2018年春は怒涛の勢いでグループ旅行が続く。今回は車で信州方面を目指したが、その道中、山梨県北杜市にある日帰り温泉施設・尾白の湯へ立ち寄った。サントリーの天然水工場やウイスキー白州蒸留所が近い、名水の地である。
そんな土地に湧くのはやはり清らかに澄み切った温泉…ではなかった! 水のイメージとは正反対の超強烈なお湯。超濃厚な成分。ここはすごいぞ。旅の1湯目にしてはあまりにインパクトが強かったため、2湯目以降の印象が弱まったり感動が薄まったりしてしまうんじゃないか、と心配になったほど。
風呂からあがる際に体を軽く洗い流すか、温泉成分を流さず肌に残すようにするかは、人それぞれ主義主張があると思う。もし後者であれば、尾白の湯ではタオルを1枚犠牲にする覚悟で臨まれたい。
路線バスや送迎バスがないため、鉄道利用の場合は小淵沢駅か長坂駅からタクシー20分とかいう感じになる。やっぱり車がないと厳しいね。
「べるが」は温泉・キャンプ場・バーベキュー広場・憩いの森・水遊び場などを備えた結構広い公園だ。公園内の道を案内板に従ってしばらく進むと尾白の湯の駐車場に着いた。開けた視界の向こうに見えるのは八ヶ岳か。桜散る季節とはいえ上の方はまだまだ白い。
料金は大人820円。北杜市民なら410円になる。大浴場までの通路から南アルプス方向の山々が見える。白い頂は甲斐駒ケ岳だろうか。
男湯の脱衣所から見える景色も結構なもの。ガラス越しに露天の岩風呂と白州のイメージに合う白砂利の庭、遠くには八ヶ岳を望める。当然ながら浴室内撮影禁止だから画像のかわりに目に焼き付けておきましょう。
壁に掲示された分析書には「ナトリウム-塩化物強塩温泉、中性、高張性、温泉」とあった。
高い天井まで一面ガラス張りになっている側に寝湯と内湯浴槽がある。寝湯も今回はスルー。内湯は20名入ってもまだ大丈夫なくらいの規模でしかもほとんど誰もいない状態。独占し放題だ。
お湯の見た目はほとんど無色透明。説明によれば尾白の名水と源泉を9:1でブレンドしているそうだ。ようは加水ね。それでも温泉成分は普通の単純温泉の3倍含まれているとの由。もとの源泉がいかに濃いかがわかる。
内湯はちょっと熱めに感じる41℃。匂いの特徴はそれほど強くない。自分がぬるめが好きなのを差し引けば、まあ悪くないんだが、誰も入ろうとしないのはガラス越しに源泉露天風呂が見えるからだろう。スカッと晴れたいい陽気だし、そりゃそっちへ行くわな。
源泉かけ流しを明記しているわけではないけど、とにもかくにもお湯の個性は十分すぎるほどわかる。「赤湯」との別称が付けられている通り、完全に濁った赤い色をしており、湯船に沈めた体がまったく見えない。また光の当たる加減で黄色や緑っぽく見えることもある。
説明文では有馬温泉を引き合いに出していた。そう言われればそんな感じもする。自分が体験した中では埼玉県三郷のめぐみの湯に近いかな。
だから体が濃いお湯に負けてしまわないように注意しなければならないのだけど、これがまたほどよいぬるめときた。ちょうど心地よい温度で長湯してしまうのだ。
さわやかな青空に露天の開放感も手伝って、ぼけーっとつかりっ放しで落ち着いてしまった。しかし人によっては、この季節の100%の日差しを浴び続けるのは肌がやられるし、暑さがきついかもしれない。とにかく長湯のしすぎには注意しましょう。
こちらの売りは寝湯ができるようになっていることだ。寝転がって入ると、ちょうど視線の先、目隠しの柵の上に八ヶ岳の姿を拝むことができる。うまい配置具合である。
残念なのは電柱と木の枝が山の手前に重なるようにして視界に入ってくることだ。それらがもうちょっと脇によけてくれてればねー。男湯は残念だが女湯の方だったら邪魔するものがないかもしれない。
おおおおお?! タオルがオレンジ色になってるうううううう!
もはや手遅れだった。タオルはオレンジ色の水が染み込んだというより、オレンジ色のパウダーをこすりつけたように見える。洗面所の流水でも、帰ってからの洗濯でも、オレンジ色は落ちそうにない。こうなってはお役御免だ。秋田旅行で入手したタオル・駒ヶ岳温泉号よ、さらば。
それからあらためて体を洗い流して出た。もしタオルの異変に気づかずにいたら、下着や服にもオレンジ色が付いちゃったに違いない。おそるべし、尾白の湯。
駐車場から散策路をてくてく歩いていくと、5分ほどで出会ったのが駒ヶ岳神社。ここで旅の無事を祈る。
神社の裏から出ると吊り橋がある。
吊り橋の下を流れる尾白川が見事だ。流れる水はあくまで清澄、でも川の色は明るい緑色。そして河原の石がとことん白い。川の緑、石の白、山の緑、空の青。美しいコントラスト。
橋を渡ってから河原へ下りていくことができる。川のすぐそばで尾白の景色に囲まれる。こりゃ気に入った。
夏のキャンプとか紅葉シーズンは混みそうだけど、この日は誰もいない。空気はうまいし絶景を独り占め(同行メンバーはいたが)。いやー最高ですな。
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そんな土地に湧くのはやはり清らかに澄み切った温泉…ではなかった! 水のイメージとは正反対の超強烈なお湯。超濃厚な成分。ここはすごいぞ。旅の1湯目にしてはあまりにインパクトが強かったため、2湯目以降の印象が弱まったり感動が薄まったりしてしまうんじゃないか、と心配になったほど。
風呂からあがる際に体を軽く洗い流すか、温泉成分を流さず肌に残すようにするかは、人それぞれ主義主張があると思う。もし後者であれば、尾白の湯ではタオルを1枚犠牲にする覚悟で臨まれたい。
尾白の湯へのアクセス
尾白の湯は「白州・尾白の森名水公園べるが」の中にある。東京方面からだと、当公園は中央道須玉ICから約20分。国道20号から分岐する「べるが通り」という小さめの道を行った先にある。路線バスや送迎バスがないため、鉄道利用の場合は小淵沢駅か長坂駅からタクシー20分とかいう感じになる。やっぱり車がないと厳しいね。
「べるが」は温泉・キャンプ場・バーベキュー広場・憩いの森・水遊び場などを備えた結構広い公園だ。公園内の道を案内板に従ってしばらく進むと尾白の湯の駐車場に着いた。開けた視界の向こうに見えるのは八ヶ岳か。桜散る季節とはいえ上の方はまだまだ白い。
尾白の湯の入浴体験記
八ヶ岳と南アルプスに囲まれた温泉
建物の外観は新しい。2006年オープンだそうだ。なので館内もくたびれた様子はまったくない。料金は大人820円。北杜市民なら410円になる。大浴場までの通路から南アルプス方向の山々が見える。白い頂は甲斐駒ケ岳だろうか。
男湯の脱衣所から見える景色も結構なもの。ガラス越しに露天の岩風呂と白州のイメージに合う白砂利の庭、遠くには八ヶ岳を望める。当然ながら浴室内撮影禁止だから画像のかわりに目に焼き付けておきましょう。
壁に掲示された分析書には「ナトリウム-塩化物強塩温泉、中性、高張性、温泉」とあった。
名水と源泉をブレンドした内湯
浴室の手前にあった打たせ湯と水風呂はそれほど興味がないので今回はスルー。奥の洗い場区画は結構広くて18名分のカランがあった。平日で客が数えるほどしかいなかったこともあって全然余裕。高い天井まで一面ガラス張りになっている側に寝湯と内湯浴槽がある。寝湯も今回はスルー。内湯は20名入ってもまだ大丈夫なくらいの規模でしかもほとんど誰もいない状態。独占し放題だ。
お湯の見た目はほとんど無色透明。説明によれば尾白の名水と源泉を9:1でブレンドしているそうだ。ようは加水ね。それでも温泉成分は普通の単純温泉の3倍含まれているとの由。もとの源泉がいかに濃いかがわかる。
内湯はちょっと熱めに感じる41℃。匂いの特徴はそれほど強くない。自分がぬるめが好きなのを差し引けば、まあ悪くないんだが、誰も入ろうとしないのはガラス越しに源泉露天風呂が見えるからだろう。スカッと晴れたいい陽気だし、そりゃそっちへ行くわな。
甲斐の有馬温泉?…源泉露天風呂
自分も誘われるように露天エリアへ。ふたつの岩風呂が並んでおり、右が源泉露天風呂で左が名水露天風呂。まずは最大のお目当ての源泉露天風呂に入る。10名くらいいける規模で、この日はおおむね3~4人がつかっている状態だった。源泉かけ流しを明記しているわけではないけど、とにもかくにもお湯の個性は十分すぎるほどわかる。「赤湯」との別称が付けられている通り、完全に濁った赤い色をしており、湯船に沈めた体がまったく見えない。また光の当たる加減で黄色や緑っぽく見えることもある。
説明文では有馬温泉を引き合いに出していた。そう言われればそんな感じもする。自分が体験した中では埼玉県三郷のめぐみの湯に近いかな。
ぬるめがグッジョブ
見た目に違わず温泉成分も濃厚。これまた説明文によれば、温泉法による有効成分基準値の30倍の濃度とのこと。そのせいか風呂に使われている岩は赤サビのような色がすっかりこびりついている。だから体が濃いお湯に負けてしまわないように注意しなければならないのだけど、これがまたほどよいぬるめときた。ちょうど心地よい温度で長湯してしまうのだ。
さわやかな青空に露天の開放感も手伝って、ぼけーっとつかりっ放しで落ち着いてしまった。しかし人によっては、この季節の100%の日差しを浴び続けるのは肌がやられるし、暑さがきついかもしれない。とにかく長湯のしすぎには注意しましょう。
絶妙な寝湯を楽しめる名水露天風呂
続いて名水露天風呂へ。こちらは内湯と同様に9:1で加水した透明のお湯で満たされていた。温度は内湯と源泉露天風呂の中間くらいの適温。サイズは源泉露天風呂よりひと回り大きい。この日はほとんどガラガラ。こちらの売りは寝湯ができるようになっていることだ。寝転がって入ると、ちょうど視線の先、目隠しの柵の上に八ヶ岳の姿を拝むことができる。うまい配置具合である。
残念なのは電柱と木の枝が山の手前に重なるようにして視界に入ってくることだ。それらがもうちょっと脇によけてくれてればねー。男湯は残念だが女湯の方だったら邪魔するものがないかもしれない。
タオルで体を拭くときは要注意
うむ、訪れたお日柄も良かったし、ここは当たりだ。とすっかり満足してあがることにした。これほどの温泉の成分を洗い流すのはもったいないと、そのままタオルで体を拭いた。そしたら…。おおおおお?! タオルがオレンジ色になってるうううううう!
もはや手遅れだった。タオルはオレンジ色の水が染み込んだというより、オレンジ色のパウダーをこすりつけたように見える。洗面所の流水でも、帰ってからの洗濯でも、オレンジ色は落ちそうにない。こうなってはお役御免だ。秋田旅行で入手したタオル・駒ヶ岳温泉号よ、さらば。
それからあらためて体を洗い流して出た。もしタオルの異変に気づかずにいたら、下着や服にもオレンジ色が付いちゃったに違いない。おそるべし、尾白の湯。
おまけ:美しい自然の美しい水・尾白川渓谷
べるが、ならびに尾白の湯は朝10時オープンである。最初に着いたのが9時半でまだ入場門が閉まっていたので、時間つぶしに近くの尾白川渓谷へ行ってみた。駐車場から散策路をてくてく歩いていくと、5分ほどで出会ったのが駒ヶ岳神社。ここで旅の無事を祈る。
神社の裏から出ると吊り橋がある。
吊り橋の下を流れる尾白川が見事だ。流れる水はあくまで清澄、でも川の色は明るい緑色。そして河原の石がとことん白い。川の緑、石の白、山の緑、空の青。美しいコントラスト。
橋を渡ってから河原へ下りていくことができる。川のすぐそばで尾白の景色に囲まれる。こりゃ気に入った。
夏のキャンプとか紅葉シーズンは混みそうだけど、この日は誰もいない。空気はうまいし絶景を独り占め(同行メンバーはいたが)。いやー最高ですな。
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