野生のトキを見たい---秋の行楽シーズンに向けての要望を承った。むう、だんだん要望のハードルが上がってきてないか。野生のトキなんてどうやって探すんだ?
とにかくトキといえば北斗3兄弟。じゃないや、4兄弟だ。いたなあ「おれの名を言ってみろ」な奴が。
じゃないや、トキといえば新潟県の佐渡島。「こうすればトキに会える」という確証もないまま、とにかく船と温泉旅館を手配し、佐渡へ渡ってみることにしたのである。さあ果たして野生のトキとの対面はいかに。
しかもマイカーもレンタカーも利用しない徒手空拳じゃ無理ゲーだべさ。
ぶっちゃけた話、自分の力ではどうにもならないから、富豪的解決を試みたのである。地元を知り尽くしたプロフェッショナルが運転する観光タクシーにすべてを託し、野生のトキがいそうな心当たりがあれば寄ってくださいとお願いした。要望を叶えるにはコスト抑制とか言ってる場合じゃない。
利用したのは「おけさ観光タクシー」。すごく良い対応をしてもらったから、回し者疑惑をおそれず再度言う。おけさ観光タクシーに頼んで正解だった。いい仕事をしてくれました。
しばらく走るうち、ご対面の機会が訪れた。運転手さんが「あそこにいますよ、ちょっと寄り道しましょう」と、狭い農道に入っていった。野生のトキを見物する際は距離を取って車の中から見るのが基本的なルール。車を降りて近寄っていったりしてはいけない。
「ほら、あそこ」…えーと、んーと、イター!
え、見えませんか? 3羽ほどいますぜ。拡大。
スマホじゃこれが限界。肉眼だともうちょっとはっきりわかったし、ややピンクっぽい朱鷺色も認識できた。撮影のタイミングが難しくて写真に収めることはできなかったが、首を上げたり羽を広げたりして鳥らしい姿形を見せる瞬間もあった。
付近にはくっきり白い首長なやつもいたけど、そいつはサギ。何度か見て慣れてくると遠くからでもトキとサギの見分けがつくようになる。
突然、運転手さんが興奮して叫びだした。「飛んできましたよ! ほらあそこ! 何羽も来てる!」
おー、たしかに。トキの飛翔する姿はなかなか見られるもんじゃない。必死でスマホの撮影ボタンを押しまくった。連写モードとかよくわからないんで。
駐車場のそばでは「けものフレンズ」なるアニメか何かのコラボ企画をやっていた。トキを模したキャラがどうしたこうしたで、何かをするとポストカードをもらえるとかで、どうしたこうしたな企画…情報量ゼロですいません。
園内には主に2つの見どころがあり、まずは「トキふれあいプラザ」へ。タイミングよく餌やりの時間だった。マジックミラー越しで警戒心を持たないトキが餌を取りにかなり近くまでやって来た。
うわ近っ。
リラックスして水浴びを始めてしまうトキさん。運転手さんによれば水浴びするところを見られるのはレアなんだとか。おおなんというラッキー。
サドッキーというゆるキャラだ。ふなっしーに語感が似てる。
資料展示館の方は名前の通り各種資料の展示がメイン。トキの羽(実際に触れる)や日本最後のトキである“キン”の剥製もあった。トキの大きさと重さを実感できる実物大ぬいぐるみ(?)が置いてあったり、カラスに近いと言われる鳴き声を聞かせる装置など、いろいろな工夫も。
出口の前ではケージの中にいるトキの群れをガラス越しに見ることができた。
運転手さんの話によれば、トキを保護するため、田畑では農薬の使用が制限されている。このため佐渡で作られる米や野菜は、図らずも無農薬・低農薬という付加価値を持つことになった。いろいろ賛否はあるようだが、へーっていう豆知識だった。
そんな田んぼにカラスやサギに混じってトキが飛来して餌を取ってるのを見るなんて、若い頃の固定観念が残っているだけに、ちょっと不思議な感覚だ。頭では分かっていても見ると聞くとは大違い。貴重な体験をした時(トキ)であった。
まずは両津港にも近い日蓮聖人佐渡銅像。台座が13mで像の高さも13m。かなりの大きさ。
怒ったような、ちょっときつい目をしていらっしゃいますな。なんか妙に新しいなと思ったら、2003年に建てられたものだそうだ。
京都の寺社を思わせる、手入れの行き届いたちょっと風流な庭なんかもある。拝観料300円。
お次は妙宣寺。日蓮聖人の弟子が開いた寺で、場所は何度か移動しており、現在の場所はもともと城があったところ。一部にお堀の跡が見られた。そして最大の見どころは五重塔。身延山久遠寺にもあったねー。拝観無料。
写真を撮ろうとしたら、運転手さんが一番クールなアングルを教えてれた。
おお、なんだか白砂青松の浜みたいだぞ。そこへ陽が昇って、こりゃ風雅じゃのう…それにしてもなんでわざわざ普通は描かない太陽を入れたんだろうか。
やっぱりこの能舞台のつくりがそうさせたんだろうか。なにしろテラス(照らす)みたいだもんね。
おあとがよろしいようで。
とにかくトキといえば北斗3兄弟。じゃないや、4兄弟だ。いたなあ「おれの名を言ってみろ」な奴が。
じゃないや、トキといえば新潟県の佐渡島。「こうすればトキに会える」という確証もないまま、とにかく船と温泉旅館を手配し、佐渡へ渡ってみることにしたのである。さあ果たして野生のトキとの対面はいかに。
日本の空によみがえった幻の鳥・トキ
野生のトキを見つける最善の策
佐渡島には「トキの森公園」という施設があり、そこで飼育されているトキを見学することはたやすい。トキをただ見るのが目的ならそれでいい。問題は屋外に放鳥された個体、あるいはその子孫にあたる野生のトキが田んぼなどにいる姿を見つけることができるか、だ。しかもマイカーもレンタカーも利用しない徒手空拳じゃ無理ゲーだべさ。
ぶっちゃけた話、自分の力ではどうにもならないから、富豪的解決を試みたのである。地元を知り尽くしたプロフェッショナルが運転する観光タクシーにすべてを託し、野生のトキがいそうな心当たりがあれば寄ってくださいとお願いした。要望を叶えるにはコスト抑制とか言ってる場合じゃない。
利用したのは「おけさ観光タクシー」。すごく良い対応をしてもらったから、回し者疑惑をおそれず再度言う。おけさ観光タクシーに頼んで正解だった。いい仕事をしてくれました。
車内からのご対面
いくつかお寺をめぐりながら、田園風景の中を走るタクシー。ちょうど稲刈りが終わった時期で、刈り取り後の田んぼにいる昆虫やドジョウを狙ってトキが飛来してくるし、稲穂がないから見通しもよく、トキを見つけやすい時期といえる。しばらく走るうち、ご対面の機会が訪れた。運転手さんが「あそこにいますよ、ちょっと寄り道しましょう」と、狭い農道に入っていった。野生のトキを見物する際は距離を取って車の中から見るのが基本的なルール。車を降りて近寄っていったりしてはいけない。
「ほら、あそこ」…えーと、んーと、イター!
え、見えませんか? 3羽ほどいますぜ。拡大。
スマホじゃこれが限界。肉眼だともうちょっとはっきりわかったし、ややピンクっぽい朱鷺色も認識できた。撮影のタイミングが難しくて写真に収めることはできなかったが、首を上げたり羽を広げたりして鳥らしい姿形を見せる瞬間もあった。
付近にはくっきり白い首長なやつもいたけど、そいつはサギ。何度か見て慣れてくると遠くからでもトキとサギの見分けがつくようになる。
いっぱい飛んでキター!
別の場所でも発見。田んぼの中に一定間隔でポツンポツンと淡いピンク色が並んでいる。うん、トキですね。突然、運転手さんが興奮して叫びだした。「飛んできましたよ! ほらあそこ! 何羽も来てる!」
おー、たしかに。トキの飛翔する姿はなかなか見られるもんじゃない。必死でスマホの撮影ボタンを押しまくった。連写モードとかよくわからないんで。
トキの森公園で間近に見学
トキふれあいプラザで目撃したレアな光景
その他にも数回の遭遇チャンスを得て大満足した我ら一行。最後に「トキの森公園」へ行ってみた。野生ではないけどトキを最も間近に見られるスポットだ。入場料400円。駐車場のそばでは「けものフレンズ」なるアニメか何かのコラボ企画をやっていた。トキを模したキャラがどうしたこうしたで、何かをするとポストカードをもらえるとかで、どうしたこうしたな企画…情報量ゼロですいません。
園内には主に2つの見どころがあり、まずは「トキふれあいプラザ」へ。タイミングよく餌やりの時間だった。マジックミラー越しで警戒心を持たないトキが餌を取りにかなり近くまでやって来た。
うわ近っ。
リラックスして水浴びを始めてしまうトキさん。運転手さんによれば水浴びするところを見られるのはレアなんだとか。おおなんというラッキー。
資料展示館もあるよ
いやー、素晴らしいものを見てしまったな。感動冷めやらぬ中、続いて「トキ資料展示館」へ。移動中には別のトキが待っていた。サドッキーというゆるキャラだ。ふなっしーに語感が似てる。
資料展示館の方は名前の通り各種資料の展示がメイン。トキの羽(実際に触れる)や日本最後のトキである“キン”の剥製もあった。トキの大きさと重さを実感できる実物大ぬいぐるみ(?)が置いてあったり、カラスに近いと言われる鳴き声を聞かせる装置など、いろいろな工夫も。
出口の前ではケージの中にいるトキの群れをガラス越しに見ることができた。
ちょっと不思議な感覚
日本の空をトキが舞うなんて、おじさんが子供~青年の頃には想像だにしなかった。残念だがこのまま絶滅していなくなるんだろうなと。日本産トキの意味ではその通りだったが、いまやこうして中国産から繁殖したグローバルな血を引くトキが野生で増えつつある。※中国産トキとかつての日本産トキは生物学的には同一種。運転手さんの話によれば、トキを保護するため、田畑では農薬の使用が制限されている。このため佐渡で作られる米や野菜は、図らずも無農薬・低農薬という付加価値を持つことになった。いろいろ賛否はあるようだが、へーっていう豆知識だった。
そんな田んぼにカラスやサギに混じってトキが飛来して餌を取ってるのを見るなんて、若い頃の固定観念が残っているだけに、ちょっと不思議な感覚だ。頭では分かっていても見ると聞くとは大違い。貴重な体験をした時(トキ)であった。
日蓮聖人ゆかりの地をめぐるサブストーリー
巨大な日蓮聖人佐渡銅像
トキを探す合い間には日蓮聖人ゆかりの場所をまわってもらった。佐渡は日蓮聖人が配流された地であり、また数々の足跡を残した聖地でもある。ちなみにメンバーはいずれも日蓮宗徒ではない。まずは両津港にも近い日蓮聖人佐渡銅像。台座が13mで像の高さも13m。かなりの大きさ。
怒ったような、ちょっときつい目をしていらっしゃいますな。なんか妙に新しいなと思ったら、2003年に建てられたものだそうだ。
根本寺と妙宣寺
次に訪れたのは根本寺。佐渡に流された日蓮聖人が蟄居生活を送ったところ。最初はとんでもない吹きさらしの小屋に留め置かれたらしい。こちらが本堂。京都の寺社を思わせる、手入れの行き届いたちょっと風流な庭なんかもある。拝観料300円。
お次は妙宣寺。日蓮聖人の弟子が開いた寺で、場所は何度か移動しており、現在の場所はもともと城があったところ。一部にお堀の跡が見られた。そして最大の見どころは五重塔。身延山久遠寺にもあったねー。拝観無料。
大膳神社と能舞台
最後は日蓮と関係なく大膳神社にある能舞台を見学(能会をやっていない時は無料)。佐渡に数多くある能舞台の中でもレアな存在。能の作法はよく知らないけど、奥に立ってる鏡板に太陽が描かれているのは普通じゃないんだって。写真を撮ろうとしたら、運転手さんが一番クールなアングルを教えてれた。
おお、なんだか白砂青松の浜みたいだぞ。そこへ陽が昇って、こりゃ風雅じゃのう…それにしてもなんでわざわざ普通は描かない太陽を入れたんだろうか。
やっぱりこの能舞台のつくりがそうさせたんだろうか。なにしろテラス(照らす)みたいだもんね。
おあとがよろしいようで。