青い飛竜の背に乗って - 竜神大吊橋(常陸太田)

竜神大吊橋
2018年1月。今年もあちこち行きますよ。春まで待ってられません。ということで、本年第1弾のグループ旅行企画「茨城冬紀行」が実施された。基本的には茨城県北エリアの温泉めぐりだけど、せっかくなので観光もしたい。

調べてみると常陸太田市にある竜神大吊橋が定番スポットであるようだ。大きな吊り橋にはスリルとロマンがある。場所のイメージ的に冷たい強風が吹き付けて寒そうな気はするが、興味はあるし渡ってみたい。

よし行ってみよう。竜神伝説の地に架けられた吊り橋を目指して、いざ出発。

竜神大吊橋へのアクセス

竜神大吊橋へは車で行った。常磐道の日立南太田ICで下りたら、しばらく西進する。

常陸太田市に入ると、道のあちこちに竜神大吊橋への案内板が立っているといっても過言ではない。嫌でも目に入るから、道に迷うことはまずない。とにかく県道33号に入ってしまえばこっちのものだ。

ちなみに途中で分岐する県道29号(久慈川方面への道)をちょっとだけ行くと出羽の湯・宝来館というツルツル温泉の宿がある。

他に岩倉鉱泉という看板も発見したのでちょっと寄り道。すれ違い困難な狭い道を数百メートル進んだ終着点に隠れ里の一軒宿があった。旅行予約サイトにあえて掲載せずリアルの口コミのみで集客する、1日2組限定のこだわり宿だ。なかなか良さげな雰囲気。
岩倉鉱泉
立ち寄り入浴を打診してみたところ、今日は泊まりのお客さんの関係でちょっと…とのこと。あらま残念。あらためて先を急ぐ。


吊り橋観光とバンジージャンプの名所

日本一を誇った巨大吊り橋

やがて竜神大吊橋のすぐ手前まで来た。このあたりは竜神峡という渓谷があり、その川をせき止める竜神ダムがあり、そのはるか上空を吊り橋が渡っている。看板にしたがって県道33号を外れて坂道をずんずん登っていくと駐車場があった。

おお、これか。
駐車場から見た竜神大吊橋
橋を渡るには入場料310円が必要。完全に観光用に造られた吊り橋だ。見る限り、地域の人の日常的な行き来を容易にするルートとしてこの橋を利用している様子はない。入口付近にはマスコットの竜の像。かわいい…のかな。
竜神大吊橋 マスコットの竜
吊り橋の全長は375メートル。各種情報では本州一の長さを謳っているが、それはかつての話であり、2018年初め時点では静岡県の三島スカイウォークが本州一かつ日本一だと思われる。とはいえこちらも相当な長さであることは間違いない。

竜神湖のはるか上空を渡る

吊り橋といっても、かなりガッチリと建造されており、それほど揺れは感じない。揺れるという面での恐怖感については心配いらない。スリルを求める人には物足りない?

だがしかし、高さがすごいのだ。下のダム湖面から100メートルあるそうだ。ちょっと半端ない高さ。揺れないからといって、高所がだめな人でも渡れるかというと…うーん、やっぱり厳しいんじゃないかな。

橋の上から竜神ダムを見下ろす。貯水は少ない状態と思われる。
竜神ダム
反対側に竜神峡へと続くダム湖が見える。
竜神湖
橋の床が2箇所ほど、ガラスになっているところがある。はるか下の湖面が透けて見えるというスリル演出だ。しかし年季の入ったガラスは汚れで曇ってしまっており、残念ながら演出効果はいまいち。

バンジージャンプの瞬間を見た!

橋の真ん中らへんにはバンジージャンプ所が設けられていた。ちょうどタイミング良くジャンパーの一団がやってきて準備を始めたところだった。おお、これはぜひ跳ぶ瞬間を見たい。いいアングルで見物できそうな向こう側の展望台へと急いだ。

ちなみに渡った先では金ぴかの竜がこちらを見ている。
竜神大吊橋 向こう側の金竜
展望台には同じくジャンプの瞬間の目撃者にならんとする客がたむろしていた。やがて例の一団の掛け声があたりにこだまする。カウントダウンだ。来るぞ来るぞ…こちら側の客も息をのんで見守る。ゴクリ。

3、2、1、ゼロ! キターーーーーーーーーー!
ちくしょう、逆光になってしまった。

橋の向こうに遊歩道あり

展望台の先には長短さまざまな遊歩道コースがあるみたいだが、スケジュールの都合でパス。橋を逆行して入口まで戻ってきた。その間にもジャンパーは次々と跳んでいるようで、時おりカウントダウンやその後の歓声が聞こえてきていた。

駐車場に隣接して水府物産センターがある。1階が土産物コーナーで2階がレストラン。1階をちょっとのぞいてみたけど何も買わず終了。
水府物産センター
また、駐車場の外れにバンジージャンプの申し込み所があった。バンジーっていくらくらいするんだろう…初回16000円だって。同じ日の2回目以降が7000円。そうか、それくらいするか。命がけだしな。旅のメンバーに「いくらくらいすると思う?」と聞かれて、考えなくテキトーに「2000円」と答えた自分がこっ恥ずかしい。


竜神ダムも見学してみた

竜神大吊橋は以上で終了。車で県道へ戻り、別の脇道から竜神ダムへ行ってみた。管理事務所には入れないけど、駐車場に停めて周囲を少しうろつくことはできる。

ダム湖の水はやはり少なめな感じがする。
竜神湖
下流側がこちら。ダムとしての規模は小さい方と思われる。
竜神ダム 下流側
我ら以外に人の姿はなく、観光客相手の店も休業状態で閉ざされており、いささか寂れた様子であった。空の上には先ほどまでいた竜神大吊橋。下から見ると橋の骨格が竜の腹に見えなくもない。
竜神ダムの上空に見える竜神大吊橋
我々は竜の背を渡り、ジャンパーは飛竜からダイブした竜騎士だ、と想像してみるのも悪くない。

(追記)4年後に再訪した時も変わらずバンジージャンプをやっていた。