チャンスは寝て待て - 諏訪大社の四社めぐりコンプリート記

諏訪大社 上社本宮の鳥居
昨秋にグループ旅行で諏訪を訪れてから半年後、今度は別のグループと再び諏訪の地に舞い戻ってきた。その間に映画「男はつらいよ」に興味を持ってシリーズ作品を観るようになっており、寅さんの妹・さくらの結婚後の姓が諏訪だから、なんだか諏訪には縁があるなあ。

諏訪といえば御柱祭で知られる諏訪大社。昨秋の旅行で四社からなる諏訪大社のうちの二社…下社春宮と秋宮…を訪れていたものの、他は時間の都合で行けなかった。そこで今回、メンバーの同意を得て四社めぐりのコンプを目指すことにした。

結果は成功。あー、すっきりした。なんか中途半端な感じがずっと引っかかってたもんでね。とくに信心深いわけじゃないから、この程度の浅い感想ですまぬ。

上社本宮にお参りする

栄えてる参道

今回の旅はメンバーが出してくれた車による移動。山梨県北杜市の「尾白の湯」へ立ち寄り入浴した後、中央道に乗って諏訪ICまでやって来た。

上社2箇所と下社2箇所のうち、まず上社から行こう。上社は本宮と前宮がある。近い遠いもよくわかってないし、まあなんとなくで本宮から。インターを出て諏訪湖方面に少し行くと看板が出てくるのですぐわかる。インターから10分程度で着いた。

北参道の入口に大きめの駐車場があったからそこに止めた。イベントもない普通の平日だったから余裕あり。参道には土産物店が連なり、四社の中では最も栄えていた。正面に大きな鳥居。

御柱と大ケヤキ

見学の順路として東参道の方へぐるーっと回り込むようになっている。最短距離で拝殿へ行けるわけではない。順路のスタート地点には第1の御柱。このような御柱が各社それぞれ四隅に立っている。
上社本宮 第1の御柱
東参道側に第2の御柱。隣には樹齢1000年の大ケヤキがあるのだが、かなり弱ってしまっているらしい。
上社本宮 第2の御柱と大ケヤキ
すぐ近くには第3の御柱をチラ見できる場所がある。一般に第3・第4の御柱は境内の奥にあって一般客がそばまで行くことはできないのだ。我々もありがたくチラ見させてもらいました。

幣拝殿は立ち入れない

ここから急に廊下みたいな通路があって、そこを抜けた先に人影まばらな拝所があった。その前に立って、よくいわれる作法に則ってお参りした。

しかし幣拝殿はその奥の行けない場所にある。じゃあ、せめて写真だけでも。後に見る下社の幣拝殿とは少し雰囲気が違う。
上社本宮 幣拝殿
以上で上社本宮は終了。四社の中では一番規模が大きいと思った。当時見かけた参拝客の姿は少ないとはいえ、相対的には最も人が多くにぎやかであった。


上社前宮にお参りする

オープンな雰囲気の境内

お次は上社前宮。ここは住所でいうと茅野市になるけど遠く離れてはいない。本宮から車で5分かそこらだったような気がする。鳥居の前に道路を挟んで駐車場がある。規模が小さいので、この日は大丈夫だったが、ちょっと混雑するような日はすぐ満車になる可能性大。どうすんだろ。

前宮は他の三社と比べるとやや異質な印象を受ける。あまり飾り立てられてないというか、素朴というか、放任主義というか、オープンというか。鳥居のすぐ近くにアパートが建っているし。
上社前宮の鳥居
鳥居をくぐって階段を上がると、一般の車道が参道を横切っていた(その付近にも駐車場があった)。そこから先へ続く参道は並木道ではなく、左右には民家や畑がすぐ迫っており、神社の境内ぽくない。

スモール・イズ・ビューティフル

そして終点に拝殿があった。ここはさすがに風格あり。
下社前宮 拝殿
だがそうやって整えられた範囲は広くない。右側の第1の御柱があるのは丘の斜面みたいなところ。周囲は単に開けた草地の丘で何もなく、あっさりすぎるほどあっさりしている。
上社前宮 第1の御柱
ふと見れば、丘を少し上ったところに第4の御柱があった。行く手を遮るものは何もない。簡単にそばまで行ける。結果的に見に行くことはなかったが第3の御柱も同じだと思われる。第3・第4をこうやってオープンにしているのは前宮だけだ。

下は帰り際にチェックした第2の御柱。手前に小さな水の流れがある。水眼(すいが)と呼ばれるご神水だそうだ。最も小さく、のどかで、素朴な前宮を象徴しているように見えた。
上社前宮 第2の御柱と水眼

立石公園で小休止

ここで小休止。下諏訪町にある下社へ向かう途中で立石公園に寄り道した。車同士のすれ違いが困難なほどに、どんどん道が細くなる山道をひたすら上っていくから、どんどん心細くなる。我慢して上っているとそのうち道幅が復活して展望台ぽくなっているところに出る。

諏訪湖を一望できる公園ということで行ってみたのだが、たしかに景色はすばらしい。
立石公園から諏訪湖を一望
…ん? なんか引っかかるな。なにかが記憶の底に…あれ? 数年前にヒットした映画「君の名は。」にこういうシーンなかったっけ。諏訪が聖地の一つだと言われてたよね。もしかしてここ立石公園が聖地だったのか。

しかし「君の名は。」との関連を示す説明やオブジェはなかった。かわりに「骨折事故があったため閉鎖します」と書かれた廃すべり台が怖かった。

(2022.10追記)諏訪市街から立石公園へ登っていく県道は最終的に霧ヶ峰へ続いていることを4年後に理解した。


下社秋宮にお参りする

思い出をトレースして

お次は昨秋以来の再訪となる下社。春宮・秋宮のうち、まず秋宮へ。前回は週末で人が多かったし、しかもあいにくの雨模様だったことを思えば、今回の方がコンディションは恵まれている。駐車場横の、温泉を利用した“あったか~い”手水舎を経て、さあ参ろう。
下社秋宮の鳥居
生徒の団体が通り過ぎていった瞬間風速を除く平均的な人出は本宮に次ぐ2番目とみた。境内の規模も同様じゃないかな。下は神楽殿。思い出にあった通りの超ぶっとい注連縄。そしてやっぱり狛犬がこっちを睨んできてるんですけど。
下社秋宮 神楽殿

展望台を整備中

神楽殿の向こうに幣拝殿があった。秋宮のは左右がちょっと華奢で真ん中が大きな帽子を被ったように見える。前回は参拝客がひっきりなしだったけどこの日はパラパラ。我々も余裕をもってお参りできた。
下社秋宮 幣拝殿
そしてこちらが第1の御柱。下社にあるやつの方が太い気がするな。
下社秋宮 第1の御柱
秋宮の駐車場の奥に何やらありそうだったので最後に行ってみたら工事中だった。展望台的な広場を整備しようとしている様子。たしかに諏訪湖を一望できそうなロケーションであった。完成したらみんなここでインスタ向けの写真を撮るだろう。


下社春宮をお参りする

秋宮とよく似た幣拝殿

お次は下社春宮。ここも再訪の地。秋宮から多少道に迷いつつも10分はかからないで着く。駐車場は鳥居の手前の郵便局の脇に入口がある。手水舎は温泉ではない普通の水である。
下社春宮の鳥居
春宮の規模・人出は四社の中で3番目ですかね。神楽殿は秋宮のそれと比べると小さく素朴なつくりとなっている。
下社春宮 神楽殿
幣拝殿は秋宮とそっくりに見える(前回も同じことを言ってたな)。まあとにかくこっちも人はパラパラとしかいない。待つことも後ろからプレッシャーを受けることもなく、ゆっくりと旅の無事を祈っておいた。
下社春宮 幣拝殿

余裕があれば近隣スポットもどうぞ

ここまできたら春宮だけ省略するわけにはいかない。きっちりと第1の御柱をチェック。
下社春宮 第1の御柱
春宮は近くの浮島神社・万治の石仏・おんばしら館「よいさ」といったスポットを加えると見どころが結構ある。しかし我々はかなり時間が押していたためすべてスルーしてしまった。もし余裕があれば訪れてみてはどうだろうか。


…ようし、諏訪大社を四社コンプしたぜ! 半年前に中途半端感を残しつつも、「残りはまあそのうちね」と焦らずにいたら、チャンスは意外と早くめぐってきた。世の中そういうもんなのね。

さっそくコンプのご利益があったのか、旅行中は天気も良く(良すぎて暑かったくらい)、大きなトラブルもなく、楽しい思い出とともに無事に帰還できた。一方、旅行以外の日常へのご利益は…なにかあったかな…まあ気にしないでおこう。