多彩な風呂が並ぶお湯の楽園 - 塩屋天然温泉 ほの湯 楽々園

塩屋天然温泉 ほの湯 楽々園
令和最初の年末は少し早めに休みに入らせてもらい、かねてより狙っていた中国地方の温泉へ行ってみることにした。しかし山間部は雪の心配があるし、海側でも山陰は雪に加えてカニシーズンで相場高め。

そこで選んだのが広島の瀬戸内海寄り。そんな旅の第1湯目は広島市佐伯区の「塩屋天然温泉 ほの湯 楽々園」。

楽々園という楽しげな地名は、もともと遊園地があったらしい。もっと昔は塩田だったからか、湧き出る温泉も濃いめの強塩泉。交通アクセスは良い方だと思うし、うらやましいですな。

「ほの湯 楽々園」へのアクセス

ほの湯は広島市内に2店舗、宇品と楽々園に存在する。本記事で紹介するのは楽々園の方である。そっちの方が旅程がうまくつながるもんでね。

当館の最寄り駅は広電宮島線の楽々園。広島駅から一本で行ける。早朝に東京を発つ新幹線で広島駅に着いたおじさんは、広電でまず原爆ドーム前駅へ。この歳にして初めて原爆ドームや平和記念資料館を訪れた。

被爆の惨状を学んで平和への祈りを新たにし、この次が温泉でのんびりするってどうなんだろうと思いつつ、兎にも角にも宮島口行きの広電に乗り込んだ。

途中の西広島駅まではいわゆる路面電車。その先は専用軌道をスピードを上げて走るようになり、ローカル私鉄ぽくなる。少なくとも自分の乗った車両はモダンな2両編成で、スイカ・パスモを使えて便利だった(ピッのやり方は路線バスと同じ)。

楽々園駅で降りたら当館までは南の方向へ徒歩5~6分。道順はそんなに難しくない。スマホのナビがあれば万全だろう。最後はおそらくこんな道路の向かいにゴールが見えてくるはず。
ほの湯楽々園

いろいろな種類のお風呂を楽しめる

温泉目当てなら露天風呂利用コースを

建物の前が駐車場になっている。見たところそこそこ埋まってた。学校はもう冬休みに入っていたし、有給消化だなんだで早めに仕事納めした人もいるだろうし、悠々自適のお年寄りは言うに及ばず。混雑してるかもしれんなあ。

では入館。外観から想像される通り、中も小綺麗なつくりで、まあ近年よくある日帰り温泉施設である。100円いらずの鍵付き下足箱に靴をしまい、入場カウンターでバーコード付き腕輪を受け取る。

このとき「露天風呂は利用されますか?」と訊かれる。温泉を体験するなら答えは「はい」だ(850円)。「いいえ」だと露天風呂やサウナを利用できない(450円)。後者だと温泉が使用されていない内湯のみしか入ることができないので注意。

マッサージ系の浴槽が並ぶ内湯

浴場は入場して左手の階段を上った2階にある。貴重品ロッカーの有無についてはよくわからなかったが脱衣所には100円いらずの鍵付きロッカーが並んでいる。2段ぶち抜きの大きめのやつもあった。

掲示された分析書をチェックすると「含弱放射能-ナトリウム・カルシウム-強塩温泉、高張性、中性、低温泉」。濃ゆそう。

浴室入ってすぐにかけ湯と18名分の洗い場。続いて座り湯、ジェット寝湯、一番奥に内湯の主浴槽がある。いずれも温泉ではない。とりあえず主浴槽に浸かってみた。8名サイズで角の2箇所が電気風呂になっている。適温のお湯については特別書くまでもない。

他に3名サイズのぬる湯バイブラ浴槽もあった。ぬる湯は好きだけど温泉じゃないからパス。内湯はすぐに切り上げて露天エリアへ移動した。

しっかりと温泉感のある露天風呂

露天風呂の主役は2つ。8~10名サイズの岩風呂と、その奥のやや高くなった場所に位置する3~4名サイズの源泉風呂だ。どちらも天然温泉かけ流しと謳われている。最初に岩風呂へ入ってみた。

お湯はクリアな黄色を呈しており、ぬるめの適温。熱いのが苦手なので冬でもこれくらいがちょうどいい。泡付きや湯の花はとくに意識されずも、匂いをクンクン嗅いでみると、微かに焦げ臭かった。温泉感はしっかりあるね。

ぬるいから結構長く入っていられるが、高張性の強塩泉だから油断はできない。しばらく浸かった後に立ち上がったらクラっと立ちくらみがした。30分も浸かったわけじゃなく5分かそこらですよ。こいつは効くぜ。

お次は源泉風呂へ。岩風呂と違って屋根付きだった。お湯は微妙に濁ってる感じがする。そして熱め。冬とはいえこれは厳しいな。個人的には岩風呂に集中したいな。ちなみに源泉風呂からあふれたお湯の一部は岩風呂へ流れ込むようになっている(岩風呂にも専用の湯口はもちろんあります)。

主役を支える脇役も多彩

露天エリアには温泉不使用ながら他にもたくさんの風呂が提供されている。1名サイズが3つ並んだ陶器風呂は季節湯という企画物になっていて、当時はスライムゼリーのような鮮やかな蛍光グリーンをした入浴剤入りだった。それとは別に1名サイズが2つ並んだ石壺湯というのもある。お湯は普通。

石壺湯の前には細かい気泡で白濁させた4名サイズのシルク風呂。ファミリー層を中心に人気がある模様。つられて自分もちょっと入ってみた。その隣は半身浴のできる4名分の腰掛け湯。

そして影の主役・5名サイズの炭酸泉。屋根付き・液晶テレビ付きで、どうぞゆっくりしていってください状態。予想通りにきっちり満員御礼で空く気配はない。まあ炭酸泉はどこでもこんな感じだ。入れなくてもべつに悔しくないもんね、ってことにしておこう。

他に寝ころび湯もあり。温泉にこだわらない人でも、多彩な風呂(あわよくば炭酸泉)を楽しみたいがために露天風呂コースを選ぶお客さんは多数いそうだ。


やばいよ、電気風呂

慣れないことはするもんじゃない

自分は主にぬるめの岩風呂温泉にロックオンしたのだが、途中で内湯へ戻った際に電気風呂を初めて体験してみることにした。なんなのさ電気って。まさかビリビリ感電するわけじゃないよな。

一応警戒してゆっくり体を電気スポットへ近づけていくと…あばばばばばばばばばばばば、なんじゃこりゃあ! パルスが! パルスがぁぁばばばばばば!

苦悶を通り越して、もはや笑うしかない。その異様な表情を見かねた隣の紳士が「大丈夫かい。そっちの電気は強設定だし、こっちは弱だから場所を交代しようか」と救いの手を差し伸べてくれたのだが…結局は弱にも耐えられなかった。せっかくの親切を無にしてしまってすいません。

教訓:電気風呂はやばい。

以後はおとなしく岩風呂で過ごした。こうして70分ほどの滞在を終え、ほの湯楽々園を後にした。塩化物泉によく見られるように肌はテカテカのホカホカ。

長時間滞在できるサービスもあり

当館には休憩処やレストランだけでなく、別料金のチムジルバン汗蒸洞もある。そっちだとマンガ・PCコーナーを利用できるみたい。館内着で歩いてるお客もいたし、半日以上楽しめるようなサービスがいろいろとあるってことでしょう。

楽々園の中の楽園ですな。