クールな源泉炭酸風呂が人気を呼ぶ日帰り温泉 - 溝口温泉 喜楽里

溝口温泉 喜楽里
新学期・新社会人・新人デビュー。そういう季節がやって来た。前回の草津旅行からそんなに間隔が開いたわけではないのだが、春の陽気に誘われて、またムズムズと温泉に入りたくなってきた。

とはいえ泊まりがけで旅行するほどの余裕はない。今回は週末にさくっと行ける東京近郊の日帰り施設が狙いだ。

ネットで探してみると評判の良さげなところが見つかった。川崎市内陸部にある「溝口温泉 喜楽里」である。ほうほう、湯楽の里グループの姉妹系列店か。1年前に国立の湯楽の里へ行って結構良かったから期待しちゃうね。

溝口温泉 喜楽里へのアクセス

溝口温泉・喜楽里の最寄り駅は東急田園都市線・溝の口。ただしここから歩いていける距離ではない。バスに乗り換える必要がある。

その際に注意したいのが乗り場。溝の口駅で下車して、深く考えず正面口と書かれた改札から出たら自然と北口バス乗り場に着いたが、そちらはハズレだった。正解は南口改札を出て南口バス乗り場へ行かなければならない。
溝の口駅 南口バス乗り場
南口5番乗り場から蟹ヶ谷行きのバスに乗る。10分に1本以上の頻度で出ているから接続を神経質に考えなくても大丈夫。

バスは狭い駅前通りを走っていく。途中に洗足学園なるアートな建物群が大規模に展開している地域があった。音楽大学だったみたい。歩いてる若者も芸術系ぽい雰囲気だった。

駅から10分ほど乗って橘小学校停留所で下車。降りた道路の向かいが喜楽里。

人々を引き寄せる喜楽里の湯

静かで落ち着きある館内

さあ入館。下足箱に靴をしまい、受付で腕輪を受け取る。支払いは退館時の一括精算だ。料金は平日が820円、休日は990円。今回うっかりタオルを忘れてきてしまい、フェイスタオルをレンタルした。70円。

館内は新しく洗練された雰囲気で、ごみごみしたところもないのは良い。それに客を中学生以上に限定しているせいか落ち着きもある。自分は小さいお子様がキャッキャしていてもあまり気にしないが、静かであるに越したことはない。

大浴場は2階にある。男湯入口の前にボーリングした温泉の説明が掲げられており、泉質は「ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉、低張性、弱アルカリ性、温泉」だそうだ。アルカリで炭酸水素塩泉とくれば、おそらくヌメヌメするお湯に違いない。

人気施設だなあ

脱衣所のロッカーは腕輪の番号とは関係なく、好きなところを選んで使う。鍵をかける際に100円を入れ、解除すると戻ってくるやつ。午前中だというのにすでにそこそこの人数が出入りしている。人気施設だなあ。

浴室へ入るとやっぱり人の姿が目立つ。芋洗いだとかウンザリするほどの混雑とまではいかないが、ゆったり余裕があるというと嘘になる。ネットで評判が良かっただけあって人気施設なんだなあ。

洗い場はたくさんあるから空きがなくて困ることはない。体を洗って、さてまずは内湯のメイン浴槽へ入ろうかなとあたりを見渡すと、それらしき存在は見当たらず。いくつか浴槽があるにはあるものの、メインという様子ではないし、人ぎっちりの満員御礼状態。とても入っていけそうにない。

源泉かけ流しの上の湯が主役

いったん露天エリアへ出ることにした。オーソドックスな入浴という意味ではこちらの2つの露天岩風呂がメインの役割を果たしているようだ。ひとつは上の湯と呼ばれる源泉かけ流し風呂。もうひとつは下の湯と呼ばれる加温循環風呂。どちらも加水なし。国立湯楽の里も上の湯・下の湯っていうネーミングだったな。

最初に6~7名規模の上の湯へゴー。お、ちょっとぬるめか? ぬるめが好きなので、こりゃええわー…しかしそれは最初だけ。上の湯は何度か出たり入ったりしたが、回を重ねるごとに熱くなっていった。ぬるくないのが通常モードなんだと思う。

湯口から源泉がドーッと投入されていたところ、やがて勢いが衰えて、ついにピタリと止まってしまった。そしてまたしばらくするとボコボコっと音がして勢いよくお湯が吐き出されてくるのだった。その繰り返し。

湯船のお湯は濃い麦茶のようなこげ茶色で底まで見通せない。湯の花っぽい微粒子がわずかに浮いている。泡付きはとくにない。匂いを嗅いでみるとほんのりアブラ系統のやつが感じられた。

加えて泉質から予想された通りにやたらヌルヌル・ヌメヌメする。この感触だけでも本格温泉に入った気分になるからいいね。上の湯を出てベンチで休んでいたら、お肌にとろみというかベトつきが妙にまとわりつく感じが残ったほど。

広さに余裕があってややぬるめの下の湯

続いて下の湯も体験。広さは上の湯の倍くらい。見た目は上の湯と変わらず、気持ちぬるめだった。そして気のせいレベルとはいえ上の湯よりもマイルドな浴感。じっくり長く入るならこっちか。

上の湯は人口密度に波があって、混むときは結構いっぱいになるけど、下の湯はたいがいゆとりがある。湯の感触が劇的に違うわけじゃないし、混雑時はあえて下の湯に徹してみる手はあるかも。

露天エリアには寝ころび湯もある。寝た姿勢で半分の高さ程度のお湯に浸される。物は試しと寝ころんでみた。お湯はちょっと熱め。気持ち良くウトウトするかと思えば、この日はやけに冴えていて覚醒したままだったので、早めに離脱。

影の主役・源泉炭酸風呂は大人気

露天エリアを満喫した後で内湯へ戻り、最初に満員御礼だった浴槽に一人分の空間が空いているのを見つけてもぐり込んだ。そこは炭酸源泉風呂だった。これこそがメインというか、喜楽里の目玉商品だったらしい。

沸かし湯の炭酸風呂はよくあるけど、源泉に炭酸を入れたのは珍しい(他には板橋スパディオで見たことがあるくらい)。炭酸風呂自体がどの施設でも人気があるうえに温泉使用だからね、そりゃつねに満員御礼になるわ。

炭酸風呂には冷涼感が伴うと言われる。たしかに足先がヒヤッとする。細かい泡のパチバチも面白いし心地良い。個人的には炭酸が飛ばないように37℃前後に設定されているのもうれしい。このくらいの温度が好きなのだ。

いつまでも入っていたかったが、空き待ちの人が目の前のベンチで虎視眈々と誰かが去るのを待っているのが嫌でも目に映る。限られた資源は皆で有効に分かち合うのが現代を生きる文明人というものだ。利他的生存戦略を発揮して5分あまりで出ました(浴室内のポスターにも15分以上粘るんじゃねえと書いてある)。

内湯は他に超微細泡のシルク風呂やジェットバスもあった。入らなかったけど。


食事処「ごちそう屋」の健康玄うどん

入浴は以上で終了。湯上がりに館内の食事処「ごちそう屋」へ行ってみた。ぼっち対応の席がいくつか用意されているのはありがたい。この気配りは大事よ。ぼっちのおじさんは当然その席を陣取った。

ビールでプハーした後で梅おろしうどんを食べた。このお店は健康玄うどんなるうどんが自慢のようだったのでね。普通のうどんとの違いは正直よくわからなかった。でも健康に良かったはず。そうだそうだそうに違いない。
梅おろしうどん

溝口温泉喜楽里は口コミ評価も良く人気施設なのも納得できる。そのせいでどうしても混みがちになってしまうのが悩ましいところだ。しかしそれを理由に「私は絶対に行きません」と意固地になるのももったいないから、平日とか早い時間帯とか、なんか工夫して行ってみてほしい。