鬼怒川上流4ダムをご存知だろうか。そのまんま鬼怒川上流にある4つのダムを指し、五十里(いかり)ダム・川俣ダム・川治ダム・湯西川ダムからなる。
梅雨入り時期のグループ旅行で鬼怒川上流エリアを訪れたので、せっかくだからとそれらを見て回ることにした。決してダムマニアではないのだが、どういうわけかダムに行ってしまうな。
1年ぶりの再会となった川俣・川治、そして初見の五十里・湯西川、いずれもなかなか壮大なスケールで圧倒される。しかも車であれば比較的アクセスしやすい場所にあるから観光候補としておすすめだ。
(追記)3ヶ月あまり後の週末朝のNHKニュースで4ダムめぐりを特集してた。時代が我々に追いついたようだな(うぬぼれすぎ)。
狭い道をくねくねと走りながら、秘境から人里へと戻りつつ川俣ダムを目指す。実は1年前にも八丁の湯の帰りに川俣ダムを訪れていた。そこで目にしたあまりのスケールと絶景が強烈な記憶となって刻まれていたので、二度目だって行くしかないでしょう。
勝手知ったるなんとやらでスムーズに川俣ダムに到着。駐車場から10分も歩かないうちにアーチ式のダムが現れた。
今回は天気が悪いからあちこち雲がかかっている。良くいえば山水画っぽい。しかしまあ残念なことにダムの天端は工事の作業場と化しており、立ち入ることができなくなっていた。あそこから下を覗くのがスリル満点で最高だったのになあ。
渡らっしゃい吊り橋はダムの下流側にあたる瀬戸合峡にかかる吊り橋だ。高さがとんでもないので高所が苦手な方には無理でしょう。橋の上からダムの全貌が見える。クレーンが昨年とは反対側に移動しているな。
下の方を覗き込むとこんな感じ。写真だとミニチュアみたいで大して深くないように見えるかもしれないが実際は半端なく深い。吸い込まれそうな怖さもある。
吊り橋の終点は何もない行き止まりだから、あとは引き返して見学終了。肝心の天端に入れないとは予想外だったな。それでも圧巻の巨大建造物に渓谷美を兼ね備えた川俣ダムの御尊顔を再び拝して恐悦至極。
中間くらいの高さのところから放水しているのが見える。下流側の蛇行する川との合わせ技で結構いい感じの風景が展開している。
事務所棟(?)のゲートの前に「熊に注意」の札があり、車道脇の法面をのっしのっしと歩く熊の写真と、もし危なくなったらプラスチックケース内の鉄砲(もちろん実弾じゃない)で追い払えと書いてあった。ひえええ。
トンネルを挟んで上流側にも駐車場があり、本格的な見学をするならこちら。「わくわくダムダム資料館」を兼ねた事務所棟でダムカードをもらえる。
放流ゲートの間からのぞくダム湖の景色がこちら。
そして何だかよくわからないウインチのような機械。柵に使われている、熊だかタヌキだかに見える、妙にかわいいオレンジのあれはいったい…。
はい、以上で五十里ダムは終了。高さのスリルと熊のスリル、そして資料館にあった放流操作盤の体験ロマンが印象に残った。
この形は重力式ですな。上部の放流する穴には開閉するゲートがない。つまりダム湖の水があの高さを超えてくると自然に穴から流れ出ていくとのこと。自然調節方式というそうな。へー。
駐車場の近くに小高い丘があって階段が付いていたから、てっきり上には展望台があるのかと思ったら封鎖されていた。見学者向けの施設じゃないのか。※ネット情報によればやっぱり展望台で、しかしまだ工事中ぽい。
ここも高さは相当なもので、実際のところあの川俣ダムよりもちょっとだけ高い。なんだけど下流側が極端な峡谷になっていなくて、いくぶん開けた様子であるため、川俣ほどの恐怖は迫ってこない。程度問題だけど。
なんか下の方で軽く放水されているようだ。ドォォォーーーーッという響きが聞こえてくるほどの激しい勢いで水が飛び出していたから軽くと言うと語弊があるか。
ダム湖側はこちら。我々がついさっきまで乗っていたダックツアーの水陸両用バスは、奥に小さく見える橋のあたりの湖面を進んでいたのだった。湖岸は木が生えてない地肌の部分が目立つし、水位は低めなんじゃあないかな。
はい、湯西川ダムはここまで。ひとつ注意しておくと駐車場の入口がわかりにくい。いや、普通にはっきりわかるんだけど、なぜか「ここでいいのかな?」と逡巡してしまうのだ。そうして通り過ぎてしまう。我々も罠にはまったし、他の車が罠にかかったらしき挙動をするところも見た。
付近の道路は断続的にトンネルが続くうえ脇道や転回できるスペースが少ない。うっかり通り過ぎると思った以上に先まで進まされて時間をロスするので気をつけましょう。
この形はアーチ式ですな。奥の方にある建物はドライブイン兼資料館で、昨年はあっちの方に車を止めて見学した。端から端までは馬鹿にできない長さがあり、ちょっと天端を歩き通す気になれなかった。時間的に余裕もなかったし。
ちなみに川治ダムは最大規模を誇るだけあって、天端には県道が通っており、車がばんばん行き交っている。物流トラックの運ちゃんが車を降りてしばし見学してたっけな。
最後はダム底を見下ろすアングルで。2段めのキャットウオークに米粒のように人の集団が写っている。ダックツアーかどうかは定かでないがダム見学客の一団だ。我々もちょっと前にはあそこにいた。
はい、以上で川治ダムならびに4ダム見学を終了。位置関係と車による移動時間を整理すると、川俣ダム-(30分)-川治ダム-(3分)-五十里ダム-(10分)-湯西川ダム、となる。
新緑もいいけど紅葉の季節がたまらなく良さそうに思えるのでぜひご検討を。どんだけ混雑するかは知らんけど。
【この旅行に関する他の記事】
梅雨入り時期のグループ旅行で鬼怒川上流エリアを訪れたので、せっかくだからとそれらを見て回ることにした。決してダムマニアではないのだが、どういうわけかダムに行ってしまうな。
1年ぶりの再会となった川俣・川治、そして初見の五十里・湯西川、いずれもなかなか壮大なスケールで圧倒される。しかも車であれば比較的アクセスしやすい場所にあるから観光候補としておすすめだ。
(追記)3ヶ月あまり後の週末朝のNHKニュースで4ダムめぐりを特集してた。時代が我々に追いついたようだな(うぬぼれすぎ)。
再びの川俣ダム見学
雨に煙る川俣ダム
旅の2日目。奥鬼怒温泉郷・八丁の湯をチェックアウトした我々は、送迎車で麓の女夫渕駐車場まで送ってもらい、そこで自分たちの車に乗り換えた。天候はあいにくの雨。うーん、晴れとはいわないまでも降らないでほしかったけど、時期的にこればっかりはどうしようもない。狭い道をくねくねと走りながら、秘境から人里へと戻りつつ川俣ダムを目指す。実は1年前にも八丁の湯の帰りに川俣ダムを訪れていた。そこで目にしたあまりのスケールと絶景が強烈な記憶となって刻まれていたので、二度目だって行くしかないでしょう。
勝手知ったるなんとやらでスムーズに川俣ダムに到着。駐車場から10分も歩かないうちにアーチ式のダムが現れた。
今回は天気が悪いからあちこち雲がかかっている。良くいえば山水画っぽい。しかしまあ残念なことにダムの天端は工事の作業場と化しており、立ち入ることができなくなっていた。あそこから下を覗くのがスリル満点で最高だったのになあ。
天端がだめでも渡らっしゃい吊り橋がある
てなわけで見学終了?!…まだだ、まだ終わらんよ。せめてダムの向かいに見える「渡らっしゃい吊り橋」まで行ってみることにした。橋の直前にはダムカードのような構図を演出する撮影スポットが。渡らっしゃい吊り橋はダムの下流側にあたる瀬戸合峡にかかる吊り橋だ。高さがとんでもないので高所が苦手な方には無理でしょう。橋の上からダムの全貌が見える。クレーンが昨年とは反対側に移動しているな。
下の方を覗き込むとこんな感じ。写真だとミニチュアみたいで大して深くないように見えるかもしれないが実際は半端なく深い。吸い込まれそうな怖さもある。
吊り橋の終点は何もない行き止まりだから、あとは引き返して見学終了。肝心の天端に入れないとは予想外だったな。それでも圧巻の巨大建造物に渓谷美を兼ね備えた川俣ダムの御尊顔を再び拝して恐悦至極。
スリルとロマンの五十里ダム
熊…だと…?
次に通り過ぎた川治ダムは後の都合によりいったんスルー。トンネルを抜けてひと山越えた五十里ダムに着いた。この形は重力式ってやつですな。中間くらいの高さのところから放水しているのが見える。下流側の蛇行する川との合わせ技で結構いい感じの風景が展開している。
事務所棟(?)のゲートの前に「熊に注意」の札があり、車道脇の法面をのっしのっしと歩く熊の写真と、もし危なくなったらプラスチックケース内の鉄砲(もちろん実弾じゃない)で追い払えと書いてあった。ひえええ。
トンネルを挟んで上流側にも駐車場があり、本格的な見学をするならこちら。「わくわくダムダム資料館」を兼ねた事務所棟でダムカードをもらえる。
歴史は古いが高さは十分
五十里ダムでは天端を歩くことができた。1956年の完成当時には日本一の高さを誇ったダムだけあって下を覗くとやはり吸い込まれそうになる。スマホを取り出すたび「落っことすんじゃないか」とヒヤヒヤするね。放流ゲートの間からのぞくダム湖の景色がこちら。
そして何だかよくわからないウインチのような機械。柵に使われている、熊だかタヌキだかに見える、妙にかわいいオレンジのあれはいったい…。
はい、以上で五十里ダムは終了。高さのスリルと熊のスリル、そして資料館にあった放流操作盤の体験ロマンが印象に残った。
21世紀生まれの湯西川ダム
自然調節で放水するダム
以降は翌日=旅の3日目の話。朝のうちに「湯西川ダックツアー」の水陸両用バスにて川治・湯西川ダムの見学を終えた我々は、あらためて自分たちの車で行ってみようということになり、まず訪れたのが湯西川ダム。2012年にできた、まだ新しいといえるダムだ。この形は重力式ですな。上部の放流する穴には開閉するゲートがない。つまりダム湖の水があの高さを超えてくると自然に穴から流れ出ていくとのこと。自然調節方式というそうな。へー。
駐車場の近くに小高い丘があって階段が付いていたから、てっきり上には展望台があるのかと思ったら封鎖されていた。見学者向けの施設じゃないのか。※ネット情報によればやっぱり展望台で、しかしまだ工事中ぽい。
スマホ画面のフラットデザインを思わせるスタイル
湯西川ダムも天端は一般開放されている。新しいという先入観のせいか、それとも実際そうなのか、モダンで明るい印象を与えるスッキリしたデザイン。ここも高さは相当なもので、実際のところあの川俣ダムよりもちょっとだけ高い。なんだけど下流側が極端な峡谷になっていなくて、いくぶん開けた様子であるため、川俣ほどの恐怖は迫ってこない。程度問題だけど。
なんか下の方で軽く放水されているようだ。ドォォォーーーーッという響きが聞こえてくるほどの激しい勢いで水が飛び出していたから軽くと言うと語弊があるか。
ダム湖側はこちら。我々がついさっきまで乗っていたダックツアーの水陸両用バスは、奥に小さく見える橋のあたりの湖面を進んでいたのだった。湖岸は木が生えてない地肌の部分が目立つし、水位は低めなんじゃあないかな。
うっかり通り過ぎに注意
最後にダム資料室と事務所棟。はい、湯西川ダムはここまで。ひとつ注意しておくと駐車場の入口がわかりにくい。いや、普通にはっきりわかるんだけど、なぜか「ここでいいのかな?」と逡巡してしまうのだ。そうして通り過ぎてしまう。我々も罠にはまったし、他の車が罠にかかったらしき挙動をするところも見た。
付近の道路は断続的にトンネルが続くうえ脇道や転回できるスペースが少ない。うっかり通り過ぎると思った以上に先まで進まされて時間をロスするので気をつけましょう。
最大規模を誇る川治ダム
県道になっている天端
湯西川ダムの後は川治ダムへ移動した。4ダムの中で歴史的には2番めに新しい1983年完成。規模や高さは一番だ。先ほどダックツアーで訪れたのと同じ場所=事務所棟前に車を止めた。川治ダムの全体的なお姿はこちら。この形はアーチ式ですな。奥の方にある建物はドライブイン兼資料館で、昨年はあっちの方に車を止めて見学した。端から端までは馬鹿にできない長さがあり、ちょっと天端を歩き通す気になれなかった。時間的に余裕もなかったし。
ちなみに川治ダムは最大規模を誇るだけあって、天端には県道が通っており、車がばんばん行き交っている。物流トラックの運ちゃんが車を降りてしばし見学してたっけな。
キャットウォークの見学客
ダム湖がこちら。水位は低めなんじゃないかなあ。と思って昨年の写真と比較したら、ちょっとだけ低い程度で似たようなものだった。時期がほぼ一緒だから梅雨入りの頃はこんなものなのかもしれない。最後はダム底を見下ろすアングルで。2段めのキャットウオークに米粒のように人の集団が写っている。ダックツアーかどうかは定かでないがダム見学客の一団だ。我々もちょっと前にはあそこにいた。
はい、以上で川治ダムならびに4ダム見学を終了。位置関係と車による移動時間を整理すると、川俣ダム-(30分)-川治ダム-(3分)-五十里ダム-(10分)-湯西川ダム、となる。
新緑もいいけど紅葉の季節がたまらなく良さそうに思えるのでぜひご検討を。どんだけ混雑するかは知らんけど。
【この旅行に関する他の記事】