海上に浮かぶ関西国際空港の対岸にあたる大阪府泉佐野市。ここに温泉施設を備えたビジネスホテルがあった。その名も「関空温泉ホテルガーデンパレス」。関空が近くて温泉があるホテル。知りたい情報がすべて詰まったグッドネーミング。
師走の関西遠征の最後の夜はこの関空温泉に泊まった。ここまで来て帰りが新大阪から新幹線だったら、あほである。さすがに関空から羽田まで飛びました(早割だと新幹線より安い)。
最寄り駅から歩くにはちょっと遠いけど、無理な距離じゃないし、なんなら送迎バスがあるし、温泉付きで普通の市中のビジネスホテルとそう変わらない値段で泊まれるから、いいのではないかと思う。
今回の旅でぜひとも大阪にフラグを立てたかったのだが、宿探しには苦労した。そもそも関東人でもすぐに思いつくような温泉が少ないし、大都会近郊地域における土地活用という観点から致し方ないとはいえ、どこもかしこもお値段高めの高級路線。加えてインターネットで気軽に予約できる範疇だと“おひとりさまNG”なところばかり。
困った。日帰り温泉施設のオールナイト利用は自分ルールだとフラグを立てたことにならないしな。こいつは困った。そこで観光地の典型的な温泉宿をあきらめて、市街地の温泉付きビジネスホテルから探すことにして見つけたのが、関空温泉ホテルガーデンパレスであった。
東口を出て、駅前ロータリーからまっすぐ伸びる道をひたすら進む。すぐに泉佐野センタービルというやけに目立つ高層ビルが現れた。商業施設と住居棟が集まったビルのようだ。最初は豪華な市役所かと思った。
10分くらいひたすら道なりに進むと幹線道路である国道26号にぶつかる。渡ったら右に折れて約5分。田園地帯を貫く幹線道路のまわりに郊外型店舗と新興住宅地がポツポツでき始めている、という周辺環境だけから判断すると、とても温泉が湧いているようには見えない。
ホテルは国道から少し引っ込んだところにあり、住宅と田畑が混在する狭い路地に入っていく必要がある。遠くからネオンは見えるもののちょっと迷ってしまった。
割り当てられた部屋は4階だった。お向かいの部屋は中国系の観光客のようだ(姿は見てないがたまに漏れてくる話し声で判断)。立地的に国際色豊かなんだろうと思われる。だから何だってことはございません。何の不都合もなく静かな夜を過ごした。
室内は定番のビジネスホテルのスタイルであり、気になる汚れとか古さはなく、安心感があった。ベッドはセミダブル。金庫あり。空の冷蔵庫あり。WiFiあり。
温泉大浴場へ持参するためのタオルとバスタオル、それに浴衣と丹前が提供されていた。館内は浴衣姿で行動してよい。
夕食の後、21時頃だったかな、男湯になっている別館の方へ行ってみた。途中の通路には和モダンの装飾による洒落た演出が見られる。
別館に足を踏み入れるとすぐ、足湯のブースがあるかと思えば、その上の中2階部分に豪華マッサージチェアを設置したリザレクションルームなる休憩所もある。ちょっとラグジュアリー感があるぞ。
抑えめの照明と暗めのモノクロームな床や壁のおかげで非常に落ち着いた雰囲気。そこに和モダンなすっきりしたデザインが加わってグレード感を醸し出している。ウキウキのハイテンションというよりはどっしり大人っぽい感じ。カランは7つ。
奥に控える10名規模の浴槽に入った。無色透明のお湯はこれといった特徴はないが、ややぬるめの適温で、ゆっくり浸かって疲れを取るのに適している。まあやっぱり源泉かけ流しとはいかず循環消毒しているようだけど、塩素臭よりも温泉らしい潮っぽい匂いの方が勝っているのは結構なり。
冬の夜の半露天エリアに出てみたらえらく寒い。こりゃいかんと3名分のジャグジー寝湯になっている半露天風呂にもぐり込んだら、こっちのお湯は熱かった。熱い寝湯の後にさっきのかけ湯でクールダウンするという順序なのかもしれない。
自分はぬる湯派なので半露天風呂を一瞬で切り上げて主浴槽に戻った。一定間隔で作動と休止を繰り返す湯口から投入されるお湯を触ったら冷たかった。湯口から加水するの? でも真水というほど冷たくないから加温してない源泉かも。
やがてひとりのおじさんが入ってきた。すぐにお仲間らしき3~4名が続く。独占状態が一気ににぎやかになったので、ここらが潮時だろうとあがることにした。40分近くいたかな。
この内風呂がひとつだけで半露天風呂とか寝湯といったものはないシンプルな構造だ。ガラス越しに小さな和風の庭が見えるようになっており、庭園付き大浴場という呼び名になっている。こちらもほぼ独占状態で利用できた。
本館側は足湯やリザレクションルームもないし、設備面と新しさでいうとどうしても別館に軍配が上がる。男女の入れ替え時間を念頭に、別館に比重をおいて入浴スケジュールを組むとよいだろう。
なお、本館も別館も日中の時間帯は貸し切り予約制になってしまうようだ。日帰りプランに供するためだろう。
先に内線で問い合わせてくださいとのことで問い合わせてみると、空いてますとの返事。もう外へ出るのが面倒くさくなったので利用させてもらうことにした。
2人席のテーブルに案内されてメニューを見る。コンビニ弁当や牛丼屋で食べるのとはもちろん比較にならない値段だが、べらぼうに高いわけでもない。1番人気おすすめの由松セット(1200円)と生ビールを注文。
刺身はあるし焼肉もあるし、量も多すぎず少なすぎずでいいんじゃないの。自分としては十分満足である。
ちなみにレストランは浴衣での入場OKである。予約なしで利用した場合、自分はレストラン内で会計してもらってからフロントで現金払いした。
レストランでは朝食バイキングもやっている(予約不要)。ふだんから朝食抜くことが多いし、あまりお腹も空いてなかったので、今回はパスした。
個人的には大阪のフラグ立てを完遂できて大変満足である。しかも関空からさくっと帰京できたし。我ながらスマートなソリューションを見つけたもんだ。
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師走の関西遠征の最後の夜はこの関空温泉に泊まった。ここまで来て帰りが新大阪から新幹線だったら、あほである。さすがに関空から羽田まで飛びました(早割だと新幹線より安い)。
最寄り駅から歩くにはちょっと遠いけど、無理な距離じゃないし、なんなら送迎バスがあるし、温泉付きで普通の市中のビジネスホテルとそう変わらない値段で泊まれるから、いいのではないかと思う。
関空温泉ホテルガーデンパレスへのアクセス
大阪のひとり温泉旅行は難しい
温泉目的の旅行をするようになって以来、自分の中のこだわりとして、47都道府県のそれぞれに「温泉宿に泊まった」というフラグを立てることが目標になっている。東日本はだいたい埋まった。今回の旅でぜひとも大阪にフラグを立てたかったのだが、宿探しには苦労した。そもそも関東人でもすぐに思いつくような温泉が少ないし、大都会近郊地域における土地活用という観点から致し方ないとはいえ、どこもかしこもお値段高めの高級路線。加えてインターネットで気軽に予約できる範疇だと“おひとりさまNG”なところばかり。
困った。日帰り温泉施設のオールナイト利用は自分ルールだとフラグを立てたことにならないしな。こいつは困った。そこで観光地の典型的な温泉宿をあきらめて、市街地の温泉付きビジネスホテルから探すことにして見つけたのが、関空温泉ホテルガーデンパレスであった。
田園地帯を貫く幹線道路のそば
関空温泉の最寄り駅は南海本線・泉佐野。先に訪れた河内松原の日帰り温泉「You, ゆ~」にて、みずから大ポカをやらかしてトラブったため、予定より2時間遅れて駅に到着した。東口を出て、駅前ロータリーからまっすぐ伸びる道をひたすら進む。すぐに泉佐野センタービルというやけに目立つ高層ビルが現れた。商業施設と住居棟が集まったビルのようだ。最初は豪華な市役所かと思った。
10分くらいひたすら道なりに進むと幹線道路である国道26号にぶつかる。渡ったら右に折れて約5分。田園地帯を貫く幹線道路のまわりに郊外型店舗と新興住宅地がポツポツでき始めている、という周辺環境だけから判断すると、とても温泉が湧いているようには見えない。
ホテルは国道から少し引っ込んだところにあり、住宅と田畑が混在する狭い路地に入っていく必要がある。遠くからネオンは見えるもののちょっと迷ってしまった。
基本はビジネスホテル
さっそくチェックイン。基本的なお作法は完全にビジネスホテルだ。ぼっちのおじさんでも何の気兼ねもなく自然に溶け込める雰囲気はありがたい。割り当てられた部屋は4階だった。お向かいの部屋は中国系の観光客のようだ(姿は見てないがたまに漏れてくる話し声で判断)。立地的に国際色豊かなんだろうと思われる。だから何だってことはございません。何の不都合もなく静かな夜を過ごした。
室内は定番のビジネスホテルのスタイルであり、気になる汚れとか古さはなく、安心感があった。ベッドはセミダブル。金庫あり。空の冷蔵庫あり。WiFiあり。
温泉大浴場へ持参するためのタオルとバスタオル、それに浴衣と丹前が提供されていた。館内は浴衣姿で行動してよい。
これが関空温泉「由松乃湯」だ
洒落た和モダンの別館大浴場
関空温泉ホテルガーデンパレスの温泉「由松乃湯」は1階にある。エレベータからすぐの本館大浴場と、もっと奥へ進んだところにある別館大浴場の2箇所に分かれており、時間制で男湯と女湯が切り替わる。夕食の後、21時頃だったかな、男湯になっている別館の方へ行ってみた。途中の通路には和モダンの装飾による洒落た演出が見られる。
別館に足を踏み入れるとすぐ、足湯のブースがあるかと思えば、その上の中2階部分に豪華マッサージチェアを設置したリザレクションルームなる休憩所もある。ちょっとラグジュアリー感があるぞ。
ぬるめで潮っぽさがある主浴槽の湯
脱衣所は無人。中も無人のようだ。てことは独占じゃないか、ラッキー。分析書をチェックすると「単純温泉、低張性、中性、低温泉」とあった。鍵付きのロッカーに浴衣をしまって中へ。抑えめの照明と暗めのモノクロームな床や壁のおかげで非常に落ち着いた雰囲気。そこに和モダンなすっきりしたデザインが加わってグレード感を醸し出している。ウキウキのハイテンションというよりはどっしり大人っぽい感じ。カランは7つ。
奥に控える10名規模の浴槽に入った。無色透明のお湯はこれといった特徴はないが、ややぬるめの適温で、ゆっくり浸かって疲れを取るのに適している。まあやっぱり源泉かけ流しとはいかず循環消毒しているようだけど、塩素臭よりも温泉らしい潮っぽい匂いの方が勝っているのは結構なり。
ジャグシー+寝湯になってる半露天風呂
主浴槽とは別に、細い通路の向こうに半露天風呂がある。通路の途中にかけ湯があったから軽くかけてみたら…冷たっ。いきなり思い切りかぶらないように気をつけましょう。冬の夜の半露天エリアに出てみたらえらく寒い。こりゃいかんと3名分のジャグジー寝湯になっている半露天風呂にもぐり込んだら、こっちのお湯は熱かった。熱い寝湯の後にさっきのかけ湯でクールダウンするという順序なのかもしれない。
自分はぬる湯派なので半露天風呂を一瞬で切り上げて主浴槽に戻った。一定間隔で作動と休止を繰り返す湯口から投入されるお湯を触ったら冷たかった。湯口から加水するの? でも真水というほど冷たくないから加温してない源泉かも。
やがてひとりのおじさんが入ってきた。すぐにお仲間らしき3~4名が続く。独占状態が一気ににぎやかになったので、ここらが潮時だろうとあがることにした。40分近くいたかな。
別館よりは小さめの本館大浴場
翌朝は本館大浴場が男湯だった。こちらは別館よりもひとまわり小さい。カランは5つ。浴槽はきっちり詰めていけば10名以上いけるけど、通常は6名までってところ。お湯はややぬるめの適温。縁のタイルに微量の白い析出物の固着あり。この内風呂がひとつだけで半露天風呂とか寝湯といったものはないシンプルな構造だ。ガラス越しに小さな和風の庭が見えるようになっており、庭園付き大浴場という呼び名になっている。こちらもほぼ独占状態で利用できた。
本館側は足湯やリザレクションルームもないし、設備面と新しさでいうとどうしても別館に軍配が上がる。男女の入れ替え時間を念頭に、別館に比重をおいて入浴スケジュールを組むとよいだろう。
なお、本館も別館も日中の時間帯は貸し切り予約制になってしまうようだ。日帰りプランに供するためだろう。
1階レストランでの夕食
空いていれば予約なしでもOK
素泊まりで予約したため、夕食はコンビニで買い出しするか、近くの飲食店を頼る必要があった。しかし部屋に備え付けの案内を読むと、1階の予約制レストランに空席があれば、予約なしでも利用可能とあった。先に内線で問い合わせてくださいとのことで問い合わせてみると、空いてますとの返事。もう外へ出るのが面倒くさくなったので利用させてもらうことにした。
2人席のテーブルに案内されてメニューを見る。コンビニ弁当や牛丼屋で食べるのとはもちろん比較にならない値段だが、べらぼうに高いわけでもない。1番人気おすすめの由松セット(1200円)と生ビールを注文。
刺身はあるし焼肉もあるし、量も多すぎず少なすぎずでいいんじゃないの。自分としては十分満足である。
メニューはいろいろ
もっと気楽なのがよければ丼・カレー・麺類を頼める。逆に観光旅館風に鍋とか揚げ物とか品数多くしたければ、会席コースの夕食付きで予約すればいい。まわりのテーブルはみんなそっち系だった。ちなみにレストランは浴衣での入場OKである。予約なしで利用した場合、自分はレストラン内で会計してもらってからフロントで現金払いした。
レストランでは朝食バイキングもやっている(予約不要)。ふだんから朝食抜くことが多いし、あまりお腹も空いてなかったので、今回はパスした。
関空との連携でスマートな旅を
関空温泉ホテルガーデンパレス。関空を利用する旅の中継点として、あるいは泉州地域の観光拠点として、候補にあげられるだろう。かしこまらず割り切って利用できるビジネスホテルでありながら温泉も楽しめるのはありがたい。個人的には大阪のフラグ立てを完遂できて大変満足である。しかも関空からさくっと帰京できたし。我ながらスマートなソリューションを見つけたもんだ。
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