茨城県というと温泉旅行の行き先としては正直、選ばれにくいのではないだろうか。誰もがぱっと思いつくようなビッグネームがあるかといえば…うーん。だがしかし、それすなわち温泉地がないこととイコールではない。
たとえば県北の常陸大宮には湯の澤鉱泉という温泉宿がある。日本秘湯を守る会の会員宿だけあって、素朴で静かな里の宿だ。
わが2018年の先陣を飾る温泉旅行は、とあるグループによる茨城冬紀行。今回は「メインは温泉めぐりでOK」なメンバー構成だったため、わりと気兼ねなく自分の趣味で行き先を決めさせてもらい、1湯目を湯の澤鉱泉への立ち寄り入浴とした。
東京方面から直行する場合は、常磐道で那珂ICまで行き、国道118号で山方宿というところまで北上して、県道29号を左折。1キロちょっと先に出てくる湯の澤鉱泉の看板にしたがって左折する。
その先はすれ違いしにくい狭い道が数分間続く。対向車が来ないことを祈りましょう。行ききったところが目的地。
鉄道利用の場合、水戸まではJR常磐線や高速バスでいいとして、そこからのJR水郡線が2時間に1本レベルだから接続に注意。最寄り駅の山方宿から湯の澤鉱泉までの4キロくらいはタクシー利用とならざるを得ない。
左手の庭の方に、昔話に出てきそうな家屋を発見。勝手に庭へ入っていくのはためらわれたのであえて詮索せず。
また駐車場の向こうは低地をはさんでゴルフ場となっている。が、どんだけOBしてもここまで球が飛んで来ることはあるまい。
壁の分析書には「ナトリウム-炭酸水素塩泉、低張性、弱アルカリ性、冷鉱泉」とあった。この時点ではヌルヌルぬめぬめしたお湯が予想された。
浴室は結構新しい。少なくとも昭和風ではない。平成もかなり進んでから建て替えしたんじゃないだろうか。清潔感があり気持ち良く入浴できる木造小屋である。
浴槽は内湯の5~6名規模の岩風呂が一つのみ。我々が体験した男湯は岩風呂だったが、女湯の方は檜風呂だったようだ。1週間ごとに男女入れ替えがあるので岩になるか檜になるかはタイミング次第。
お湯を手ですくって鼻を近づけると、特徴的な匂いは感知されず。若干の塩素臭あり。浴槽へ接するように設置された「かけ湯ため置き場」の裏から、チョロチョロと加温ずみのお湯が浴槽内に投入されていた。
最初は2~3名いた先客も順次引きあげて我々だけになった。ゆっくりと温泉につかりながら大きなガラス越しに景色を見る。見えるのは主に庭先だが。お湯が熱すぎないから、個人的にはのんびりした気分でくつろげてありがたい。
というわけで十分に満足したところで終了。欲をいえばガラスの向こうに露天風呂エリアが設けてあるとなお良かったが、源泉湧出量との兼ね合いもあるし、無理して湯使いが劣化したり枯渇問題云々になるともったいないので、今のままで十分だ。
団子というよりつきたての餅に近い。超柔らかくて“もちもち”と“どろどろ”の中間くらい。胡麻だれとよく合うし、一部にきびの粒感もあってうまい。それからしばらく間を置いて来たのが稲庭うどん。
なめらかな細麺がツルツルっと入ってくる食感がたまらない。シンプルな味わいは、かえっていくらでも食べられる、食べられる、食べられ…あれっ、麺が全然減らない。これ量が多くないか? …見た目の印象をはるかに超えて量の多いうどんであった。お腹が苦しい~。
湯の澤鉱泉は主張の強い個性的なお湯というより、万人向けのやさしいお湯。リラックスしてゆっくり温泉に入った後は、おいしい食材たっぷりの食事でもう満足、一丁あがりだ。
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たとえば県北の常陸大宮には湯の澤鉱泉という温泉宿がある。日本秘湯を守る会の会員宿だけあって、素朴で静かな里の宿だ。
わが2018年の先陣を飾る温泉旅行は、とあるグループによる茨城冬紀行。今回は「メインは温泉めぐりでOK」なメンバー構成だったため、わりと気兼ねなく自分の趣味で行き先を決めさせてもらい、1湯目を湯の澤鉱泉への立ち寄り入浴とした。
湯の澤鉱泉へのアクセス
目指せ、山方宿
今回はメンバーが出してくれた車による移動だった。近く(といっても30分くらい離れてる)の観光スポット・竜神大吊橋を見学した後に湯の澤鉱泉へやって来た。東京方面から直行する場合は、常磐道で那珂ICまで行き、国道118号で山方宿というところまで北上して、県道29号を左折。1キロちょっと先に出てくる湯の澤鉱泉の看板にしたがって左折する。
その先はすれ違いしにくい狭い道が数分間続く。対向車が来ないことを祈りましょう。行ききったところが目的地。
鉄道利用の場合、水戸まではJR常磐線や高速バスでいいとして、そこからのJR水郡線が2時間に1本レベルだから接続に注意。最寄り駅の山方宿から湯の澤鉱泉までの4キロくらいはタクシー利用とならざるを得ない。
漂う素朴な雰囲気
湯の澤鉱泉に着くと、駐車場はそこそこ埋まっており、人気のほどをうかがわせた。建物は一般の民家と比べるともちろん大規模だが、素朴な平屋づくりで、秘湯っぽさは感じられる。左手の庭の方に、昔話に出てきそうな家屋を発見。勝手に庭へ入っていくのはためらわれたのであえて詮索せず。
また駐車場の向こうは低地をはさんでゴルフ場となっている。が、どんだけOBしてもここまで球が飛んで来ることはあるまい。
茨城の秘湯を体験
結構新しい浴室
さて中へ入ろう。受付で日帰り料金750円を支払って右手へ進み、見えてきた男湯ののれんをくぐる。脱衣所にはコインロッカーがあって貴重品をしまっておける。投入した100円があとで戻ってくるやつ。壁の分析書には「ナトリウム-炭酸水素塩泉、低張性、弱アルカリ性、冷鉱泉」とあった。この時点ではヌルヌルぬめぬめしたお湯が予想された。
浴室は結構新しい。少なくとも昭和風ではない。平成もかなり進んでから建て替えしたんじゃないだろうか。清潔感があり気持ち良く入浴できる木造小屋である。
秘湯くまざさシリーズ登場
洗い場のカランは6つ。「秘湯くまざさ」シリーズのシャンプー・リンス・ボディソープが置いてあった。珍しい銘柄だと思って後日調べてみると、日本秘湯を守る会の宿にしか置いてなく、そこでしか買えない限定品だそうだ。使ってみた感想は…なめらかでまあ良かったと思う(語彙が貧困ですいません)。浴槽は内湯の5~6名規模の岩風呂が一つのみ。我々が体験した男湯は岩風呂だったが、女湯の方は檜風呂だったようだ。1週間ごとに男女入れ替えがあるので岩になるか檜になるかはタイミング次第。
マイルド湯を独占状態でのんびりと
ではいよいよ湯の中へ。見た目は無色透明でわずかに濁りがあるような気がしないでもない微妙な感じ。ややぬるめの適温であり、刺激が少なくて入りやすい。当初予想されたヌルヌルぬめぬめは感じられなかった。お湯を手ですくって鼻を近づけると、特徴的な匂いは感知されず。若干の塩素臭あり。浴槽へ接するように設置された「かけ湯ため置き場」の裏から、チョロチョロと加温ずみのお湯が浴槽内に投入されていた。
最初は2~3名いた先客も順次引きあげて我々だけになった。ゆっくりと温泉につかりながら大きなガラス越しに景色を見る。見えるのは主に庭先だが。お湯が熱すぎないから、個人的にはのんびりした気分でくつろげてありがたい。
というわけで十分に満足したところで終了。欲をいえばガラスの向こうに露天風呂エリアが設けてあるとなお良かったが、源泉湧出量との兼ね合いもあるし、無理して湯使いが劣化したり枯渇問題云々になるともったいないので、今のままで十分だ。
お風呂の後はランチをどうぞ
なめらか・ツルツル・たっぷりの稲庭うどん
湯の澤鉱泉には日帰り客も利用できる食事処がある。我々はここでランチとした。海鮮丼のような、土地柄にしては意外なメニューもあったが、自分が注文したのは稲庭うどんときび団子。最初に来たのはきび団子。団子というよりつきたての餅に近い。超柔らかくて“もちもち”と“どろどろ”の中間くらい。胡麻だれとよく合うし、一部にきびの粒感もあってうまい。それからしばらく間を置いて来たのが稲庭うどん。
なめらかな細麺がツルツルっと入ってくる食感がたまらない。シンプルな味わいは、かえっていくらでも食べられる、食べられる、食べられ…あれっ、麺が全然減らない。これ量が多くないか? …見た目の印象をはるかに超えて量の多いうどんであった。お腹が苦しい~。
茨城の食材はうまいね
ちなみに別のメンバーの注文した野菜炒めも大量。しかも当人は後々まで「あの野菜はうまかった」と噛みしめるようにコメントを繰り返していたから、相当おいしかったんだろう。旅の全体を通じて茨城はどこへ行っても、どの食材も、おいしいと感じた。湯の澤鉱泉は主張の強い個性的なお湯というより、万人向けのやさしいお湯。リラックスしてゆっくり温泉に入った後は、おいしい食材たっぷりの食事でもう満足、一丁あがりだ。
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