温泉に入りまくった大分ツアーも最後の夜。翌朝はゆっくりしていられない。8時台の特急に乗らなければならないからだ。でも心配ない。都合の良いことに別府は駅徒歩圏にも温泉宿がいっぱいある。
たくさんの候補の中から選んだのは「シーサイドホテル美松大江亭」。海が近くて眺めが良さそうだし、あれこれお願いしたり交渉するまでもなく朝食は7時から可能、という点が決め手となった。
立地と朝食開始時間で選んだため、他の要素についてはあまり深く検討せずに決めたのだが、いろんな面で結構しっかりした観光旅館だった。万人向けの安定感があると思う。
相応に規模のあるホテルなので、チェックインからアウトまで、館内だけで完結できる。町の騒音や場末感が侵入してくる隙などない。駅近の利便性と旅行気分の保全を兼ね備えているといえよう。
我々はレンタカーを返却する前に美松大江亭にチェックインした。駐車場に車を止めて、積んであったすべての荷物を部屋へ運び込み、一息ついてから別府駅前のレンタカー屋へ返却しに行った。
唐破風屋根が特徴的な、あちこちで紹介される有名どころだ。ノスタルジックな建物は想像していたよりもでかい。源泉かけ流しのお風呂があるほか、砂湯コーナーまである本格派。
では竹瓦温泉を体験…しなかった。温泉めぐりはさんざんやってもうお腹いっぱい。あとは宿泊先の風呂だけで十分だ。
しかしこのギャップは歓迎である。なんとなくグレード感が増した気がしてテンションが上がる。部屋を最初見たとき、メンバー共々「うわーお」と声を上げてしまった。畳の部屋と違って座卓はないし床に直接座るスタイルでもないが、広縁があるから寛ぐには困らない。
室内は新しさと清潔感に満ちている。シャワートイレ・洗面台・金庫・空の冷蔵庫・WiFiなど当然のごとく備わっており何の不満もない。オーシャンビューについては、水平線を見渡せる東方向ではなく、別府スパビーチという砂浜が見える北方向だった。物理の授業で習ったヤングの実験を彷彿させる防波堤。
調べると客室のバリエーションはいろいろある。畳の部屋もあるし、東方向の完璧オーシャンビューの部屋もある模様。一方で街側を向いた部屋もある。このへんは予算・空室状況と相談して決められたい。
エレベータは1基だけで待ち時間が長め。かつ7階止まり。7階から屋上へのラストワンフロアは階段しかないから、泊まる部屋が上層階であれば最初から階段を使った方が手っ取り早い。
脱衣所で温泉分析書をチェック…したような、しなかったような、記憶があやふやだけど、泉質はたしか「ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉」。
湯船につかりながらでも別府湾を望めるのが良い。それこそが最大の売りなのだ。日暮れ前は青い海と青い空(実はかなり雲に覆われていたが)、夜は航行する船や遠くの大分市臨海部の灯りが見事だった。
翌朝には日の出前の朝焼けを満喫した。暗い青が紫になり赤みが増したかと思えば明るい青に変化する様は見ていて飽きない。しかも温泉に入りながらだからね。こりゃ贅沢だ。
水平線付近に雲がどんどん出てきちゃって、ご来光的な日の出を拝めなかったのだけが残念だ。あと、朝焼けの光の中に立つミラーマンの影を見つけることもできなかった、参考までに。
温度が熱めだったのが惜しまれる。ぬるいのが好きなもんでね。お湯の中でじっくり景色を楽しむためにも、もう少しぬるいとベストだった。湯口からは熱い源泉がドボドボ注がれているが、隣にある別の口からも時々ぬるいお湯がジャーッという音を立てて投入される。でもすぐに終わってしまう。あのジャーッを常時やってほしいな。
お湯の特徴は露天風呂と同じだった。ただし照明の関係か、木の浴槽だからか、色が黄色じゃなくて茶色に見える。やっぱり熱めで長くは入れないけど、どこか(天井?)から吹いてくる風が結構強いのが功を奏して、のぼせる感じになりにくい。
海側の壁一面がガラス張りになっており、本当は景色を楽しめるはずなんだけど、すりガラスかと思うくらいに曇っていたから外は見えず。まあ夜で外は真っ暗だから関係ないといえばない。
温泉宿というのはどこも「これでもか」と豪華絢爛な料理を出してくる。テンション上がるし嬉しいんだけど、3泊目ともなると、この手の旅館メニューはかえって辛くなるのではないか…なんてことは全然なかった。
普通にうまいうまいとパクパク食べ進んだ。大分の食材がおしなべて良いのと、かぼす等でさっぱり系のアクセントを加えているのが良かったのか。昼を抜いたおかげもあるだろうけど。
途中で地獄蒸しも出てきた。別府らしさを味わうには適任だ。食べるチャンスなどいくらでもあるわと侮っていたら結局ノーチャンスで終わりそうだったから、ありがたい。
我々は当然のごとく7時に行ったら、ほとんど誰もいなくてガラガラだった。途中でアジア系の方が、一人旅なのか仲間はまだ寝ているのか、単身やって来て朝食をとっていた。
当宿では海外からの観光客の姿が目立った。むしろそっちが多数派といえるくらい。スタッフも手慣れた様子ですらすらと英語で対応していたのが印象的だ。
海を見渡すあのロマンチックな露天風呂はお国を問わず人気を博しそうな気がする。世界に羽ばたくMimatsu Oetei、いいんじゃないの。
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たくさんの候補の中から選んだのは「シーサイドホテル美松大江亭」。海が近くて眺めが良さそうだし、あれこれお願いしたり交渉するまでもなく朝食は7時から可能、という点が決め手となった。
立地と朝食開始時間で選んだため、他の要素についてはあまり深く検討せずに決めたのだが、いろんな面で結構しっかりした観光旅館だった。万人向けの安定感があると思う。
シーサイドホテル美松大江亭へのアクセス
別府駅徒歩10分、海のそば
美松大江亭はJR別府駅から徒歩10分。国道沿いにそびえる別府タワーから1本海側の路地にある。すぐそばが海という立地だ。名前の通りシーサイド。大通りから1本入っただけでずいぶん人の往来は少なくなり、騒がしさも大幅に減る。相応に規模のあるホテルなので、チェックインからアウトまで、館内だけで完結できる。町の騒音や場末感が侵入してくる隙などない。駅近の利便性と旅行気分の保全を兼ね備えているといえよう。
我々はレンタカーを返却する前に美松大江亭にチェックインした。駐車場に車を止めて、積んであったすべての荷物を部屋へ運び込み、一息ついてから別府駅前のレンタカー屋へ返却しに行った。
プチ“ぶら~り”で竹瓦温泉を見物
それから徒歩で美松大江亭へ戻る際にちょっと寄り道して商店街をぶらぶら散策。観光地の風情と地元の日常生活感が混じり合った雰囲気の中を進んでいくと、竹瓦温泉という共同浴場の前に出た。唐破風屋根が特徴的な、あちこちで紹介される有名どころだ。ノスタルジックな建物は想像していたよりもでかい。源泉かけ流しのお風呂があるほか、砂湯コーナーまである本格派。
では竹瓦温泉を体験…しなかった。温泉めぐりはさんざんやってもうお腹いっぱい。あとは宿泊先の風呂だけで十分だ。
ビーチビューの洋室
散策を終えて美松大江亭6階の自分たちの部屋まで戻ってきた。チェックインの際に驚いたのは、ベッドのある和モダン風味の洋室だったこと。てっきり畳の和室だと勝手に思い込んでいた。しかしこのギャップは歓迎である。なんとなくグレード感が増した気がしてテンションが上がる。部屋を最初見たとき、メンバー共々「うわーお」と声を上げてしまった。畳の部屋と違って座卓はないし床に直接座るスタイルでもないが、広縁があるから寛ぐには困らない。
室内は新しさと清潔感に満ちている。シャワートイレ・洗面台・金庫・空の冷蔵庫・WiFiなど当然のごとく備わっており何の不満もない。オーシャンビューについては、水平線を見渡せる東方向ではなく、別府スパビーチという砂浜が見える北方向だった。物理の授業で習ったヤングの実験を彷彿させる防波堤。
調べると客室のバリエーションはいろいろある。畳の部屋もあるし、東方向の完璧オーシャンビューの部屋もある模様。一方で街側を向いた部屋もある。このへんは予算・空室状況と相談して決められたい。
海の見える絶景大浴場
屋上にある露天風呂
美松大江亭の大浴場は内湯が3階、露天風呂が屋上にある。まずはやっぱり露天風呂でしょう。エレベータは1基だけで待ち時間が長め。かつ7階止まり。7階から屋上へのラストワンフロアは階段しかないから、泊まる部屋が上層階であれば最初から階段を使った方が手っ取り早い。
脱衣所で温泉分析書をチェック…したような、しなかったような、記憶があやふやだけど、泉質はたしか「ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉」。
別府湾の眺めが最高
浴室エリアは真ん中に舟形の浴槽がどーんと。8名規模のサイズで、少なくとも男湯のはタイル張り。半分ほどが屋根に覆われ、底が浅いところと普通の深さのところがある。湯船につかりながらでも別府湾を望めるのが良い。それこそが最大の売りなのだ。日暮れ前は青い海と青い空(実はかなり雲に覆われていたが)、夜は航行する船や遠くの大分市臨海部の灯りが見事だった。
翌朝には日の出前の朝焼けを満喫した。暗い青が紫になり赤みが増したかと思えば明るい青に変化する様は見ていて飽きない。しかも温泉に入りながらだからね。こりゃ贅沢だ。
水平線付近に雲がどんどん出てきちゃって、ご来光的な日の出を拝めなかったのだけが残念だ。あと、朝焼けの光の中に立つミラーマンの影を見つけることもできなかった、参考までに。
黄色くて熱めのお湯
いろいろ後回しになってしまった。カランは1段低くなったところに4名分ある。お湯の見た目はクリアな黄色。湯につかるとかすかに泡付きがあり、微妙に湯の花らしきものを確認できる。匂いはこの泉質にありがちなやつで、軽い木材系アブラ臭あり。温度が熱めだったのが惜しまれる。ぬるいのが好きなもんでね。お湯の中でじっくり景色を楽しむためにも、もう少しぬるいとベストだった。湯口からは熱い源泉がドボドボ注がれているが、隣にある別の口からも時々ぬるいお湯がジャーッという音を立てて投入される。でもすぐに終わってしまう。あのジャーッを常時やってほしいな。
内湯も同じような特徴
内湯は夜に1回だけ行ってみた。浴室内には6つのカランと、中央に舟形の8名規模の浴槽がどーんと。こちらは木造。お湯の特徴は露天風呂と同じだった。ただし照明の関係か、木の浴槽だからか、色が黄色じゃなくて茶色に見える。やっぱり熱めで長くは入れないけど、どこか(天井?)から吹いてくる風が結構強いのが功を奏して、のぼせる感じになりにくい。
海側の壁一面がガラス張りになっており、本当は景色を楽しめるはずなんだけど、すりガラスかと思うくらいに曇っていたから外は見えず。まあ夜で外は真っ暗だから関係ないといえばない。
大分最後の夜を楽しむ食事
地獄蒸しにありつけた夕食
美松大江亭の食事は朝夕とも2階の食事処で。部屋ごとに決まったテーブル席へ案内される。夕食のスターティングメンバーがこれ。お上品な感じ。温泉宿というのはどこも「これでもか」と豪華絢爛な料理を出してくる。テンション上がるし嬉しいんだけど、3泊目ともなると、この手の旅館メニューはかえって辛くなるのではないか…なんてことは全然なかった。
普通にうまいうまいとパクパク食べ進んだ。大分の食材がおしなべて良いのと、かぼす等でさっぱり系のアクセントを加えているのが良かったのか。昼を抜いたおかげもあるだろうけど。
途中で地獄蒸しも出てきた。別府らしさを味わうには適任だ。食べるチャンスなどいくらでもあるわと侮っていたら結局ノーチャンスで終わりそうだったから、ありがたい。
小鉢主体の朝食
朝は小鉢で攻めてくる。少ないようで結構な量がある。魚はあれだ…何ていう名前だっけ…忘れた。我々は当然のごとく7時に行ったら、ほとんど誰もいなくてガラガラだった。途中でアジア系の方が、一人旅なのか仲間はまだ寝ているのか、単身やって来て朝食をとっていた。
当宿では海外からの観光客の姿が目立った。むしろそっちが多数派といえるくらい。スタッフも手慣れた様子ですらすらと英語で対応していたのが印象的だ。
海を見渡すあのロマンチックな露天風呂はお国を問わず人気を博しそうな気がする。世界に羽ばたくMimatsu Oetei、いいんじゃないの。
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