太陽がいっぱい、三河湾リゾートに湧く温泉 - ラグーナの湯

ラグーナの湯
前回の温泉旅行から1ヶ月の間隔があいて、そろそろムズムズしてきたおじさん。まだ雪リスクのある時期だったから東北や北陸はちょっとやめとこう。本ブログで未踏になっていた愛知県の温泉を目的とする一人旅を実行に移した。

手始めは蒲郡にある日帰り温泉「ラグーナの湯」。ラグーナテンボスという一大レジャーゾーンの中にある施設だ。

尖った個性を持たないライトなお湯は正直なところ印象薄かったのだが、三河湾に面する“海チカ温泉”のイメージそのままに、どーんと開けた眺望はなかなかのものであった。

ラグーナの湯へのアクセス

ラグーナテンボス内の温泉施設

まずラグーナテンボスについて。名前から察せられる通り、かのハウステンボスの姉妹施設である。蒲郡市臨海部の広大な土地に、テーマパーク・ショッピングモール・ホテル・ヨットハーバー・ビーチ・日帰り温泉施設などを展開している。

それぞれの施設は独立しており、「ラグーナテンボス」という一つの閉じた園内に囲われているわけではない。たとえばラグーナの湯へ入るのに、ラグーナテンボス入場券を買う必要があるとか、あるいはいったんテーマパークに入場しないとたどり着けない、ということはないのでご安心を。

他の施設を一切スルーしてラグーナの湯にだけアクセスすることは可能。そうじゃなかったら行ってない。

最寄り駅(1)…三河大塚から徒歩

さて、ラグーナの湯の一応の最寄り駅はJR東海道線・三河大塚。東京方面からだと新幹線で豊橋まで行き、在来線に乗り換えて3駅目だ。
三河大塚駅
三河大塚の駅周辺にラグーナテンボスにつながる観光拠点らしさはなく、いたって普通の町の駅。シャトルバスの運行もない。ここから自分の足で15分歩く。道順はシンプル。事前に地図であたりをつけておけば迷うこともないし、途中には看板も立っている。

ラグーナテンボス地区に入ると、なんかすごい空き地が目立つ。まだ開発途上の埋立地って感じ。昔のお台場とかの雰囲気だな。それでも中心部へ近づくにつれてリゾートっぽい景色になってきた。
ラグーナテンボス景観
ちょっと変わったところでは、泊まれる住宅展示場なんてのがあった(SHARESラグーナ蒲郡)。いろいろ考えるもんだね。
SHARESラグーナ蒲郡

最寄り駅(2)…蒲郡からシャトルバス

鉄道利用の場合、もう一つの最寄り駅が豊橋から5駅目の蒲郡だ。現地まで歩いて行ける距離ではないがシャトルバスが出ている。帰りはシャトルバスを利用させてもらい蒲郡駅まで出てみた。
蒲郡駅
しかし、もし15分歩くのが苦でないなら、三河大塚ルートをおすすめしたい。シャトルバスは各施設を順に回っていくこと、また蒲郡駅まで市街地の信号待ちに捕まる道路をずーっと行くことから、乗車時間が結構長いためだ。あれだったら三河大塚まで歩いた方が早い。

蒲郡ルートの利点をあげるとすれば、当駅には快速系が停車すること。三河大塚は各駅停車しか泊まらないから日中は30分に1本のペース。これが蒲郡になると快速系を加えて10分に1本程度となり、利便性はぐっと高まる。


ハーバービューで勝負するラグーナの湯

この日はたまたま美白泉

とにかくラグーナの湯に着いた。券売機で1030円の券を買って入場。受付で下足箱の鍵と引き換えに脱衣所のロッカー鍵を受け取る。

ここは自家源泉を加水なしで提供している。脱衣所に温泉分析書が掲示してあり、「カルシウム・ナトリウム-塩化物泉、高張性、アルカリ性、温泉」とのこと。しかし浴室の扉には別の張り紙が…「○月○日まで三谷温泉・千歳の湯(美白泉)でのご提供となります」。なにい?!

いやまあ事前にラグーナの湯ホームページの告知を見て知ってましたけどね。設備の不調かメンテナンスの都合か、この日は近くの三河三谷温泉からの運び湯となっていた。しかも加水あり。ちょっとがっかり。

しかし千歳の湯の方にも本来の自家源泉と同じ泉質名が書いてあり、特徴はおおむね一緒のはずだ。以下の体験談がまったく参考外だとはいえまい。

ヨットハーバーの見える内湯

浴室に入って左手の洗い場は簡易な仕切りで区切られた6名分のブースになっている。右手に15名ほど入れそうな大きめの浴槽があって、内風呂はこれ一つのみ。お湯は完全なる無色透明。湯の花も見られない。

浸かってみると、ぬる湯好きの自分の主観ではやや熱めに感じたけど、客観的には適温だろう。お風呂らしいお風呂のお湯だ。微弱ながら塩素臭がするのはまあしょうがない。

特筆すべきは全面ガラス張りの向こうに見える景色。海と、ヨットハーバーと、観覧車と、遠くに小島の影。気持ちの良い眺めだ。

当館の裏手には軽く散策できる小路が整備されており、下の写真は帰りに散策路に立ち寄って撮ったもの。浴場ではこれをもっと高い位置から見たような景色が展開しているのだ。
ラグーナの湯そばの散策路
あまりにも見晴らしが良すぎて、ヨットや散策路からこちらを覗かれるんじゃないかと思ってしまうくらい…当時は外に人のいる気配はまったくなかったから安心だったが。

開放感あふれる露天風呂

露天風呂もある。こちらは3~4名規模と小さめながら、外気に触れて湯温が下がっているため、じっくり浸かるには好都合。塩素臭も飛散してしまうのか特には感じられなかった。こりゃいいや。

奥の方は2名が腰掛ける姿勢で半身浴できるつくりになっており、うち一つは縁に頭を乗せる凹みが付いていた。

海の見え方は内風呂と同じ。時期的に寒かったのはおいといて、潮風にあたって開放的な爽やか気分を味わえるのは、露天風呂ならではの醍醐味だ。女湯の方は風紀上、さすがにもっと閉鎖的な構造になっていると思うけど、どうなんでしょう。


ラグーナに現れたロールモデル

露天風呂でまったりしていたら、年配の陽気なおやっさんがやって来て、雑談が始まった。こういう展開になるときは、相当なお年でも自分なんかよりずっとアクティブな方が多い。今回もやっぱりそうだった。

仕事をリタイアしてから車で全国あちこちに出かけてるらしい。温泉にもかなり足を運んでいるそうで、聞けば聞くほどうらやましい話。北海道の秘湯の湯治場に8連泊したエピソードには痺れた。やってみてぇー。

自分もいつかそういう身分に到達できるだろうか。週末の1泊2日旅行で汲々としている場合じゃない。

ああ、宝くじで5億円当たらないかなあ。そこへ悪い大人が群がり、お金をむしり取っては去っていき、そして誰もいなくなった。手元に残ったのは500万円と悟りの境地…「下手に大金があってもロクなことはない。いっそパーッと使っちまおう」…こうして半分を寄付、残り半分で全国温泉行脚の旅に出る、そういうドラマが起きないかなあ。