箱根の玄関口に展開する、ある種のテーマパーク「鈴廣かまぼこの里」へ一人旅の帰りに寄ってみた。かまぼこ・練り物というワンテーマでよくぞここまで、と感心するほど多種多様なレジャーねたを提供している。
なお、当ブログ主が“かまぼこ”を名乗るからといって、ここ(=かまぼこの里)が我が実家だというわけではもちろんない。もしそうなら鈴廣の経営ファミリーに名を連ねて桁違いにゴージャスな人生を送っていただろうが、現実はそんなに甘くない。
今回は周遊ルートの関係で箱根湯本方面からのアプローチとなった。本記事の出発地点は三島市の巨大吊り橋・三島スカイウォーク。
三島大吊橋バス停で三島駅からやって来た東海バスに乗って終点の元箱根港へ向かう。とにかく箱根の山を目指してバスはずんずん坂道を登っていく。途中には山中城址があった。時間があれば立ち寄ったんだけどね。残念ですがパス。
箱根峠のあたりで芦ノ湖スカイラインや箱根新道が交錯してきて、このあたりは道のつながりがよくわからなくなるんだよね。道の駅を過ぎて下り気味にしばらく行くと、いよいよ終点・元箱根港に到着だ。所要時間25分。
それにしてもさすがは大観光地。平日にもかかわらず大勢の人が歩いていた。しかも大半は外国人観光客だ。ただでさえ少数派の「ぼっち」おじさんは、さらに超マイノリティーな存在になってしまった。
ここから風祭まで、箱根湯本止まりのバスならわりと頻発している。湯本からは箱根登山電車に乗ればいい。それらのバスは箱根新道を通る効率良いルートで行ってくれるから悪くないんだが、ちょうど小田原行きの数少ないバスがまもなく来るところだったんで、そちらへ乗ることにした。
車内は世界各国の方々で満員御礼。どこまで乗っていくんだろうと思っていたら、芦之湯温泉や小涌園ユネッサンでたくさん降りていき、宮ノ下のあたりからは車内にずいぶん余裕ができた。
ここらの風景は駅伝中継でさんざん見たぞー、と大平台の急カーブや函嶺洞門を眺めて、箱根湯本の繁華街を通り抜けて、風祭に到着。所要時間40分。
よし、まずは「かまぼこ博物館」を見学しよう(無料)。ここは3つのフロアごとにテーマがある。
1階のテーマは伝統と技。かまぼこの素材や製造技術に関する展示がある。ちくわについても若干。奥はガラス張りで、向こう側にかまぼこ作りの現場が見えた。手打ちうどんの実演的なやつだ。
おや? あちらで「ちくわが出来ましたよー!」みたいな声掛けをしているぞ。作りたてをもらえるのかな? それともチケットが必要だったりするのかな? …まあいいさ。ここでお腹を膨らすわけにはいかない秘策があった。
ただ単にかまぼこ板に絵を描いただけじゃない(そういうのもあったけど)。板を何枚も組み合わせて広くしたり、長くしたり、立体的にしたり、何かの姿を模したり、いろんな意外性のあるアイデアが見られた。人間の想像力は大したもんですな。
たとえばかまぼこの消化についての展示には一種のAR技術が使われていた。所定の位置に足を乗せると、後方斜め上から撮影された自分の姿と体内消化過程のCGが合成されて、目の前のスクリーンに表示される。ちょっとシュール。
すり身作り体験展示では、石臼に材料がある設定ですりこぎ棒を回すのだが、練っていくにつれて、すり身の繊維がしっかり絡み合っていく様子がスクリーンに映し出され、それにつれて実際に棒を回す負荷が重くなっていくのだ。よくこんなギミックを考えついたな。
フロア奥はキッチンスタジオぽくなっていて、当時は料理教室的なイベントの最中だった。またキッズコーナー風のプラレール広場みたいな一角もあった。3階はお子様がたいそう喜ぶだろう。
主力はやはり鈴廣かまぼこ。他に魚介・青果・お菓子・地ビールなど。生ものとか要冷蔵のものが多くて、しかもファミリー用や贈答用のサイズなので一人旅のお土産にはちょっと…などと抜かして何も買わないケチなおじさんであった。
ここでひときわ目を引いたのが、かまぼこバー。あー、なんかオシャレっすね。突き抜けたセンスに清々しささえ感じる。こいつぁ脱帽だ。
「えれんなごっそ」へ突撃すると、ランチタイムが終わってスイーツ&軽食バイキングタイムが始まるところだった。軽食といっても食事として十分に成立する内容だったから全然OK。80分制で大人1300円はすごいお得だと思う。
新発売という足柄茶仕立てのビールを注文し、バイキングでかまぼこ類・魚の南蛮漬け的なもの・サラダを取ってきた。
取り方がみみっちい?…細けえことはいいんだよ。旅先だからってのを差し引いても、料理もビールも何もかもうまい。満足だ。
取り方がみみっちい?…細けえことはいいんだよ。このサンドイッチは秀逸だった。パンと練り物が想像以上によく合うし、ほかの食材との相性もばっちり。これはうまいね。もう1回取りに行ってしまったよ。
2杯めのビールに夏季限定の足柄ヴァイツェンを飲みつつ、いろいろ取って食べて、80分を待たずにお腹いっぱい。オイルそうめんとでも言いたくなるような冷製パスタで締めて、デザートはほんのちょっとだけ。もう今日は寝るまで飲み食いしなくても大丈夫だ。
えれんなごっそは「ぼっち」で入る勇気さえあれば全然ありだと思った。もし箱根に温泉旅行で来ることがあれば、素泊まりにして、食事とお酒はもうここだけでいいんじゃないかな(ただし軽食バイキングの時間帯を狙うこと)。
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なお、当ブログ主が“かまぼこ”を名乗るからといって、ここ(=かまぼこの里)が我が実家だというわけではもちろんない。もしそうなら鈴廣の経営ファミリーに名を連ねて桁違いにゴージャスな人生を送っていただろうが、現実はそんなに甘くない。
かまぼこの里へのアクセス
三島方面から元箱根港へ
鈴廣かまぼこの里の最寄り駅は箱根登山電車・風祭。小田原と箱根湯本の中間に位置する。箱根観光の行きに小田原方面からアプローチするか、帰りに湯本方面から下りて来るか、それぞれのパターンがあり得るだろう。今回は周遊ルートの関係で箱根湯本方面からのアプローチとなった。本記事の出発地点は三島市の巨大吊り橋・三島スカイウォーク。
三島大吊橋バス停で三島駅からやって来た東海バスに乗って終点の元箱根港へ向かう。とにかく箱根の山を目指してバスはずんずん坂道を登っていく。途中には山中城址があった。時間があれば立ち寄ったんだけどね。残念ですがパス。
箱根峠のあたりで芦ノ湖スカイラインや箱根新道が交錯してきて、このあたりは道のつながりがよくわからなくなるんだよね。道の駅を過ぎて下り気味にしばらく行くと、いよいよ終点・元箱根港に到着だ。所要時間25分。
にぎわう芦ノ湖
せっかく箱根まで来たんだし、と芦ノ湖を写真に収める。遠くに見える鳥居は箱根神社。それにしてもさすがは大観光地。平日にもかかわらず大勢の人が歩いていた。しかも大半は外国人観光客だ。ただでさえ少数派の「ぼっち」おじさんは、さらに超マイノリティーな存在になってしまった。
ここから風祭まで、箱根湯本止まりのバスならわりと頻発している。湯本からは箱根登山電車に乗ればいい。それらのバスは箱根新道を通る効率良いルートで行ってくれるから悪くないんだが、ちょうど小田原行きの数少ないバスがまもなく来るところだったんで、そちらへ乗ることにした。
駅伝コースをバスで下る
乗り込んだバスは箱根駅伝でおなじみのコースを進んだ。やや遠回り気味でくねくね道だから効率はよくないが、旅情を求めるならこっちだろう。車内は世界各国の方々で満員御礼。どこまで乗っていくんだろうと思っていたら、芦之湯温泉や小涌園ユネッサンでたくさん降りていき、宮ノ下のあたりからは車内にずいぶん余裕ができた。
ここらの風景は駅伝中継でさんざん見たぞー、と大平台の急カーブや函嶺洞門を眺めて、箱根湯本の繁華街を通り抜けて、風祭に到着。所要時間40分。
独特のセンスが光る「かまぼこ博物館」
工場見学っぽい1階
かまぼこ業界、さらには小田原の誇る一大ブランドである鈴廣がプロデュースする「かまぼこの里」の前に立つ。観光地に出した単なる直営店とか土産店とかいう枠には収まらない、成功者の余裕を感じさせる複合施設だ。よし、まずは「かまぼこ博物館」を見学しよう(無料)。ここは3つのフロアごとにテーマがある。
1階のテーマは伝統と技。かまぼこの素材や製造技術に関する展示がある。ちくわについても若干。奥はガラス張りで、向こう側にかまぼこ作りの現場が見えた。手打ちうどんの実演的なやつだ。
おや? あちらで「ちくわが出来ましたよー!」みたいな声掛けをしているぞ。作りたてをもらえるのかな? それともチケットが必要だったりするのかな? …まあいいさ。ここでお腹を膨らすわけにはいかない秘策があった。
かまぼこ板アートが並ぶ2階
2階のテーマはかまぼこ板絵美術館。1階が吹き抜けになってる分、2階は壁際の通路のみ。通路に沿って、かまぼこ板で作ったアート作品がたくさん展示されていた。ただ単にかまぼこ板に絵を描いただけじゃない(そういうのもあったけど)。板を何枚も組み合わせて広くしたり、長くしたり、立体的にしたり、何かの姿を模したり、いろんな意外性のあるアイデアが見られた。人間の想像力は大したもんですな。
はじけた科学館の3階
3階のテーマは食と科学。フロア中央の科学コーナーがちょっとはじけたテイストで面白かった。たとえばかまぼこの消化についての展示には一種のAR技術が使われていた。所定の位置に足を乗せると、後方斜め上から撮影された自分の姿と体内消化過程のCGが合成されて、目の前のスクリーンに表示される。ちょっとシュール。
すり身作り体験展示では、石臼に材料がある設定ですりこぎ棒を回すのだが、練っていくにつれて、すり身の繊維がしっかり絡み合っていく様子がスクリーンに映し出され、それにつれて実際に棒を回す負荷が重くなっていくのだ。よくこんなギミックを考えついたな。
フロア奥はキッチンスタジオぽくなっていて、当時は料理教室的なイベントの最中だった。またキッズコーナー風のプラレール広場みたいな一角もあった。3階はお子様がたいそう喜ぶだろう。
おみやげ買うなら「鈴なり市場」
博物館の次は鈴なり市場。まあいわゆる物産店である。中は結構広い。主力はやはり鈴廣かまぼこ。他に魚介・青果・お菓子・地ビールなど。生ものとか要冷蔵のものが多くて、しかもファミリー用や贈答用のサイズなので一人旅のお土産にはちょっと…などと抜かして何も買わないケチなおじさんであった。
ここでひときわ目を引いたのが、かまぼこバー。あー、なんかオシャレっすね。突き抜けたセンスに清々しささえ感じる。こいつぁ脱帽だ。
「えれんなごっそ」でお得に楽しむご当地の味
秘策・昼夕兼用の地ビール&バイキング
さあ、我が秘策を実行に移す時が来た。このためにあえて昼食を抜いた。時刻はまもなく午後3時。道の向かいにある地ビール&レストラン「えれんなごっそ」で昼兼夕食=本日最後の食事をとるのだ。そのかわり飲んで食べまくってやるぜ。「えれんなごっそ」へ突撃すると、ランチタイムが終わってスイーツ&軽食バイキングタイムが始まるところだった。軽食といっても食事として十分に成立する内容だったから全然OK。80分制で大人1300円はすごいお得だと思う。
かまぼこがオシャレなバイキングに?!
当店の特徴は、かまぼこの里にふさわしく練り物メニューがたくさん用意されていることと、箱根ビールを飲めること。新発売という足柄茶仕立てのビールを注文し、バイキングでかまぼこ類・魚の南蛮漬け的なもの・サラダを取ってきた。
取り方がみみっちい?…細けえことはいいんだよ。旅先だからってのを差し引いても、料理もビールも何もかもうまい。満足だ。
練り物を具にしたサンドイッチが秀逸
お次はキッチンスタジオなるコーナーからサンドイッチ具材を調達。揚げたての練り物をパンに挟んで食べるとはね。考えもしなかったな、斬新だ。取り方がみみっちい?…細けえことはいいんだよ。このサンドイッチは秀逸だった。パンと練り物が想像以上によく合うし、ほかの食材との相性もばっちり。これはうまいね。もう1回取りに行ってしまったよ。
2杯めのビールに夏季限定の足柄ヴァイツェンを飲みつつ、いろいろ取って食べて、80分を待たずにお腹いっぱい。オイルそうめんとでも言いたくなるような冷製パスタで締めて、デザートはほんのちょっとだけ。もう今日は寝るまで飲み食いしなくても大丈夫だ。
えれんなごっそは「ぼっち」で入る勇気さえあれば全然ありだと思った。もし箱根に温泉旅行で来ることがあれば、素泊まりにして、食事とお酒はもうここだけでいいんじゃないかな(ただし軽食バイキングの時間帯を狙うこと)。
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