2018年の梅雨時。函館へのグループ旅行にて戸井・恵山エリアをレンタカーで周遊してみた。最終的には旧椴法華(とどほっけ)村まで行き、そこの「ホテル恵風(けいぷ)」で立ち寄り入浴した。
恵風はcape=岬をかけた名前だろう。恵山岬に立つ当ホテルには、宿泊者専用風呂と日帰り温泉施設「とどぽっくる」があって、我々が体験した後者は岬の突端や海を眺めながら入るというわけにはいかないが、2種類の源泉を提供していることが売りである。
全般にやや熱いお湯なので、ぬる湯好きよりは熱め好きの方が向いているかもしれない。
そんな椴法華村も現在は函館市恵山岬町となった。ホテル恵風は恵山岬町の観光拠点であり、函館市内からの送迎を行って集客に努めている(要予約、詳細は要問い合わせ)。
JR函館駅から自力で路線バスに乗って行こうとすると、90分かかるようだ(ホテル恵風のホームページより)。しかも便数は極度に少なく、あまり現実的ではない。やっぱり車かな。
我々はレンタカーで海沿いの恵山国道を走り、戸井・恵山を観光しながらホテル恵風までやって来た。この日の天候と岬という立地からして風が強い。冒頭の写真を撮る際も風にあおられて体が揺れる揺れる。かざしたスマホを飛ばされそうだった。
駐車場からは灯台の頭と水平線がちらりと見える。
また反対側には恵山の荒々しい山肌も見える。なかなかの好立地だ。
とどぽっくるの男湯脱衣所の様子から判断するに、それほど混み合ってはいない。よし、ゆったり入れそうだ。提供される2種類の源泉に対応して、分析書には4号泉「ナトリウム-塩化物泉、高張性、中性、高温泉」(源泉名:水無温泉)、ならびに5号泉「カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物泉、低張性、中性、高温泉」(源泉名:恵山岬温泉)とあった。
そこそこ広い浴室には、十分な数のカランが並ぶ洗い場と、3つの浴槽が見えた。一番手前にあるのが3~4名規模の小浴槽。ここには無色透明の4号泉が投入されている。
入ってみたら、うわあ熱い。今回体験した中では一番熱かった。長湯することは難しく、少し入っては出て休憩して…を繰り返すパターンになるだろう。匂いを嗅いでみると、かすかに甘い香りがした。
甘い香りは4号泉よりも強く感じられる。そしてキシ感がある。ヌルヌルするお湯はこれまで何度も体験してきたが、キシキシする感触は当館で初めてはっきり意識した。色・匂い・浴感の面から、非日常感とか特別感でいうと、4号泉よりも5号泉に軍配が上がる。まあ最終的には好みの問題。
メイン浴槽に隣接して2名規模のジャグジー風呂もある。5号泉が使われているのではないかと思う。時間的な都合で入るのは見送ったけど、熱さはたぶん同程度。ぬるくはないだろう。
最後は5名規模の露天岩風呂。ここに投入されているのは5号泉。温度的には適温レベルで一番入りやすかったかな。内湯ほどの黄色味はなく、もっと無色に近くて、ささ濁りといったところ。
この岩風呂はいい感じで入れるね。でも周囲を目隠しの塀で完全に覆われているから、海も恵山も見えない。不満を感じるまではないけれど、立地が良いだけに惜しい。
こうしてざっとひと通り試したところでタイムアップ・終了。スケジュールの都合もあってちょっと駆け足での入浴体験となった。まさにホテル恵風にふさわしく、風のように現れて風のように去っていったのである。
おお、あそこか。この時点ではまだ海水の下に隠れていてわかりにくい。
写真の右端にチラッと見えているのは更衣室。整備された温泉施設のつもりで来ちゃうと、更衣室で服を脱いでから裸のまま、数十メートルを歩いていく羽目になる。たいがい観光客か地元民が少なくとも数名いるから、さらし者になること間違いなしだ。
我々は入浴狙いではなく、ただ見に来ただけ(干潮の時刻に合わないことは事前の調べでわかっていた)。この組んだ石に囲まれたどこかにお湯が湧いているのだろう。
いったん引き上げて、記事の本題に書いた通り「とどぽっくる」に入浴し、その後に再びやって来た。潮は多少引いていたがやっぱり入浴は無理。湯船に軽く手を突っ込んでみたらまだ冷たかった。
この日は地元のお子様達が水遊びをするためにママ同伴で集まっていた模様。湯船に服を着たまま飛び込んで、きゃっきゃと楽しそうに動き回っていた。まだ温かいとは言えないけど、天然の温水プールってわけだ、結構ですなあ。
【この旅行に関する他の記事】
恵風はcape=岬をかけた名前だろう。恵山岬に立つ当ホテルには、宿泊者専用風呂と日帰り温泉施設「とどぽっくる」があって、我々が体験した後者は岬の突端や海を眺めながら入るというわけにはいかないが、2種類の源泉を提供していることが売りである。
全般にやや熱いお湯なので、ぬる湯好きよりは熱め好きの方が向いているかもしれない。
ホテル恵風へのアクセス
現在は函館市に編入されている旧・椴法華村。初見では「とどほっけ」って読めない難読地名だ。トド肉とホッケの開きを食べたくなるような名前だが、それらは関係ない。アイヌ語で岬の陰を意味する“トトポケ”が由来らしい。そんな椴法華村も現在は函館市恵山岬町となった。ホテル恵風は恵山岬町の観光拠点であり、函館市内からの送迎を行って集客に努めている(要予約、詳細は要問い合わせ)。
JR函館駅から自力で路線バスに乗って行こうとすると、90分かかるようだ(ホテル恵風のホームページより)。しかも便数は極度に少なく、あまり現実的ではない。やっぱり車かな。
我々はレンタカーで海沿いの恵山国道を走り、戸井・恵山を観光しながらホテル恵風までやって来た。この日の天候と岬という立地からして風が強い。冒頭の写真を撮る際も風にあおられて体が揺れる揺れる。かざしたスマホを飛ばされそうだった。
駐車場からは灯台の頭と水平線がちらりと見える。
また反対側には恵山の荒々しい山肌も見える。なかなかの好立地だ。
2種類の源泉を楽しめる日帰り温泉「とどぽっくる」
熱い塩化物泉の内湯小浴槽
さて入館。靴を下足箱にしまい、自販機で入浴券を買う(400円)。時間が押していたため館内を探検する余裕はなかったが、ホテルというよりは日帰り温泉施設のカラーが強いと感じた。たしか、ホテルのロビーはこちら・日帰り温泉「とどぽっくる」はこちら、と通路が振り分けられていたと思う。とどぽっくるの男湯脱衣所の様子から判断するに、それほど混み合ってはいない。よし、ゆったり入れそうだ。提供される2種類の源泉に対応して、分析書には4号泉「ナトリウム-塩化物泉、高張性、中性、高温泉」(源泉名:水無温泉)、ならびに5号泉「カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物泉、低張性、中性、高温泉」(源泉名:恵山岬温泉)とあった。
そこそこ広い浴室には、十分な数のカランが並ぶ洗い場と、3つの浴槽が見えた。一番手前にあるのが3~4名規模の小浴槽。ここには無色透明の4号泉が投入されている。
入ってみたら、うわあ熱い。今回体験した中では一番熱かった。長湯することは難しく、少し入っては出て休憩して…を繰り返すパターンになるだろう。匂いを嗅いでみると、かすかに甘い香りがした。
黄色い炭酸水素塩泉の内湯メイン浴槽
奥にあるのが15名規模のメイン浴槽。こちらには5号泉が使われている。見た目はクリアな黄色である。やっぱり熱いのかなと思いつつ入ってみると、やっぱり熱かった。小浴槽よりは控えめだけど熱めといってよい。甘い香りは4号泉よりも強く感じられる。そしてキシ感がある。ヌルヌルするお湯はこれまで何度も体験してきたが、キシキシする感触は当館で初めてはっきり意識した。色・匂い・浴感の面から、非日常感とか特別感でいうと、4号泉よりも5号泉に軍配が上がる。まあ最終的には好みの問題。
メイン浴槽に隣接して2名規模のジャグジー風呂もある。5号泉が使われているのではないかと思う。時間的な都合で入るのは見送ったけど、熱さはたぶん同程度。ぬるくはないだろう。
適温の露天岩風呂もあるよ
ここには露天風呂もある。露天エリアへ出ると、まず目に入るのが4号泉を使った4名規模のジャグジー風呂。外気に触れる分だけ緩和されているものの、やっぱり熱い。ジャグジー自体にもそんなに喜ばないたちなので適当に切り上げさせてもらった。最後は5名規模の露天岩風呂。ここに投入されているのは5号泉。温度的には適温レベルで一番入りやすかったかな。内湯ほどの黄色味はなく、もっと無色に近くて、ささ濁りといったところ。
この岩風呂はいい感じで入れるね。でも周囲を目隠しの塀で完全に覆われているから、海も恵山も見えない。不満を感じるまではないけれど、立地が良いだけに惜しい。
絶景風呂を求めるなら宿泊すべし
ところで当館に宿泊すると、1階のとどぽっくる以外に、3階の宿泊者専用大浴場にも入ることができる。そちらは「山側は恵山、海側は津軽海峡一望の大パノラマが広がり、海から昇る朝日は絶景です」とホームページに書かれているから、絶景風呂のお楽しみは宿泊者限定のプレミアムバリューってことなんだろう。こうしてざっとひと通り試したところでタイムアップ・終了。スケジュールの都合もあってちょっと駆け足での入浴体験となった。まさにホテル恵風にふさわしく、風のように現れて風のように去っていったのである。
おまけ:「水無海浜温泉」を見に行ってみた
恵山岬には有名な野湯・水無海浜温泉がある。波打ち際に湧く温泉だ。潮が引いた時だけ湯船が現れて入ることができるという。ホテル恵風からも近いし、ここまで来てスルーするわけにはいかない。我々も行ってみた。1桁台のキャパだけど一応駐車場はある。おお、あそこか。この時点ではまだ海水の下に隠れていてわかりにくい。
写真の右端にチラッと見えているのは更衣室。整備された温泉施設のつもりで来ちゃうと、更衣室で服を脱いでから裸のまま、数十メートルを歩いていく羽目になる。たいがい観光客か地元民が少なくとも数名いるから、さらし者になること間違いなしだ。
我々は入浴狙いではなく、ただ見に来ただけ(干潮の時刻に合わないことは事前の調べでわかっていた)。この組んだ石に囲まれたどこかにお湯が湧いているのだろう。
いったん引き上げて、記事の本題に書いた通り「とどぽっくる」に入浴し、その後に再びやって来た。潮は多少引いていたがやっぱり入浴は無理。湯船に軽く手を突っ込んでみたらまだ冷たかった。
この日は地元のお子様達が水遊びをするためにママ同伴で集まっていた模様。湯船に服を着たまま飛び込んで、きゃっきゃと楽しそうに動き回っていた。まだ温かいとは言えないけど、天然の温水プールってわけだ、結構ですなあ。
【この旅行に関する他の記事】