夏の終わりの大分グループ旅行も2日目。由布院から別府へと移動してきた。温泉界の西の横綱ともいえる別府温泉郷へついに足を踏み入れたのだ。ワクワクしすぎて頭に血が上ってくるぜ。
記念すべき別府の1湯目は鉄輪温泉街にある日帰りの「ひょうたん温泉」。規模と風呂の種類を誇るレジャー性の高い温泉施設。ミシュランガイドで三ツ星を獲得したというから大したもんだ。
ひょうたん温泉を隅から隅まで味わい尽くそうとしたら1日がかりになるだろう。今回は時間と体調の都合であまり深掘りできず、実力の一端を垣間見た程度だが、それだけでもお腹いっぱいのボリュームだった。
我々は由布院でレンタカーを借りて伽藍岳の塚原温泉・火口乃泉へ立ち寄り入浴した後で別府入りし、地獄めぐりの海地獄・鬼石坊主地獄を見学してからひょうたん温泉へやって来た。時は昼過ぎ。
朝のうちに由布院温泉、昼前に塚原温泉と、この日すでに2箇所に入湯している。しかも後者はかなり濃ゆい温泉。体がほてってボーッとのぼせた感じになっていたし、加えての蒸し暑さ。
さらに夕方にはもう1箇所の温泉に立ち寄る予定があり、さらに夜は宿泊先の温泉にも入らなければならない。せっかく別府まで来たからって、あんさん、あほやでぇ~。
とにもかくにも突撃あるのみ。まだ先は長いので無理するのだけは禁物。体に変調をきたさないようにするのと体力の温存を念頭に置きつつ、頭に上りかけた血をどうにか鎮めると、あえてテンション抑えめで臨んだ。
いったん中庭のようなところへ出るとお風呂以外の様々なアトラクション(?)があった。食事処、飲泉所、温泉玉子、地獄蒸し器、温泉蒸気吸入所など。時間と胃袋と心に余裕があればよかったのだが、残念ながら今回はスルー。
それから砂湯コーナーへの入口も見える。ひょうたん温泉では別料金330円で砂湯を体験できるのだ。なんというレパートリーの広さ。砂湯は過去に別の施設で体験したことがあって、熱い思いをしつつも楽しかったな。でも今回はスルー。
階段を降りて半地下風の高さにある扉の向こうが浴室。入ってみたら、ずいぶんと広いし、天井はとても高い。内湯ながらも開放感あふれる空間。カランは頑張って数えてみたら20名分あった。当日の客の入りでも全然余裕のキャパシティ。
広い方の区画に入ってみた。温度は熱め。他の風呂も同じだが特徴的には無色透明・無臭・湯の花なしだ。あまり長湯できなさそうなので早めに切り上げた。のぼせるとまずいし、スケジュールの制約内でいろいろ入って回りたいし。
ちなみに、ひょうたん風呂はタイルの色を反映して明るい青に見える。このことは後の伏線になっているから頭の片隅に留めておいていただきたい。
だが、ここにずっといてタイムアップだとやっぱりもったいない気がして、未練を残しつつも出ることにした。檜風呂は底の材質の色を反映して暗めの緑に見える。
温度はひょうたんと檜の中間くらいで普通。同じ岩風呂なら外に露天風呂があるためか、ここにはあまり人が来ないようで、広々とした湯船を独占させてもらいました。岩風呂は当然ながら岩の色を反映して暗めの灰色。
バシャバシャと歩いて、はい終了。ここのお世話になるのはもう少し年食ってからだな。歩行湯は路盤の色を反映して白っぽい。
自分以外の利用客はだいたい0~2名ってとこだが、全部埋まったとき=19人が横に並んで瀧に打たれる姿を想像すると結構シュールだ。
自分もチャレンジしてみた。人の身長よりはるかに高い位置から、チョロチョロでなく本当にジョボジョボと勢いよく落ちてくるお湯は圧がすごい。肩に当てれば激しく跳ね返って髪の毛から顔からびしょびしょになる。うわあ。こりゃ滝行に近い。
ふだん打たせ湯やらないんで、体験したってことですぐ退散。瀧湯は床の色を反映して赤茶のイメージ。
他に蒸し湯・水風呂のコーナーもあるけど、個人的に惹かれるものではなかったし時間の都合もあってパス。
露天風呂の奥まで行くと内湯の岩風呂と同じくらいの適温だった。日差しがきついながらも気分爽快。運良く誰もいないから独り占めでウハウハ。しつこいようだが広いなー。これ全部源泉かけ流しかよ。贅沢だなー。
露天エリアにも内湯空間にもベンチが豊富に設置されており、風呂めぐりの合間に気軽に休憩できる。しかも頭を乗せる出っ張りが付いていて心おきなく横になることが可能。試しに横になってみたらウトウトしてしまい、気づけば、あーータイムアップ。退出すべき時間となった。
ひょうたん風呂(青)=海地獄
檜風呂(深緑)=鬼山地獄
岩風呂・露天風呂(灰)=鬼石坊主地獄
歩行湯(白)=白池地獄
瀧湯(赤茶)=血の池地獄
風呂めぐりが仮想の地獄めぐりにもなってるわけだ。うまくできてるね。
…全然人がいない。映画ではもっと活気にあふれてたと思ったが、全然人が歩いてない。鉄輪の目抜き通りのはずなんだけど。熱中症になりそうな天気だから?
道は小ぎれいで並ぶ建物はレトロな感じ。しばらく行くとヤング劇場なる目立つ大衆演劇場があった。ネーミングが刺さりますな。なにがどうヤングなのかはわからない。
当館は常設とはいえ、なんとなく寅さんと旅の一座の交流シーンを連想させる。こういう世界観がまだ残っているとはね。いいんじゃないのー。
いでゆ坂を地獄蒸し工房というお店まで来た。オーダーメイドで地獄蒸しを食べさせてくれるお店。このときは満席で20分待ちだった。とくにお腹すいてない我らはスルー。
そして散策終了。天下の鉄輪温泉をさらっと流しただけになっちゃったけど、まあ旅程の都合で仕方ない。風の向くまま気の向くままよ、と心の中では寅さんぽい台詞を吐きながら、実際は当初からの計画に従って次の目的地へと去っていった。
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記念すべき別府の1湯目は鉄輪温泉街にある日帰りの「ひょうたん温泉」。規模と風呂の種類を誇るレジャー性の高い温泉施設。ミシュランガイドで三ツ星を獲得したというから大したもんだ。
ひょうたん温泉を隅から隅まで味わい尽くそうとしたら1日がかりになるだろう。今回は時間と体調の都合であまり深掘りできず、実力の一端を垣間見た程度だが、それだけでもお腹いっぱいのボリュームだった。
ひょうたん温泉へのアクセス
ひょうたん温泉はJR別府駅から北へ5~6キロ。鉄輪温泉方面に行くバス(複数系統ある)に乗って駅から約30分。鉄輪で下りて歩くことになる。まあようするに鉄輪温泉や地獄めぐりのエリアへ行くつもりになればいい。我々は由布院でレンタカーを借りて伽藍岳の塚原温泉・火口乃泉へ立ち寄り入浴した後で別府入りし、地獄めぐりの海地獄・鬼石坊主地獄を見学してからひょうたん温泉へやって来た。時は昼過ぎ。
朝のうちに由布院温泉、昼前に塚原温泉と、この日すでに2箇所に入湯している。しかも後者はかなり濃ゆい温泉。体がほてってボーッとのぼせた感じになっていたし、加えての蒸し暑さ。
さらに夕方にはもう1箇所の温泉に立ち寄る予定があり、さらに夜は宿泊先の温泉にも入らなければならない。せっかく別府まで来たからって、あんさん、あほやでぇ~。
とにもかくにも突撃あるのみ。まだ先は長いので無理するのだけは禁物。体に変調をきたさないようにするのと体力の温存を念頭に置きつつ、頭に上りかけた血をどうにか鎮めると、あえてテンション抑えめで臨んだ。
ひょうたん温泉のいろいろな内湯
中庭のアトラクション
入館したらまず下足箱に靴をしまい、券売機で750円の入場券を買う(実際はある種の割引制度を利用したため受付で現金払い)。それから受付で下足箱の鍵を預けて腕輪を受け取る。いったん中庭のようなところへ出るとお風呂以外の様々なアトラクション(?)があった。食事処、飲泉所、温泉玉子、地獄蒸し器、温泉蒸気吸入所など。時間と胃袋と心に余裕があればよかったのだが、残念ながら今回はスルー。
それから砂湯コーナーへの入口も見える。ひょうたん温泉では別料金330円で砂湯を体験できるのだ。なんというレパートリーの広さ。砂湯は過去に別の施設で体験したことがあって、熱い思いをしつつも楽しかったな。でも今回はスルー。
開放感あふれる浴室
男湯入口から脱衣所に入り、腕輪の番号のロッカーに服をしまう。平日昼の割に客の姿が結構ちらほら。別府の街中と同様にアジア系の訪日観光客が目立つ。掲示された分析書には「ナトリウム-塩化物泉、弱アルカリ性、低張性、高温泉」とあった。階段を降りて半地下風の高さにある扉の向こうが浴室。入ってみたら、ずいぶんと広いし、天井はとても高い。内湯ながらも開放感あふれる空間。カランは頑張って数えてみたら20名分あった。当日の客の入りでも全然余裕のキャパシティ。
熱めのひょうたん風呂
この空間にはとりあえず岩風呂・檜風呂・ひょうたん風呂・歩行湯がある。まず当湯を象徴するが如きひょうたん風呂へ。ひょうたんの形をしたタイル張りの6~7名規模の浴槽で、くびれをはさんで狭い方の区画に湯口がある。広い方の区画に入ってみた。温度は熱め。他の風呂も同じだが特徴的には無色透明・無臭・湯の花なしだ。あまり長湯できなさそうなので早めに切り上げた。のぼせるとまずいし、スケジュールの制約内でいろいろ入って回りたいし。
ちなみに、ひょうたん風呂はタイルの色を反映して明るい青に見える。このことは後の伏線になっているから頭の片隅に留めておいていただきたい。
ぬるめでリラックス、檜風呂
お次は5名規模の檜風呂。ゆっくりと体を沈めていくと…あれ、さっきと全然違う。ふんわり柔らかい感じ。お湯がぬるめのせいだ。こりゃあ気持ちいいわ。じっくり浸かるなら檜風呂がよさそう。ふぅぃー、いい湯だな。だが、ここにずっといてタイムアップだとやっぱりもったいない気がして、未練を残しつつも出ることにした。檜風呂は底の材質の色を反映して暗めの緑に見える。
おこもり感ある岩風呂
お次は岩風呂。前2つよりひと回り大きくて10名はいけそうだ。広い空間の一番奥にあって壁も近い。おこもり感というか、電車や飲食店の席に座るときに端っこをつい狙ってしまう心理に通じる妙な安心感がある。温度はひょうたんと檜の中間くらいで普通。同じ岩風呂なら外に露天風呂があるためか、ここにはあまり人が来ないようで、広々とした湯船を独占させてもらいました。岩風呂は当然ながら岩の色を反映して暗めの灰色。
ツボを刺激する歩行湯
お次は歩行湯。洗い場の裏に1名分の幅の通路があって、スネくらいの深さにお湯が張られていた。底には少し膨らみのある石が敷いてあって足裏を刺激する仕掛け。バシャバシャと歩いて、はい終了。ここのお世話になるのはもう少し年食ってからだな。歩行湯は路盤の色を反映して白っぽい。
ひょうたん温泉の地下空間と露天風呂
ずらりと並んだ地下の瀧湯
内湯空間から地下へ降りていく階段があって、その先に瀧湯(打たせ湯)があった。ひょうたん温泉を紹介する写真によく使われるやつだ。ジョボジョボっと落ちてくるお湯の滝がずらっと1列に並んでいる。その数なんと19本。自分以外の利用客はだいたい0~2名ってとこだが、全部埋まったとき=19人が横に並んで瀧に打たれる姿を想像すると結構シュールだ。
自分もチャレンジしてみた。人の身長よりはるかに高い位置から、チョロチョロでなく本当にジョボジョボと勢いよく落ちてくるお湯は圧がすごい。肩に当てれば激しく跳ね返って髪の毛から顔からびしょびしょになる。うわあ。こりゃ滝行に近い。
ふだん打たせ湯やらないんで、体験したってことですぐ退散。瀧湯は床の色を反映して赤茶のイメージ。
他に蒸し湯・水風呂のコーナーもあるけど、個人的に惹かれるものではなかったし時間の都合もあってパス。
気分爽快、広い広い露天風呂
最後に露天風呂へ行ってみた。もはや何名規模だか見積もれないくらいに広い。手前側がかなり浅くなっており、そのせいかそのあたりだけやたらぬるい。たまたま他に人がいなかったから、寝ころび湯的にぬる湯を楽しんでもよかったが、人の通り道っぽい雰囲気に気が引けた。露天風呂の奥まで行くと内湯の岩風呂と同じくらいの適温だった。日差しがきついながらも気分爽快。運良く誰もいないから独り占めでウハウハ。しつこいようだが広いなー。これ全部源泉かけ流しかよ。贅沢だなー。
露天エリアにも内湯空間にもベンチが豊富に設置されており、風呂めぐりの合間に気軽に休憩できる。しかも頭を乗せる出っ張りが付いていて心おきなく横になることが可能。試しに横になってみたらウトウトしてしまい、気づけば、あーータイムアップ。退出すべき時間となった。
風呂めぐりで地獄めぐり?
盛りだくさんのひょうたん温泉を後にしながら、ふと各風呂のイメージ色が頭をよぎった。意図したのかどうか知らないが、ご当地別府の地獄めぐりを思わせるじゃあないか。ひょうたん風呂(青)=海地獄
檜風呂(深緑)=鬼山地獄
岩風呂・露天風呂(灰)=鬼石坊主地獄
歩行湯(白)=白池地獄
瀧湯(赤茶)=血の池地獄
風呂めぐりが仮想の地獄めぐりにもなってるわけだ。うまくできてるね。
おまけ:寅さんも訪れた鉄輪温泉街
ひょうたん温泉を体験した我々は、鉄輪温泉街の「いでゆ坂」という通りをちょっとだけ散策してみた。「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」(シリーズ第30作)で寅さんの訪れた地へ、自分も来ることになるとはね。感慨深い。…全然人がいない。映画ではもっと活気にあふれてたと思ったが、全然人が歩いてない。鉄輪の目抜き通りのはずなんだけど。熱中症になりそうな天気だから?
道は小ぎれいで並ぶ建物はレトロな感じ。しばらく行くとヤング劇場なる目立つ大衆演劇場があった。ネーミングが刺さりますな。なにがどうヤングなのかはわからない。
当館は常設とはいえ、なんとなく寅さんと旅の一座の交流シーンを連想させる。こういう世界観がまだ残っているとはね。いいんじゃないのー。
いでゆ坂を地獄蒸し工房というお店まで来た。オーダーメイドで地獄蒸しを食べさせてくれるお店。このときは満席で20分待ちだった。とくにお腹すいてない我らはスルー。
そして散策終了。天下の鉄輪温泉をさらっと流しただけになっちゃったけど、まあ旅程の都合で仕方ない。風の向くまま気の向くままよ、と心の中では寅さんぽい台詞を吐きながら、実際は当初からの計画に従って次の目的地へと去っていった。
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