世に廃道探索というアクティビティがあるのは知っている。しかし自分には廃道や廃線跡を歩く趣味はない。そんな行動力も体力もないしね。それなのに、ああそれなのに、なぜか熱心に読んでしまう廃道探索レポートのウェブサイトがあった。真似しようとは思わないけども。
そのサイトの関連本の第2弾が昨年9月に出版されたことを知り、買って読んでみた。本の厚さからも想像できる通り、相変わらずアツい内容であった。まあなんというか、世の中にはすごい人がいるもんだ。
圧倒的な文章量と熱を帯びた語り口。といっても松岡修造のような暑苦しさではない。ところどころユルさをのぞかせながらも、こと廃道のことになると、おそろしいまでにストイックに打ち込むのである。文字通りの求道者だ。
だがエピソードをひとつ選んでいったん読み始めれば、気分はすっかり探索の同行者。先へ先へとストーリーを追って、肩に力が入ったまま、最後まで止め時が見つからなくなる。そうして睡眠時間を削った日々。
ある意味では読む側にも探索を実行するのと同じくらいのエネルギーが要求される。だからこそ生半可な気持ちではエピソードへのリンクをクリックできないというね。
約500ページの中に6つのエピソードが収められている。単にウェブサイトの文章を持ってきただけではなく、加筆したり再構成したり、さらにはサイト未公開の内容も含まれていた。
読み進めていくと、もちろん自分との接点などかけらもないのだが、本ブログに公開したこの1年あまりの旅行先と関係のある地名が出てくることがあって、オッと思わせる。
第1章・碓氷峠は万座温泉へ行く時に立ち寄った軽井沢の思い出につながる。第3章・綾戸峡の清水国道は、当サイトを知るきっかけとなった新潟温泉旅行を思い出させる。…旅行後に、群馬と新潟を結ぶ清水峠を越える一般道がなぜないのかと疑問に思って、検索してたら当サイトを見つけたのだ(本書の内容は群馬側の話だが)。
第6章・森吉森林鉄道の探索スタート地点は玉川温泉の近くだ。自分は1キロくらい離れたところの新玉川温泉へ行っている。あのへん熊がよく出るみたいなんだけど山歩きして大丈夫なのかな。とにかくまだ記憶に新しい心当たりの地名が出てくるとなんだか盛り上がるね。
山古志のトンネルのほうは、足元があんなになりながら、よく行ききったものだ。自分なら「うげぇぇーっ」てなっちゃって絶対に無理だ。しかも暗いよ狭いよ怖いよで、どう考えても手も足も出ない。
あんな悪条件かつ先の見えない中、ほとんど罰ゲームとしか思えないアップダウンとカーブの連続を耐えるには、たとえ興味が先立つとしたって尋常ならざる精神力が必要だろう。
自分は決して鉄ちゃんではないが、「ぼくのかんがえたさいきょうの路線案」の話題にはロマンを感じたりする。道路のルート案についても同じだ。カッコよくいえば、想像の翼を広げてうんたらかんたら、ってことだな。
加えて身延という、これまた昨年訪れた旅行先の地名が登場するから、身近に感じやすくて印象に残ったのかもしれない。
それにしても、もし第3弾が出たら…また買ってしまうんだろうな。
そのサイトの関連本の第2弾が昨年9月に出版されたことを知り、買って読んでみた。本の厚さからも想像できる通り、相変わらずアツい内容であった。まあなんというか、世の中にはすごい人がいるもんだ。
廃道探索のすごいサイト
アツい探索レポートが満載
廃道探索レポートのウェブサイトといえばすでにもう有名かもしれない。自分は1年前に初めて知ったのだが。圧倒的な文章量と熱を帯びた語り口。といっても松岡修造のような暑苦しさではない。ところどころユルさをのぞかせながらも、こと廃道のことになると、おそろしいまでにストイックに打ち込むのである。文字通りの求道者だ。
読むにもエネルギーが要る
ここまで持ち上げておいて、実のところ、当サイトの全レポートに目を通したわけではない。読んだのは全体の1割にも満たないだろう。なにしろ読む側もその熱に引き込まれて気合が入る。読み進めるには気力体力がいるのだ。文章量が多いからそれだけ時間も必要になる。だがエピソードをひとつ選んでいったん読み始めれば、気分はすっかり探索の同行者。先へ先へとストーリーを追って、肩に力が入ったまま、最後まで止め時が見つからなくなる。そうして睡眠時間を削った日々。
ある意味では読む側にも探索を実行するのと同じくらいのエネルギーが要求される。だからこそ生半可な気持ちではエピソードへのリンクをクリックできないというね。
書籍化第1弾はチェックずみ
当のサイトほど注目され訪問者が多いとなれば、書籍化されるのも当然の成り行きだ。最初の書籍は2016年に出ている。自分も読んでみた上で過去記事にて紹介している(単に書名を挙げてるだけですが)。パワーアップした?! 書籍化第2弾
さらに増したボリューム
そして昨年、第2弾の書籍が出たわけである。- 平沼義之「廃道踏破 山さ行がねが 伝説の道編」(じっぴコンパクト文庫、実業之日本社)
約500ページの中に6つのエピソードが収められている。単にウェブサイトの文章を持ってきただけではなく、加筆したり再構成したり、さらにはサイト未公開の内容も含まれていた。
心当たりの地名に盛り上がる
中身はやっぱり濃ゆくてハイカロリー。写真が白黒でわかりにくいところもあるけど、細けえことはいいんだよ。年のせいか、ウェブサイトのテキストを読むより目が疲れないし、紙の本だとなぜだか止め時が見つからないこともなく、適度に中断できるのでありがたい。読み進めていくと、もちろん自分との接点などかけらもないのだが、本ブログに公開したこの1年あまりの旅行先と関係のある地名が出てくることがあって、オッと思わせる。
第1章・碓氷峠は万座温泉へ行く時に立ち寄った軽井沢の思い出につながる。第3章・綾戸峡の清水国道は、当サイトを知るきっかけとなった新潟温泉旅行を思い出させる。…旅行後に、群馬と新潟を結ぶ清水峠を越える一般道がなぜないのかと疑問に思って、検索してたら当サイトを見つけたのだ(本書の内容は群馬側の話だが)。
第6章・森吉森林鉄道の探索スタート地点は玉川温泉の近くだ。自分は1キロくらい離れたところの新玉川温泉へ行っている。あのへん熊がよく出るみたいなんだけど山歩きして大丈夫なのかな。とにかくまだ記憶に新しい心当たりの地名が出てくるとなんだか盛り上がるね。
印象深い2つのエピソード
無理ゲーすぎるトンネル
しかし印象深かったのは、第2章・山古志の雪中トンネルと第4章・中央自動車道 南アルプスルートの話。みんなが好きそうな王道でなく地味なほうだと思われる2つ。山古志のトンネルのほうは、足元があんなになりながら、よく行ききったものだ。自分なら「うげぇぇーっ」てなっちゃって絶対に無理だ。しかも暗いよ狭いよ怖いよで、どう考えても手も足も出ない。
あんな悪条件かつ先の見えない中、ほとんど罰ゲームとしか思えないアップダウンとカーブの連続を耐えるには、たとえ興味が先立つとしたって尋常ならざる精神力が必要だろう。
存在しない道のロマン
中央道 南アルプスルートのほうは「作られなかった道」のレポートという珍しい題材。作られた後に廃止された道とか、作りかけて放棄された道とかじゃない(東京から河口湖までは作りかけたともいえるか)。自分は決して鉄ちゃんではないが、「ぼくのかんがえたさいきょうの路線案」の話題にはロマンを感じたりする。道路のルート案についても同じだ。カッコよくいえば、想像の翼を広げてうんたらかんたら、ってことだな。
加えて身延という、これまた昨年訪れた旅行先の地名が登場するから、身近に感じやすくて印象に残ったのかもしれない。
温泉エリアの廃道
さて、ここまで触れていなかったエピソードがひとつだけ残っている。別に他意はないから触れておこう。第5章・旧県道酸ヶ湯大鰐線。うん、酸ヶ湯温泉にはいつか行ってみたいね。あと探索した道の終点が猿倉温泉だった。猿倉・蔦・谷地、あの辺の温泉にも興味あります。それにしても、もし第3弾が出たら…また買ってしまうんだろうな。