生源泉三銃士のもとへ、いざ - ルートイングランティア羽生

ルートイングランティア羽生
羽生といえばフィギュアスケートや将棋界のトッププレイヤーが頭に浮かぶ(読みは違うが)。続いて、東北自動車道のパーキングエリアにあったなー、と。

申し訳ないが埼玉県・羽生に温泉のイメージはなかった。ところがネットで調べると、なかなか評判の良い温泉付きのビジネスホテルがあるというのだ。その名も「ルートイングランティア羽生」。中2男子が喜びそうな語感である。

そんなちょっとしたきっかけで、8月に行った「週末ミニひとり旅」の2湯目として当ホテルへ宿泊することになった。おかげで“47都道府県の温泉宿に泊まる計画”の埼玉の部をクリアすることができた。

ルートイングランティア羽生へのアクセス

羽生駅の近くにどーんとそびえる

東京方面から埼玉の久喜までは電車ですんなりいける。JR宇都宮線があるし、東京メトロ半蔵門線から直通する東武伊勢崎線も頻発している。久喜から先は本数が減るものの、東武伊勢崎線で20分程度。そんなに大変じゃない。

今回は久喜で途中下車して日帰り入浴施設「森のせせらぎ なごみ」へ立ち寄った後、羽生に着いたのは夕方。

駅西口を出ると、ロータリーからメインの通りがどーんとまっすぐ伸びていて、もうホテルが見えている。駅から徒歩2~3分、ベルクという大きめのスーパーの先にあるルートイングランティア羽生は名前にふさわしく、ビッグな建物だ。

併設の「華のゆ」をチェック

チェックインの前にホテルのまわりを一周してみた。というのも、当ホテルの温泉とは併設の日帰り入浴施設「華のゆ」のことなのだ。宿泊客は無料で何回でも華のゆを利用できる。

ちょうどホテルの裏側に華のゆの入口があった。立ち寄り客はここから入るわけだ。華のゆとホテルは見た目ほぼ一体化していた。
華のゆ入口

安心クオリティのシングルルーム

さて、ホテルの正面玄関から入ると、いきなり靴を脱ぐようになっていた。館内はすべて素足やスリッパで移動する設計になっているのだ。下足箱に靴をしまい、その鍵をフロントに預けつつのチェックイン。

予約した部屋は禁煙シングルルーム。ビジネスホテルとしては若干狭いほうかな。洗面所・トイレは小さいながら新しいし機能は十分。バス付きではないけど温泉大浴場があるんだから不要でしょう。
ルートイングランティア羽生のシングルルーム
さすがはビジネスホテル、有線LANの口とWiFiが使えるようにしてあり、電源コンセントも使いやすい位置に設置されていた。こういうところは安心感があるね。

なお、館内は全般に古臭いところはなく、清潔感もあって文句なし。こうした点で一定の水準を裏切らないのは大手チェーンの強みだ。


華のゆ温泉体験記

ホテルと直結、スリッパで行ける

華のゆはホテルと直接つながっており、宿泊客はいったん外へ出ることなく、シームレスに大浴場と行き来することが可能だ。

各部屋に用意されている館内着とスリッパを着用して1階へ下りる。エレベーターホール脇の自動ドアの向こうがもう華のゆだ。受付で部屋の鍵と引き換えにロッカーの鍵を受け取る。

※朝6時~10時はホテル客限定の入浴タイムだが、この時間帯は華のゆの受付ではなく、ホテルのフロントでロッカーの鍵を受け取る。

脱衣所で分析書を見つけることはできなかった。ルートイングランティア羽生のホームページによれば泉質は「ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉、低張性、弱アルカリ性、高温泉」とのこと。鍵に記された番号のロッカーに服をしまって、いざ浴室内へ。

18種類もの風呂がある

最も手前の引き戸の向こう側が洗い場の区画。カランの数はたくさん。大規模ホテルとはいえ不足することはないだろう。

そしてここからが圧巻。いったい風呂がいくつあるんや…。説明によればサウナを含めて男女それぞれ18種類とのこと。そのうち3種類=内湯大浴槽・露天大浴槽・露天中浴槽が源泉掛け流しだ。

それ以外はただの沸かし湯かというと、かすかに黄色く見える風呂もいくつかあったから、加水した温泉を使っているのもあるんじゃないかな。とにかく生源泉だけが目当てなら上の3つに絞ればいいし、いずれにせよ全部は試しきれない。好みでチョイスさせてもらいます。

熱めの内湯はクリアな黄色

まずは内湯の中でメインを張る、源泉掛け流しを謳う大浴槽へ。お湯は熱めで底まで見通せるクリアな黄色。この泉質によくある木材系のアブラ臭がはっきりと感じられた。申し分ないのだが、うーん惜しい、もう少しぬるければ…。

大浴槽の向かいには半身浴槽と圧注浴槽がある。一瞬だけ圧注浴槽を試してみた。110センチの深さに立って入ると、中で吹き出すお湯の圧力が下半身にかかってきた。なるほどね。お湯はやっぱり熱め。

露天中浴槽は濃い茶褐色

続いて露天エリアへ。寝湯がほどよくぬるかったのでしばらく横になった。ここのお湯は微黄色。ぬるさが気持ち良くて長湯にちょうどいい。こりゃええわー。

だがそこで終わるわけにはいかない。適当に切り上げて源泉掛け流しの露天中浴槽に入った。ここのお湯は濃いめの茶褐色をしており、ぬるくもなく熱くもない適温だった。わずかに泡付きもあって温泉気分を満喫するにはちょうどいい。

このあと座湯とシルク風呂で初日は終了。目まぐるしく風呂を移り変わったつもりが終わってみれば1時間半以上の滞在であった。これでも18種類中の6種類のみ。なんたるボリューム。

狙い目は露天大浴槽か

翌朝、露天大浴槽に入ってみた。特徴は露天中浴槽と同様。朝からいい湯だなー、と良い気分で空を見上げるとトンボが飛び回っていた。ここは一番人気でもおかしくないはずだが、それほどの混雑はなく、というか人がいないことの方が多いくらい。狙い目かも。

次に「ごろりん湯」。仰向けになった背中側の数センチ分の深さしかお湯がないタイプのやつ。朝の涼しい風が心地良い。寝湯のようにまったり過ごす。ここでも迷い込んできたトンボとご対面。

次に壺風呂。3つある壺は微妙に湯温が違う気がする。一番ぬるいところでしばらく壺漬けになった後、ラストに露天中風呂でしめた。

規模の割に混まないのが良い

3つの源泉掛け流し浴槽は口コミ通りなかなかのお湯であった。それでいて温泉目当ての客が集中することもなく、ゆっくりつかることができるのは良い。

源泉浴槽に限らずどの風呂も混雑することはなかった。たまたま満員になることがあっても一時的。常時人だらけの風呂はない。みんな、いろんな種類に入ってみたいと思って、特定の風呂に固執しないからだろうか。


居酒屋での夕食と朝食バイキング

海鮮ダイニングでひとり飲み会

ルートイングランティア羽生はビジネスホテルだから夕食は自分でなんとかする。たとえばスーパーで買い出しするとか、向かいのファミレス(夢庵)で食べるとか。

自分はもう外出が面倒になったので、華のゆ2階の居酒屋「海鮮ダイニング まぐろや はなの夢」を利用した。サラダのつもりで頼んだ“ぱりぱりキャベツ”の皿がでかい。中生ビールとの比較画像をどうぞ。一人にゃ多いぞ…。
巨大ぱりぱりキャベツ
ほかに馬刺しユッケと一人前限定の刺身5点盛を。飲み会メニューを一人で飲み食いするのは不思議な気分だが、こういう「ぼっち」でも浮かないシチュエーションであるなら悪くないと思った。
馬刺しユッケと刺身5点盛
調子に乗って川魚の塩焼きとか追加のお酒を頼んだりして、さんざん食べて飲んでお腹パンパン。金額もそこそこいってしまった。まあ付き合いで職場の飲み会に行ったと思えばいいか。

激混みの朝食会場

朝食はホテルのバイキングプランを予約してあった。6時40分から9時まで華のゆ1階のレストラン花茶屋が会場となる。バイキングの内容は和洋折衷で相応に種類は用意されている。

ピークを避けるつもりで8時半頃に行ってみたら、あまりの激混みだったため、いったん撤退し、9時ギリギリに行き直したらすいていた。各料理はなくなる寸前だったが、どうにか一皿分をかき集めた。なくなった料理の都合をどうにかつけようとするスタッフに好感触。

団体が入っていたようだし、学校が夏休みになるような時期の週末だから激混みだった可能性が高い。たしかに子連れファミリーは多かった。平時ならもっと余裕があってゆっくりできるのかもしれない。


行ってみる価値はあり

泊まりの旅行先というには都心から微妙に近いがゆえに、残念ながらガチの温泉宿としては選択肢になりにくいルートイングランティア羽生。しかしその点を抜きにすれば結構ありだと思う。一人泊を当たり前だとみてくれるし。

泊まらないまでも日帰り入浴施設「華のゆ」として利用するだけでも訪れる価値はあるだろう。生源泉三銃士を筆頭に羽生18傑の湯船が歓迎してくれる。


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