偏見を承知で言うと、女子の誰もが憧れる由布院温泉。そこへおっさん若干名のグループが夏の終わりに訪れたのである。せっかく大分まで来たからには全国区の名湯に入ってみたいんで、各位ご了承願いたい。
宿泊先は「御宿なか屋」。料理自慢の旅館だそうで期待が膨らんじゃうね。規模は小さめで素朴な雰囲気ながらも、ハード・ソフト両面ともしっかりした印象で、満足度は高かった。
加えて気に入ったのが、ぬるめのお風呂。ぬる湯が好きだし残暑厳しい折だったから本当に良かった。我ながらうまいところを見つけたもんだ。
JR由布院駅やバスターミナルから駅前通りをしばらく歩くと、白滝橋というところで由布院を象徴する湯の坪街道の起点にぶつかる。そこから湯の坪街道に入り、いかにもなスイーツなお店を見ながらてくてく進むと、湯の坪川とクロスする橋まで来る。橋の手前を右折すれば御宿なか屋はすぐそこだ。
結構中心部というか便利なロケーションだね。湯の坪街道のお店をのぞくなどせず、まっすぐ行くならば駅から徒歩15分前後。宿から観光スポットの金鱗湖までは10分くらい。
和の雰囲気を前面に押し出した館内は小ぎれいで好感が持てる。玄関やロビーに自転車が飾ってあったのはなんだろう。
シャワートイレ・洗面台あり。空の冷蔵庫と金庫あり。何の不自由もない。WiFiはロビーにそれらしき説明があった(外国人客向けの英語)。でも詳細がよくわからなくてテザリングで間に合わせた。本気で取り組めばWiFi使えたかもしれない。
窓から正面に由布岳が見えるのはポイント高い。天気が良ければ広縁の椅子に座ってボーッと由布岳を眺めていたら幸せな気分になれそう。
外といっても湯の坪街道にお酒の自販機は見当たらない。地ビールを売ってる土産店はあれど普通の酒屋もない。湯の坪街道を金鱗湖方面に5分ほど行くと、一本となりの幹線道路(駅前通りから続く道)沿いにコンビニがある。我々はそこでお酒を買い出しした。
でも小規模だからと侮れない。ちゃんと男女別に内湯と露天風呂がある。男湯の脱衣所で分析書を探してみたけど見当たらなかった。ネットで探ってみた限りではどうやら弱アルカリ性の単純温泉のようだ。
浴室へ入ると2名分の洗い場と3名規模の内湯浴槽があった。熱かったらどうしようと思いながらお湯に触れたら…お、ぬるい。やったぜラッキー。これにて我が勝利(?)は揺るぎないものとなった。
浴槽の底には黒っぽい石が敷き詰めてあり、室内が暗めのせいもあってお湯の色はよくわからないが、たぶん無色透明で間違いない。特徴的な匂いはなし。湯の花の存在も意識に上ることはなかった。
やさしいマイルド湯ってやつで、ぬるいからいつまでも入っていられる系だ。夏は特にありがたい。そして源泉かけ流し。いいですねー。
残暑の日差しはきついが、そよぐ風はすっかり秋のもの。爽やかな風に当たりながら仁王立ちで由布岳を眺める。うむ風流なり。本人はすっかり悦に入っているが傍から見れば裸のおっさんだ。ここが塀に囲まれた露天風呂でなければただの変態野郎。
一応は善良な市民なんで、不審者事案が発生する前に湯に浸かる。内湯よりもう少しだけぬるめで無色透明の無臭。明るいからわずかに湯の花が確認できたし、二の腕や脇腹にちょっとだけ泡付きが見られた。
なお、露天風呂も源泉かけ流しだけど、どこからお湯を投入しているのかわかりにくい。一般的な、湯口からドボドボ…ではないのだ。一方で浴槽の壁や底からこっそり(?)源泉を忍ばせてくるところがたまにある。同行メンバーが見つけた投入口はやっぱりそのパターンだった。
源泉を空気に触れさせずに入れるから酸化しにくく、鮮度を保てるかわりに、冷ましにくいパターン。でもここの露天風呂は適度にぬるい。おみそれしました。
ああそうそう忘れるところだった。朝風呂は8時でおしまいになり清掃に入る。チェックアウト前に最後のひとっ風呂を…と目論んでいる方はご注意。
夕食のスターティングメンバーがこれ。ドーン・ババーンと擬音を伴いそうな派手さはなくても、すべての収まりが良くてちょっといい感じじゃありませんか。
ご主人は大阪で料理の修行をされていたと御宿なか屋のホームページにある。やはりプロの料理人の仕事だな…と、わかったようなことを言いながら実はさっぱりわかっていないけど、ようはうまけりゃいいのよ。
そして次々にやってまいりました。ええでええで。
たしかにどれもこれもうまいわ。味は濃すぎず薄すぎず、淡白すぎずクドすぎず、流れるように食べ進み、気がつけばお腹いっぱい。締めのご飯はちょっとしか食べられなかった。
記憶があやふやになってきてしまったが、大分らしくかぼす系の味付けをするものが散見された気がする。朝夕とも全般に魚・肉・野菜の食材のバランスが取れていて満足感のある食事だった。
ものすごくエコノミーではないけど、気取った高級旅館でもない点はありがたい。我々くらいの層にちょうどマッチした宿としてこれからも頑張っていただきたいものである。
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宿泊先は「御宿なか屋」。料理自慢の旅館だそうで期待が膨らんじゃうね。規模は小さめで素朴な雰囲気ながらも、ハード・ソフト両面ともしっかりした印象で、満足度は高かった。
加えて気に入ったのが、ぬるめのお風呂。ぬる湯が好きだし残暑厳しい折だったから本当に良かった。我ながらうまいところを見つけたもんだ。
由布院温泉「御宿なか屋」へのアクセス
我ら一行は大分空港から直行バスで由布院入りした。1時間くらいの乗車だから遠く感じない。別府あたりから向かう場合も鉄道よりはバスが便利だと思う。JR由布院駅やバスターミナルから駅前通りをしばらく歩くと、白滝橋というところで由布院を象徴する湯の坪街道の起点にぶつかる。そこから湯の坪街道に入り、いかにもなスイーツなお店を見ながらてくてく進むと、湯の坪川とクロスする橋まで来る。橋の手前を右折すれば御宿なか屋はすぐそこだ。
結構中心部というか便利なロケーションだね。湯の坪街道のお店をのぞくなどせず、まっすぐ行くならば駅から徒歩15分前後。宿から観光スポットの金鱗湖までは10分くらい。
小規模旅館ならではの好感触
小ぢんまりとまとまりの良い館内
我々はまず荷物だけを預けて、徒歩15分の高台にある旅館・泰葉で立ち寄り入浴させてもらい、また戻ってきてからチェックインした。和の雰囲気を前面に押し出した館内は小ぎれいで好感が持てる。玄関やロビーに自転車が飾ってあったのはなんだろう。
由布岳がよく見える部屋
客室は2階にあり、数は多くない(7室)。少人数で静かに過ごしたい人に向いているだろう。我々が案内された部屋は7.5畳+広縁。7.5畳以外の部分がゆったりしていて余裕ある作り。シャワートイレ・洗面台あり。空の冷蔵庫と金庫あり。何の不自由もない。WiFiはロビーにそれらしき説明があった(外国人客向けの英語)。でも詳細がよくわからなくてテザリングで間に合わせた。本気で取り組めばWiFi使えたかもしれない。
窓から正面に由布岳が見えるのはポイント高い。天気が良ければ広縁の椅子に座ってボーッと由布岳を眺めていたら幸せな気分になれそう。
飲み物は外で買い出しすべし
あと自販機について補足。最近のたいがいの旅館は自販機を置いている。湯上がりに一杯やりたくなったらビールなんかを買ったりするわけだ。しかし当宿は自販機を置いていない。外で買ってきて冷蔵庫に入れておく方式だ。外といっても湯の坪街道にお酒の自販機は見当たらない。地ビールを売ってる土産店はあれど普通の酒屋もない。湯の坪街道を金鱗湖方面に5分ほど行くと、一本となりの幹線道路(駅前通りから続く道)沿いにコンビニがある。我々はそこでお酒を買い出しした。
なかなかの実力派。御宿なか屋のお風呂
長湯派は大喜びのマイルドぬるめな内湯
御宿なか屋のお風呂は1階の奥にある。宿に見合った規模でそんなに広いわけではないが十分だろう。夕方と夜に入ってほぼ独占、他の客がいても1名ってとこだった。
でも小規模だからと侮れない。ちゃんと男女別に内湯と露天風呂がある。男湯の脱衣所で分析書を探してみたけど見当たらなかった。ネットで探ってみた限りではどうやら弱アルカリ性の単純温泉のようだ。
浴室へ入ると2名分の洗い場と3名規模の内湯浴槽があった。熱かったらどうしようと思いながらお湯に触れたら…お、ぬるい。やったぜラッキー。これにて我が勝利(?)は揺るぎないものとなった。
浴槽の底には黒っぽい石が敷き詰めてあり、室内が暗めのせいもあってお湯の色はよくわからないが、たぶん無色透明で間違いない。特徴的な匂いはなし。湯の花の存在も意識に上ることはなかった。
やさしいマイルド湯ってやつで、ぬるいからいつまでも入っていられる系だ。夏は特にありがたい。そして源泉かけ流し。いいですねー。
由布岳を望む露天風呂へ
さあ真打ちの露天風呂へ。内湯からすぐ外へ出たところに、目隠しの塀に囲まれた5~6名規模の岩風呂があった。風呂の脇に立つと、塀の上に由布岳の頭が見える。なんというか趣のある形をしている。残暑の日差しはきついが、そよぐ風はすっかり秋のもの。爽やかな風に当たりながら仁王立ちで由布岳を眺める。うむ風流なり。本人はすっかり悦に入っているが傍から見れば裸のおっさんだ。ここが塀に囲まれた露天風呂でなければただの変態野郎。
一応は善良な市民なんで、不審者事案が発生する前に湯に浸かる。内湯よりもう少しだけぬるめで無色透明の無臭。明るいからわずかに湯の花が確認できたし、二の腕や脇腹にちょっとだけ泡付きが見られた。
源泉かけ流しの本格派
赤い含鉄泉や白濁硫黄泉ほどのわかりやすい特徴はないけれど、これはこれで嫌いじゃない。ぬるくてマイルド、30分浸かったままでも大丈夫なのが長湯派にはうれしい。ちょっとしたヌルヌル感もあり、お肌にも良さそう。おっさんだけどな。なお、露天風呂も源泉かけ流しだけど、どこからお湯を投入しているのかわかりにくい。一般的な、湯口からドボドボ…ではないのだ。一方で浴槽の壁や底からこっそり(?)源泉を忍ばせてくるところがたまにある。同行メンバーが見つけた投入口はやっぱりそのパターンだった。
源泉を空気に触れさせずに入れるから酸化しにくく、鮮度を保てるかわりに、冷ましにくいパターン。でもここの露天風呂は適度にぬるい。おみそれしました。
貸し切り家族風呂もあるよ
いやーいいお湯だった。なか屋には他に貸し切りで入れる家族風呂もある。我々が泊まった平日に限らず、週末でも風呂場が芋洗いになる事態は想像しにくいが、とにかく確実に独占状態で入りたい方は家族風呂にトライしてみるのもいいだろう。ああそうそう忘れるところだった。朝風呂は8時でおしまいになり清掃に入る。チェックアウト前に最後のひとっ風呂を…と目論んでいる方はご注意。
さすが料理自慢の宿
すべてが絶妙に“ちょうどいい”夕食
御宿なか屋の食事は朝夕とも1階の食事処で。部屋ごとに決まったテーブルにつく。個室ではないがテーブル同士はそれなりに離れており、ごちゃっとした雰囲気はなく、落ち着いて楽しめる。夕食のスターティングメンバーがこれ。ドーン・ババーンと擬音を伴いそうな派手さはなくても、すべての収まりが良くてちょっといい感じじゃありませんか。
ご主人は大阪で料理の修行をされていたと御宿なか屋のホームページにある。やはりプロの料理人の仕事だな…と、わかったようなことを言いながら実はさっぱりわかっていないけど、ようはうまけりゃいいのよ。
そして次々にやってまいりました。ええでええで。
たしかにどれもこれもうまいわ。味は濃すぎず薄すぎず、淡白すぎずクドすぎず、流れるように食べ進み、気がつけばお腹いっぱい。締めのご飯はちょっとしか食べられなかった。
バランス良しの朝食
朝はオーソドックスに近い和定食。温泉地で温泉玉子じゃない半熟玉子が出るのは珍しいかも。記憶があやふやになってきてしまったが、大分らしくかぼす系の味付けをするものが散見された気がする。朝夕とも全般に魚・肉・野菜の食材のバランスが取れていて満足感のある食事だった。
おじさんにはありがたい好宿
ベタな観光地としての由布院は正直、地味なおじさん達には溶け込みきれず、どうしても浮いた感じ・場違い感があった。そんな中でも御宿なか屋はミドル~シニアにとって静かに温泉や料理を楽しめる環境が整った好宿だ。ものすごくエコノミーではないけど、気取った高級旅館でもない点はありがたい。我々くらいの層にちょうどマッチした宿としてこれからも頑張っていただきたいものである。
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