世に日本三大ナントカは数多いが、日本三大渓谷なるものも存在する。黒部峡谷・大杉谷・そして清津峡。秋の新潟県魚沼エリアへのグループ旅行で清津峡に立ち寄る時間があったので行ってみた。
…うむ、たしかに目を引く絶景だ。斜め模様の岩がなんともいえない。加えてトンネル内を歩きながらビューポイントを回るというミュージアム見学的な要素もある。
しかも一番奥の景色が最大の見せ場となるように設計されているのが心憎い。あれを見せられちゃあ、三大渓谷と認めざるを得ない。
我々は前泊地である湯沢町の貝掛温泉を出発して三国街道経由で353号に入った。坂を登ってトンネルを抜けて坂を下る峠越えの後に清津峡の看板が出現するから、そこで左折する。
数分走ってまず見えるのが第2駐車場。混み合う日はここを使うのだろう。訪れたのは平日で余裕がありそうだったから通過した。少し先にあった第1駐車場にはやっぱり空きがあった。よしよし。
ここから先は歩きとなる。道中にトイレがないわけじゃないが、あてにできないから、できるだけ駐車場前のトイレで用を足しておこう。このあたりから見る清津川は渓谷の雰囲気を放ち始めるも、まだまだ序の口。
日本秘湯を守る会の会員宿である清津館もあった。いつか泊まってやるぜ。
清津館の向かいには川に張り出すように作られた離れの露天風呂があり、渓谷美を眺めながら温泉に浸かることができる。最高じゃん。でも清津館に立ち寄り入浴してもここには入れない。宿泊客のみ利用可能だから。うー、いつか泊まってやる。
巨大な三角屋根のカフェが現れるあたりから、川の向こう岸は岩の絶壁となり、いよいよ本格的な渓谷の雰囲気になってきた。
トンネル内は下の写真のような感じだが、照明の色が緑・オレンジ・青・ピンクと変化に富んでいる。どういう意図があるのかはわからない(もろもろ推察するに四季をイメージしているようだ)。
さて数百メートル進んだところで、トンネルに開いた横穴とでもいおうか、出口ではないけど外界が見える坑口があって第一見晴所なるスポットになっていた。
見晴所に立つと、間近に迫った岩壁に斜めの筋が入っているのがわかる。柱状節理の一種とのこと。垂直の柱状節理なら函館・恵山の道南金剛で見たけど、斜めになることもあるのか。
下の方をのぞくとまさに峡谷らしい表情。
第二見晴所からの景色がこれ。深い峡谷と斜めの筋。川の流れが荒々しさを増している。
また本線に戻ってもう少し進むとすぐに第三見晴所がある。この見晴所だけ丸テーブルがいくつか置かれているのに加え、天井には丸いミラーがたくさん取り付けられていた。
なんの効果を狙ったのかはよくわからないが、一種のアート作品なのかな。でもなぜだか仮面ライダーストロンガーの百目タイタンを連想した(ナウシカの王蟲を連想する人の方がたぶん多い)。
第三見晴所からの景色がこれ。相変わらず元気に斜めっております。
次々と客がやって来るので、このアングルで誰もいない画を撮るのは不可能。機材を持ち込んで三脚を立ててるカメラマンぽい人が客のはける瞬間をひたすら待っている様子だったが、永久に無理だろうね。
この最後の見晴所だけ、視線がトンネル入口方向=川の流れる方向を向くように工夫されている。これまた一種の絵画のよう。下の写真だと白く飛んでしまっているが、実際は遠景に山の稜線が浮かび上がり、いい味出していた。
また写真の左側には石段や歩道の跡が残っている。もともと清津峡は外に遊歩道がついていたのだ。そっちの方が臨場感あるに違いないけど、落石事故があって閉鎖、かわりにトンネルが掘られたというわけ。
ここでしばらくアートな景色を目に焼き付けた後、トンネルを引き返して見学終了。なかなか結構な絶景であった。トンネル内には清津峡の模型が設置されており、模型によると我々の歩いた範囲は渓谷全体のほんの一部だとわかった。
見晴所からチラチラのぞき込むだけとはいえ、あの柱状節理の峡谷は印象深い。十日町や南魚沼へ行くなら立ち寄りたいスポットだ。
へぎそばとは、つなぎに海藻のフノリを使ったそばである。どんなのだろうと興味はあったものの、いつも温泉旅館の朝夕の食事で腹が膨れてしまい、昼食を見送るのが毎度のパターンであった。
しかも、へぎそばの提供は基本的に2人前が最小単位だから、一人旅ではなおさら無理な話。しかし今回は同行メンバーがいるから大チャンス。朝食をガッツリいきすぎないようにして胃袋にちょっと余裕を持たせて臨んだ。
へぎそば2人前をオーダーして出てきたのがこれ。2人前にしても多いぞ。
戸隠そばを食べたときに見た「ぼっち盛り」に似ている。その盛りというか束が18ぼっちもある。ボリューム的には十分だ。麺は白みが強い。
食べてみると、一般的なそばのボロボロとした感じがなくて、チュルチュル感があった。気のせいかちょっと粘りもあったような。つなぎの特徴だろうか。
食べたくても食べられないという思いから、余計に心に引っかかっていた夢のへぎそばを今回体験することができて、すっかり気が晴れた。満足である。
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…うむ、たしかに目を引く絶景だ。斜め模様の岩がなんともいえない。加えてトンネル内を歩きながらビューポイントを回るというミュージアム見学的な要素もある。
しかも一番奥の景色が最大の見せ場となるように設計されているのが心憎い。あれを見せられちゃあ、三大渓谷と認めざるを得ない。
清津峡へのアクセス
東京方面から車で清津峡へ行く場合、関越道・塩沢石打ICを下りてJR上越線石打駅付近で国道353号に入る。3か月前に戸隠・野沢・秋山郷へ行った帰り道の逆コースですな。我々は前泊地である湯沢町の貝掛温泉を出発して三国街道経由で353号に入った。坂を登ってトンネルを抜けて坂を下る峠越えの後に清津峡の看板が出現するから、そこで左折する。
数分走ってまず見えるのが第2駐車場。混み合う日はここを使うのだろう。訪れたのは平日で余裕がありそうだったから通過した。少し先にあった第1駐車場にはやっぱり空きがあった。よしよし。
ここから先は歩きとなる。道中にトイレがないわけじゃないが、あてにできないから、できるだけ駐車場前のトイレで用を足しておこう。このあたりから見る清津川は渓谷の雰囲気を放ち始めるも、まだまだ序の口。
清津峡渓谷トンネルまでの道
出だしは道の両側に土産物店や旅館が立ち並ぶ。季節柄カメムシがやたらと乱舞していた。民家の壁にたくさん止まっているし、空中にもたくさん飛んでいるし、うっかりすると服にまでくっついてくる。あーうざい。さすがは地球滅亡の最後の瞬間までしぶとく生き残りそうなカメムシさん。日本秘湯を守る会の会員宿である清津館もあった。いつか泊まってやるぜ。
清津館の向かいには川に張り出すように作られた離れの露天風呂があり、渓谷美を眺めながら温泉に浸かることができる。最高じゃん。でも清津館に立ち寄り入浴してもここには入れない。宿泊客のみ利用可能だから。うー、いつか泊まってやる。
巨大な三角屋根のカフェが現れるあたりから、川の向こう岸は岩の絶壁となり、いよいよ本格的な渓谷の雰囲気になってきた。
トンネルからのぞく渓谷美
色とりどりの照明を抜けて第一見晴所へ
ほどなくして清津峡渓谷トンネルの入口に到着。入場料600円。トンネルのところどころに展望スポットが整備されているのだ。茨城県の袋田の滝もこんな感じだったのを思い出す。そういえばあっちは日本三大瀑布だったな。トンネル内は下の写真のような感じだが、照明の色が緑・オレンジ・青・ピンクと変化に富んでいる。どういう意図があるのかはわからない(もろもろ推察するに四季をイメージしているようだ)。
さて数百メートル進んだところで、トンネルに開いた横穴とでもいおうか、出口ではないけど外界が見える坑口があって第一見晴所なるスポットになっていた。
見晴所に立つと、間近に迫った岩壁に斜めの筋が入っているのがわかる。柱状節理の一種とのこと。垂直の柱状節理なら函館・恵山の道南金剛で見たけど、斜めになることもあるのか。
下の方をのぞくとまさに峡谷らしい表情。
続いて第二・第三見晴所
トンネル本線に戻ってもう少し進むと先ほどと同様の第二見晴所が現れた。こちらには簡易トイレが設置されているけど、なんというか緊急避難的なものだ。やっぱり駐車場ですませておいた方がいいと思う。第二見晴所からの景色がこれ。深い峡谷と斜めの筋。川の流れが荒々しさを増している。
また本線に戻ってもう少し進むとすぐに第三見晴所がある。この見晴所だけ丸テーブルがいくつか置かれているのに加え、天井には丸いミラーがたくさん取り付けられていた。
なんの効果を狙ったのかはよくわからないが、一種のアート作品なのかな。でもなぜだか仮面ライダーストロンガーの百目タイタンを連想した(ナウシカの王蟲を連想する人の方がたぶん多い)。
第三見晴所からの景色がこれ。相変わらず元気に斜めっております。
絶景の真打ち・パノラマステーション
また本線に戻ってもう少し進むと、いよいよ最後のパノラマステーションなる見晴所だ。ここは床に薄く水を張って水鏡の効果を演出しており、ある種のアート作品のようだ。次々と客がやって来るので、このアングルで誰もいない画を撮るのは不可能。機材を持ち込んで三脚を立ててるカメラマンぽい人が客のはける瞬間をひたすら待っている様子だったが、永久に無理だろうね。
この最後の見晴所だけ、視線がトンネル入口方向=川の流れる方向を向くように工夫されている。これまた一種の絵画のよう。下の写真だと白く飛んでしまっているが、実際は遠景に山の稜線が浮かび上がり、いい味出していた。
また写真の左側には石段や歩道の跡が残っている。もともと清津峡は外に遊歩道がついていたのだ。そっちの方が臨場感あるに違いないけど、落石事故があって閉鎖、かわりにトンネルが掘られたというわけ。
ここでしばらくアートな景色を目に焼き付けた後、トンネルを引き返して見学終了。なかなか結構な絶景であった。トンネル内には清津峡の模型が設置されており、模型によると我々の歩いた範囲は渓谷全体のほんの一部だとわかった。
見晴所からチラチラのぞき込むだけとはいえ、あの柱状節理の峡谷は印象深い。十日町や南魚沼へ行くなら立ち寄りたいスポットだ。
おまけ:長年の懸案・へぎそばを食す
見学後は石打まで戻って三国街道を北上。新潟のへぎそばを一度は食べてみたいと思って、街道沿いの「そば処 中野屋 塩沢店」にお邪魔した。へぎそばとは、つなぎに海藻のフノリを使ったそばである。どんなのだろうと興味はあったものの、いつも温泉旅館の朝夕の食事で腹が膨れてしまい、昼食を見送るのが毎度のパターンであった。
しかも、へぎそばの提供は基本的に2人前が最小単位だから、一人旅ではなおさら無理な話。しかし今回は同行メンバーがいるから大チャンス。朝食をガッツリいきすぎないようにして胃袋にちょっと余裕を持たせて臨んだ。
へぎそば2人前をオーダーして出てきたのがこれ。2人前にしても多いぞ。
戸隠そばを食べたときに見た「ぼっち盛り」に似ている。その盛りというか束が18ぼっちもある。ボリューム的には十分だ。麺は白みが強い。
食べてみると、一般的なそばのボロボロとした感じがなくて、チュルチュル感があった。気のせいかちょっと粘りもあったような。つなぎの特徴だろうか。
食べたくても食べられないという思いから、余計に心に引っかかっていた夢のへぎそばを今回体験することができて、すっかり気が晴れた。満足である。
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