夏の伊豆一人旅で伊東から函南へ移動する途中に熱海をぶらぶらした。来宮神社からサンビーチに出て熱海駅へ至るコース。何度か訪れたことのあるおなじみの熱海の風景だが、たまに来てみるのもいいもんだ。
それにしても暑い! 熱中症になるかと思った。そして坂がきつい! 何の罰ゲームかと思ったぞ。最後に待つお寿司を心の支えに、炎天下をただ黙々と歩き続けたのだった。
来宮駅の軒下にはツバメの巣。頭上をたくさんのツバメが飛んでいたのは吉兆か…そういうことにして駅に別れを告げて歩き出す。案内に従って3分も行けば来宮神社だ。
鳥居をくぐるとお稲荷さんへの分岐があって、少し先には巨大な胴回りのクスノキが生えていて多くの見物客に取り囲まれていた。樹齢なんと1300年。しかも300年前に落雷を受けながらも生き残ったそうだ。
幹の内部はすっかり空洞化していて中に祠が設置してあった。いかにも何か宿っていそう。
この木は第二大楠と名付けられている。ということはつまり第一大楠もあるわけだ。しかもそっちの方が主役ぽい。上には上がいるのか。
本殿の横にはおしゃれなカフェがあったけど休憩するにはまだ早い。
上の写真は人が写り込まないアングルで撮ったもの。このクスノキは御利益あるパワースポットとしても知られ、実際は祠の前で参拝待ちの女子の方々がずらーーーっと列をなしていた。周囲にもたくさんの人、人、人。
残念ながらもう時間に余裕がない。列に並ぶのをあきらめ、第一大楠への参拝をスルーして来宮神社を離れた。惜しいけど仕方がない。
急坂が糸川に沿う緩やかな道へ変わる辺りに温泉に関する見どころがある。お湯が吹き出る大湯間歇泉、名高い日帰り温泉・日航亭大湯、それに温泉寺と湯前神社。
しかしあまりの暑さでそれらを気にかける余裕などなかった。日差しがきつい、蒸し暑い、汗が滝のように流れる。もはや一刻も早く海へ出ることしか頭になかった。
それにしても暑い! 熱中症になるかと思った。そして坂がきつい! 何の罰ゲームかと思ったぞ。最後に待つお寿司を心の支えに、炎天下をただ黙々と歩き続けたのだった。
来宮神社のパワースポット
おそるべき生命力・第二大楠
前泊の伊東温泉・大東館を遅めチェックアウトしてからJR伊東線に乗って来宮駅に着いたのが正午近く。熱海駅を発つ列車の予定時刻までに与えられた時間は約100分。ぶら散歩のテーマは神社参拝・海を見る・お宮の松・寿司をつまむ。さあ行きますぞ。来宮駅の軒下にはツバメの巣。頭上をたくさんのツバメが飛んでいたのは吉兆か…そういうことにして駅に別れを告げて歩き出す。案内に従って3分も行けば来宮神社だ。
鳥居をくぐるとお稲荷さんへの分岐があって、少し先には巨大な胴回りのクスノキが生えていて多くの見物客に取り囲まれていた。樹齢なんと1300年。しかも300年前に落雷を受けながらも生き残ったそうだ。
幹の内部はすっかり空洞化していて中に祠が設置してあった。いかにも何か宿っていそう。
この木は第二大楠と名付けられている。ということはつまり第一大楠もあるわけだ。しかもそっちの方が主役ぽい。上には上がいるのか。
本殿を参拝
参道をずんずん進んで石段を上ると本殿がある。ちょうどなだれ込んで来た団体客の群れに揉まれそうになったので少しのあいだ離脱して空くのを待った。人の波が去るのを見計らって参拝。本殿の横にはおしゃれなカフェがあったけど休憩するにはまだ早い。
太さと行列がものすごい・第一大楠
本殿の左脇からさらに奥へ抜けて行くと第一大楠がある。こちらはなんとなんと樹齢2000年。国指定天然記念物だ。ものすごく太い。幹を取り囲むのに何名分の人の輪が必要だろう。上の写真は人が写り込まないアングルで撮ったもの。このクスノキは御利益あるパワースポットとしても知られ、実際は祠の前で参拝待ちの女子の方々がずらーーーっと列をなしていた。周囲にもたくさんの人、人、人。
残念ながらもう時間に余裕がない。列に並ぶのをあきらめ、第一大楠への参拝をスルーして来宮神社を離れた。惜しいけど仕方がない。
太陽に盗まれた男
暑さとのたたかい
お次はとにかく海へ出よう。最短距離を求めるかのような急坂を下っていく。途中のファミレス付近から熱海の街と海を展望できた。下の写真の右側・山の中腹あたりに小さく見えるのは謎の熱海城。急坂が糸川に沿う緩やかな道へ変わる辺りに温泉に関する見どころがある。お湯が吹き出る大湯間歇泉、名高い日帰り温泉・日航亭大湯、それに温泉寺と湯前神社。
しかしあまりの暑さでそれらを気にかける余裕などなかった。日差しがきつい、蒸し暑い、汗が滝のように流れる。もはや一刻も早く海へ出ることしか頭になかった。
(2022/8追記)大湯間歇泉と日航亭大湯は5年後に行ってみた。
海に着いて最初に目に入ったのはヨットハーバーだった。せっかくだから写真に収めておこう。下の写真の右側・山の中腹あたりに見えるのは謎の熱海城。
海よ~俺の海よ~♪…加山雄三の歌の一節が頭の中で無限ループし始めたら元気が戻ってきた。
頭の中は加山雄三から郷ひろみのアチチに切り替わっていた。ファミリーとナウなヤングの楽しそうな声が耳元に届く。今日は天気もいいし、人も少なめだから、のびのびできて最高だろうね。とはいえ自分には場違いなスポットなので、かすめるようにして通り過ぎた。
よし、バッチリ完璧、これで思い残すことはない。…しかし待てよ、後日気づいたのだが、写真は貫一・お宮の像だよね。お宮の松ってのは植物の松だよね。あれれ、松を見た記憶がないぞ。
うわー、やってもうたー! なんたる失態。やはり暑さで頭がイカれていたのだろう。
しかも熱海駅へすんなり行ける道がない。狭い路地をくねくね通ったり、ぐるーっと遠回りさせられたり、急階段を上ったり、何の罰ゲームだこれは。
暑い暑い暑い暑い暑い暑い…吹き出す汗、のぼせる頭、乱れる呼吸、ふらつく足元…やばいやばい熱中症になっちゃうよ。アルシンドになっちゃうよ。限界は近いぞ、熱海駅はまだか。
昼どきで混んでいたが、タイミング良く待たずにカウンター席へもぐりこむことができた。とろけるお寿司と冷たいビールですっかり生き返ったのだった。
熱海駅も20世紀の昭和から21世紀の装いにすっかり変わっちゃったね。しかし改札を入ると、いつか見た覚えのある、相変わらずの熱海駅だった。
赤信号が長いよ!
暑い暑い暑い暑い暑い暑い…ふらふらになりながら、とうとう海へ出た。それにしても、海の手前の国道135号は横断歩道が押しボタン式のくせに、ボタンを押してもちっとも信号が変わらない。青になるまで何分待ったか。力尽きて倒れるかと思った。海に着いて最初に目に入ったのはヨットハーバーだった。せっかくだから写真に収めておこう。下の写真の右側・山の中腹あたりに見えるのは謎の熱海城。
海よ~俺の海よ~♪…加山雄三の歌の一節が頭の中で無限ループし始めたら元気が戻ってきた。
サンビーチでアチチ
熱海駅の方へ歩き出すとすぐに砂浜が姿を表した。熱海サンビーチだ。青い空と青い海、緑の丘と白い砂浜、そして背後のホテル群があわさってリゾートムード満点。頭の中は加山雄三から郷ひろみのアチチに切り替わっていた。ファミリーとナウなヤングの楽しそうな声が耳元に届く。今日は天気もいいし、人も少なめだから、のびのびできて最高だろうね。とはいえ自分には場違いなスポットなので、かすめるようにして通り過ぎた。
お宮の松で大チョンボ
さてお次はお宮の松だ。場所はサンビーチのすぐ近くだからあっさり着いた。特に思い入れがあるわけじゃないが、一応有名スポットだから押さえておかないとね。よし、バッチリ完璧、これで思い残すことはない。…しかし待てよ、後日気づいたのだが、写真は貫一・お宮の像だよね。お宮の松ってのは植物の松だよね。あれれ、松を見た記憶がないぞ。
うわー、やってもうたー! なんたる失態。やはり暑さで頭がイカれていたのだろう。
ミアタでシースー
迷路のような駅までの道
さあラストは自分へのご褒美だ。熱海駅近くの商店街でお寿司を食べるのだ。だが最後の試練とばかりにギラつく太陽と急坂が自分を苦しめた。まず初っ端から国道135号の長い長い赤信号でHPを大幅に削られた。しかも熱海駅へすんなり行ける道がない。狭い路地をくねくね通ったり、ぐるーっと遠回りさせられたり、急階段を上ったり、何の罰ゲームだこれは。
暑い暑い暑い暑い暑い暑い…吹き出す汗、のぼせる頭、乱れる呼吸、ふらつく足元…やばいやばい熱中症になっちゃうよ。アルシンドになっちゃうよ。限界は近いぞ、熱海駅はまだか。
念願の寿司にありつく
グロッキー寸前でどうにかアーケード通りへ着いた。ふぃー。日陰に入ったら少し落ち着いた。ではご褒美をいただこうか。ちょうど目に付いたのが「寿司の磯丸 仲見世店」。よし、キミにきめた!昼どきで混んでいたが、タイミング良く待たずにカウンター席へもぐりこむことができた。とろけるお寿司と冷たいビールですっかり生き返ったのだった。
誇らしげに立つ新しい駅ビル・ラスカ熱海
店を出て熱海駅へ行くと、なんじゃこりゃあ、新しい駅ビルができてるぞ。ラスカ熱海というらしい。各種お土産店・レストラン・カフェ・成城石井などが連なる気合いの入ったショッピングモールだ。熱海駅も20世紀の昭和から21世紀の装いにすっかり変わっちゃったね。しかし改札を入ると、いつか見た覚えのある、相変わらずの熱海駅だった。