室蘭の観光名所といえば地球岬がまず真っ先にあがる。本当はもっといろいろあるはずだし、現在は事情が違うのかもしれないが、おじさんの脳みそには昔から室蘭=地球岬が刷り込まれていた。
そんなわけで夏の北海道旅行の最終日には地球岬のために室蘭へ行ってみることになった。パノラマの景色を楽しむところだからどうしても天気に左右されるんだけど、完璧とはいえないまでもそれなりに見えて、まあどうにか格好はついた。
しかも他にも「ピリカノカ」なる一連の景勝地があるということを現地で初めて知った。あわせて見て回ることにより、多面的かつ厚みのある思い出ができたのはよかった。
前日までの天気予報だと晴れ、最悪でも曇りって感じだったのに、どんどん雨が強くなってきた。聞いてないよ~。峠を越えれば状況が変わるんじゃないかとの期待も虚しく、むしろ土砂降り状態。
当初計画していた有珠山ロープウェー近くの駐車場に車を止める。500円。大粒の雨は相変わらずで有珠山はすっぽり雲の中。これじゃ登ってもしょうがない。せめてもと昭和新山の写真を撮って終了。
さてどうする? 洞爺湖も視界不良だろうし、洞爺湖温泉に立ち寄るといってもなあ…スマホアプリで雨雲レーダーを確認すると、30分後にゲリラ豪雨級の雲がここへ押し寄せてくることがわかった。明らかに天気の神様がとどめを刺しに来てる。
一方で次の予定地・室蘭は雨雲の通過コースからうまく外れていて、天気はいくぶんマシなように見えた。もう洞爺湖エリアで粘っても豪雨に蹂躙されるだけだ。一刻も早くここを離脱して室蘭へ向かおう。
みたら室蘭は単なる売店やレストランだけでなく、白鳥大橋記念館として橋の建造に関する展示がいっぱいあって、2階展望デッキからは白鳥大橋が間近に見える。
当館で情報収集したところ、室蘭南端の絵鞆半島は断崖絶壁が続いていて、地球岬以外にも景勝地や展望所があちこちにあるようだった。じゃあ巡ってみますか。もちろん歩いて回れる距離ではなく車が必要だ。
観光パンフの略図マップとカーナビを突き合わせてにらめっこしながら、どうにか迷子になることなく到着。展望所の少し手前の広い路肩が駐車スペースになっている。そしてこれが銀屏風だ。
うん、たしかに岩肌が銀といえば銀ですね。以後の見どころと違って周囲に人の気配はまったくなく、不気味な野生のムードがちょっとある。ヒグマとか出ないだろうな。
ここには住宅街からの片側1車線道路が接続してT字路となっており、なんとなく人の気配が感じられてホッとする。我々の走ってきた林道もここから先はやや広くなっていて走りやすそうだ。
気がつけば雲の切れ間から青空がのぞくようになってきた。気分も道路状態も調子を上げつつ先へ進む。お次は「ローソク岩」。
なるほどローソクですな。2日前の積丹半島めぐりの際に余市でローソク岩を見ているから、今回で2例目。余市のやつよりはポッキリ折れちゃう危険は少なそう。あと崖の岩肌が銀屏風やハルカラモイとは全然違う。
眼下にはマスイチ浜、その向こうに何やら人工的な橋と岸壁が見える。後日の調べによるとMランドなる漁港のようだ。
なかなか面白い構図だし視界が一気に開けてパノラマ感もある。駐車場から階段を上っていくと、もっと高い場所から眺めることもできる。アングルが変わるため人によって好みはあると思いますが。
マスイチは規模と整備状況からして観光地らしい観光地といってよかろう。ちなみに絵鞆半島の各所に立っている「名勝ピリカノカ」なる看板は、北海道内の国指定名勝を表すもので、ピリカノカはアイヌ語で美しい形を意味する。
自分はてっきり「360度のパノラマビューだから」「丸い地球を実感する水平線が広がるから」地球岬という呼び名がついたのだと思い込んでいた。実際はアイヌ語の断崖(チケプ)→チキウ→地球と変遷したらしいね。
さすがにここは、いかにもな観光地。バスが乗り付けそうな駐車場に売店はあるし、人がいっぱいいるし、そのうち半数以上は海外からの訪日客という印象。
中段には階段を上って1~2名が入れるやや高くなった場所があるので、より広角的に見る用。もしくはタイタニックごっこ用。
上段は海が若干遠くなるかわりに360度を展望する用。たとえば駐車場側の見え方。
さっきまで我々がうろうろしていた前半コースを遠望する西側。
眺望について欲を言えばキリがないけど、雨に煙って真っ白で何も見えない最悪のケースをも覚悟していたのに比べたら、タイミングよく日が差してきたし、幸運な方だったんじゃないかな。
おお、三角形の岩が並んでいるぞ。奇岩・奇勝ってやつだ。
反対側の崖の形もなかなか面白い。トッカリショ岬と呼ぶのはこの突端になるのかな。こちら側には浜まで下りる道が付いているようだ。行かないけど。
トッカリショはアイヌ語でアザラシの岩。といっても奇岩の形とは関係なく、昔はアザラシが多く集まっていたからとのこと。
うん、たしかに岩肌が金といえば金ですね。なんとなく、西伊豆の黄金崎にあった馬ロックを思い出すな。しかし絵鞆半島はちょっと場所を変えると岩の感じが全然違いますな。
こうして室蘭・絵鞆半島めぐりは終了。当初の計画だと先に洞爺湖・有珠山をたっぷり見学して、室蘭は地球岬をヒットアンドアウェイするだけのつもりだった。雨雲の采配でこうなった次第だが、珍しい景色をいっぱい見られたから、これはこれで良かったのだと考えたい。
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そんなわけで夏の北海道旅行の最終日には地球岬のために室蘭へ行ってみることになった。パノラマの景色を楽しむところだからどうしても天気に左右されるんだけど、完璧とはいえないまでもそれなりに見えて、まあどうにか格好はついた。
しかも他にも「ピリカノカ」なる一連の景勝地があるということを現地で初めて知った。あわせて見て回ることにより、多面的かつ厚みのある思い出ができたのはよかった。
計画前倒しで室蘭へ
洞爺湖・有珠山観光は…なしよ
旅の最終日、旅行グループの本隊を離れて独自行動に移っていた我ら温泉斑は、支笏湖畔の丸駒温泉旅館をチェックアウトした後、レンタカーでまず洞爺湖を目指した。前日までの天気予報だと晴れ、最悪でも曇りって感じだったのに、どんどん雨が強くなってきた。聞いてないよ~。峠を越えれば状況が変わるんじゃないかとの期待も虚しく、むしろ土砂降り状態。
当初計画していた有珠山ロープウェー近くの駐車場に車を止める。500円。大粒の雨は相変わらずで有珠山はすっぽり雲の中。これじゃ登ってもしょうがない。せめてもと昭和新山の写真を撮って終了。
さてどうする? 洞爺湖も視界不良だろうし、洞爺湖温泉に立ち寄るといってもなあ…スマホアプリで雨雲レーダーを確認すると、30分後にゲリラ豪雨級の雲がここへ押し寄せてくることがわかった。明らかに天気の神様がとどめを刺しに来てる。
一方で次の予定地・室蘭は雨雲の通過コースからうまく外れていて、天気はいくぶんマシなように見えた。もう洞爺湖エリアで粘っても豪雨に蹂躙されるだけだ。一刻も早くここを離脱して室蘭へ向かおう。
道の駅「みたら室蘭」で情報収集
道央自動車道に一区間だけ乗ってスムーズに室蘭へ到着。どんよりと曇って時々パラパラ降ってくるみたいだが洞爺湖の惨状よりはかなりマシだ。最初に情報収集のため訪れたのが道の駅「みたら室蘭」。途中で渡った白鳥大橋は観光名所のひとつ。みたら室蘭は単なる売店やレストランだけでなく、白鳥大橋記念館として橋の建造に関する展示がいっぱいあって、2階展望デッキからは白鳥大橋が間近に見える。
当館で情報収集したところ、室蘭南端の絵鞆半島は断崖絶壁が続いていて、地球岬以外にも景勝地や展望所があちこちにあるようだった。じゃあ巡ってみますか。もちろん歩いて回れる距離ではなく車が必要だ。
ピリカノカ前半:人が少ない穴場的なスポット多し
道がわかりにくい銀屏風
道の駅を出てまずは「銀屏風」へ。ここは見学モデルコースに入っていないのか、何の案内標識も出てこず住宅街の中をぐるぐる回らされる。地元民じゃないとわからんぞ。やがてすれ違い困難な林道レベルの道を進む羽目になった。観光パンフの略図マップとカーナビを突き合わせてにらめっこしながら、どうにか迷子になることなく到着。展望所の少し手前の広い路肩が駐車スペースになっている。そしてこれが銀屏風だ。
うん、たしかに岩肌が銀といえば銀ですね。以後の見どころと違って周囲に人の気配はまったくなく、不気味な野生のムードがちょっとある。ヒグマとか出ないだろうな。
ハルカラモイとローソク岩
先へ進むと「ハルカラモイ」なる場所に着いた。アイヌ語で食料を採る入り江という意味らしい。銀屏風よりも崖はフレンドリーに…なってないか。ここには住宅街からの片側1車線道路が接続してT字路となっており、なんとなく人の気配が感じられてホッとする。我々の走ってきた林道もここから先はやや広くなっていて走りやすそうだ。
気がつけば雲の切れ間から青空がのぞくようになってきた。気分も道路状態も調子を上げつつ先へ進む。お次は「ローソク岩」。
なるほどローソクですな。2日前の積丹半島めぐりの際に余市でローソク岩を見ているから、今回で2例目。余市のやつよりはポッキリ折れちゃう危険は少なそう。あと崖の岩肌が銀屏風やハルカラモイとは全然違う。
マスイチ展望台でスケールアップ
お次はこれまでよりもスケールアップした見どころ「マスイチ展望台」。マスイチ=アイヌ語でうみねこの家。ここは駐車場や展望所がそこそこ整備され、観光客の出入りもそこそこある。眼下にはマスイチ浜、その向こうに何やら人工的な橋と岸壁が見える。後日の調べによるとMランドなる漁港のようだ。
なかなか面白い構図だし視界が一気に開けてパノラマ感もある。駐車場から階段を上っていくと、もっと高い場所から眺めることもできる。アングルが変わるため人によって好みはあると思いますが。
マスイチは規模と整備状況からして観光地らしい観光地といってよかろう。ちなみに絵鞆半島の各所に立っている「名勝ピリカノカ」なる看板は、北海道内の国指定名勝を表すもので、ピリカノカはアイヌ語で美しい形を意味する。
ピリカノカ後半:地球岬を含む一般向けルート
本命の地球岬へ
この先も測量山などの見どころが続くが時間の都合でカット。いったん室蘭駅のある市街中心部へ出て、お次はいよいよ地球岬だ。自分はてっきり「360度のパノラマビューだから」「丸い地球を実感する水平線が広がるから」地球岬という呼び名がついたのだと思い込んでいた。実際はアイヌ語の断崖(チケプ)→チキウ→地球と変遷したらしいね。
さすがにここは、いかにもな観光地。バスが乗り付けそうな駐車場に売店はあるし、人がいっぱいいるし、そのうち半数以上は海外からの訪日客という印象。
いろんなパターンで景色を楽しむ展望台
展望台は三段構成になっている。下段は臨場感を楽しむ用。あとSNS向け自撮り用。広い水平線と目の前には灯台が見える。この日は遠くに駒ケ岳の裾らしき影を認めるのが精一杯。恵山や下北半島までは見えなかった。中段には階段を上って1~2名が入れるやや高くなった場所があるので、より広角的に見る用。もしくはタイタニックごっこ用。
上段は海が若干遠くなるかわりに360度を展望する用。たとえば駐車場側の見え方。
さっきまで我々がうろうろしていた前半コースを遠望する西側。
眺望について欲を言えばキリがないけど、雨に煙って真っ白で何も見えない最悪のケースをも覚悟していたのに比べたら、タイミングよく日が差してきたし、幸運な方だったんじゃないかな。
奇岩が印象深いトッカリショ
最大の目標をなんとかクリアしてホッとしつつ、お次は「トッカリショ」。展望所前に数台分の駐車場がある。おお、三角形の岩が並んでいるぞ。奇岩・奇勝ってやつだ。
反対側の崖の形もなかなか面白い。トッカリショ岬と呼ぶのはこの突端になるのかな。こちら側には浜まで下りる道が付いているようだ。行かないけど。
トッカリショはアイヌ語でアザラシの岩。といっても奇岩の形とは関係なく、昔はアザラシが多く集まっていたからとのこと。
銀屏風に始まり金屏風に終わる
室蘭観光の最後は「金屏風」で締める。銀を見たから金も見ないとね。トッカリショ岬展望所から地球岬へ戻っていく途中にある。これが金屏風だ。うん、たしかに岩肌が金といえば金ですね。なんとなく、西伊豆の黄金崎にあった馬ロックを思い出すな。しかし絵鞆半島はちょっと場所を変えると岩の感じが全然違いますな。
こうして室蘭・絵鞆半島めぐりは終了。当初の計画だと先に洞爺湖・有珠山をたっぷり見学して、室蘭は地球岬をヒットアンドアウェイするだけのつもりだった。雨雲の采配でこうなった次第だが、珍しい景色をいっぱい見られたから、これはこれで良かったのだと考えたい。
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