秋田を代表する温泉地・乳頭温泉郷はそれぞれ個性の異なる7つの温泉宿が集まっている。そのうちの一つ「蟹場(がにば)温泉」へ日帰り入浴してきた。2017年上半期総決算となる一人旅「秋田と岩手の温泉ビッグネーム探訪」の4湯目である。
熱い内湯・ぬるい内湯・ワイルドな露天風呂と、バラエテイ豊かなお風呂をめぐってホッとくつろぐお湯につかり、ちょうどいい旅の中休みとなった。
雨に強いアクティビティといえばやはり温泉めぐりである。1泊目の駒ヶ岳温泉をチェックアウトした後、JR田沢湖駅発・乳頭温泉行きのバスに乗り込んだ。えーい、このさい一番奥まで行っちまえ、と終点まで乗ることにした。
ちなみに有名な鶴の湯温泉は乳頭温泉郷の中で少し外れた位置にあり、バスのルートの途中から分岐していく。バスの道中には乳頭七湯のうち休暇村・妙乃湯・大釜温泉があって、終点が蟹場温泉。残りの黒湯温泉と孫六温泉は休暇村で下車して1キロあまりを歩く。
とにもかくにも水沢温泉郷から25分ほどで終点の蟹場温泉に着いた。田沢湖駅からだと40分程度かと思う。
犬と熊も。
入館して受付で600円を支払う。ロビーから右に行くと内湯、左に行くと混浴露天がある。まずは右へ行った。館内はやや鄙び湯治旅館の雰囲気が残っている。本館の先には廊下があって、奥に2つの男湯があった(もしかしたら時間帯で男女入れ替えがあるかもしれない)。
壁の上の方に分析書が貼ってあって、文字が読み取りにくいのだが、弱アルカリの単純泉と書いてあるように思われる。
浴室は洗い場と6~7名規模の木の浴槽が1つ。注がれる源泉は無色透明。浴槽のへりに足を踏み入れると、木とあふれ出るお湯とのコラボ効果でツルッと滑りそうになるので要注意だ。
中に入ると…あちい! とんでもなく熱いぞ。前夜体験した鶴の湯の黒湯風呂で味わったヤバい熱さを思い出す。なんとか1分+休憩をはさんでもう1分、と挑戦したけど、もう限界。逃げました。
こちらは石造りの浴槽でお湯は無色透明。ありがたいことに適温~ややぬるめのやさしい系。自分好み。じっくりつかるには良さそうだ。ふぅぃー、ほっとするわー。小さめの浴槽だけど一人だから全然余裕でのびのびできる。
けっきょく最後まで誰も入ってくることはなかった。平日の午前だったからかな。こうして独占状態で静かに入れるなら、ここが蟹場のメインコンテンツだとしても満足できそう。長湯したいところだったが、気を取り直して本来のメインコンテンツである露天風呂へ向かった。
急に視界がひらけて大きな露天風呂が見えてきた。(一応混浴なので)さらっと見渡してチェックすると人の気配なし。よっしゃあ独占だ。
石組みの露天風呂は10人以上が来ても余裕の大きさ。お湯の感触は小さい方の内湯と同様。微かに硫黄臭がする。温度も適温~ぬるめで入りやすい。ほっとするわー。アプローチの道に対して目隠しとなる柵が一部に立てられており、ご婦人方はここにいるといいよ的な一角になっている。
周囲は山林と沢。風呂が自然の中にすっぽり収まっていて非日常感・別天地感は申し分ない。広い浴槽内を意味もなくあちこち行ったり来たりして、癒やし効果満載のお湯と環境を独り占めするという極上の時間をじっくりと味わった。なんという贅沢。
あとはバスの発車時刻まで、館内の椅子に腰掛けて水分補給しつつまったり過ごす。やがて雨音が強くなってきて、見る間に土砂降りの惨状。だが…ふはははは! いくら降ろうが関係ないぜ。今日は散策系のアクティビティにしなくて大正解。温泉めぐりは強いとあらためて認識した次第。
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熱い内湯・ぬるい内湯・ワイルドな露天風呂と、バラエテイ豊かなお風呂をめぐってホッとくつろぐお湯につかり、ちょうどいい旅の中休みとなった。
蟹場温泉へのアクセス
バスの終点にある蟹場温泉
旅の2日目は梅雨の先走りを思わせる空模様。この日は田沢湖観光や角館を散策する構想もあったけど、この天気じゃ厳しいな。雨に強いアクティビティといえばやはり温泉めぐりである。1泊目の駒ヶ岳温泉をチェックアウトした後、JR田沢湖駅発・乳頭温泉行きのバスに乗り込んだ。えーい、このさい一番奥まで行っちまえ、と終点まで乗ることにした。
ちなみに有名な鶴の湯温泉は乳頭温泉郷の中で少し外れた位置にあり、バスのルートの途中から分岐していく。バスの道中には乳頭七湯のうち休暇村・妙乃湯・大釜温泉があって、終点が蟹場温泉。残りの黒湯温泉と孫六温泉は休暇村で下車して1キロあまりを歩く。
とにもかくにも水沢温泉郷から25分ほどで終点の蟹場温泉に着いた。田沢湖駅からだと40分程度かと思う。
シンボルの蟹がこんにちは
秘湯の宿といっても外観は極端に鄙びている感じではない。相応の居住性は期待できそうに見えた。昔このあたりに蟹が多くいたことが名前の由来だそうで、玄関では蟹のオブジェがお出迎え。犬と熊も。
入館して受付で600円を支払う。ロビーから右に行くと内湯、左に行くと混浴露天がある。まずは右へ行った。館内はやや鄙び湯治旅館の雰囲気が残っている。本館の先には廊下があって、奥に2つの男湯があった(もしかしたら時間帯で男女入れ替えがあるかもしれない)。
特徴の異なる2つの内湯
熱々の木造風呂(大)
まず一番奥の男湯へゴー。扉を開けると誰もいない。電気は消えていた。節電のため各自でオン・オフするようだ。独り占めだぞとほくそ笑んでいると、すぐにおじさん1名がやって来た。まあ人気の温泉地だし、そうそう独占はないか。壁の上の方に分析書が貼ってあって、文字が読み取りにくいのだが、弱アルカリの単純泉と書いてあるように思われる。
浴室は洗い場と6~7名規模の木の浴槽が1つ。注がれる源泉は無色透明。浴槽のへりに足を踏み入れると、木とあふれ出るお湯とのコラボ効果でツルッと滑りそうになるので要注意だ。
中に入ると…あちい! とんでもなく熱いぞ。前夜体験した鶴の湯の黒湯風呂で味わったヤバい熱さを思い出す。なんとか1分+休憩をはさんでもう1分、と挑戦したけど、もう限界。逃げました。
ぬるめの石造風呂(小)
続いて手前にあるもう一つの男湯へ。こちらも誰もいない。脱衣所と浴室は最初の男湯よりふた回り小さかった。分析書には単純硫黄泉とあった。こちらは石造りの浴槽でお湯は無色透明。ありがたいことに適温~ややぬるめのやさしい系。自分好み。じっくりつかるには良さそうだ。ふぅぃー、ほっとするわー。小さめの浴槽だけど一人だから全然余裕でのびのびできる。
けっきょく最後まで誰も入ってくることはなかった。平日の午前だったからかな。こうして独占状態で静かに入れるなら、ここが蟹場のメインコンテンツだとしても満足できそう。長湯したいところだったが、気を取り直して本来のメインコンテンツである露天風呂へ向かった。
野趣あふれる癒やしの露天風呂
山道を通って露天風呂へ
いったん玄関で自分の靴を手に持ち、ロビーの左手から「唐子の湯」の案内に沿って進むと、本館の裏口で靴を履いて外へ出ることになる。両側に草と木が迫る山道かと思うようなアプローチを50mほど歩いた。急に視界がひらけて大きな露天風呂が見えてきた。(一応混浴なので)さらっと見渡してチェックすると人の気配なし。よっしゃあ独占だ。
自然の中で味わう特別な時間
脱衣所は男女に分かれている。本館の案内板には「↑重曹泉」と書いてあったが、分析書には「単純硫黄泉」とあった気がする。でもネットで調べると「重曹炭酸水素泉」という記述も多いし…だんだん自信がなくなってきたぞ。まあ重曹泉気味の硫黄泉ってことで。石組みの露天風呂は10人以上が来ても余裕の大きさ。お湯の感触は小さい方の内湯と同様。微かに硫黄臭がする。温度も適温~ぬるめで入りやすい。ほっとするわー。アプローチの道に対して目隠しとなる柵が一部に立てられており、ご婦人方はここにいるといいよ的な一角になっている。
周囲は山林と沢。風呂が自然の中にすっぽり収まっていて非日常感・別天地感は申し分ない。広い浴槽内を意味もなくあちこち行ったり来たりして、癒やし効果満載のお湯と環境を独り占めするという極上の時間をじっくりと味わった。なんという贅沢。
さすが温泉めぐりだ、なんともないぜ
そうこうするうち、十分満足したのもあるし、帰りのバスの時間が気になってきたのもあるしで、次第にそわそわしてきたため、もう潮時だろうと上がることにした。あとはバスの発車時刻まで、館内の椅子に腰掛けて水分補給しつつまったり過ごす。やがて雨音が強くなってきて、見る間に土砂降りの惨状。だが…ふはははは! いくら降ろうが関係ないぜ。今日は散策系のアクティビティにしなくて大正解。温泉めぐりは強いとあらためて認識した次第。
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