくらいの料理は出てきた。寄せ鍋を食べた段階でお腹はいっぱい。最後に釜飯とデザートで締めるまで90分、は誇大妄想にしても70分はゆうに越えていたはず。
一人で黙々と食べ続けてこれだから、十分だと思う。もっと豪勢に~とお考えの諸兄には料理内容をグレードアップしたプランもあるからどうぞ。
おそらくこの日は客の数が基準に満たなかったのではないか。「湯来の特産こんにゃく云々」のPOP(?)があるわりには、こんにゃくが前面に出ていなかったし、「一番人気朝カレー」のPOPがあるところへ行ってみてもカレーは置いてなかった。
それでも他のメニューは、これじゃあたくさん余っちゃうんだろうな・ちょっとしか手を付けられなくてごめんよ、と思うくらいに用意されていた。需要と供給のマッチングはなかなか難しいですな。なんだかんだ最後にコーヒーで終了。
湯来ロッジ侮りがたし。ハード面はモダンな設備で文句なし。湯質に厳しくこだわる温泉通や舌の肥えた美食家を除けば、お手頃価格で上記のような体験ができるのはいいんじゃないかな。
さえき景弘くんもそう思っているに違いない。
【この旅行に関する他の記事】
現在は広島市に編入されている旧湯来(ゆき)町。ここに町と同じ名前の湯来温泉が存在する。お湯が来る---なかなかストレートな表現だ。麒麟が来ると明智光秀になってしまうぞ。
2019年末の広島旅行で湯来温泉に目を付けたのは、山里でもがっつり中国山地じゃないから大雪の心配がなさそうなことと、路線バスが通じているアクセス面を考慮してのことだった。
そんな動機から宿泊した「国民宿舎 湯来ロッジ」だったが、驚くほどモダンな施設であったり、ぬるい低温泉が提供されていたりと、期待を超える意外な発見があった。
自分の場合は塩屋天然温泉ほの湯楽々園に立ち寄り入浴し、楽々園からバスに乗った。このため往路は70分弱、復路は五日市駅まで90分乗車することになった。結構遠いのである。
とくに復路はもともとJRへの乗り継ぎがタイトな計画だったうえ、バスが朝渋滞に巻き込まれて遅延したために危なかった。この路線は余裕を多めにみておいた方がいい。
また大橋という停留所のあるT字路でバスは左に曲がる。右へ行くと湯の山温泉なる別の温泉地があるけど、徒歩20分くらい距離があるし、旅行予約サイトで検索できる範囲だと1人泊可な旅館が見つからなかった。
そんなこんなで終点に到着。湯来ロッジは目の前だ。
そんな湯来ロッジのすぐそばには特産品直売所、ものづくり体験や健康イベントが催される交流センター、こんにゃくレストラン(?)などがあって、公共施設らしく総合的な観光交流拠点を目指しているようだった。ちなみに郵便局も近い。
入館するとフロントの横がお土産コーナーになっていた。湯来の特産品はやっぱりこんにゃくのようですな。
ロビーはこんな感じ。飾ってある像や人形は各々いわれがあるようだけど失念。あと佐伯一帯を支配した平清盛時代の人物をモデルにしたイケメンご当地キャラ・さえき景弘くんの姿もあった。
ホテル式の洗面+シャワートイレも令和にふさわしい新しさ。便座に腰掛けるとどこからともなく音楽が流れてきます。室内には金庫あり、空の冷蔵庫あり。WiFiなんて部屋ごとにアクセスポイントが用意されているぞ。
窓の外には水内川の流れと遊歩道が見える。下の写真は翌朝明るくなってから撮ったもの。季節と天気の条件が良ければ、洒落たベランダのチェアで優雅な気分を満喫できるだろう。
ちなみに和室もあり、たぶん1階のこの並びじゃないかと思われる。凝ってるなあ。こういうモダン最先端みたいな国民宿舎もあったのね。
泊まった夜は向かって左側が男湯。チェックイン時に説明された通り、脱衣所で鍵付きロッカーを利用するために宿泊客も100円玉の用意が必要になる(100円は後で戻ってきます)。
壁の分析書には「単純弱放射能温泉、低張性、アルカリ性、低温泉」とあった。加水なしの意味で源泉かけ流しを謳っているけど、たぶん循環・消毒あり。また長湯を諌めるポスターがあった。自分はぬる湯に長く入りたい派なんだけどな。
洗い場は十分すぎるほどあって数えたら24名分。カラン、そして浴槽も浴室全体も新しくて清潔感がある。こりゃええわ。
内湯は一番手前に1~2名規模の低温泉。通常の水風呂よりは温かくて30℃前後ありそうだけど冬はやはり入りづらい。とはいえ、ぬる湯派を自認するからには入ってみなければ。他のぬる湯好きにロックオンされたら長時間占有されちゃって機会を失うだろうし。
こうしてぬるい、いや冷たいお湯(?)に10分程度浸かることを何度か繰り返した。最初は冷たいが慣れてくると結構大丈夫になる。そして出た瞬間に身体が妙にぽかぽかしてくる。このあと温かい浴槽に入ると冷温交互浴になって気持ち良い。
お湯そのものは無色透明でこれといった匂いもなく露骨な塩素臭も感じない。つまり顕著な特徴はない。アルカリのヌルつきが若干あるといえばある。
その隣は10名規模の大浴槽。ある一角はジャグジーになっている。ここのLED表示は41.5℃を示しており、冬でも自分にはちょっと熱めだった。長く入れないからあまり活用せず。一番奥にある2名分のジェット寝湯には結局一度も入ることはなかった。
全般に温度の幅や寝・座・ジェット有無の選択肢がいろいろあるから、好みに応じて湯船めぐりを組み立てられるのは良い。
浸かってみると適温。外は寒いし、まあちょうどいい具合でしょう。湯口を見ると柚子を詰めたネット袋が突っ込んであった。ああ柚子湯になってるのね。いろいろ仕掛けてきますな。
湯船に浸かると目隠しのパネルのために空しか見えなくなるが、軽く立ち上がれば下方に水内川が見える。下の写真は部屋から撮ったものだけど大体こんな感じの景色。
こうして1泊する間に夕方・夜・朝と3回入浴した。夕方は日帰り入浴を受け入れている時間帯で、地元のお客さんが続々とやって来た。それでも低温泉がたまに埋まるくらいで他の浴槽はそれほど混んでなかった。窮屈な思いをする場面は少ないだろう。
日帰り入浴が終わった21時過ぎと朝は超余裕。独占状態の時もあった。
心配無用。この後も続々と料理が運ばれてくる。たしか穴子+もち米+あんかけ的なやつとか、ブリ系の焼魚とか、天ぷらとか。だいぶ記憶が怪しいなあ。
ビール中ジョッキの後に日本酒1合を追加したのに見合うくらいの料理は出てきた。寄せ鍋を食べた段階でお腹はいっぱい。最後に釜飯とデザートで締めるまで90分、は誇大妄想にしても70分はゆうに越えていたはず。
一人で黙々と食べ続けてこれだから、十分だと思う。もっと豪勢に~とお考えの諸兄には料理内容をグレードアップしたプランもあるからどうぞ。
おそらくこの日は客の数が基準に満たなかったのではないか。「湯来の特産こんにゃく云々」のPOP(?)があるわりには、こんにゃくが前面に出ていなかったし、「一番人気朝カレー」のPOPがあるところへ行ってみてもカレーは置いてなかった。
それでも他のメニューは、これじゃあたくさん余っちゃうんだろうな・ちょっとしか手を付けられなくてごめんよ、と思うくらいに用意されていた。需要と供給のマッチングはなかなか難しいですな。なんだかんだ最後にコーヒーで終了。
湯来ロッジ侮りがたし。ハード面はモダンな設備で文句なし。湯質に厳しくこだわる温泉通や舌の肥えた美食家を除けば、お手頃価格で上記のような体験ができるのはいいんじゃないかな。
さえき景弘くんもそう思っているに違いない。
【この旅行に関する他の記事】
2019年末の広島旅行で湯来温泉に目を付けたのは、山里でもがっつり中国山地じゃないから大雪の心配がなさそうなことと、路線バスが通じているアクセス面を考慮してのことだった。
そんな動機から宿泊した「国民宿舎 湯来ロッジ」だったが、驚くほどモダンな施設であったり、ぬるい低温泉が提供されていたりと、期待を超える意外な発見があった。
湯来ロッジへのアクセス
五日市からバス(渋滞注意)
広島駅を起点にすると、湯来温泉へはまずJR山陽線で五日市へ行く(広電でもいい)。下車したら五日市駅南口から湯来ロッジ行きの路線バスに乗って終点へ。およそ1時間に1本出ている。簡単ですね。バスの精算はパスモ・スイカに対応していて便利だった。自分の場合は塩屋天然温泉ほの湯楽々園に立ち寄り入浴し、楽々園からバスに乗った。このため往路は70分弱、復路は五日市駅まで90分乗車することになった。結構遠いのである。
とくに復路はもともとJRへの乗り継ぎがタイトな計画だったうえ、バスが朝渋滞に巻き込まれて遅延したために危なかった。この路線は余裕を多めにみておいた方がいい。
湯の山温泉もあるよ
さて、往路のバスは最初のうちは市街地をずーっと走るが、新幹線や山陽道の下をくぐって河内という地名が出てくるあたりから、山里の雰囲気が漂い始める。先へ行くほど鄙びていくのかなと思ったら、杉並台団地という住宅開発地だけは別格だった。あそこだけ異世界。また大橋という停留所のあるT字路でバスは左に曲がる。右へ行くと湯の山温泉なる別の温泉地があるけど、徒歩20分くらい距離があるし、旅行予約サイトで検索できる範囲だと1人泊可な旅館が見つからなかった。
そんなこんなで終点に到着。湯来ロッジは目の前だ。
モダンでお洒落なお宿
こんにゃくと景弘くんがお出迎え
幼い頃より刷り込まれた「国民宿舎=安くて古くさい」のイメージとは全く違って、当館は洗練されたモダンな風情を醸し出している。もはやシャレオツといってもいい。そんな湯来ロッジのすぐそばには特産品直売所、ものづくり体験や健康イベントが催される交流センター、こんにゃくレストラン(?)などがあって、公共施設らしく総合的な観光交流拠点を目指しているようだった。ちなみに郵便局も近い。
入館するとフロントの横がお土産コーナーになっていた。湯来の特産品はやっぱりこんにゃくのようですな。
ロビーはこんな感じ。飾ってある像や人形は各々いわれがあるようだけど失念。あと佐伯一帯を支配した平清盛時代の人物をモデルにしたイケメンご当地キャラ・さえき景弘くんの姿もあった。
一人だと贅沢すぎるほどのツイン洋室
まあとにかくチェックイン。部屋のキーを渡され簡単な説明を受けた後、単身向かったのは2階のツイン洋室。あらゆるスペースに余裕があって、二人で泊まっても十分に広い。そしてシャレオツ。ホテル式の洗面+シャワートイレも令和にふさわしい新しさ。便座に腰掛けるとどこからともなく音楽が流れてきます。室内には金庫あり、空の冷蔵庫あり。WiFiなんて部屋ごとにアクセスポイントが用意されているぞ。
窓の外には水内川の流れと遊歩道が見える。下の写真は翌朝明るくなってから撮ったもの。季節と天気の条件が良ければ、洒落たベランダのチェアで優雅な気分を満喫できるだろう。
ちなみに和室もあり、たぶん1階のこの並びじゃないかと思われる。凝ってるなあ。こういうモダン最先端みたいな国民宿舎もあったのね。
いろんな入り方ができる大浴場
扉の向こうは大浴場
湯来ロッジの大浴場は日帰り温泉施設も兼ねている。場所は2階。2階客室から行く場合は廊下のとある扉を開けると大浴場前の休憩コーナーに通じている。泊まった夜は向かって左側が男湯。チェックイン時に説明された通り、脱衣所で鍵付きロッカーを利用するために宿泊客も100円玉の用意が必要になる(100円は後で戻ってきます)。
壁の分析書には「単純弱放射能温泉、低張性、アルカリ性、低温泉」とあった。加水なしの意味で源泉かけ流しを謳っているけど、たぶん循環・消毒あり。また長湯を諌めるポスターがあった。自分はぬる湯に長く入りたい派なんだけどな。
ぬる湯派向きの低温泉が結構なり
浴室に入るなり、良い香りがする。檜風呂の木の香りだ。おおこりゃええわ。浴槽は縁の上部に木が張ってあるけど基本的にはタイル張り。洗い場は十分すぎるほどあって数えたら24名分。カラン、そして浴槽も浴室全体も新しくて清潔感がある。こりゃええわ。
内湯は一番手前に1~2名規模の低温泉。通常の水風呂よりは温かくて30℃前後ありそうだけど冬はやはり入りづらい。とはいえ、ぬる湯派を自認するからには入ってみなければ。他のぬる湯好きにロックオンされたら長時間占有されちゃって機会を失うだろうし。
こうしてぬるい、いや冷たいお湯(?)に10分程度浸かることを何度か繰り返した。最初は冷たいが慣れてくると結構大丈夫になる。そして出た瞬間に身体が妙にぽかぽかしてくる。このあと温かい浴槽に入ると冷温交互浴になって気持ち良い。
お湯そのものは無色透明でこれといった匂いもなく露骨な塩素臭も感じない。つまり顕著な特徴はない。アルカリのヌルつきが若干あるといえばある。
中温泉・高温泉もあり
低温泉の隣が3名規模の座り湯。半身浴の格好で入るジェットバスだ。LED表示盤の温度は40.9℃を示していた。浸かってみると熱すぎない適温でいい感じ。低温泉の間に挟む準主役として活用させてもらった。ジェットは不要なのであえて位置をずらして座ったが。その隣は10名規模の大浴槽。ある一角はジャグジーになっている。ここのLED表示は41.5℃を示しており、冬でも自分にはちょっと熱めだった。長く入れないからあまり活用せず。一番奥にある2名分のジェット寝湯には結局一度も入ることはなかった。
全般に温度の幅や寝・座・ジェット有無の選択肢がいろいろあるから、好みに応じて湯船めぐりを組み立てられるのは良い。
柚子湯になってた露天風呂
露天風呂もある。外へ出ると広いルーフバルコニーのような場所に、横1列に6名が並んで入れる浴槽があった。その頭上にだけは屋根がかかっている。浸かってみると適温。外は寒いし、まあちょうどいい具合でしょう。湯口を見ると柚子を詰めたネット袋が突っ込んであった。ああ柚子湯になってるのね。いろいろ仕掛けてきますな。
湯船に浸かると目隠しのパネルのために空しか見えなくなるが、軽く立ち上がれば下方に水内川が見える。下の写真は部屋から撮ったものだけど大体こんな感じの景色。
朝は男女入れ替わり
朝になると男女が入れ替わって、もう一方の岩風呂テイストの浴室が男湯になっていた。構成は概ね一緒。座り湯が2名規模になってたくらいかな。朝6時過ぎの段階で露天風呂はまだ加温が進んでなくて冷たかったから入っていない。こうして1泊する間に夕方・夜・朝と3回入浴した。夕方は日帰り入浴を受け入れている時間帯で、地元のお客さんが続々とやって来た。それでも低温泉がたまに埋まるくらいで他の浴槽はそれほど混んでなかった。窮屈な思いをする場面は少ないだろう。
日帰り入浴が終わった21時過ぎと朝は超余裕。独占状態の時もあった。
気がつけば食べすぎている食事
会席風プランでいただく夕食
湯来ロッジの食事は朝夕とも1階のレストランで。夕食は会席風プランを予約してあった。食べるのが遅いので一番早い17時半スタートでお願いした。最初からセッティングされていたスターティングメンバーがこれ。心配無用。この後も続々と料理が運ばれてくる。たしか穴子+もち米+あんかけ的なやつとか、ブリ系の焼魚とか、天ぷらとか。だいぶ記憶が怪しいなあ。
ビール中ジョッキの後に日本酒1合を追加したのに見合うくらいの料理は出てきた。寄せ鍋を食べた段階でお腹はいっぱい。最後に釜飯とデザートで締めるまで90分、は誇大妄想にしても70分はゆうに越えていたはず。
一人で黙々と食べ続けてこれだから、十分だと思う。もっと豪勢に~とお考えの諸兄には料理内容をグレードアップしたプランもあるからどうぞ。
朝食バイキングのこんにゃく頑張れ
朝食は自由席方式の和洋バイキング。自慢のこんにゃくを逃さず取ってきたのがこれ。朝からそんなに食べない自分にしては頑張った方だ。おそらくこの日は客の数が基準に満たなかったのではないか。「湯来の特産こんにゃく云々」のPOP(?)があるわりには、こんにゃくが前面に出ていなかったし、「一番人気朝カレー」のPOPがあるところへ行ってみてもカレーは置いてなかった。
それでも他のメニューは、これじゃあたくさん余っちゃうんだろうな・ちょっとしか手を付けられなくてごめんよ、と思うくらいに用意されていた。需要と供給のマッチングはなかなか難しいですな。なんだかんだ最後にコーヒーで終了。
湯来ロッジ侮りがたし。ハード面はモダンな設備で文句なし。湯質に厳しくこだわる温泉通や舌の肥えた美食家を除けば、お手頃価格で上記のような体験ができるのはいいんじゃないかな。
さえき景弘くんもそう思っているに違いない。
【この旅行に関する他の記事】
2019年末の広島旅行で湯来温泉に目を付けたのは、山里でもがっつり中国山地じゃないから大雪の心配がなさそうなことと、路線バスが通じているアクセス面を考慮してのことだった。
そんな動機から宿泊した「国民宿舎 湯来ロッジ」だったが、驚くほどモダンな施設であったり、ぬるい低温泉が提供されていたりと、期待を超える意外な発見があった。
湯来ロッジへのアクセス
五日市からバス(渋滞注意)
広島駅を起点にすると、湯来温泉へはまずJR山陽線で五日市へ行く(広電でもいい)。下車したら五日市駅南口から湯来ロッジ行きの路線バスに乗って終点へ。およそ1時間に1本出ている。簡単ですね。バスの精算はパスモ・スイカに対応していて便利だった。自分の場合は塩屋天然温泉ほの湯楽々園に立ち寄り入浴し、楽々園からバスに乗った。このため往路は70分弱、復路は五日市駅まで90分乗車することになった。結構遠いのである。
とくに復路はもともとJRへの乗り継ぎがタイトな計画だったうえ、バスが朝渋滞に巻き込まれて遅延したために危なかった。この路線は余裕を多めにみておいた方がいい。
湯の山温泉もあるよ
さて、往路のバスは最初のうちは市街地をずーっと走るが、新幹線や山陽道の下をくぐって河内という地名が出てくるあたりから、山里の雰囲気が漂い始める。先へ行くほど鄙びていくのかなと思ったら、杉並台団地という住宅開発地だけは別格だった。あそこだけ異世界。また大橋という停留所のあるT字路でバスは左に曲がる。右へ行くと湯の山温泉なる別の温泉地があるけど、徒歩20分くらい距離があるし、旅行予約サイトで検索できる範囲だと1人泊可な旅館が見つからなかった。
そんなこんなで終点に到着。湯来ロッジは目の前だ。
モダンでお洒落なお宿
こんにゃくと景弘くんがお出迎え
幼い頃より刷り込まれた「国民宿舎=安くて古くさい」のイメージとは全く違って、当館は洗練されたモダンな風情を醸し出している。もはやシャレオツといってもいい。そんな湯来ロッジのすぐそばには特産品直売所、ものづくり体験や健康イベントが催される交流センター、こんにゃくレストラン(?)などがあって、公共施設らしく総合的な観光交流拠点を目指しているようだった。ちなみに郵便局も近い。
入館するとフロントの横がお土産コーナーになっていた。湯来の特産品はやっぱりこんにゃくのようですな。
ロビーはこんな感じ。飾ってある像や人形は各々いわれがあるようだけど失念。あと佐伯一帯を支配した平清盛時代の人物をモデルにしたイケメンご当地キャラ・さえき景弘くんの姿もあった。
一人だと贅沢すぎるほどのツイン洋室
まあとにかくチェックイン。部屋のキーを渡され簡単な説明を受けた後、単身向かったのは2階のツイン洋室。あらゆるスペースに余裕があって、二人で泊まっても十分に広い。そしてシャレオツ。ホテル式の洗面+シャワートイレも令和にふさわしい新しさ。便座に腰掛けるとどこからともなく音楽が流れてきます。室内には金庫あり、空の冷蔵庫あり。WiFiなんて部屋ごとにアクセスポイントが用意されているぞ。
窓の外には水内川の流れと遊歩道が見える。下の写真は翌朝明るくなってから撮ったもの。季節と天気の条件が良ければ、洒落たベランダのチェアで優雅な気分を満喫できるだろう。
ちなみに和室もあり、たぶん1階のこの並びじゃないかと思われる。凝ってるなあ。こういうモダン最先端みたいな国民宿舎もあったのね。
いろんな入り方ができる大浴場
扉の向こうは大浴場
湯来ロッジの大浴場は日帰り温泉施設も兼ねている。場所は2階。2階客室から行く場合は廊下のとある扉を開けると大浴場前の休憩コーナーに通じている。泊まった夜は向かって左側が男湯。チェックイン時に説明された通り、脱衣所で鍵付きロッカーを利用するために宿泊客も100円玉の用意が必要になる(100円は後で戻ってきます)。
壁の分析書には「単純弱放射能温泉、低張性、アルカリ性、低温泉」とあった。加水なしの意味で源泉かけ流しを謳っているけど、たぶん循環・消毒あり。また長湯を諌めるポスターがあった。自分はぬる湯に長く入りたい派なんだけどな。
ぬる湯派向きの低温泉が結構なり
浴室に入るなり、良い香りがする。檜風呂の木の香りだ。おおこりゃええわ。浴槽は縁の上部に木が張ってあるけど基本的にはタイル張り。洗い場は十分すぎるほどあって数えたら24名分。カラン、そして浴槽も浴室全体も新しくて清潔感がある。こりゃええわ。
内湯は一番手前に1~2名規模の低温泉。通常の水風呂よりは温かくて30℃前後ありそうだけど冬はやはり入りづらい。とはいえ、ぬる湯派を自認するからには入ってみなければ。他のぬる湯好きにロックオンされたら長時間占有されちゃって機会を失うだろうし。
こうしてぬるい、いや冷たいお湯(?)に10分程度浸かることを何度か繰り返した。最初は冷たいが慣れてくると結構大丈夫になる。そして出た瞬間に身体が妙にぽかぽかしてくる。このあと温かい浴槽に入ると冷温交互浴になって気持ち良い。
お湯そのものは無色透明でこれといった匂いもなく露骨な塩素臭も感じない。つまり顕著な特徴はない。アルカリのヌルつきが若干あるといえばある。
中温泉・高温泉もあり
低温泉の隣が3名規模の座り湯。半身浴の格好で入るジェットバスだ。LED表示盤の温度は40.9℃を示していた。浸かってみると熱すぎない適温でいい感じ。低温泉の間に挟む準主役として活用させてもらった。ジェットは不要なのであえて位置をずらして座ったが。その隣は10名規模の大浴槽。ある一角はジャグジーになっている。ここのLED表示は41.5℃を示しており、冬でも自分にはちょっと熱めだった。長く入れないからあまり活用せず。一番奥にある2名分のジェット寝湯には結局一度も入ることはなかった。
全般に温度の幅や寝・座・ジェット有無の選択肢がいろいろあるから、好みに応じて湯船めぐりを組み立てられるのは良い。
柚子湯になってた露天風呂
露天風呂もある。外へ出ると広いルーフバルコニーのような場所に、横1列に6名が並んで入れる浴槽があった。その頭上にだけは屋根がかかっている。浸かってみると適温。外は寒いし、まあちょうどいい具合でしょう。湯口を見ると柚子を詰めたネット袋が突っ込んであった。ああ柚子湯になってるのね。いろいろ仕掛けてきますな。
湯船に浸かると目隠しのパネルのために空しか見えなくなるが、軽く立ち上がれば下方に水内川が見える。下の写真は部屋から撮ったものだけど大体こんな感じの景色。
朝は男女入れ替わり
朝になると男女が入れ替わって、もう一方の岩風呂テイストの浴室が男湯になっていた。構成は概ね一緒。座り湯が2名規模になってたくらいかな。朝6時過ぎの段階で露天風呂はまだ加温が進んでなくて冷たかったから入っていない。こうして1泊する間に夕方・夜・朝と3回入浴した。夕方は日帰り入浴を受け入れている時間帯で、地元のお客さんが続々とやって来た。それでも低温泉がたまに埋まるくらいで他の浴槽はそれほど混んでなかった。窮屈な思いをする場面は少ないだろう。
日帰り入浴が終わった21時過ぎと朝は超余裕。独占状態の時もあった。
気がつけば食べすぎている食事
会席風プランでいただく夕食
湯来ロッジの食事は朝夕とも1階のレストランで。夕食は会席風プランを予約してあった。食べるのが遅いので一番早い17時半スタートでお願いした。最初からセッティングされていたスターティングメンバーがこれ。心配無用。この後も続々と料理が運ばれてくる。たしか穴子+もち米+あんかけ的なやつとか、ブリ系の焼魚とか、天ぷらとか。だいぶ記憶が怪しいなあ。
ビール中ジョッキの後に日本酒1合を追加したのに見合うくらいの料理は出てきた。寄せ鍋を食べた段階でお腹はいっぱい。最後に釜飯とデザートで締めるまで90分、は誇大妄想にしても70分はゆうに越えていたはず。
一人で黙々と食べ続けてこれだから、十分だと思う。もっと豪勢に~とお考えの諸兄には料理内容をグレードアップしたプランもあるからどうぞ。
朝食バイキングのこんにゃく頑張れ
朝食は自由席方式の和洋バイキング。自慢のこんにゃくを逃さず取ってきたのがこれ。朝からそんなに食べない自分にしては頑張った方だ。おそらくこの日は客の数が基準に満たなかったのではないか。「湯来の特産こんにゃく云々」のPOP(?)があるわりには、こんにゃくが前面に出ていなかったし、「一番人気朝カレー」のPOPがあるところへ行ってみてもカレーは置いてなかった。
それでも他のメニューは、これじゃあたくさん余っちゃうんだろうな・ちょっとしか手を付けられなくてごめんよ、と思うくらいに用意されていた。需要と供給のマッチングはなかなか難しいですな。なんだかんだ最後にコーヒーで終了。
湯来ロッジ侮りがたし。ハード面はモダンな設備で文句なし。湯質に厳しくこだわる温泉通や舌の肥えた美食家を除けば、お手頃価格で上記のような体験ができるのはいいんじゃないかな。
さえき景弘くんもそう思っているに違いない。
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