夏のグループ旅行で訪れた野沢温泉は一大スキーエリアでもあるので、周囲の山という山にゲレンデが作られている。滑るコースがあるなら当然、スタート地点へ上っていくためのリフトやゴンドラも整備されている。
そのひとつが長坂ゴンドラリフト。夏も運行されており、終点の上ノ平高原には花畑やブナ林が広がり、それらをめぐる遊歩道が作られている。
2018年の夏はおそろしく暑かった。避暑のつもりで来た野沢温泉街でさえサウナのような暑さ。そんな時に行った上ノ平高原は標高1400mという高所だけあって風が涼しい。一服の清涼剤のような観光スポットとして、うまい具合にはまってくれた。
温泉街まで来たらひとまず長坂ゴンドラリフトの乗り場を目指そう。その際、温泉街の真ん中を抜けていくルートは道が狭くてごちゃついてるし急坂で大変だ。いったん温泉街のはずれにある中尾駐車場まで行き、そこから分岐する道を使えば、サンデードライバーでも涙目にならずにすむ。
ゴンドラ乗り場から先は2通りの行き方がある。ひとつは車を置いてゴンドラに乗る(往復1200円)。もうひとつはそのまま車で山道を上っていく(片道13km・30分)。観光案内所で聞いた話では、対向車同士がすれ違える程度の幅はある道だから、あまり恐れなくてもいいようだ。
コスパでいえば車なんだろうが、我々は空中散歩を楽しむことも目的にしていたので、車を置いてゴンドラリフト乗り場へ。
我々が乗り込むと、一瞬ガクンと揺れた後、一気に加速。ぐんぐん上昇。すばらしいスピードでどんどん上る。下界があっという間に遠くなった。
やがて駅に着いたので、動くゴンドラからまず最初に自分がさっそうと降り立つと、係員が寄ってきて「ここは中間地点です。終点はまだ先です」だと。湯の峰駅という中間駅だった…やってまった~。あわてて元のゴンドラに飛び乗って復帰。
麓から15分ほどで今度こそ終点のやまびこ駅に到着。この付近一帯が上ノ平高原ってわけか。
写真右手の木の間にハンモックが架かっている。試したメンバーの話ではチョー気持ちよかったそうだ。たしかに、少し離れたところにあるもうひとつのハンモックは、別の客がずっと独占していた。魔性のハンモックですな。
迷ったあげく、どうやらゴンドラ駅を背にして前進する(上る)んじゃなく、むしろ反対方向へ下っていくのだと見当をつけた。上の写真でいうとハンモックの右側にある道を行く。するとこういう感じになる。
しばらく進むと遊歩道のいくつかのコースを示す案内標識があった。ただし簡素でアバウトなもの。矢印の方に歩いていくと遊歩道があるよ、という程度の意味で、目の前にあるのはコースと直接関係のない車道とマレットゴルフ場のみ。
唯一、目の前から林の中へ続く小径がはっきりしていたコースを選択した。花畑コースだったかな。
と思う間もなく不気味な札が出現。
熊…だと…? 出るんかいー。勘弁してくれよ。そばに立てかけてあった太い枝きれで札を叩きまくってやったら、あたりにカンカンと高い音が鳴り響いた。これで熊よけになったかな。
しかし行く手には気になる引っかき傷のような跡が残る幹とかもあるし、古い小さいものとはいえ動物のフンが転がっているのも発見した。え゛ー、このへんを普通にうろついてるんじゃないの、アニマルさん。まじ勘弁。
コースに入ってから15分くらいでその開けた草地へ合流した。何名かの人の姿がちらほら見える。ちょっとホッとした。
本来は草地を突っ切ってさらに進み1周して戻るコースだったが、皆そろそろ未知の道を行く気力・体力が尽きかけており、無難に来た道をそのまま引き返した。
帰りのゴンドラに乗る際には冷たいおしぼりサービスがあった。気が利いてますな。ゴンドラリフト内は蒸し暑さを感じる瞬間もあったからね。
上ノ平高原は山の頂上ってわけじゃない。標高1650mの毛無山からみれば山麓である。たしかにゴンドラ終点からは山の頂が見えた。しかも山のてっぺんまでスキー場が整備されていた。
これ、上から野沢温泉付近まで滑降するのだとすると、高低差といい長さといい、相当な規模なんじゃないか。雪のない夏だからこそ、その途方もなさをより実感することができた、ような気がする。
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そのひとつが長坂ゴンドラリフト。夏も運行されており、終点の上ノ平高原には花畑やブナ林が広がり、それらをめぐる遊歩道が作られている。
2018年の夏はおそろしく暑かった。避暑のつもりで来た野沢温泉街でさえサウナのような暑さ。そんな時に行った上ノ平高原は標高1400mという高所だけあって風が涼しい。一服の清涼剤のような観光スポットとして、うまい具合にはまってくれた。
ゴンドラで行く上ノ平高原
ゴンドラリフト乗り場までのアクセス
今回の旅の移動手段は車。上ノ平高原の麓は野沢温泉だからアクセスについて何も言うことはない。野沢温泉までは迷いようがない。温泉街まで来たらひとまず長坂ゴンドラリフトの乗り場を目指そう。その際、温泉街の真ん中を抜けていくルートは道が狭くてごちゃついてるし急坂で大変だ。いったん温泉街のはずれにある中尾駐車場まで行き、そこから分岐する道を使えば、サンデードライバーでも涙目にならずにすむ。
ゴンドラ乗り場から先は2通りの行き方がある。ひとつは車を置いてゴンドラに乗る(往復1200円)。もうひとつはそのまま車で山道を上っていく(片道13km・30分)。観光案内所で聞いた話では、対向車同士がすれ違える程度の幅はある道だから、あまり恐れなくてもいいようだ。
コスパでいえば車なんだろうが、我々は空中散歩を楽しむことも目的にしていたので、車を置いてゴンドラリフト乗り場へ。
誤った途中下車に注意
ゴンドラは結構なスピードで次々とやってくる。冬の最盛期のスキー客をさばくんだから当たり前か。機体の外にスキー板を留め置く仕掛けのない、すっきりしたデザインの4人乗り。犬と一緒の乗車もOKだ。我々が乗り込むと、一瞬ガクンと揺れた後、一気に加速。ぐんぐん上昇。すばらしいスピードでどんどん上る。下界があっという間に遠くなった。
やがて駅に着いたので、動くゴンドラからまず最初に自分がさっそうと降り立つと、係員が寄ってきて「ここは中間地点です。終点はまだ先です」だと。湯の峰駅という中間駅だった…やってまった~。あわてて元のゴンドラに飛び乗って復帰。
麓から15分ほどで今度こそ終点のやまびこ駅に到着。この付近一帯が上ノ平高原ってわけか。
写真右手の木の間にハンモックが架かっている。試したメンバーの話ではチョー気持ちよかったそうだ。たしかに、少し離れたところにあるもうひとつのハンモックは、別の客がずっと独占していた。魔性のハンモックですな。
遊歩道をちょっとお試し
案内がないから迷いやすい
さて、事前調査によると付近にいくつかの遊歩道コースが設定されているはずなのだが、周辺をちょっと探索してみてもよくわからない。案内がなにもないのだ。スキーのコースやリフト乗り場を示す案内標識はあるけど…。こうした点は完全に冬向けに振り切って整備されている印象だ。迷ったあげく、どうやらゴンドラ駅を背にして前進する(上る)んじゃなく、むしろ反対方向へ下っていくのだと見当をつけた。上の写真でいうとハンモックの右側にある道を行く。するとこういう感じになる。
しばらく進むと遊歩道のいくつかのコースを示す案内標識があった。ただし簡素でアバウトなもの。矢印の方に歩いていくと遊歩道があるよ、という程度の意味で、目の前にあるのはコースと直接関係のない車道とマレットゴルフ場のみ。
唯一、目の前から林の中へ続く小径がはっきりしていたコースを選択した。花畑コースだったかな。
林の中を散策するコース
ありがたいことに道が木立の中へ入ると厳しい日差しが遮られて、もともと涼し気だった風はいっそう涼しく吹き抜けるようになった。うわーい、ほっとするぅ~。と思う間もなく不気味な札が出現。
熊…だと…? 出るんかいー。勘弁してくれよ。そばに立てかけてあった太い枝きれで札を叩きまくってやったら、あたりにカンカンと高い音が鳴り響いた。これで熊よけになったかな。
しかし行く手には気になる引っかき傷のような跡が残る幹とかもあるし、古い小さいものとはいえ動物のフンが転がっているのも発見した。え゛ー、このへんを普通にうろついてるんじゃないの、アニマルさん。まじ勘弁。
コースの半分で引き返す
とはいえ、コースは林の奥深くではなく、10メートルも離れていない目と鼻の先に舗装道やリフトの鉄塔や開けた草地(冬はゲレンデになる場所)が見えるから、まだ安心感はあるけどね。まあ何の安全保証にもなっていないが心理的優位ってやつよ。コースに入ってから15分くらいでその開けた草地へ合流した。何名かの人の姿がちらほら見える。ちょっとホッとした。
本来は草地を突っ切ってさらに進み1周して戻るコースだったが、皆そろそろ未知の道を行く気力・体力が尽きかけており、無難に来た道をそのまま引き返した。
冬だけじゃない、上ノ平高原
我々が当地でやったことといえばそれだけ。でも風が涼しい高原で、森林浴を兼ねたウォーキングだかハイキングだかができたから、よしとしよう。なお、夏の上ノ平高原はヤナギランガーデンとも呼ばれ、あちこちにヤナギランの花が見られる。帰りのゴンドラに乗る際には冷たいおしぼりサービスがあった。気が利いてますな。ゴンドラリフト内は蒸し暑さを感じる瞬間もあったからね。
上ノ平高原は山の頂上ってわけじゃない。標高1650mの毛無山からみれば山麓である。たしかにゴンドラ終点からは山の頂が見えた。しかも山のてっぺんまでスキー場が整備されていた。
これ、上から野沢温泉付近まで滑降するのだとすると、高低差といい長さといい、相当な規模なんじゃないか。雪のない夏だからこそ、その途方もなさをより実感することができた、ような気がする。
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