夏本番の北海道グループ旅行の2日目。旅の前半のメインディッシュとも言える積丹半島めぐりがいよいよ始まる。だがしかし、天候を司る自然さんの底意地の悪さは筋金入りだった。
心を折らんばかりにさまざまな障害を仕掛けてくるので我々はずいぶんと振り回されてしまった。本記事は圧倒的な力で屈服させようとする自然に対して、知略の限りを尽くして立ち向かった男たちのドラマである。
でもたまにはいい景色を見せてくれたりして、ツンデレなところもあるんだよな、自然の奴。
だが自然はそんなに甘くなかった。泊村を過ぎて神恵内村に差し掛かると、急に空が暗くなって辺り一面は濃い霧で視界不良。まずいなこれは。
そしてとどめの一撃。道路上の電光掲示板に「国道229号・XXX~XXX間は大雨による土砂崩れのおそれがあるため通行止め」の文字。えーーーー。目的地の神威岬は通行止区間の向こう側にあった。それ、早く言ってよーーーー。もっと手前で知らせてくれればさっさと迂回したのに…。
半島内陸部からアプローチする道も通行止めだったため、思い切って計画の逆コース、つまり積丹半島を反時計回りにぐるーっと大回りして神威岬を目指すことになった。こうなりゃトコトンやったるで。
そこでまず積丹岬の絶景ポイント・島武意海岸を見に行った。海岸へはトンネルをくぐって行く。
短いトンネルを抜けた先が海岸展望台になっている。おお、こりゃ見事な絶景だ。
海岸展望台から波打ち際まで下りていく道もある。ひたすら階段が続くので足腰が弱い方は厳しいかもしれない。自分を含めたメンバーの何人かは果敢に挑戦。雨で泥々になった地面に手こずりつつも海岸まで下りてきた。
砂浜ではなくて大きめの石がゴロゴロしている。水は青く澄んでおり、南国の海のようなマリンブルーに見えるところもあった。きれいですな。さすがは日本の渚百選。
波打ち際まで下りなくても展望台からの景色が十分絶景だから、時間や体力の懸念があっても海岸展望台までは行ってみることをおすすめする。
10分くらいだったと思うけど、ふらふらになりながら灯台前に到着。こいつはまだ現役なんだよね。
灯台の裏手が展望台になっていた。断崖絶壁の海を一望できる。
この崖をめぐって遊歩道は先へと続く。しかしここから先は本格トレッキングになってしまい気軽には行けない。熊に注意の看板もあるし。北海道だからヒグマなんで、人間などパンチ一発で首が飛ぶ(と聞いたことがある)。コンピュータRPGの元祖ウィザードリィでいうところの「首をはねられた」ってやつ。
神威岬へ車を進める途中、いきなり青空が一転、どんよりした曇り空になった…なんでや。でもまあ雨ではなかったので、これなら大丈夫だろうと神威岬駐車場に車を止めた。
目指すは岬の先端、そこから見える積丹ブルーの海(この空じゃ無理ってわかってるけど)と神威岩だ。
ところがところがところが、先端へ通ずる「チャレンカの小道」は強風のため通行止め。たしかに小さい子は吹き飛ばされそうなくらいの強い風が吹いていた。
事故防止のための順当な措置とはいえ残念無念。せめてもとゲートのところから写真を撮っておいた。霧も濃くなってきたし、だめだこりゃ。
では見てみようじゃないか、神威岩を。これだッ!!!
…うっすら見えただけでも良しとせねばなるまい。このままでは終われない我々は、さらに南下して因縁の神恵内村に入ったところにある奇勝・窓岩へも行ってみた。ああなるほど、岩の真ん中に穴が空いてますね。
窓岩の向こうに見える凹形の岩は、もともとカニの爪のような形だったのだが、地震で爪先が崩れて根元だけが残ったということだ。ああもったいない。
車はここで折り返して北上しつつ余市方面に戻る。結局、朝の通行止めにより、'C'の字を左右反転させたような形で積丹半島をほぼ一周半する羽目になった。この頃には通行止めは解除されていたけど、もう遅いよ…。
積丹岬の先にある美国の黄金岬と遊覧船は時間の都合でパス。古平のセタカムイへやって来た。ここは崩落事故で多数の犠牲者を出した旧豊浜トンネルが近くにある関係で慰霊碑が立っていた。メンバーの一人は事故の3ヶ月前に当トンネルを通っていたという。
すぐ近くにあるセタカムイはアイヌ語で犬の神様だそうな。そう言われれば岩が犬の姿に…見える?
積丹半島めぐりの最後は余市のローソク岩。なんだかポッキリいきそうに見えるけど大丈夫か。窓岩のカニの爪みたいなことにならないか心配だ。
ツンデレの自然が神威岬にツンを持ってきたあたりに「そうやすやすとは見せねーぞ」という意地を感じる。ていうか、岬の名前からして、神が与えた試練なのかもしれない。と、卑屈になるくらいの運のなさであった。
車中ではメンバーの間で「残念だ」「今後の宿題だな」という会話が交わされていた。こりゃあリベンジ戦あるかもね。今回は梅雨前線の残党の最後っ屁みたいな時期だったので、もうちょっと天候が安定してそうな時期を調べて狙うべきなのかなあ。
(補足)翌年に神威岬を再訪してリベンジを果たした。
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心を折らんばかりにさまざまな障害を仕掛けてくるので我々はずいぶんと振り回されてしまった。本記事は圧倒的な力で屈服させようとする自然に対して、知略の限りを尽くして立ち向かった男たちのドラマである。
でもたまにはいい景色を見せてくれたりして、ツンデレなところもあるんだよな、自然の奴。
通行止めに出鼻をくじかれる
朝。いわない温泉高島旅館をチェックアウトした我ら一行は積丹半島へ向けて海岸沿いの国道229号を北上した。天候はどんより曇り~小雨。海の向こう、西の空には雲の切れ目や明るいところが見えるし、天気予報によれば次第に回復していくそうだから、なんとかなるだろう。だが自然はそんなに甘くなかった。泊村を過ぎて神恵内村に差し掛かると、急に空が暗くなって辺り一面は濃い霧で視界不良。まずいなこれは。
そしてとどめの一撃。道路上の電光掲示板に「国道229号・XXX~XXX間は大雨による土砂崩れのおそれがあるため通行止め」の文字。えーーーー。目的地の神威岬は通行止区間の向こう側にあった。それ、早く言ってよーーーー。もっと手前で知らせてくれればさっさと迂回したのに…。
半島内陸部からアプローチする道も通行止めだったため、思い切って計画の逆コース、つまり積丹半島を反時計回りにぐるーっと大回りして神威岬を目指すことになった。こうなりゃトコトンやったるで。
天気がガラッと変わる積丹岬と神威岬
ぜひおすすめしたい島武意海岸
そうして余市を通過する頃から青空が見え始めた。いい兆候だ。まず積丹岬に到着すると、遠くに見えるはずの神威岬はすっぽり雲の中。ここはすっかり晴れ渡っているのに、なんであそこだけ雲なんだ。ラピュタかよ。自然の嫌がらせ極まれり。そこでまず積丹岬の絶景ポイント・島武意海岸を見に行った。海岸へはトンネルをくぐって行く。
短いトンネルを抜けた先が海岸展望台になっている。おお、こりゃ見事な絶景だ。
海岸展望台から波打ち際まで下りていく道もある。ひたすら階段が続くので足腰が弱い方は厳しいかもしれない。自分を含めたメンバーの何人かは果敢に挑戦。雨で泥々になった地面に手こずりつつも海岸まで下りてきた。
砂浜ではなくて大きめの石がゴロゴロしている。水は青く澄んでおり、南国の海のようなマリンブルーに見えるところもあった。きれいですな。さすがは日本の渚百選。
波打ち際まで下りなくても展望台からの景色が十分絶景だから、時間や体力の懸念があっても海岸展望台までは行ってみることをおすすめする。
なかなかハードな灯台展望台までの道
続いて積丹岬の遊歩道に入る。スケジュールの都合で最初の展望スポット・灯台展望台までを目標にした。朝の雨がちの天気が嘘のように晴れ渡り、熱中症が心配になるほどの暑さにはまいった。舗装道とはいえ急な上り坂だし。10分くらいだったと思うけど、ふらふらになりながら灯台前に到着。こいつはまだ現役なんだよね。
灯台の裏手が展望台になっていた。断崖絶壁の海を一望できる。
この崖をめぐって遊歩道は先へと続く。しかしここから先は本格トレッキングになってしまい気軽には行けない。熊に注意の看板もあるし。北海道だからヒグマなんで、人間などパンチ一発で首が飛ぶ(と聞いたことがある)。コンピュータRPGの元祖ウィザードリィでいうところの「首をはねられた」ってやつ。
神威岬にて我らを襲った悲劇
とにかく積丹岬はここまで。濃い雲が消えてうっすら見えるようになってきた神威岬の方へ移動しましょう。神威岬へ車を進める途中、いきなり青空が一転、どんよりした曇り空になった…なんでや。でもまあ雨ではなかったので、これなら大丈夫だろうと神威岬駐車場に車を止めた。
目指すは岬の先端、そこから見える積丹ブルーの海(この空じゃ無理ってわかってるけど)と神威岩だ。
ところがところがところが、先端へ通ずる「チャレンカの小道」は強風のため通行止め。たしかに小さい子は吹き飛ばされそうなくらいの強い風が吹いていた。
事故防止のための順当な措置とはいえ残念無念。せめてもとゲートのところから写真を撮っておいた。霧も濃くなってきたし、だめだこりゃ。
神威岬から余市へ:いろいろな奇岩めぐり
ちらり神威岩と窓岩
本命の見学先・神威岬にフラレてがっくりと肩を落とす面々。だがまだだ、まだ終わらんよ。少し南下した沼前岬(?)から神威岩を見られるというので行ってみた。ここには「ソーラン節のふる里」の碑がある。では見てみようじゃないか、神威岩を。これだッ!!!
…うっすら見えただけでも良しとせねばなるまい。このままでは終われない我々は、さらに南下して因縁の神恵内村に入ったところにある奇勝・窓岩へも行ってみた。ああなるほど、岩の真ん中に穴が空いてますね。
窓岩の向こうに見える凹形の岩は、もともとカニの爪のような形だったのだが、地震で爪先が崩れて根元だけが残ったということだ。ああもったいない。
車はここで折り返して北上しつつ余市方面に戻る。結局、朝の通行止めにより、'C'の字を左右反転させたような形で積丹半島をほぼ一周半する羽目になった。この頃には通行止めは解除されていたけど、もう遅いよ…。
犬の神様セタカムイとローソク岩
神威岬を過ぎて積丹岬が近くなるとまた青空が戻ってきた。デジタル時代だからって0/1的に天気が変わるね。なんでや。積丹岬の先にある美国の黄金岬と遊覧船は時間の都合でパス。古平のセタカムイへやって来た。ここは崩落事故で多数の犠牲者を出した旧豊浜トンネルが近くにある関係で慰霊碑が立っていた。メンバーの一人は事故の3ヶ月前に当トンネルを通っていたという。
すぐ近くにあるセタカムイはアイヌ語で犬の神様だそうな。そう言われれば岩が犬の姿に…見える?
積丹半島めぐりの最後は余市のローソク岩。なんだかポッキリいきそうに見えるけど大丈夫か。窓岩のカニの爪みたいなことにならないか心配だ。
そうやすやすとは見られない神威岬
うーん、お天気にだいぶ振り回されちゃったなあ。しかもよりによって肝心の神威岬の先端に行けないというね。あそこはいかにも年中風が強かったり霧がかかったりしてそうだからな。何度もトライしないと満足のいく見学はできないんだろう。ツンデレの自然が神威岬にツンを持ってきたあたりに「そうやすやすとは見せねーぞ」という意地を感じる。ていうか、岬の名前からして、神が与えた試練なのかもしれない。と、卑屈になるくらいの運のなさであった。
車中ではメンバーの間で「残念だ」「今後の宿題だな」という会話が交わされていた。こりゃあリベンジ戦あるかもね。今回は梅雨前線の残党の最後っ屁みたいな時期だったので、もうちょっと天候が安定してそうな時期を調べて狙うべきなのかなあ。
(補足)翌年に神威岬を再訪してリベンジを果たした。
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