なぜかハマってしまった「男はつらいよ」全48作の鑑賞がようやく折り返し地点を過ぎた。今春は温泉旅行がとんでもない頻度で開催されたため、何本も並列で走る旅行計画・手配の話と実行~ブログ記事作成に忙殺され、寅さんに費やす時間が取れずにかなりのペースダウン。第30作到達までに9ヶ月もかかってしまった。
この調子だと全作コンプリートまで1年以上かかるなあ。秋の行楽シーズンにまた温泉旅行がたくさん入ると、もっと遅れるかもしれないなあ。
それはともかく、まだ幼かったこともあってかほとんど台詞のなかった初代満男から2代目に変わった途端、台詞が増えて動きが目立つようになったのである。寅さんとマドンナのデートに無理やり同行させられたりしていた。
シリーズ終盤になると満男が実質的な主役扱いだと聞くし、その萌芽はすでに表れ始めているようだ。
でも初登場のときだけポンシュウと呼ばれていて、次に登場したときは役者さんが変わっており(なので説明なしでは初登場時のポンシュウと同一人物なのかわからない)、もっと後の作になるまでポンシュウとはっきり呼ばれることはないらしい。だから第30作あたりの段階で相棒的なおじさん=ポンシュウだと決めつけるのは、厳密には根拠がないことになる。
へえ気づかなかったなあ。某定額動画配信サービスの字幕付きモードで見ているから、字幕だと台詞の前にはっきりポンシュウって表示されるんだよね。だからまったく自然に、あの相棒のおじさんはポンシュウだと認識して見ていた。
今後もちょくちょく出てくるみたいだから活躍に期待しよう。
しかしシリーズ後半に入ってくると現代の匂いがそこかしこに漂い始める。あるマドンナは「セブン-イレブンっていうスーパー」に勤めていたし、とらやに宅急便で荷物が届くシーンもあった。
さくら一家が戸建てに移り住んだとき、家の中は現代にあってもおかしくなさそうなデザインだったし、家が遠くなったからと、さくらは原チャリを乗り回していた(その設定は次からなかったことにされたようだが)。
また、ちょうどファミコン前夜の時代であり、満男が大判手帳くらいの大きさの電子ゲーム機器で遊ぶ姿が描かれていた。カセット式でなく一つの種類しか遊べないやつ。それを旅先で「これからはコンピューターの時代、お孫さんにどうぞ」とおばあちゃん達に売りつける寅さん。
縁日の売り物にアラレちゃんのお面がちらっと映ってたりもしたなあ。
あと大分は別府・鉄輪温泉。別府はちょうど行ってみたいと思っていたところだったんだよね(行ったとは言っていない)。なんというジャストタイミング。
同じく大分の湯平温泉。有名な由布院に近いと言い切ると嘘になるが同じようなエリアだ。由布院もちょうど行ってみたいと思っていたところだったんだよね(行ったとは言っていない)。なんというジャストタイミング。
寅さんは下手な温泉マニアよりもたくさんの温泉を体験しているんじゃないだろうか。
No.23:男はつらいよ 翔んでる寅次郎
マドンナは田園調布の令嬢。現代だと割と普通にいそうだけど当時は“翔んでる”キャラクター。結婚前にマリッジブルー的な気分で旅していたところを寅さんと出会う。それからすったもんだあって、最後は当初の結婚相手と丸く収まるのだが、いつもならカップル成立を見届けると同時に傷心して旅に出てしまう寅さんが、このときだけは結婚式に立ち会うまで関わり続けた。珍しくアフターフォロー万全。
No.24:男はつらいよ 寅次郎春の夢
マドンナは満男が通う英語教室の先生の母親(未亡人)。いつものごとく寅さん奮闘するも実はすでにいいお相手がいてアウト。というのは表向きで、裏のマドンナはさくら。裏マドンナに失恋するのはアメリカから来たセールスマンのマイケル・ジョーダン。冗談ではない。本当にそういう役名なのだ。ラストが近づくにつれ、たとえばとらやへ反省のはがきを出してくるところなど、すっかり寅さんをなぞってるマイコー。
No.25:男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
マドンナは3回目のリリー。体調を崩して沖縄の病院に入院しているところへ駆けつける寅さん。初めて飛行機に乗るのでひと騒動。退院した後もしばらく沖縄で部屋を借りて一緒に暮らしていた。はい、ここ最大のチャンス。でも何もなく終わった。後日とらやでリリーと再会した寅さんから重大発言が飛び出すもスルーされて終わった。くっつきそうでくっつかない二人。ラストに再会したときのあのノリが二人には合ってるのかな。
No.26:男はつらいよ 寅次郎かもめ歌
マドンナは亡くなったテキ屋仲間の娘。東京で働きながら定時制高校に通いたいという彼女を支えるために奮闘する寅さん。今回は恋愛相手でなく父親代わりの役どころだ。まあ最後はやっぱり傷心して出ていくことになるわけだが。本作で寅さんはお札が詰まった源吉の財布をのぞき見て、源吉から強引に2万円を借りている。源ちゃんがなぜそんなにお金を持っていたのかは不明。この2万円、たぶん返ってこないだろう。
No.27:男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎
マドンナは大阪の芸者。寅さんは珍しく一箇所に長く滞在するパターン。逗留先のホテル(?)がある新世界は昨年行ったが、作中の様子とは違ってすっかりインターナショナル観光地化した街だった。それほそうと、マドンナがホテルにいる寅さんのもとを訪ねてきたとき、立ち回り次第でチャンスはありそうだったけど、寅さんは逃げてしまった。そうね、そうなっちゃうね。あと石切神社の坂がつらそう。
No.28:男はつらいよ 寅次郎紙風船
マドンナはテキ屋仲間の奥さん。旦那の方はまもなく亡くなってしまい、残される奥さんの再婚相手になってくれと寅さんに託す。本筋は暗めの話だが、焼津の家出娘と一緒に旅をするサイドストーリーが明るくて面白い。この娘の兄ちゃんてのがまた豪快な海の男。冷凍マグロまるまる1本とらやに持ち込むとは。解体ショー不可避。あと旧友・柳の同窓会での態度が冷たい。第12作ではあんなに仲良くしてたのに。
No.29:男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋
マドンナは陶芸家宅へ出稼ぎに来ている女中さん(未亡人)。この回はマドンナに妙な色気があるし、全編になんだか艶めかしい雰囲気が漂う。こりゃあ寅さんの手に負えないわ。浮かれる余裕もなく終始引き気味でマドンナに接する寅さんを初めて見た。鎌倉デートに呼び出されて切羽詰まり、満男を同行させて間をもたせようとするが…。寅さんは陶芸家や画家・学者・殿様など権威のある人から気に入られやすいようだね。
No.30:男はつらいよ 花も嵐も寅次郎
マドンナはデパート店員。お相手は寅さんじゃなくて動物園の飼育員でジュリーのような二枚目。ていうかジュリー。このカップルが実生活でも夫婦だと知ってざわざわしちまったぜ。だから放っといてもうまくいきそうなもんだが、そこは寅さんがいろいろと世話を焼く。前作から一転して元気な寅さんが戻ってきてよかった。あと冒頭の夢のシーン、ウエストサイド物語風ミュージカルからのSKDダンスの流れがイカす。
【男はつらいよシリーズのその他の感想文】
この調子だと全作コンプリートまで1年以上かかるなあ。秋の行楽シーズンにまた温泉旅行がたくさん入ると、もっと遅れるかもしれないなあ。
23~30作目までの特徴
満男の交代と活性化
甥の満男役が27作目からチェンジした。…お、おい、おまえ黒板純じゃねえか。富良野はどうしたんだ。るーるるるるるる。それはともかく、まだ幼かったこともあってかほとんど台詞のなかった初代満男から2代目に変わった途端、台詞が増えて動きが目立つようになったのである。寅さんとマドンナのデートに無理やり同行させられたりしていた。
シリーズ終盤になると満男が実質的な主役扱いだと聞くし、その萌芽はすでに表れ始めているようだ。
相棒ポンシュウが準レギュラー化
寅さんが旅先でつるむ同業者といえば、初期の頃は登という若者だった。あれは舎弟みたいなものだったが。一方この時期になるとポンシュウというおじさんがよく顔を出すようになる。でも初登場のときだけポンシュウと呼ばれていて、次に登場したときは役者さんが変わっており(なので説明なしでは初登場時のポンシュウと同一人物なのかわからない)、もっと後の作になるまでポンシュウとはっきり呼ばれることはないらしい。だから第30作あたりの段階で相棒的なおじさん=ポンシュウだと決めつけるのは、厳密には根拠がないことになる。
へえ気づかなかったなあ。某定額動画配信サービスの字幕付きモードで見ているから、字幕だと台詞の前にはっきりポンシュウって表示されるんだよね。だからまったく自然に、あの相棒のおじさんはポンシュウだと認識して見ていた。
今後もちょくちょく出てくるみたいだから活躍に期待しよう。
現代につながる雰囲気
以前の作品は古い昭和というか、街の様子や各種テクノロジーが現代とかけ離れた、懐かしくもはるか遠い世界の話だと感じられた。しかしシリーズ後半に入ってくると現代の匂いがそこかしこに漂い始める。あるマドンナは「セブン-イレブンっていうスーパー」に勤めていたし、とらやに宅急便で荷物が届くシーンもあった。
さくら一家が戸建てに移り住んだとき、家の中は現代にあってもおかしくなさそうなデザインだったし、家が遠くなったからと、さくらは原チャリを乗り回していた(その設定は次からなかったことにされたようだが)。
また、ちょうどファミコン前夜の時代であり、満男が大判手帳くらいの大きさの電子ゲーム機器で遊ぶ姿が描かれていた。カセット式でなく一つの種類しか遊べないやつ。それを旅先で「これからはコンピューターの時代、お孫さんにどうぞ」とおばあちゃん達に売りつける寅さん。
縁日の売り物にアラレちゃんのお面がちらっと映ってたりもしたなあ。
寅次郎と温泉
寅さんが訪れる温泉地としては、北海道・支笏湖の丸駒温泉と思われる旅館。ロケをした場所でいうと登別や虎杖浜も含まれ、いずれも温泉がある。いいなあ、行きたい。あと大分は別府・鉄輪温泉。別府はちょうど行ってみたいと思っていたところだったんだよね(行ったとは言っていない)。なんというジャストタイミング。
同じく大分の湯平温泉。有名な由布院に近いと言い切ると嘘になるが同じようなエリアだ。由布院もちょうど行ってみたいと思っていたところだったんだよね(行ったとは言っていない)。なんというジャストタイミング。
寅さんは下手な温泉マニアよりもたくさんの温泉を体験しているんじゃないだろうか。
各作品を軽くご紹介
簡単なコメントとともに。最初の方のやつは結構忘れてしまっている。No.23:男はつらいよ 翔んでる寅次郎
マドンナは田園調布の令嬢。現代だと割と普通にいそうだけど当時は“翔んでる”キャラクター。結婚前にマリッジブルー的な気分で旅していたところを寅さんと出会う。それからすったもんだあって、最後は当初の結婚相手と丸く収まるのだが、いつもならカップル成立を見届けると同時に傷心して旅に出てしまう寅さんが、このときだけは結婚式に立ち会うまで関わり続けた。珍しくアフターフォロー万全。
No.24:男はつらいよ 寅次郎春の夢
マドンナは満男が通う英語教室の先生の母親(未亡人)。いつものごとく寅さん奮闘するも実はすでにいいお相手がいてアウト。というのは表向きで、裏のマドンナはさくら。裏マドンナに失恋するのはアメリカから来たセールスマンのマイケル・ジョーダン。冗談ではない。本当にそういう役名なのだ。ラストが近づくにつれ、たとえばとらやへ反省のはがきを出してくるところなど、すっかり寅さんをなぞってるマイコー。
No.25:男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
マドンナは3回目のリリー。体調を崩して沖縄の病院に入院しているところへ駆けつける寅さん。初めて飛行機に乗るのでひと騒動。退院した後もしばらく沖縄で部屋を借りて一緒に暮らしていた。はい、ここ最大のチャンス。でも何もなく終わった。後日とらやでリリーと再会した寅さんから重大発言が飛び出すもスルーされて終わった。くっつきそうでくっつかない二人。ラストに再会したときのあのノリが二人には合ってるのかな。
No.26:男はつらいよ 寅次郎かもめ歌
マドンナは亡くなったテキ屋仲間の娘。東京で働きながら定時制高校に通いたいという彼女を支えるために奮闘する寅さん。今回は恋愛相手でなく父親代わりの役どころだ。まあ最後はやっぱり傷心して出ていくことになるわけだが。本作で寅さんはお札が詰まった源吉の財布をのぞき見て、源吉から強引に2万円を借りている。源ちゃんがなぜそんなにお金を持っていたのかは不明。この2万円、たぶん返ってこないだろう。
No.27:男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎
マドンナは大阪の芸者。寅さんは珍しく一箇所に長く滞在するパターン。逗留先のホテル(?)がある新世界は昨年行ったが、作中の様子とは違ってすっかりインターナショナル観光地化した街だった。それほそうと、マドンナがホテルにいる寅さんのもとを訪ねてきたとき、立ち回り次第でチャンスはありそうだったけど、寅さんは逃げてしまった。そうね、そうなっちゃうね。あと石切神社の坂がつらそう。
No.28:男はつらいよ 寅次郎紙風船
マドンナはテキ屋仲間の奥さん。旦那の方はまもなく亡くなってしまい、残される奥さんの再婚相手になってくれと寅さんに託す。本筋は暗めの話だが、焼津の家出娘と一緒に旅をするサイドストーリーが明るくて面白い。この娘の兄ちゃんてのがまた豪快な海の男。冷凍マグロまるまる1本とらやに持ち込むとは。解体ショー不可避。あと旧友・柳の同窓会での態度が冷たい。第12作ではあんなに仲良くしてたのに。
No.29:男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋
マドンナは陶芸家宅へ出稼ぎに来ている女中さん(未亡人)。この回はマドンナに妙な色気があるし、全編になんだか艶めかしい雰囲気が漂う。こりゃあ寅さんの手に負えないわ。浮かれる余裕もなく終始引き気味でマドンナに接する寅さんを初めて見た。鎌倉デートに呼び出されて切羽詰まり、満男を同行させて間をもたせようとするが…。寅さんは陶芸家や画家・学者・殿様など権威のある人から気に入られやすいようだね。
No.30:男はつらいよ 花も嵐も寅次郎
マドンナはデパート店員。お相手は寅さんじゃなくて動物園の飼育員でジュリーのような二枚目。ていうかジュリー。このカップルが実生活でも夫婦だと知ってざわざわしちまったぜ。だから放っといてもうまくいきそうなもんだが、そこは寅さんがいろいろと世話を焼く。前作から一転して元気な寅さんが戻ってきてよかった。あと冒頭の夢のシーン、ウエストサイド物語風ミュージカルからのSKDダンスの流れがイカす。
お時間あれば見ておくんなせえ。
【男はつらいよシリーズのその他の感想文】