信州の湯治場・鹿教湯(かけゆ)温泉には名所旧跡をめぐるちょっとした散策コースがある。2016年末に訪れた際には雪道に阻まれて途中で断念させられ、コースを完遂することはできなかった。
あれから約8ヶ月、真夏の避暑企画としてグループ旅行で再訪する機会を得たので、再チャレンジしてみた。
途中の小諸での乗り継ぎを含めて1時間後に上田に到着。お城口のバス乗り場付近の景色に前回訪問時の記憶が重なる。また会ったな、上田さんよ。
グループ旅行で自分勝手に動くわけにはいかない。駅前の気になる「からあげセンター」には今回も入れずじまい。
途中の宮沢というバス停は我がお気に入りの「何もない霊泉寺温泉」への入口である。ここで1名の旅人が降りていった。明らかに霊泉寺温泉の客とみえる。いいなあ。
霊泉寺温泉そのうちまた行ったるでー、とずっと意気込んでいたけれど、まさか鹿教湯温泉の方を先に再訪することになるとはね。メンバーの1人の「鹿教湯温泉に行ってみたい」という憧れを成就するため今回の旅程となった次第だが、いやはや人生はわからないものである。
湯端通りを少し歩くと巨大な斎藤ホテルのビルが見えてくる。やや鄙び感のある温泉街の中でここだけが異質な近代的都会的ビルなのだ。初見だとそのギャップに驚かされる。
続いて坂を下っていった先に日帰り共同浴場の「文殊の湯」。前回ここに立ち寄ったら地元民らしきおじさんに別人と間違われて声をかけられたんだったな。
すぐ近くに五台橋というかわいい木の橋がある。冬になると氷で作った筒の中に火を灯したろうそくを入れて橋の両脇に並べるという幻想的な演出が行われる。見学スポットとしてはクライマックスの一つだ。
橋の上から内村川を望む。秋には見事な紅葉が予想される。
右手に進むと県宝文化財の文殊堂が姿を現した。日本三文殊の一つとされるそうだ。ネットで三文殊を検索すると別の地名がわらわら出てきたのは見なかったことにしておこう。
付近に人が常駐している様子はないから、御朱印が欲しい場合にどうするのかはよくわからない。
もっと右手を進むと温泉薬師堂がある。屋根がちょっと厳しいことになってきてるな。先の急階段を上ってきた場合はここへ出てくる。
このあたりになると内村川の谷はかなり深くなって、高所恐怖の気がある人は下をのぞくのが厳しいくらいの高さになっている。観光案内図によれば、みどり橋ではムササビやモモンガを見られることがあるそうだ。このときはいなかったが。
みどり橋から数分歩くと今度は「万年橋」が出てきた。やっぱり谷は深い。地上30メートルの吊り橋だそうな。
あきらめて天龍寺へ下る急坂に立った。そうそう、ここだよ、ここ。前回はうっすら積もった雪のせいで、坂を下ろうとするとどう踏ん張ってもスキー直滑降状態になりかけてしまい、危険を察知して引き返したのだった。
上の写真で見えている坂の最後はほぼ直角に右へ折れている。記憶によればフェンスは一応あるけど、もしスキー状態のままスピードに乗って滑っていって、カーブを曲がりきれずフェンスを突き破れば「崖下にさいなら」だ。おー怖。
だが夏なら造作もないぜ。ふははははは! リベンジ成功。
本物の天龍寺はバス通りまで下りきったところにあった。建物は比較的新しい。
主だった見学スポットは以上で終了。あとはバス通りに沿って温泉街を左右に見ながらスタート地点へと戻った。途中には文殊の湯とはまた別の、地元民向けらしき共同湯や、温泉病院などがあった。
このハーフコースならのんびり歩いても1時間はかからない。時おり介護の人に付き添われて歩く(または車椅子の)お年寄りとすれ違うことがあった。リハビリにも使われるコースのようだ。
案内によれば、ここからさらに月見堂・展望台などへ行くことができる。それどころか本来は21番名所巡りなる大回りのウォーキングコースが整備されているのだ。時間に余裕のある方はどうぞ。
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あれから約8ヶ月、真夏の避暑企画としてグループ旅行で再訪する機会を得たので、再チャレンジしてみた。
また来たぜ、鹿教湯温泉
勝手知ったる上田駅
旅の2日目、我ら一行は前泊地の万座温泉からバスで軽井沢駅へやって来た。ここからしなの鉄道で上田へ向かう。駅のホームには撮り鉄ぽい兄ちゃんが電車の写真を撮っていた。こちらもつられてパチリ。途中の小諸での乗り継ぎを含めて1時間後に上田に到着。お城口のバス乗り場付近の景色に前回訪問時の記憶が重なる。また会ったな、上田さんよ。
グループ旅行で自分勝手に動くわけにはいかない。駅前の気になる「からあげセンター」には今回も入れずじまい。
霊泉寺温泉はまたいつの日か
上田駅から鹿教湯車庫行きのバスに乗る。前回は丸子経由の便だったが今回は平井寺経由の便を使って所要時間を30分近く短縮できた。途中の宮沢というバス停は我がお気に入りの「何もない霊泉寺温泉」への入口である。ここで1名の旅人が降りていった。明らかに霊泉寺温泉の客とみえる。いいなあ。
霊泉寺温泉そのうちまた行ったるでー、とずっと意気込んでいたけれど、まさか鹿教湯温泉の方を先に再訪することになるとはね。メンバーの1人の「鹿教湯温泉に行ってみたい」という憧れを成就するため今回の旅程となった次第だが、いやはや人生はわからないものである。
散策前半:バラエティゆたかな見どころ
巨大なビルと小さな五台橋
終点近くの鹿教湯温泉バス停で下車して、まず「みやこ旅館」にチェックイン。部屋に荷物を置いてから湯端通りの交差点に出てきた。ここから散策をスタート。湯端通りを少し歩くと巨大な斎藤ホテルのビルが見えてくる。やや鄙び感のある温泉街の中でここだけが異質な近代的都会的ビルなのだ。初見だとそのギャップに驚かされる。
続いて坂を下っていった先に日帰り共同浴場の「文殊の湯」。前回ここに立ち寄ったら地元民らしきおじさんに別人と間違われて声をかけられたんだったな。
すぐ近くに五台橋というかわいい木の橋がある。冬になると氷で作った筒の中に火を灯したろうそくを入れて橋の両脇に並べるという幻想的な演出が行われる。見学スポットとしてはクライマックスの一つだ。
橋の上から内村川を望む。秋には見事な紅葉が予想される。
県宝・文殊堂と薬師堂
ここから急階段を上る道とゆるい坂道に分かれる。我々はゆるい坂道を行った。上りきったところに鹿の像があった(冒頭の写真)。結構リアル。屋根の陰になっていると一瞬本物と見間違えそうに…ならない?右手に進むと県宝文化財の文殊堂が姿を現した。日本三文殊の一つとされるそうだ。ネットで三文殊を検索すると別の地名がわらわら出てきたのは見なかったことにしておこう。
付近に人が常駐している様子はないから、御朱印が欲しい場合にどうするのかはよくわからない。
もっと右手を進むと温泉薬師堂がある。屋根がちょっと厳しいことになってきてるな。先の急階段を上ってきた場合はここへ出てくる。
深い谷にかかるみどり橋と万年橋
道はさらに先まであったが、おとなしくハーフコースにしておこうということで、いったん鹿の像まで引き返して反対側の左手の道を行くと、まもなく「みどり橋」という吊り橋が現れた。このあたりになると内村川の谷はかなり深くなって、高所恐怖の気がある人は下をのぞくのが厳しいくらいの高さになっている。観光案内図によれば、みどり橋ではムササビやモモンガを見られることがあるそうだ。このときはいなかったが。
みどり橋から数分歩くと今度は「万年橋」が出てきた。やっぱり谷は深い。地上30メートルの吊り橋だそうな。
散策後半:遺恨の坂道にリベンジせよ
自分にとってのクライマックス
橋を渡った先に秋葉神社がある。といっても、前回もそうだったのだが、神社までの道が工事用ゲートで塞がれているように見える。「ここから先へは進めません」とか「○○のため立入禁止」とかの札があるわけでもなく、ここは本当によくわからない。あきらめて天龍寺へ下る急坂に立った。そうそう、ここだよ、ここ。前回はうっすら積もった雪のせいで、坂を下ろうとするとどう踏ん張ってもスキー直滑降状態になりかけてしまい、危険を察知して引き返したのだった。
上の写真で見えている坂の最後はほぼ直角に右へ折れている。記憶によればフェンスは一応あるけど、もしスキー状態のままスピードに乗って滑っていって、カーブを曲がりきれずフェンスを突き破れば「崖下にさいなら」だ。おー怖。
だが夏なら造作もないぜ。ふははははは! リベンジ成功。
リニューアル? 天龍寺
難所をクリアしたら、あとはだらだらと坂を下って天龍寺。と思ったらフェイクだった。何の建物ですかね、これは。屋根のてっぺんに龍と真田の六文銭みたいなものが見える。本物の天龍寺はバス通りまで下りきったところにあった。建物は比較的新しい。
主だった見学スポットは以上で終了。あとはバス通りに沿って温泉街を左右に見ながらスタート地点へと戻った。途中には文殊の湯とはまた別の、地元民向けらしき共同湯や、温泉病院などがあった。
このハーフコースならのんびり歩いても1時間はかからない。時おり介護の人に付き添われて歩く(または車椅子の)お年寄りとすれ違うことがあった。リハビリにも使われるコースのようだ。
別のコースもあります
スタート地点から最初の向きと反対へ進んでいくと交流センター・観光協会・旅館組合・郵便局が同居した建物があり、足湯コーナーが設置されている。案内によれば、ここからさらに月見堂・展望台などへ行くことができる。それどころか本来は21番名所巡りなる大回りのウォーキングコースが整備されているのだ。時間に余裕のある方はどうぞ。
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