寒さ厳しい折、茨城冬紀行と称したグループ旅行にて茨城北部の温泉めぐりをしたのだが、普通の観光地にも何箇所か寄ってみた。そして結果的に3つの滝を見学することになったのである。
この地域を“滝の見どころ”という特徴でくくる切り口もアリなのかもしれない。そこで本記事では「茨城県北エリアの滝3選」と題して、これらの滝を紹介していくことにする。迫力あり、ユニークな景色あり、優美さあり、個性豊かな滝の競演の始まり~。
GWとか紅葉シーズン週末とかの最盛期には車が詰まっちゃってひどく渋滞しそうな印象を受けた。今回は閑散期と思われ、そこそこ人出はあったが、まあ楽勝。
我ら一行は豊年万作という旅館が一時開放している駐車場に車を入れた。料金は500円。たぶんどこの駐車場に入れても同料金だと思う(たまに「店内ご利用なら無料」とする店付きの駐車場もある模様)。
途中で枝分かれした通路の奥には「恋人の聖地」像。なぜこんなところにあるのか、さっぱりわからない。おじさんには縁のない場所だからさっさと先へ進む。
この観瀑台は滝を下から見上げる形になり、滝は3段落ちのように見える(実際は4段ある)。高さ120メートルを落ちてくる水は、たくさんの白い糸が垂れ下がっているかのよう。絶対的な水量は多いが滝のサイズと比べて相対的には少なめ。時期的な傾向だろうか。
真冬は氷結することがあるというから、その姿を見てみたい気持ちもあったが、この日は凍ってなかった。周囲から耳に入ってくる立ち話によれば1週間前には凍っていたとのこと。微妙にタイミングを外してしまったようだ。
全体像を俯瞰するなら新観瀑台、より間近で迫力を感じるなら観瀑台、ってとこかな。
さっき後回しにした枝分かれまで戻り、小さな吊り橋のところに出た。吊り橋からも滝は見えるし、反対側には巨大な岩がゴロゴロと、川を塞がんばかりに転がっている光景が展開していた。
あとは川の対岸沿いに駐車場へ戻っておしまい。さすがはビッグスリーの一角を占めるだけのことはある。迫力があってよかった。
駐車場が「もみじ苑駐車場」という名前だったから、「場所を間違えた? 滝はどこだ?!」と戸惑ってしまったが、もみじ苑というお店と滝は一体化したものとして認識しておくと迷わずにすむ。
向かって右手から滝の裏側の空間へ回り込むことができる。別名「裏見の滝」と呼ばれる由縁である。
水しぶきのすぐ近くまで行けるから、写真の撮りようによっては虹が写り込んだりして、なかなか味のある、インスタ映えしそうなショットが得られる。自撮りした自分たちの周りをちょうど虹が取り囲むように写せると「当たり」で、ご利益があるとかないとか。
あるいはこんな写真。
なお、もみじ苑ではパワーチャージという滝行体験も受け付けている。白装束を身につけて滝の水に打たれるアレ。煩悩を振り払い、悟りを開けるかもしれない。我こそはと思わん方はぜひ(自己責任で)。
我々は旅の2日目に横川温泉・中野屋旅館で日帰り入浴した後、太平洋側の高萩へ抜けようと車を走らせている時に下滝を発見し、立ち寄ってみることにしたのだった。
一番下が観瀑台ぽくなっており、さらに先へ、水のそばまで行こうと思えば行ける。滝は迫力満点の大きさというものではないけれども、なんというか姿形がすぐれている。
明らかに水流はあるしザーザーと水音もするのに、なぜだか漂う静謐感。大河ドラマのオープニングのワンシーンに使われてもおかしくないような貫禄。なかなか結構なお点前でした。
滝。英語でウォーターフォール。IT・ソフトウェア業界でウォーターフォールというと悪いイメージが染み付いちゃって、「イケてなさ」を象徴する単語に成り下がってしまったが、本記事のウォーターフォールは大丈夫。イケてるからご安心あれ。
【この旅行に関する他の記事】
この地域を“滝の見どころ”という特徴でくくる切り口もアリなのかもしれない。そこで本記事では「茨城県北エリアの滝3選」と題して、これらの滝を紹介していくことにする。迫力あり、ユニークな景色あり、優美さあり、個性豊かな滝の競演の始まり~。
日本三大瀑布はダテじゃない! 袋田の滝
駐車場と土産物屋が並ぶアプローチ
最も有名だと思われるのが袋田の滝。なにしろ華厳の滝・那智の滝と並ぶ日本三大瀑布の一つなのだ。奥久慈・大子町を代表する観光スポットといえる。滝へのアプローチとなる車道は、終点へ近づくにつれて道の両側に土産物店と駐車場がすらりと並び、すっかり観光地化された様子に変わる。GWとか紅葉シーズン週末とかの最盛期には車が詰まっちゃってひどく渋滞しそうな印象を受けた。今回は閑散期と思われ、そこそこ人出はあったが、まあ楽勝。
我ら一行は豊年万作という旅館が一時開放している駐車場に車を入れた。料金は500円。たぶんどこの駐車場に入れても同料金だと思う(たまに「店内ご利用なら無料」とする店付きの駐車場もある模様)。
滝へと続くトンネル
ここからすぐに滝は見えない。まず200メートルほど歩いて券売所で300円を支払い、袋田の滝トンネルへと進む。トンネル内はもちろん明るくしてあって歩行に支障はない。なぜか途中に観音像が祀ってあった。途中で枝分かれした通路の奥には「恋人の聖地」像。なぜこんなところにあるのか、さっぱりわからない。おじさんには縁のない場所だからさっさと先へ進む。
観瀑台から見える姿に目を見張る
吊り橋へ続く2番目の枝分かれを後に回し、直進していった奥に観瀑台があった。おお、でかい! 急に大きな滝が視界に入ってくるから驚きと感動を呼ぶ。当所のハイライトだ。ドーンと力強く迫ってくる滝の見事な姿はちょっと写真では表現しきれない。この観瀑台は滝を下から見上げる形になり、滝は3段落ちのように見える(実際は4段ある)。高さ120メートルを落ちてくる水は、たくさんの白い糸が垂れ下がっているかのよう。絶対的な水量は多いが滝のサイズと比べて相対的には少なめ。時期的な傾向だろうか。
真冬は氷結することがあるというから、その姿を見てみたい気持ちもあったが、この日は凍ってなかった。周囲から耳に入ってくる立ち話によれば1週間前には凍っていたとのこと。微妙にタイミングを外してしまったようだ。
滝を見下ろす新観瀑台
さらにトンネルを進んで上りエレベータに乗り、着いたところが新観瀑台。3つのデッキからなり、いずれも滝を上から見る趣向になっている。ここでは滝が4段あることを確認できる。全体像を俯瞰するなら新観瀑台、より間近で迫力を感じるなら観瀑台、ってとこかな。
さっき後回しにした枝分かれまで戻り、小さな吊り橋のところに出た。吊り橋からも滝は見えるし、反対側には巨大な岩がゴロゴロと、川を塞がんばかりに転がっている光景が展開していた。
あとは川の対岸沿いに駐車場へ戻っておしまい。さすがはビッグスリーの一角を占めるだけのことはある。迫力があってよかった。
裏側が見える! ユニークな月待の滝
日本一やさしい滝とは?!
お次は月待の滝。袋田の滝から北方へ車で15分くらいのところにある。途中の看板には「日本一やさしい滝」とのキャッチフレーズが書かれている。月待の滝は後述するように滝の裏側へ入っていけるのだが、件のフレーズは「日本一簡単に裏側へ回ることができますよ」ということが言いたいようだ。駐車場が「もみじ苑駐車場」という名前だったから、「場所を間違えた? 滝はどこだ?!」と戸惑ってしまったが、もみじ苑というお店と滝は一体化したものとして認識しておくと迷わずにすむ。
虹のご利益を求めて
現地はもみじ苑の店の前庭がそのまま滝という感じだった。高さは17メートルだそうで、スケールを競う滝ではない。向かって右手から滝の裏側の空間へ回り込むことができる。別名「裏見の滝」と呼ばれる由縁である。
水しぶきのすぐ近くまで行けるから、写真の撮りようによっては虹が写り込んだりして、なかなか味のある、インスタ映えしそうなショットが得られる。自撮りした自分たちの周りをちょうど虹が取り囲むように写せると「当たり」で、ご利益があるとかないとか。
あるいはこんな写真。
パワーチャージで悟りを開け
滝の見学自体にそれほど時間はかからない。本来ならもみじ苑での休憩とセットにすべき場所かも知れないが、我々はスケジュールの都合でパス。ネットでの評判を見る限り、当店は御食事処としても人気があるようだ。なお、もみじ苑ではパワーチャージという滝行体験も受け付けている。白装束を身につけて滝の水に打たれるアレ。煩悩を振り払い、悟りを開けるかもしれない。我こそはと思わん方はぜひ(自己責任で)。
見事なフォルム! 横川の下滝
温泉地の近くにある滝
最後は横川の下滝。大まかに、前記2つがJR水郡線や国道118号の筋にあるとすると、そこと太平洋岸との中間を走る国道349号の筋に下滝はある(349号から2キロほど東に入ったところ)。我々は旅の2日目に横川温泉・中野屋旅館で日帰り入浴した後、太平洋側の高萩へ抜けようと車を走らせている時に下滝を発見し、立ち寄ってみることにしたのだった。
ほう、これはこれは
平日午前とはいえ駐車場に他の車は1台もいない。あれ? 1台くらいは置いてあったっけかな?…少なくともあたりに人の姿はゼロ。駐車場から階段を下りていくと滝が見えてきた。一番下が観瀑台ぽくなっており、さらに先へ、水のそばまで行こうと思えば行ける。滝は迫力満点の大きさというものではないけれども、なんというか姿形がすぐれている。
明らかに水流はあるしザーザーと水音もするのに、なぜだか漂う静謐感。大河ドラマのオープニングのワンシーンに使われてもおかしくないような貫禄。なかなか結構なお点前でした。
滝。英語でウォーターフォール。IT・ソフトウェア業界でウォーターフォールというと悪いイメージが染み付いちゃって、「イケてなさ」を象徴する単語に成り下がってしまったが、本記事のウォーターフォールは大丈夫。イケてるからご安心あれ。
【この旅行に関する他の記事】