10連休とも言われた2019年のゴールデンウィーク。「こんな時に休めと言われても、どこ行っても混んでるし困るんだよな~」なんてしたり顔で語っていたところ、自分が勝手に10連休だと思い込んでいただけで、実はわりと平常モードの出勤だった…。
しかしそのおかげでGW後に躊躇なく休みを取らせてもらい、最初に一人で向かった先は伊勢神宮。
令和になったことだし気分一新、いっちょお伊勢参りしてみるか、とふと思ったのだ。前年末にNHK土曜時代ドラマ「ぬけまいる」を観た影響では決してない。
なので事前にネット調査してみた。どうやら外宮→内宮の順にまわるのがお作法で、しかも外宮の前にまず二見興玉神社へ参拝すべきらしい(正式には禊を行う…まあそこまでせんでも…)。
じゃあその順に回りましょうってことで、朝早い新幹線で名古屋へ、そして鳥羽行きの快速「みえ」に乗り換えた。ホームに滑り込んできたみえは旅情を誘う気動車の2両編成。桑名・四日市・鈴鹿・津・松阪…と三重県内の主要都市駅にしか停車しないわりに鳥羽まで2時間以上かかる。新幹線よりも乗車時間が長かった。
※バスは運行本数が少ないので注意。鳥羽まで行き過ぎてからバスで戻るような経路にしたのもバス便に合わせた都合。
バス停の目の前に伊勢シーパラダイスなる水族館があって、「夫婦岩こちら←」の案内に従って売店&レストラン街を通り抜けると、二見興玉神社の東参道に着いた。神社は波打ち際にあり、参道の脇がすぐ砂浜である。
裏から入った形なので本来と逆コースをたどって見ていくことになる。まず現れたのが龍宮社。名前からして海に関係ありそう。実際に綿津見大神という海の守り神を祀っているそうだ。
夫婦岩遥拝所の鳥居が立っている背後に本殿があったようなのだが気づかず通り過ぎてしまい、そのまま拝殿前へ。ふー、お作法その1をクリアしたぞ。
次に乗りたい列車の時間が迫っていたため気もそぞろで、拝観に集中できなかったのがちと残念。最後に天の岩屋という社を見学。やっぱり天の岩戸伝説と関係があるんでしょうな。
じっくり見ない・あっさり風味の拝観で所要時間15分。列車の出発時刻まであと25分。神社から二見浦駅まで徒歩15分だから焦ることはないが、途中で道に迷うかもしれないし油断はできない。休むことなくすぐに駅へ向かった。正規の参道よりも若干ショートカット気味の国道を通って15分かかった。
ただし最後に2箇所ある信号の待ち時間がやたらと長い。そいつがネックになって駅から10分以上かかってしまう感じだ。二見興玉神社と同様に外宮も予定時間を長く取っているわけではないから早くも焦りが…。で、最初に火除橋を渡る。
外宮は左側通行と注意書きがしてある。上の写真は帰りに渡った後で振り返って撮影した。橋では左側通行を意識していたけど他はすっかり意識から抜けてしまって適当に歩いてしまった。
たしかにすぐ隣に現在の正宮があった。「ここから先は撮影禁止」の立て札があり、少し手前で記念撮影する人がひっきりなし。とはいえ浮かれた雰囲気ってことはなく、厳かな空気を感じた。
いよいよ正宮に参拝。平日だったおかげか、GWにたくさん来た反動か、それほど混んでなく行列待ちがほぼ無きに等しかったのはラッキーだった。普通は正宮の核心区域に立ち入れないのだが、特別参拝を申し込んだらしき方が神職に引率されて立ち入っている場面を見ることができた。
なお、伊勢神宮でプライベートなお願い事をするのはNGとのこと。お願い事を取り次いでくれる神社を先に訪問すればOKとか、いろいろ細かいお作法はあるみたいだが、そこまでやってる余裕なし。
それから土宮。御祭神は土地の、ことに宮川堤防の守護神・大土乃御祖神。
風・土とくればファイナルファンタジー的に考えるとあとは火と水。でもそうじゃなかった。3つめはやや小高い場所にある多賀宮。別宮の中でも格上の存在だそうだ。御祭神は豊受大御神荒御魂。漢字読めない。もはや呪文。
行けなかった4つめの別宮もあり月夜見宮という。次の内宮は外宮より広くて時間がかかるそうなので早めに移動することにして外宮の拝観を終えた。火除橋→正宮→三別宮→火除橋で30分。ふー、お作法その2をクリアしたぞ。
しかし乗ったバスがたまたまか何なのか、昨今の京都かよってくらい、えらく混雑していた。その流れを引きずるように内宮前は人がいっぱい。外宮とは比べものにならない。
最初に宇治橋を渡る。こちらは右側通行だ。橋の上から見える五十鈴川に早くも神域の雰囲気が漂う。
その先の手水舎で普通に手と口を清めたところ、少し奥に五十鈴川の水に直接触れられる御手洗場があった。せっかくだからこちらでもお清めしておこう。
川の水で手を洗ってしばらくすると…なにこれ?! すんごいスベスベする。指先の電気的特性が変化したかのようにスマホをタップしても反応しないし。アルカリ性単純温泉へ入浴した後になる感じのやつだぞ。冷鉱泉が流れてるってことじゃないんだろうが、おそるべし五十鈴川。
1列あたり約6名×5~6列の行列に並んで自分の順番が来るのを待って参拝。これでも空いてる方なんだろうけどね。こちらも正宮の核心区域に立ち入ることはできず、塀越しにチラ見するだけとはいえ、身が引き締まりますな。
帰路は往路と違うコースに誘導される。道端のとある杉の巨木はパワースポット認定されているのか、多くの人が手を置いて「気を注入」みたいなポーズを取っている。人が触る高さまでの幹の表面は磨き上げたかのようにツルツル・ピカピカになっていた。
帰路の途中に別宮の一つ・荒祭宮があった。内宮の別宮の中では第一の位。御祭神は天照大御神荒御魂。
こういう場の写真にぼかしを入れるのが適切なのかわからないが令和時代のプライバシー保護ってことで。そして先遣隊の15分くらい後に太鼓の音とともに本隊がやって来た。
どういう祭典なのかはわかりません。とにかく黙々と厳かに20名ほどからなる行列が通り過ぎていった。きっとめったに出会える光景ではないんだろうから、日頃の行いが良かったおかげと思うことにしよう。
以上で内宮拝観を終了。最後の祭事見学込みで所要時間60分。ふー、お作法コンプリートしたぞ。
楽しげなスポットですな、おかげ横丁は…いや、そこには誤解があった。内宮に近接するエリアは「おはらい町」だった。おはらい町の中を5分くらい進んでいったところに本来のおかげ横丁の入口があった。
しまったああ。乗りたいバス便の時間を考慮すると、おかげ横丁のお店に立ち寄るどころか、ぶらぶらする余裕もない。コロッケ食ってる場合じゃなかった。とりあえず1~2分歩いて神話の館なる建物を撮影して終了。町並みの雰囲気はおはらい町に似ている。少しごちゃついた感じかな。
興味はあれどもう帰らないとまずい。二見興玉神社→外宮→内宮→おかげ横丁まで、あっさり風味でも1日では十分にフォローしきれない。他に猿田彦神社なる主要神社もあるようだし、じっくり派・ひと通り全部派の方は近くに前泊しないときついだろう。
それでも宿を10時にチェックアウトなんてやってたら今回の自分と大差ないスケジュール感になってしまう。こりゃあなかなか大変だね。
しかしそのおかげでGW後に躊躇なく休みを取らせてもらい、最初に一人で向かった先は伊勢神宮。
令和になったことだし気分一新、いっちょお伊勢参りしてみるか、とふと思ったのだ。前年末にNHK土曜時代ドラマ「ぬけまいる」を観た影響では決してない。
海のそばにある二見興玉神社
先に二見興玉神社へ参拝するのがお作法らしい
伊勢神宮についての具体的な知識はほとんどないに等しかった。外宮と内宮があることさえはっきり認識していなかった。そんなんでよく行こうと思ったな。なので事前にネット調査してみた。どうやら外宮→内宮の順にまわるのがお作法で、しかも外宮の前にまず二見興玉神社へ参拝すべきらしい(正式には禊を行う…まあそこまでせんでも…)。
じゃあその順に回りましょうってことで、朝早い新幹線で名古屋へ、そして鳥羽行きの快速「みえ」に乗り換えた。ホームに滑り込んできたみえは旅情を誘う気動車の2両編成。桑名・四日市・鈴鹿・津・松阪…と三重県内の主要都市駅にしか停車しないわりに鳥羽まで2時間以上かかる。新幹線よりも乗車時間が長かった。
東参道からのアプローチで歩く距離を軽減
二見興玉神社の最寄り駅は二見浦。駅から神社入口まで徒歩15分くらい。しかし自分はあえて終点の鳥羽まで乗り、伊勢市駅行きの路線バスで引き返すような経路を取った。夫婦岩東口というバス停で降りると神社まで徒歩5分ですむからだ。※バスは運行本数が少ないので注意。鳥羽まで行き過ぎてからバスで戻るような経路にしたのもバス便に合わせた都合。
バス停の目の前に伊勢シーパラダイスなる水族館があって、「夫婦岩こちら←」の案内に従って売店&レストラン街を通り抜けると、二見興玉神社の東参道に着いた。神社は波打ち際にあり、参道の脇がすぐ砂浜である。
裏から入った形なので本来と逆コースをたどって見ていくことになる。まず現れたのが龍宮社。名前からして海に関係ありそう。実際に綿津見大神という海の守り神を祀っているそうだ。
パワースポット・夫婦岩から拝殿へ
さらに進むと最大の見どころ・夫婦岩があった。いかにもパワースポットっぽい。なんか神聖そうな縄の上にカラスが止まっちゃってますが。夫婦岩遥拝所の鳥居が立っている背後に本殿があったようなのだが気づかず通り過ぎてしまい、そのまま拝殿前へ。ふー、お作法その1をクリアしたぞ。
次に乗りたい列車の時間が迫っていたため気もそぞろで、拝観に集中できなかったのがちと残念。最後に天の岩屋という社を見学。やっぱり天の岩戸伝説と関係があるんでしょうな。
じっくり見ない・あっさり風味の拝観で所要時間15分。列車の出発時刻まであと25分。神社から二見浦駅まで徒歩15分だから焦ることはないが、途中で道に迷うかもしれないし油断はできない。休むことなくすぐに駅へ向かった。正規の参道よりも若干ショートカット気味の国道を通って15分かかった。
いよいよ伊勢神宮・外宮へ
外宮は左側通行
JR参宮線で二見浦から2つ先の伊勢市駅に着いた。駅から外宮入口まではまっすぐな道を500m程度。バスもあるけど歩いた方が手っ取り早い。ただし最後に2箇所ある信号の待ち時間がやたらと長い。そいつがネックになって駅から10分以上かかってしまう感じだ。二見興玉神社と同様に外宮も予定時間を長く取っているわけではないから早くも焦りが…。で、最初に火除橋を渡る。
外宮は左側通行と注意書きがしてある。上の写真は帰りに渡った後で振り返って撮影した。橋では左側通行を意識していたけど他はすっかり意識から抜けてしまって適当に歩いてしまった。
威厳ある正宮
深い木立に囲まれた参道を5分と行かないうちにガラーンと開けた場所が見えた。ここはアレじゃないか。20年ごとに行われる式年遷宮の跡地じゃないか。たしかにすぐ隣に現在の正宮があった。「ここから先は撮影禁止」の立て札があり、少し手前で記念撮影する人がひっきりなし。とはいえ浮かれた雰囲気ってことはなく、厳かな空気を感じた。
いよいよ正宮に参拝。平日だったおかげか、GWにたくさん来た反動か、それほど混んでなく行列待ちがほぼ無きに等しかったのはラッキーだった。普通は正宮の核心区域に立ち入れないのだが、特別参拝を申し込んだらしき方が神職に引率されて立ち入っている場面を見ることができた。
なお、伊勢神宮でプライベートなお願い事をするのはNGとのこと。お願い事を取り次いでくれる神社を先に訪問すればOKとか、いろいろ細かいお作法はあるみたいだが、そこまでやってる余裕なし。
4つの別宮もある
帰りに正宮からそう遠くない3つの別宮へ立ち寄ってみた。まずは風宮。風雨を司る級長津彦命・級長戸辺命の社。もはや知識のはるか範囲外でコメントできません。それから土宮。御祭神は土地の、ことに宮川堤防の守護神・大土乃御祖神。
風・土とくればファイナルファンタジー的に考えるとあとは火と水。でもそうじゃなかった。3つめはやや小高い場所にある多賀宮。別宮の中でも格上の存在だそうだ。御祭神は豊受大御神荒御魂。漢字読めない。もはや呪文。
行けなかった4つめの別宮もあり月夜見宮という。次の内宮は外宮より広くて時間がかかるそうなので早めに移動することにして外宮の拝観を終えた。火除橋→正宮→三別宮→火除橋で30分。ふー、お作法その2をクリアしたぞ。
五十鈴川沿いの神域、伊勢神宮・内宮
五十鈴川の水の不思議な効果
外宮から内宮までは4~5km離れているから徒歩は厳しいし内宮近くに鉄道駅はない。外宮と内宮を結ぶバスが日中なら10分に1本くらい走っているからそちらをおすすめする。しかし乗ったバスがたまたまか何なのか、昨今の京都かよってくらい、えらく混雑していた。その流れを引きずるように内宮前は人がいっぱい。外宮とは比べものにならない。
最初に宇治橋を渡る。こちらは右側通行だ。橋の上から見える五十鈴川に早くも神域の雰囲気が漂う。
その先の手水舎で普通に手と口を清めたところ、少し奥に五十鈴川の水に直接触れられる御手洗場があった。せっかくだからこちらでもお清めしておこう。
川の水で手を洗ってしばらくすると…なにこれ?! すんごいスベスベする。指先の電気的特性が変化したかのようにスマホをタップしても反応しないし。アルカリ性単純温泉へ入浴した後になる感じのやつだぞ。冷鉱泉が流れてるってことじゃないんだろうが、おそるべし五十鈴川。
そして佳境の正宮へ
たしかに内宮は外宮より広くて歩く時間が長い。宇治橋から正宮前まで15分近くかかった。正宮付近はやっぱり人だらけ。階段を上った鳥居の先は撮影禁止である。1列あたり約6名×5~6列の行列に並んで自分の順番が来るのを待って参拝。これでも空いてる方なんだろうけどね。こちらも正宮の核心区域に立ち入ることはできず、塀越しにチラ見するだけとはいえ、身が引き締まりますな。
帰路は往路と違うコースに誘導される。道端のとある杉の巨木はパワースポット認定されているのか、多くの人が手を置いて「気を注入」みたいなポーズを取っている。人が触る高さまでの幹の表面は磨き上げたかのようにツルツル・ピカピカになっていた。
帰路の途中に別宮の一つ・荒祭宮があった。内宮の別宮の中では第一の位。御祭神は天照大御神荒御魂。
たまたま遭遇した祭事の行列
さて、御朱印所まで来ると報道陣がカメラを構えていた。一般客の人垣もできている。どうやらもうすぐ祭事が始まるらしい。幸い内宮には時間をたっぷり取ってあったから見ていくことにした。まず最初に先遣隊(?)が通過。こういう場の写真にぼかしを入れるのが適切なのかわからないが令和時代のプライバシー保護ってことで。そして先遣隊の15分くらい後に太鼓の音とともに本隊がやって来た。
どういう祭典なのかはわかりません。とにかく黙々と厳かに20名ほどからなる行列が通り過ぎていった。きっとめったに出会える光景ではないんだろうから、日頃の行いが良かったおかげと思うことにしよう。
以上で内宮拝観を終了。最後の祭事見学込みで所要時間60分。ふー、お作法コンプリートしたぞ。
おかげ横丁をちょっとだけぶらぶら
やってしまった勘違い
最後に内宮近くの「おかげ横丁」をぶらぶら歩いてみることにした。飲食店や土産店が並ぶ、レトロな町並みだ。とあるお店で松阪牛コロッケを食べつつまったり休憩したりする。楽しげなスポットですな、おかげ横丁は…いや、そこには誤解があった。内宮に近接するエリアは「おはらい町」だった。おはらい町の中を5分くらい進んでいったところに本来のおかげ横丁の入口があった。
しまったああ。乗りたいバス便の時間を考慮すると、おかげ横丁のお店に立ち寄るどころか、ぶらぶらする余裕もない。コロッケ食ってる場合じゃなかった。とりあえず1~2分歩いて神話の館なる建物を撮影して終了。町並みの雰囲気はおはらい町に似ている。少しごちゃついた感じかな。
じっくり巡るには1日あっても足りない
さて内宮前バス停へ戻ろう…おや、おかげ横丁入口の向かいにあるのは伊勢名物・赤福の本店じゃないか。興味はあれどもう帰らないとまずい。二見興玉神社→外宮→内宮→おかげ横丁まで、あっさり風味でも1日では十分にフォローしきれない。他に猿田彦神社なる主要神社もあるようだし、じっくり派・ひと通り全部派の方は近くに前泊しないときついだろう。
それでも宿を10時にチェックアウトなんてやってたら今回の自分と大差ないスケジュール感になってしまう。こりゃあなかなか大変だね。