夏の北海道旅行の最後に登別へ行った。最大のお目当てはもちろん温泉だが、他のスポットを観光する時間も多少取ってあった。候補はクマ牧場とかいろいろあるけど、個人的には地獄谷見学をおいて他にない。
実際目にすると、いやすごかった。さすが登別。これぞ地獄谷と言わんばかりの荒々しい風景が北海道らしいスケールで展開している。大勢の観光客でにぎわっていたのも納得だ。
そして近隣の大湯沼。濃ゆい温泉どころじゃない、やばそうな熱湯を一面に湛えている。温泉に入る前から見ただけでのぼせてしまいそうだった。
実を言うとこの時点で登別の具体的な観光プランは決まっていなかった。温泉に入る前の1時間くらいで見て回るのに適したところはないか?…有名な地獄谷を除くと自身の予備知識はゼロ。スマホでおすすめを調べまくって(ドライバーはスマホいじってません、念のため。)アドリブ的に決まったのが大湯沼であった。
道央自動車道に一区間乗ったらもう登別。近い。登別東ICから内陸方向へ一般道を10分も走れば温泉街が見えてくる。大観光地にふさわしく大型ホテルがいっぱい立ち並んでいた。
温泉街の奥に地獄谷駐車場があったけど満車。うわああああ。しかしもっと奥に第2駐車場的なのがあって、そちらは空きがあった。良かった、詰んだかと思ったぜ。
ちなみに地獄谷駐車場は、あとで行くことになる大湯沼駐車場と共通で500円となっていた。どちらか一方のみに限定されるかわりにもっと安くなる料金体系は提供されていない。また地獄谷や大湯沼そのものは入場料なしで見学できる。
見学者の大半は海外から来た訪日客。撮りまくっている写真は速攻でSNSにアップしていることだろう。いいね。
地獄谷そのものは広範囲にわたっているが、遊歩道はそれほど長くはない。メインルートの終点となる鉄泉池まで無心のままただ往復するだけなら15分もあれば可能。そんな意味のない歩きをするやつはいないけれど。
我々はまず遊歩道から少し外れて下ったところにある薬師如来堂へ行ってみた。冒頭の写真の左下あたりに見えるのがそうだ。
…肝心のお堂を撮り忘れてしまった。間近に迫る地獄谷の方に目を奪われたせいだ。なんかあちらこちらに石碑が立っているぞ。
20分くらいかけて鉄泉池に着いた。微濁りのお湯が湧いている小さな池である。おとなしい時と勢いよく湯気を立たせる時とが周期的に変化する。底にお賽銭がたくさん沈んでいるけど本当は投げ込み禁止だからな。
遊歩道はここで終わり。立入禁止の小丘の向こう側から噴気が上がっているのが見えた。この先はもうガチでやばいんだろう。
…ん? 左手の方になんか動物がいるぞ。まわりで「鹿だ」の声が飛ぶ。本当だ、1頭の鹿がうろうろしていた。こんなところを歩き回っていて大丈夫なのか。
しかも川の水(湯)を飲んでるっぽい仕草を見せるんですけど。餌となる植物が生えているとは思えないから、やっぱり水(湯)を飲んでるんだよな。大丈夫なのか。だってこんな川ですぜ。
鹿と思わせて夜はデイダラボッチになるやつじゃないだろうな。
遊歩道入口まで戻り、反対側の第2展望台というところにも行ってみた。こちらの方が入口から近くて地獄谷を広く俯瞰するのに適している。
地獄谷の見学に思いがけず50分近くもかけてしまった。まあそれだけの価値はあったし、すっかり満足した。
大湯沼は白い山と白濁硫黄泉(硫化水素型)のような沼が特徴。写真だと濁っていないように見えるかもしれない。実際はグレーに近い雰囲気で濁っていた。たぶん別府で体験した泥湯のようになっているんじゃないかなあ。
だが沼を天然の露天風呂のように考えることはできない。表面で40~50℃、底の方は130℃もあるという。一部には干潟のようになっている箇所(当然立入禁止)も見られるが、「足を踏み入れると沈みます」との立て札があった。きっと底なし沼のように引きずり込まれるに違いない。
奥の湯という名前だからといって、もちろん露天風呂と同一視はできない。大湯沼よりもブクブク・グツグツいってる感が強いし、やばそうな硫化水素臭がするし、鹿だって近づかないだろう。
時間に余裕があればさらに大湯沼展望台や大湯沼川の天然足湯へも立ち寄りたいところだ。我々はスケジュールの都合でパス。このあと温泉に入る時間をたっぷり取りたかったんでね。
地獄谷と大湯沼だけでも「さすがは登別」と思わせるに十分だった。今回の旅は天気に振り回されて思惑通りにいかないパターンも多かったけど、最後は満足のいく形で締めることができて、終わりよければすべてよし。
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実際目にすると、いやすごかった。さすが登別。これぞ地獄谷と言わんばかりの荒々しい風景が北海道らしいスケールで展開している。大勢の観光客でにぎわっていたのも納得だ。
そして近隣の大湯沼。濃ゆい温泉どころじゃない、やばそうな熱湯を一面に湛えている。温泉に入る前から見ただけでのぼせてしまいそうだった。
地獄谷駐車場のひみつ
地球岬を始めとする室蘭名勝ピリカノカめぐりを終えた我ら温泉斑は、いよいよ最後の周遊地・登別へ向けてレンタカーを発進させた。実を言うとこの時点で登別の具体的な観光プランは決まっていなかった。温泉に入る前の1時間くらいで見て回るのに適したところはないか?…有名な地獄谷を除くと自身の予備知識はゼロ。スマホでおすすめを調べまくって(ドライバーはスマホいじってません、念のため。)アドリブ的に決まったのが大湯沼であった。
道央自動車道に一区間乗ったらもう登別。近い。登別東ICから内陸方向へ一般道を10分も走れば温泉街が見えてくる。大観光地にふさわしく大型ホテルがいっぱい立ち並んでいた。
温泉街の奥に地獄谷駐車場があったけど満車。うわああああ。しかしもっと奥に第2駐車場的なのがあって、そちらは空きがあった。良かった、詰んだかと思ったぜ。
ちなみに地獄谷駐車場は、あとで行くことになる大湯沼駐車場と共通で500円となっていた。どちらか一方のみに限定されるかわりにもっと安くなる料金体系は提供されていない。また地獄谷や大湯沼そのものは入場料なしで見学できる。
登別を登別たらしめる地獄谷
地獄谷の遊歩道を行く
地獄谷の遊歩道入口からすでに硫化水素臭が充満し、それっぽい景色がどーんと展開していた。草木が剥げて赤茶けた山肌、白くなった地面が盛り上がってできた小丘、白く濁った川、あちこちでもくもく上がる噴気。見学者の大半は海外から来た訪日客。撮りまくっている写真は速攻でSNSにアップしていることだろう。いいね。
地獄谷そのものは広範囲にわたっているが、遊歩道はそれほど長くはない。メインルートの終点となる鉄泉池まで無心のままただ往復するだけなら15分もあれば可能。そんな意味のない歩きをするやつはいないけれど。
我々はまず遊歩道から少し外れて下ったところにある薬師如来堂へ行ってみた。冒頭の写真の左下あたりに見えるのがそうだ。
…肝心のお堂を撮り忘れてしまった。間近に迫る地獄谷の方に目を奪われたせいだ。なんかあちらこちらに石碑が立っているぞ。
鉄泉池に現れた森の化身
再び遊歩道へ戻り、ゆっくりと景色を楽しみつつ進む。20分くらいかけて鉄泉池に着いた。微濁りのお湯が湧いている小さな池である。おとなしい時と勢いよく湯気を立たせる時とが周期的に変化する。底にお賽銭がたくさん沈んでいるけど本当は投げ込み禁止だからな。
遊歩道はここで終わり。立入禁止の小丘の向こう側から噴気が上がっているのが見えた。この先はもうガチでやばいんだろう。
…ん? 左手の方になんか動物がいるぞ。まわりで「鹿だ」の声が飛ぶ。本当だ、1頭の鹿がうろうろしていた。こんなところを歩き回っていて大丈夫なのか。
しかも川の水(湯)を飲んでるっぽい仕草を見せるんですけど。餌となる植物が生えているとは思えないから、やっぱり水(湯)を飲んでるんだよな。大丈夫なのか。だってこんな川ですぜ。
鹿と思わせて夜はデイダラボッチになるやつじゃないだろうな。
入口に戻って第2展望台へ
帰りにも鹿を発見。タイミング的に下の写真には写ってないと思うが、赤い崖の中腹くらいのところを器用に歩いていた。保護色になってて気づく人はほとんどいない。遊歩道入口まで戻り、反対側の第2展望台というところにも行ってみた。こちらの方が入口から近くて地獄谷を広く俯瞰するのに適している。
地獄谷の見学に思いがけず50分近くもかけてしまった。まあそれだけの価値はあったし、すっかり満足した。
もうひとつの地獄・大湯沼
白い山と白い沼
お次は車で5分くらい離れたところにある大湯沼へ。一部に道が狭くてすれ違いが難しい区間があるので注意。先に述べた通り駐車料金は地獄谷の方と共通だから駐車券を見せるだけで入れた。大湯沼は白い山と白濁硫黄泉(硫化水素型)のような沼が特徴。写真だと濁っていないように見えるかもしれない。実際はグレーに近い雰囲気で濁っていた。たぶん別府で体験した泥湯のようになっているんじゃないかなあ。
だが沼を天然の露天風呂のように考えることはできない。表面で40~50℃、底の方は130℃もあるという。一部には干潟のようになっている箇所(当然立入禁止)も見られるが、「足を踏み入れると沈みます」との立て札があった。きっと底なし沼のように引きずり込まれるに違いない。
奥の湯もあるよ(風呂ではありません)
駐車場を挟んで大湯沼と反対側には「奥の湯」なる小さな沼もある。こちらはやや青みがかったきれいな白濁。奥の湯という名前だからといって、もちろん露天風呂と同一視はできない。大湯沼よりもブクブク・グツグツいってる感が強いし、やばそうな硫化水素臭がするし、鹿だって近づかないだろう。
時間に余裕があればさらに大湯沼展望台や大湯沼川の天然足湯へも立ち寄りたいところだ。我々はスケジュールの都合でパス。このあと温泉に入る時間をたっぷり取りたかったんでね。
地獄谷と大湯沼だけでも「さすがは登別」と思わせるに十分だった。今回の旅は天気に振り回されて思惑通りにいかないパターンも多かったけど、最後は満足のいく形で締めることができて、終わりよければすべてよし。
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