ゴールデンウィーク後に実行した今回の旅は、序盤が三重県への一人旅で中盤以降はまた全然違う趣向という超変則パターン。その序盤パートで泊まったのが津市(旧白山町)にある猪の倉温泉「ふよう荘」。
公共施設っぽい装いの宿舎の大浴場に供される温泉は、ものすごいヌルヌルだった。美肌の湯を求める方は注目ですね。
農園・グラウンドゴルフ・メダカ園(?)などが敷地内や隣接地にあり、総合レジャー施設として頑張っているようだけど、温泉宿としてだけでもなかなかのものだった。
公共施設っぽい装いの宿舎の大浴場に供される温泉は、ものすごいヌルヌルだった。美肌の湯を求める方は注目ですね。
農園・グラウンドゴルフ・メダカ園(?)などが敷地内や隣接地にあり、総合レジャー施設として頑張っているようだけど、温泉宿としてだけでもなかなかのものだった。
(2024.1追記)併設のしらさぎ苑は2022年から、本館のふよう荘も2023年から閉業してしまったようだ。ヌルヌルすごい温泉だったのにな。
しかし、ぼっちのおじさんが気兼ねなく一人泊する前提だと、ふよう荘の方が諸条件向いているように思われる。加えて旅の特殊事情もあった。中盤パートの都合により、早朝にチェックアウトしなければならなかったのだ。だから
・朝食なしで夕食のみのプランがある。
・駅まで歩くことになってもどうにかなる距離(2km)
この2点がちょうど好都合だった。後者については、早朝に山里へタクシーを呼ぶのは難しいと考え(実際そうだった)、徒歩でカバーすることも視野に入れていた。※結果的には特別に駅まで送っていただけることになって大変助かった。感謝感激。
本家ルーブル美術館の公認姉妹館だそうだ。展示してあるのは本家のレプリカ。美術館の奥には巨大な純金大観音がそびえ立つ。ちょっと視線をずらすと山の上に風力発電の風車がたくさん回っている。
あの山のあたりが青山高原で、高原の麓にあるのが猪の倉温泉だ。駅を出て石段を下った駐車場ぽいところに送迎の車が待機していたので乗り込んだ。乗客は自分ひとり。
やがて走り出した車の窓から眺めた印象だと結構な坂を登る。坂を下る帰りはともかく行きは徒歩だと辛そう。マイカーの場合も短いとはいえ狭隘な区間があるから注意されたい。
駅から5分ほどでブルーベリー農園、日帰り温泉「しらさぎ苑」を経て、ふよう荘に着いた。実際は2階建てだと思うが、平屋にも見える緩やかなドーム状の屋根と中央に突き出した尖塔風の時計台が特徴的な建物だ。
館内は21世紀レベルのつくりで全然古びてない。中庭を眺めるロビーなんかもあったりして全般にゆったりしたデザイン。
案内された部屋は1階の6畳+広縁の和室。一人なら余裕。シャワートイレ・洗面付き。室内風呂なし。トイレの木製のドアが少し色あせてるくらいで他はまだ新しい感じ。管理はよく行き届いている。
金庫あり・空の冷蔵庫あり。窓の外はこんな感じ。
変に癖の強いところがなくて万人向けである。部屋の照明はリモコンで明るさや色合いを変えられるやつ。WiFiは可だったような気もするが自信はない。今回の旅にはPCを持参しなかったし、WiFi接続してまでスマホをいじろうとも思わなかった。風呂に入って食べて風呂に入ったらバタンキュー。
タオル・バスタオルはふよう荘の部屋にあるやつを持参する。浴衣に着替えて行ってもいいと思うんだけど、なんとなく洋服のまま行った。こちらも玄関前でイノシシ父娘がこんにちは。
下足箱はあとで100円戻ってくるタイプのコインロッカー。もらった入浴券を受付に差し出して入場。券は回収されるから無料サービスは1回だけってことだ。
浴室内のお客さんはそこそこいるように見受けられたが、それを上回る収容力。洗い場は12名分あったし、内湯の主浴槽は30名以上いけそうな広さだった。浸かってみると適温。表に「今日の温度は41℃」って札が出てたけどちょうどそれくらい。
お湯は無色透明で、光の加減で微妙に濁っているようにも見える。塩素臭を含めて匂いは特にない。特徴的なのはヌルヌルだ。肌にまとわりつく感じが強い。30名サイズにせいぜい4~5名だからヌルヌルをゆっくり楽しむことができた。
隣には2名サイズの冷水風呂がある。おそらく加温していない源泉を投入しているのだろう。ちょっとだけ触ってみたが自分には冷たすぎた。パス。
入ってみると内湯よりも少しだけぬるい。グループ客の出入りがあっても3~4名ほどで芋洗いにはならない。結構結構。柵の向こうには池があり、そのまた向こうは木々とか遠景に山とか、高原といえば高原ぽい。
遠くに沈む夕日の気配を感じながらヌルヌルを楽しんだ後、内湯へ戻り、どうにか腰下だけ冷水風呂に浸かってから主浴槽へ移って冷温交互浴的なノリで締めた。
ふよう荘には露天風呂がないから、露天の開放感を楽しみたければしらさぎ苑へどうぞ。暗くなったらなったで星空が売りだそうだし21時までやっている(受付は20時30分まで)。
内湯のみの浴室には8名分の洗い場。カランの方にも温泉を使っているとのことだ。たしかに蛇口から出るお湯も微弱ながら猪の倉温泉の特徴が感じられる。
浴室の左側には7~8名サイズの中浴槽。一部が3本の噴き出す筋によるジェットバス区画になっている。お湯の見た目は微濁り感すらない完全なる無色透明。
入ってみると、熱ぅーー。なにこれ熱い。激熱とは言わぬが「お主、やりよったな」レベル。44℃だとしてもおかしくない。加温がオーバーシュートしているぞ。
驚いたのはそれだけじゃない。ヌルヌルがすげぇーー。夕方のしらさぎ苑をはるかに凌ぐヌルヌルだ。いやニュルニュルと言うべきか。もうね、レベルが違います。肌の上に特殊な皮を1枚まとったかのようだ。
お湯は熱めの適温くらいなので助かった。ようやくニュルニュルを楽しむ環境に落ち着いたぜ。しかし他の客がやって来て独占状態は終わりを告げた。しかも、中浴槽に入る→「熱っ!」→小浴槽へ移動、という行動パターンが数名続いて小浴槽はあっという間にぎゅうぎゅう詰め。
やむなく場所を譲って中浴槽へ移動するも入りづらくて足だけ浸かる、みたいな感じで夜の入浴は終了。衝撃的なニュルニュルだけにもっと楽しみたかったんだが…中浴槽へ客が集まるように熱さのバランスを取れればなあ。
証拠もなく想像だけで適当に言うが、もしニュルニュルと熱さがトレードオフの関係なんだとすると、なかなか悩ましいですな。
いずれにせよ、長湯したわけじゃないのに入浴後は肌のスベスベ感がとんでもない。過去にも温泉のスベスベ効果は数多く体験してきたけど、ここのはなんか違う。薄いながらもガッチリとコーティングを施された感覚がある。こいつは面白いね。
予約した夕食プランは白山会席コースだった。お品書きに並んだ料理の数が多い。前菜からデザートまで12品もある。すごい量を予感させた。スターティングメンバーがこれ。
蓋のない鍋が国産黒毛和牛のすき焼きで、早い段階で火がつけられる。これだけでも肉が豊富で量としては十分だ。量だけでなく味もグッド。残すはずもない。
やがて刺身や真鯛の桜蒸し・合鴨&筍といった春らしいメニューや茶碗蒸しが次々と運ばれてきてこうなった。目が眩むぜ。
このポークが豚の角煮のような形状ででかい。すき焼きとこれと両方はダブル主演みたいなもので結構すごいぞ。釜飯の方も金目鯛を炊き込んであっていい感じ。残すはずもない。
夢中で1時間食べ続けて、終わってみたらお腹がとんでもなくパンパンで苦しかった。そりゃそうだ。
でも実際に行ってみたところに価値がある。「スケジュールに余裕がある時」なんていう、来るかもわからない完璧な機会をあてもなく待ち続けるよりは良かったんじゃないか。と自分を納得させつつ中盤パートへ向けて近鉄特急に乗り込んだ。
猪の倉温泉「ふよう荘」へのアクセス
最寄り駅は榊原温泉口
猪の倉温泉「ふよう荘」の最寄り駅は近鉄大阪線・榊原温泉口。駅名からわかる通り、当駅は榊原温泉の最寄りでもある。歴史と知名度からいうと榊原温泉の方がメジャーなんだろう。なにせ有馬温泉・玉造温泉と並ぶ「ななくりの湯」として枕草子に記されているのだから。しかし、ぼっちのおじさんが気兼ねなく一人泊する前提だと、ふよう荘の方が諸条件向いているように思われる。加えて旅の特殊事情もあった。中盤パートの都合により、早朝にチェックアウトしなければならなかったのだ。だから
・朝食なしで夕食のみのプランがある。
・駅まで歩くことになってもどうにかなる距離(2km)
この2点がちょうど好都合だった。後者については、早朝に山里へタクシーを呼ぶのは難しいと考え(実際そうだった)、徒歩でカバーすることも視野に入れていた。※結果的には特別に駅まで送っていただけることになって大変助かった。感謝感激。
青山高原の麓へ向かって
さて、昼の間に伊勢神宮への参拝を終えたおじさんは、近鉄で五十鈴川→伊勢中川→榊原温泉口へとやって来た。駅のホームからルーブル彫刻美術館が見える。本家ルーブル美術館の公認姉妹館だそうだ。展示してあるのは本家のレプリカ。美術館の奥には巨大な純金大観音がそびえ立つ。ちょっと視線をずらすと山の上に風力発電の風車がたくさん回っている。
あの山のあたりが青山高原で、高原の麓にあるのが猪の倉温泉だ。駅を出て石段を下った駐車場ぽいところに送迎の車が待機していたので乗り込んだ。乗客は自分ひとり。
やがて走り出した車の窓から眺めた印象だと結構な坂を登る。坂を下る帰りはともかく行きは徒歩だと辛そう。マイカーの場合も短いとはいえ狭隘な区間があるから注意されたい。
駅から5分ほどでブルーベリー農園、日帰り温泉「しらさぎ苑」を経て、ふよう荘に着いた。実際は2階建てだと思うが、平屋にも見える緩やかなドーム状の屋根と中央に突き出した尖塔風の時計台が特徴的な建物だ。
猪の倉温泉らしい出迎えあり
では入館。猪の倉温泉だけあって浴衣を着たイノシシ父娘(?)がこんにちは。館内は21世紀レベルのつくりで全然古びてない。中庭を眺めるロビーなんかもあったりして全般にゆったりしたデザイン。
案内された部屋は1階の6畳+広縁の和室。一人なら余裕。シャワートイレ・洗面付き。室内風呂なし。トイレの木製のドアが少し色あせてるくらいで他はまだ新しい感じ。管理はよく行き届いている。
金庫あり・空の冷蔵庫あり。窓の外はこんな感じ。
変に癖の強いところがなくて万人向けである。部屋の照明はリモコンで明るさや色合いを変えられるやつ。WiFiは可だったような気もするが自信はない。今回の旅にはPCを持参しなかったし、WiFi接続してまでスマホをいじろうとも思わなかった。風呂に入って食べて風呂に入ったらバタンキュー。
日帰り温泉「しらさぎ苑」を体験する
ふよう荘宿泊者の特典
ふよう荘宿泊者はチェックイン時に日帰り温泉「しらさぎ苑」の無料入浴券をくれる。まだ明るいうちに行ってみようということで、徒歩1~2分のところにあるしらさぎ苑の方に行ってみた。タオル・バスタオルはふよう荘の部屋にあるやつを持参する。浴衣に着替えて行ってもいいと思うんだけど、なんとなく洋服のまま行った。こちらも玄関前でイノシシ父娘がこんにちは。
下足箱はあとで100円戻ってくるタイプのコインロッカー。もらった入浴券を受付に差し出して入場。券は回収されるから無料サービスは1回だけってことだ。
ヌルヌル感の強いお湯
男湯の脱衣所もあとで戻る100円コインロッカー式。掲示された分析書によれば「炭酸水素ナトリウム、メタホウ酸の該当による温泉」とのこと。泉質名を持たない温泉法上の温泉てやつかな。ただし別のポスターにはアルカリ性単純泉と書いてある。湧出温度は20℃を下回る。よって加温あり。循環・消毒もあると思われる。加水はたぶんしてない。浴室内のお客さんはそこそこいるように見受けられたが、それを上回る収容力。洗い場は12名分あったし、内湯の主浴槽は30名以上いけそうな広さだった。浸かってみると適温。表に「今日の温度は41℃」って札が出てたけどちょうどそれくらい。
お湯は無色透明で、光の加減で微妙に濁っているようにも見える。塩素臭を含めて匂いは特にない。特徴的なのはヌルヌルだ。肌にまとわりつく感じが強い。30名サイズにせいぜい4~5名だからヌルヌルをゆっくり楽しむことができた。
隣には2名サイズの冷水風呂がある。おそらく加温していない源泉を投入しているのだろう。ちょっとだけ触ってみたが自分には冷たすぎた。パス。
高原の中の露天風呂
露天風呂もある。10名サイズの岩風呂風。普通の湯口とは別に真ん中に石柱のようなものが立っていてチョロチョロとお湯があふれ出している。なんですかね。入ってみると内湯よりも少しだけぬるい。グループ客の出入りがあっても3~4名ほどで芋洗いにはならない。結構結構。柵の向こうには池があり、そのまた向こうは木々とか遠景に山とか、高原といえば高原ぽい。
遠くに沈む夕日の気配を感じながらヌルヌルを楽しんだ後、内湯へ戻り、どうにか腰下だけ冷水風呂に浸かってから主浴槽へ移って冷温交互浴的なノリで締めた。
ふよう荘には露天風呂がないから、露天の開放感を楽しみたければしらさぎ苑へどうぞ。暗くなったらなったで星空が売りだそうだし21時までやっている(受付は20時30分まで)。
いろいろ印象的なふよう荘の大浴場
衝撃のニュルニュルと熱さ
夕食後にはふよう荘の1階にある大浴場へ行ってみた。脱衣所は基本的にロッカーではないカゴ方式。分析書は同じだと思う。内湯のみの浴室には8名分の洗い場。カランの方にも温泉を使っているとのことだ。たしかに蛇口から出るお湯も微弱ながら猪の倉温泉の特徴が感じられる。
浴室の左側には7~8名サイズの中浴槽。一部が3本の噴き出す筋によるジェットバス区画になっている。お湯の見た目は微濁り感すらない完全なる無色透明。
入ってみると、熱ぅーー。なにこれ熱い。激熱とは言わぬが「お主、やりよったな」レベル。44℃だとしてもおかしくない。加温がオーバーシュートしているぞ。
驚いたのはそれだけじゃない。ヌルヌルがすげぇーー。夕方のしらさぎ苑をはるかに凌ぐヌルヌルだ。いやニュルニュルと言うべきか。もうね、レベルが違います。肌の上に特殊な皮を1枚まとったかのようだ。
人が集まる小浴槽
感触は面白いし満足感のあるお湯なのだが、いかんせん熱い。長くいることはできなくて右側にあった2名サイズの小浴槽へ移動した。こちらも一部が底からぶくぶく泡の立つジャグジーになっている。お湯は熱めの適温くらいなので助かった。ようやくニュルニュルを楽しむ環境に落ち着いたぜ。しかし他の客がやって来て独占状態は終わりを告げた。しかも、中浴槽に入る→「熱っ!」→小浴槽へ移動、という行動パターンが数名続いて小浴槽はあっという間にぎゅうぎゅう詰め。
やむなく場所を譲って中浴槽へ移動するも入りづらくて足だけ浸かる、みたいな感じで夜の入浴は終了。衝撃的なニュルニュルだけにもっと楽しみたかったんだが…中浴槽へ客が集まるように熱さのバランスを取れればなあ。
朝は角が取れて丸くなっていた
朝は6時から。チェックアウトアウトまでのわずかな時間を利用して短時間入浴してみたら、あれ? 熱くない。わりとまともな適温だった。かわりにニュルニュルの度合いは薄まっていた。証拠もなく想像だけで適当に言うが、もしニュルニュルと熱さがトレードオフの関係なんだとすると、なかなか悩ましいですな。
いずれにせよ、長湯したわけじゃないのに入浴後は肌のスベスベ感がとんでもない。過去にも温泉のスベスベ効果は数多く体験してきたけど、ここのはなんか違う。薄いながらもガッチリとコーティングを施された感覚がある。こいつは面白いね。
ボリューミーな春の白山会席
テーブルに並ぶ数々の料理
ふよう荘の食事は1階レストランで。部屋ごとに割り当てられたテーブル席へ案内される。テーブルの配置には余裕があって他の客は気にならない。予約した夕食プランは白山会席コースだった。お品書きに並んだ料理の数が多い。前菜からデザートまで12品もある。すごい量を予感させた。スターティングメンバーがこれ。
蓋のない鍋が国産黒毛和牛のすき焼きで、早い段階で火がつけられる。これだけでも肉が豊富で量としては十分だ。量だけでなく味もグッド。残すはずもない。
やがて刺身や真鯛の桜蒸し・合鴨&筍といった春らしいメニューや茶碗蒸しが次々と運ばれてきてこうなった。目が眩むぜ。
豪華ダブルキャストでお腹いっぱい
大きなガラス越しに日没後の外の変化の様子を見ながら食べ進む。いよいよ天ぷらが出てきた時、満を持して蓋付きの鍋=伊勢ポーク味噌煮と釜飯に着火となった。このポークが豚の角煮のような形状ででかい。すき焼きとこれと両方はダブル主演みたいなもので結構すごいぞ。釜飯の方も金目鯛を炊き込んであっていい感じ。残すはずもない。
夢中で1時間食べ続けて、終わってみたらお腹がとんでもなくパンパンで苦しかった。そりゃそうだ。
やらないよりはやった方がいいの精神で
猪の倉温泉ふよう荘。あのニュルニュルがとにかく印象的だ。しらさぎ苑にも入れるし結構なんじゃないかな。早朝チェックアウトのため朝風呂はごく短時間だし、朝食なしだったし、なにより慌ただしい滞在になってしまった。本当は周辺のレジャー施設込みでゆっくりするべき場所だろう。でも実際に行ってみたところに価値がある。「スケジュールに余裕がある時」なんていう、来るかもわからない完璧な機会をあてもなく待ち続けるよりは良かったんじゃないか。と自分を納得させつつ中盤パートへ向けて近鉄特急に乗り込んだ。